ラディゲ「跪け!我等は、あらゆるものの始まりと終わりを支配する者、すなわち神。跪け!跪け!我等はあらゆる次元を支配する者、すなわち神。『バイラム』!!」(第1話)
概要
「あらゆるものの始まりと終わりを支配する神」を名乗り、裏次元を征服した謎の武装集団。
裏次元侵略戦争のさなかで首領が不在となり、地球に現れたときは3人の幹部がいたが、マリアを引き入れて4人となった。
地球侵略にあたり、「ジェットマンを倒した者がボスになる」というルールを決め、ゲーム感覚で攻撃してくる恐るべき組織である。
スーパー戦隊シリーズでは初めての次元系の敵組織である。
組織
首領
女帝ジューザ |
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裏次元侵略戦争で行方不明になっていたバイラムの首領。 |
幹部
裏次元伯爵ラディゲ |
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歪んだヤドカリの殻のような兜と、異形の鎧を身にまとったバイラム幹部で、4幹部の実質的なリーダー。 |
バイラムの戦力
次元虫 |
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地球上のあらゆる物体に取り憑き、次元獣を誕生させる卵生の異次元生物。 |
バイオ次元虫 |
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マリアが超能力で生み出した、次元虫に地球上の全生物の遺伝子を付加させてバイオ次元獣を生み出す虫。細胞に2つの核を持つ不完全生物で、繁殖はできない。 |
魔獣セミマル |
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「その力は一瞬にして大地を割り、天を焦がす」といわれる究極の破壊獣。 |
三魔神 |
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本作における敵対勢力の一つで、太古の昔より地球に存在していた、人類にとっては天敵とも言うべき謎の魔物達。 |
トマト大王 |
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心のトラウマを引き出す異次元生命体メタモルが、雷太の心に反応して実体化したもの。 |
バイラムの強さ
大星団ゴズマや銀帝軍ゾーンなどと比べると組織規模はだいぶ小さいが、幹部・怪人の個々の戦闘能力が高く、裏次元は女帝ジューザと幹部3人(表次元への侵攻前だったため、当時はマリアは不在。ただし既に戦死した他の幹部が存在していた可能性もある)の手で制圧され、ジェットマンも毎回総力戦を強いられる。当初はジェットマン打倒の企てをゲーム感覚で楽しんでおり、「お前達が強ければ強いほど我等のゲームは面白くなる」という余裕を見せた。
天堂竜の恋人を洗脳し、マリアとして幹部に迎え入れたり、アコが大切にしてきたプータンを踏み躙ったりと、戦隊メンバーの精神をも苦しめてきたことからも、その強さが決して力押しだけに止まらないことがいえる。
最大の弱点は団結力と協調性の低さ。ジェットマンを倒した者が地球を支配するというルールで競い合っていたということと、幹部全員が首領であるジューザを煙たがっていた(戻って来たジューザに再度従うことに対してトランが嫌に大人びた態度と雰囲気で露骨に難色を示していた)ことからも窺える。このため何度もジェットマンを倒すチャンスを逃した。
ただし、ジューザを排除したことを別にすれば、前半は幹部の団結力が無いといっても「各人バラバラで作戦を遂行し、協力し合わない」「互いの失敗を嘲笑し合う」といった程度に止まっている。露骨に足を引っ張り合ったり、まして相手を亡き者にしようとしたりするまでは行かなかった。このレベルの抗争が本格化するのはトランザが登場してからである。
最後は、次第に結束していったジェットマンに対し、ラディゲやトランザの露骨な妨害合戦や、マリアやグレイのもつれた感情によって、次第に組織は瓦解していった。
この団結力の無さが、本編・『時を駆けて』の両方でバイラムの命取りとなっていくことになる。
余談
本編の作劇の都合から、テレビシリーズに登場した次元獣・バイオ次元獣は合わせて30体ほどと当時にしては一般怪人の数が少なかった。この傾向は続くバンドーラ一味のドーラモンスター、ゴーマ族のゴーマ怪人にも踏襲されている。
トルコの祝祭日のことをバイラムという。
関連タグ
鳥人戦隊ジェットマン
脳人:メインライターの井上敏樹氏が31年後に手掛けた『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の敵組織。人間とは別の次元から来た存在で、幹部の3人が顔出しかつうち一人が女性という共通点がある。また途中でもともといたメンバーより上位の存在(ジューザやトランザに該当する)が参入して他のメンバーに煙たがられる、という点も同じだが、ジューザやトランザとは正反対の結末を辿った。
デルザー軍団:「ヒーローを倒した者がリーダーになる」「チームワークが壊滅的に悪い」が共通している仮面ライダーシリーズの敵組織。
スーパー戦隊シリーズの敵組織の系譜
銀帝軍ゾーン←次元戦団バイラム→バンドーラ一味