登場話数:第35話「鳩がくれた戦う勇気」
概要
産業廃棄物のドラム缶に、バイオ次元虫が取り付き誕生したもので、直立歩行のネズミの背中と胸にガスボンベが融合した奇怪な姿が特徴。ボンベの中身が毒ガスであるためか、ボンベと身体との境目がドロドロに溶けかけている点や、四肢に備わった黄色いプロテクター状の部位もまた、見た目的な毒々しさを強調するものとなっている。
当然、口から吐き出す毒ガスもまた、見た目に違わず極めて強力な毒性と溶解性を備えており、ジェットマンのバードブラスターまでも容易に溶かしてしまう。とはいえこの毒自体は、元となった産廃の時点から既に科学的な処理ができないほどの毒性を有し、投棄された池の周辺を著しく汚染する程であった。そんな人間の科学の負の側面ともいうべき産物を侵略に利用しようとするバイラムによって生み出された、この毒ガスネズミはまさしく「人間の業が生み出した怪物」といっても過言では無い。
生命力も高い方で、身体を欠損するようなダメージを負った場合でも、元になった産業廃棄物を食べる事によって元通りになる再生能力まで備えている。
作中での動向
とある池の底に不法投棄された、産廃入りのドラム缶から漏れた毒液が池の水を汚染し、周囲の草木までも枯らして行く様を目の当たりにしたラディゲは、これを利用すべくバイオ次元虫をドラム缶に寄生させ、毒ガスネズミを誕生させる。
「奴等には・・・自分で自分の首を絞めてるのが分からないのか?」
かくして生み出された毒ガスネズミは、市街地で毒ガスの散布に及ぼうとするが、そこへ飛来した鳩のパルによって妨害され、さらに通りかかったアコによってパルへの反撃も阻まれてしまう。
遅れて竜達も現場に駆けつけ、変身したジェットマンと相まみえる毒ガスネズミは、口からの毒ガスでバードブラスターを溶かすなど猛威を振るうも、レッドホークにブリンガーソードで腕を斬り落とされ、その場からの撤退を余儀なくされた。
その後、毒ガスネズミは産業廃棄物を食べ、落とされた右腕を再生するなど池の底にて傷を癒やしていたが、この間毒ガスネズミの探索に当たっていたアコと、パルを介して知り合った入院中の少女・恵里が、偶然件の池の近くを訪れており、それを察知した毒ガスネズミは池に近づいた恵里を急襲、助けに入ったアコのクロスチェンジャーを弾き飛ばし、さらには毒ガスの噴射で目潰しにかかるなど、2人を窮地に追い込んでみせた。
この直後にラディゲが現れ、市街地の攻撃を再開せよとの命令を受けたため、その場をラディゲに任せて立ち去るが、アコと恵里を始末しようとしたラディゲはパルとその仲間の鳩達の乱入を受けた末に池に転落。そのためにアコ達は難を逃れ、毒ガスネズミ自身も彼女による捕捉を受けるに至る。
ジェットマンとの再戦では、毒ガスの影響で視力を失いかけた状態のブルースワローを苦戦させるも、ビークスマッシャーのモーションチェイサー機能により手痛い一撃を食らった上、他の4人も合流したことでスマッシュボンバーを喰らい撃破されてしまう。
その後も巨大化しジェットマンに迫る毒ガスネズミであったが、一連の戦いを見届けていた恵里からの「一緒に戦いたい」との頼みを受け、ブルースワローは彼女と共にジェットスワローに搭乗。依然目の見えないブルースワローが恵里のナビゲートによってウイングカッターを命中させてきた上、合体したジェットイカロスの猛攻により圧倒されてしまう。
毒ガスでバードニックセイバーを溶かすなど、なおも抵抗を見せるも最早焼け石に水でしかなく、レッドホークに呼び出されたテトラボーイによって散々に翻弄された末、ブルースワローにレバーを押させた恵里の手で繰り出されるテトラバスターによって敢え無く消し飛ばされたのであった。
備考
デザインは野口竜が担当。前述したガスの影響で身体が溶けかけている点も含め、「モロに素材をそのまま出した感じのデザイン」であると後に振り返っている。また、デザイン画稿においては「指先からガスを噴射する」との注釈が付記されてもいるが、実際の映像作品での描写は前述の通りとされている。
関連タグ
ゴミジゲン:毒ガスネズミ以前に、同様に産業廃棄物から生み出された次元獣の一体
ドクガスイタチ:『科学戦隊ダイナマン』に登場する敵怪人の一体。こちらもモチーフに「害獣」と毒ガスを含んだ戦隊怪人という点で共通しているが、毒ガスの出処や効果については多分に相違したものとなっている
ヘドラ:『ゴジラシリーズ』に登場する東宝怪獣の一体。廃棄物から生まれた怪物の大先輩に当たる存在でもある
トラッシュ・ドーパント:『風都探偵』に登場する敵怪人の一体。毒ガスネズミと同様に、ゴミを体内に取り込むことで再生するという能力を有する