血のヒトデ
ちのひとで
寄生した相手を、人間の血を渇望する体質へと変化させる性質を持ち、これに取り付かれた相手は人間の血を吸う過程で己の心を失い、やがて魔獣へと変貌してしまう。また、自らの身体を増殖させ他の人間に寄生することも可能であるようで、作中でも後述の通りマリアから離れた血のヒトデが、竜に寄生して彼を禁断症状に陥らせている。
トランザの脱落後、マリアがジェットマン打倒への執念を募らせさらなる強さを求める中、ラディゲは記事冒頭に示した台詞とともにこの血のヒトデを与えたのだが・・・当然ラディゲがただ単に彼女に力を貸すはずもなく、その裏では前述した「血のヒトデの性質を利用してマリアを自らの操り人形に仕立て上げ、永遠にその手中に収めようという目論見があった」のである。
そうとも知らず、血のヒトデに寄生されたマリアは一般の女性へと姿を変え、男たちの血を次々に吸うことで次第に心身共々変貌を遂げていき、その様を見るに見かねたグレイからの忠告にも耳を傾けなくなってしまう。
さらにその過程で、偶然にも凱の血を吸おうとして正体を看破された後も、駆け付けた竜を相手に魔獣と化した自らの姿を見せつけ、さらには戦いの中でリエの姿に戻って油断を誘ったところで、血のヒトデを竜に寄生させて自身の奴隷に仕立て上げたのであった。
血のヒトデに取り付かれた竜は、何食わぬ顔でスカイキャンプへと帰還し、グレートイカロスの修復に当たっていた香の血を吸おうとするが、すんでのところで小田切長官と凱によって静止され、独房にて拘禁されることとなる。分析の結果、血のヒトデが竜の異変の原因であることまでは突き止めたものの、小田切をもってしてもこの状況を打開することは叶わず、竜が禁断症状を乗り越えるという一点に賭ける他ない有様であった。
一方で、さらに魔獣化が進んでいたマリアによる被害はこの間にも発生しており、グレイからの頼みもあってこれを止めるべく凱、雷太、アコの3人が出動する中、竜のことを託された香は独房へ入って必死に竜の心に訴えかけ、それが功を奏してか禁断症状を乗り越えた竜の身体から血のヒトデが分離。そこを狙った小田切のビークスマッシャーの一撃により、竜に取り付いていた血のヒトデも撃ち落とされた。
そしてマリアに取り付いていた方の血のヒトデも、正気を取り戻し後から駆け付けた竜の捨て身の行動と、口づけと共に発した変わらぬ想いを受けたことで、微かに残っていた人間の心が呼び起こされ混乱を来したマリアの身体から分離してしまい、その隙を逃さず竜のブリンガーソードによって叩き斬られたのであった。
血のヒトデの消滅と竜の働きかけにより、マリアも再び元のリエへと戻り、ここにようやく竜との再会を果たすのだが・・・束の間の再会を喜ぶ暇も、この2人には与えられなかったのである。
肉の芽:『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するアイテムの一つ。人間の身体に寄生し、ある程度の自由意志を残しながらもその造物主の意のままに操られる手駒に仕立て上げる他、条件によっては寄生先の人間を自意識を失った怪物に変貌させるなど、血のヒトデと近似した性質を備えている