概要
物語後半より次元戦団バイラムが使役する、改良型の異次元生物。
三次元侵攻がジェットマンのために遅々として進まず、さらに彼等が戦力増強を果たしたのを受け、それに対抗すべくマリアが既存の次元虫に強化改造を施し、誕生させたもの。
改造に当たり、地球上の全生物の遺伝子が組み込まれたことで、外見も次元虫から大きく変化し、クリーチャー然としたものとなっている。また以前の次元虫が有していた「様々な器物に寄生し変化させる」という特性を受け継いだ上で、さらに前述した地球上の生物の遺伝子をも付加することで、寄生した器物を次元獣の強化型に当たる「バイオ次元獣」へと変化させることができるようになった。バイオ次元獣の核として、一定のダメージが及んだ場合にその身体を巨大化させる等といった性質も以前通りである。
後にラディゲが三魔神を自らの下僕にしようと目論んだ際、傷ついた魔神ゴーグの体内にバイオ次元虫をあらかじめ複数忍ばせておき、そのゴーグと魔神ラモンが合体しようとした隙をついてラモンにバイオ次元虫を取りつかせることで、目論見通り合体したラモンを操り人形に仕立てることに成功している。このことから器物だけでなく、他の種族・生物に対してもバイオ次元虫の持つ特性が働くことが示されている。
他方で、バイオ次元虫への改造は単純な戦力増強としては一定の成果を上げた一方、必ずしも単純な「改良」とは言えない側面も露呈する格好となった。
というのもこのバイオ次元虫、遺伝子合成の影響によって細胞内に2つの異なる核が併存する状態となっており、その影響で「次元獣とは異なり繁殖の利かない、一代限りの不完全な合成生物となっていた」ことが、後に第38話でジェットマンによって捕獲・調査された際に明らかにされている。そうした事情もあってか、物語終盤の比較的早い段階でバイオ次元獣も作中に登場しなくなっている(※)。
(※ 放送当時に刊行された雑誌『B-CLUB』では、「最後はバイオ次元虫が底を尽いてしまったため、バイラムは異次元生命体メタモルを繰り出してきた」という裏設定が語られている)
備考
デザインは次元虫と同様に野口竜が担当。蜘蛛をモチーフに、カブトガニの雰囲気も加味したデザインとなっており、同時にアメリカのSFホラー映画『遊星からの物体X』に登場するスパイダーヘッドのような、「得体の知れない生き物が暗闇から突然現れ、素早く這いずり回って通り過ぎる」イメージも念頭に置かれていることが示唆されている。
関連タグ
鳥人戦隊ジェットマン 次元戦団バイラム バイオ次元獣 巨大化
氷雪のユウゼイクス:『天装戦隊ゴセイジャー』に登場する敵怪人の一体。バイオ次元虫と同様に『遊星からの物体X』をイメージしたキャラクターであり、こちらはネーミングや能力にそのイメージが反映されている