「ジェットマンの真の力、確かに見た・・・!次は、俺の真の力を見せてやる!」(第50・最終話)
データ
身長 | 97m |
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体重 | 5000t |
登場話数 | 第48話「死を呼ぶくちづけ」、第50話「それぞれの死闘」、第51話(最終話)「はばたけ!鳥人よ」 |
概要
物語最終盤、突如ジェットマンの前に現れた銀色の巨大怪獣で、本作のラスボスに当たる。
長く伸びた首と、両手に備わったノコギリのような1対3本の爪が特徴で、その爪や伸びる舌、それに噛みつき等、繰り出す攻撃は凶悪なまでの威力を発揮する。
しかしそれ以上に最大の武器と言えるのが、その桁外れの防御力である。その身体はジェットイカロスのバードニックセイバーはおろか、イカロスハーケンのジェットフェニックス、果てはグレートイカロスのバードメーザーでさえも、真正面から難なく跳ね返す(※)だけの頑強さを備えており、正攻法でこれに傷をつけることはほぼほぼ不可能といっても過言ではない。
このように初期状態においては、「惑星よりでかい」だとか「完全な不老不死」だとか「他の怪人やヒーローの有する全能力を使用できる」だとか「攻撃規模が銀河単位に及ぶ」だとか「あらゆる物体を時間さえも残らず食い尽くす」だとか「万物を溶かし去る」だとか言った、特殊な能力は全く何ひとつ持ち合わせていないにもかかわらず、フィジカルの強さだけでジェットマンを苦しめた異色のボスとも言える。
後述の「弱点」が偶発的に生じなければ、本来の状態のラゲムにジェットマンは決定打を与えられず、全滅させられていた可能性が高いことから、ファンの間ではスーパー戦隊シリーズのラスボスの中でも、最強クラスに挙げられることが多い。
デザインは野口竜が担当。後述の第二形態をまず先にデザインした上で、そこからの引き算として第一形態を考案。頭部のみの差し替えによって対応できるように意図したものとなっている。
足回りは腿の後ろから伸びるパーツと、踵が三角形を描くように繋がった構造となっており、ラゲムの異形ぶりをより強調している。野口自身もこのような構造では、所謂ナチ式(ガチョウ足行進)で動く他なく歩きにくいだろうということは念頭にあったものの、デザイン的にやってみたかったものとして敢えてその点は無視したと後に述懐している。
(※ 同様にバードメーザーを難なく防御してみせた魔神ロボ・ベロニカも、その際には左手にバリヤーを発生させて攻撃をしのぐ必要があったことからも、一切の受け身を取ることなく跳ね返したラゲムの防御力が如何に桁外れであるかが窺えよう。)
正体
初登場の際、その頑強ぶりでジェットマンの攻撃を一切受けつけず、逆に爪による刺突でグレートイカロスを貫いて圧勝したラゲムであるが、この時点ではその素性も行動原理も、一切が謎に包まれた存在であった。
ラゲムの正体が明らかにされたのは、それから間もないラディゲとの最終決戦でのことである。記事冒頭に示した台詞の通り、ジェットマンの真の力である等身大ジェットフェニックスでダメージを受けたラディゲは、今度は自らが隠し持っていた「切り札」――即ちラゲムとしての姿を露わにし、ジェットマンの前に最後の敵として立ちはだかったのである。
実のところこの姿は、元来ラディゲに備わっていた能力による変身ではなく、魔神ロボベロニカの体内に囚われて生体エネルギーを吸われそうになった際、逆にそのエネルギーをラディゲが取り込んだことで得たものであった。ラディゲにとっても当初はイレギュラーな力であったため、初めての変身もラディゲの意志とは無関係に引き起こされ、グレートイカロスに勝利しながらも止めまでは刺さなかったこともそのためである。
前述した凶悪なまでの強さも、パワーアップ以前より強敵であったラディゲの強化形態ということを考えれば納得できるものであり、最終決戦において二度目の変身を果たした際には、その力を我が物とした証のように胸部に凶獣ラディガンの顔が浮かび上がり、これを介して言葉も発するようになった。
ここでも初戦と同様にジェットイカロス、そしてグレートイカロスを全く寄せつけない強さを発揮したのだが・・・ここで助太刀に入ったテトラボーイの背後からの一撃により、思わぬ事実が明るみに出ることとなる。
アコ「見て!あいつの背中!」
小田切長官「巨大化したせいで、傷口が広がったのね! みんな、あそこを集中的に・・・狙うのよ!!」
前述の通り、あらゆる攻撃を寄せつけない頑強な身体の持ち主であるラゲムだが、この時のラゲムは初戦の時とは一点だけ状況が異なっていた。
それは「リエにつけられた、背中の傷が存在する」(第49話より)ということ。不意を突かれたとはいえ致命傷にすらならなかったこの刺し傷が、ここで期せずしてジェットマンに反撃の糸口を与える格好となったのである。しかし事態はそう簡単には運ばず、さらに絶望的な状況を迎えることとなる・・・。
第二形態
「墓穴を掘ったようだな、ジェットマン。これで我が聖なる体は完全無欠なものとなった!!」
背中の傷への攻撃に対処すべく、ラゲムがバイラムの本拠地である魔城バイロックを召喚し、これを鎧とする形で一体化した姿。
この形態では弱点となっていた背中も保護される他、ラディゲの兜が変化したような外殻によって頭部が完全に覆われ、さらにバリヤーを展開させることも出来る等、今度こそ隙のない堅牢さを獲得した。また身体から伸びる触手の一部には、強化前の武器であった秘剣ブラディゲートが一体化している。
傷を隠すための形態変化ではあるものの、バイロックの力も合わさり攻撃の面でもさらなる強化が図られ、頭部の上へと伸びる外殻の先の球体からは、破壊光線や拘束用の光の糸を放つ他、両肩からは切断力に優れた光輪を繰り出すこともできる。
また衝撃波を発生させ、無数の巨岩を相手にぶつけることも可能であり、ここまで来ると背中の傷にダメージを与えるどころか、近寄ることさえも困難という絶望的な状態となっている。
合体後、破壊光線で2大ロボを蹴散らし、さらに向かってきたテトラボーイを拘束して光輪で両腕を落とし機能停止に追い込んだ上、バードメーザーもバリヤーで無効化する等完全に優位に立ったかに見えた。
が、ここで竜の一か八かの判断によりグレートイカロスは合体を解除、ラゲムも衝撃波からの岩石攻撃でジェットイカロスの左腕を落とすが、その間隙を縫って竜が単独で操縦するジェットガルーダの一撃が決まり、鎧を破壊された上正面から羽交い締めにされてしまう。
竜「バードニックセイバーでラディゲを! みんな、背中の傷を貫くんだ!!」
小田切長官「そんなことをしたら竜、あなたまで!」
竜「俺に構うな! みんな、早く!」
雷太「どうすりゃいいんだ!?」
竜「やるんだ、凱! 全人類の・・・いや、俺達の未来が懸かってるんだ!!」
凱「・・・お前の命、俺が預かった!!」
ラゲムの身動きを封じ、自らの命をかけて勝機を作り出した竜の覚悟に応え、凱達の乗るジェットイカロスが繰り出したバードニックセイバーの刺突がジェットガルーダ諸共背中の傷を貫き、無敵かと思われたラゲムも致命傷を負ってしまう。
「これで・・・このラディゲを倒したつもりだろうが、俺の魂は・・・裏次元から永遠に貴様達を呪い続けるだろう!」
ジェットマンに対する呪詛めいた言葉を残し、ラゲムはジェットガルーダもろとも爆発、壮絶な最期を遂げるに至った。竜もこれに巻き込まれたかに思われたものの、爆発の直前にレッドホークに変身し、辛うじて脱出に成功した。
・・・そして死闘の跡に残されたのは、主を失ったラディゲの兜のみであった。
関連タグ
銀河超獣バルガイヤー、エグゾス・スーパーストロング、絶対神ン・マ、無間龍:ラゲムと同様に、スーパー戦隊シリーズにおいて最強候補に挙がるラスボス達。前二者に関しては「戦隊の通常戦力だけではどうにもならず、外的要因抜きでは倒せなかった」という共通項も有する
ラディッツ(ドラゴンボール):羽交い締めにされた状態で、味方側を巻き添えにする形で倒された点で類似。
銀河超獣バルガイヤー←ラゲム→大サタン/ドーラタロス