「ジェットマン、罪を償え。僕を、僕を馬鹿にした罪だ!」(第36話)
プロフィール
概要
強力な念動力、それに瞬間移動等多彩な能力を行使し、そのコントロールは右腕に装着したキーパッド「メタルトランサー」によって行われる。また超能力を行使する際には、普段からかけているゴーグルを展開させ、その素顔を現す。
ゲーム感覚で作戦を立案し、相手の被害はおろか、味方の犠牲等ですら「ゲームを楽しむためだけの要素」と捉えるなど、外見相応の稚気と冷酷さが同居した気質の持ち主でもある。そうした気質故に、「ジェットマンを倒した者がバイラムの頂点に立つ」という、地球侵略に際してのルールも考案しているが・・・後にこれは成長した自身によって反故にされており、ひいてはトランの身の破滅にも繋がることとなる。
一方で年少の子供であるが故に、事ある毎に侮られることも少なくはなく、それに起因してある種の劣等感を抱えてもいる。物語後半、第36話でもアリバズーカによる「アリ人間」作戦を決行、仲間や一般人を盾に取る形でジェットマンに対しても優位に戦いを進めてみせることで、他の幹部を見返さんと目論んだ。
・・・のだが、ここでもレッドホークから「バイラムといえども、相手は子供だ!」と、子供ゆえに情けをかけられるという屈辱を味わい、これに逆上したトランは記事冒頭に示した台詞と共に、自ら人質を手放すような行動に及んだ結果、途中まで上手く進んでいた作戦も敢え無く頓挫してしまう。この自業自得も同然な失態により、他の幹部を見返すどころか逆にその幼稚さを蔑まれたトランは、それまで抱え込んできたコンプレックスを一気に爆発させるに至った。
「見ていろ! 今に見ていろ! 僕の・・・僕の怒りが成長を早める!」
そしてその言葉通り、怒りに燃えるトランは人知れず恐るべき存在へと急成長を遂げたのである・・・。
備考
デザインは野口竜が担当。デザインの段階では誰が演じるのか分からなかったことから、「とにかく小さいけど悪いヤツ」ということが念頭に置かれている。髪型についてはディップによって逆立てることも想定されていたが、ヘアセットがうまく行かず実現しなかったという。
特徴的なゴーグルの開閉については、後ろからワイヤーを引っ張ることで開くようになっており、当時助監督として参加していた竹本昇がこれを担当していたという。
演者の久我は、子役としての活動を始めたばかりの頃の出演であり、本作以降も東映特撮に複数ゲスト出演の経験を持つ。また、役柄上では対立する関係であったトランとラディゲであったが、その演者である館大介とは撮影中共に過ごす時間が多くあり、非常にかわいがってもらったことを後に語っている。
トランが作中で急成長することは、久我にも途中で告げられたらしく、それを聞いた久我も「悪役とはいえヒーローが子供を倒す描写はできない」故の配慮(※)と理解していたものの、後に成長したトランが予想していたものの遥か斜め上をいく壮絶な末路を迎える様を本放送で見届けた際には流石に「ショックを隠せずにテレビの前で愕然とした」という。
こうした顛末については久我も考えるところがあったのか、後年自身のブログのプロフィールにおいて11歳の頃、即ち本作出演時の頃について触れた箇所に「てか、子供のままで戦いたかった」と記してもいる。
(※ 実際の意図についてはトランザの記事を参照。皮肉なことに翌年以降2作に亘って、子供のままで最期を迎えた少年幹部が連発することとなる)
関連タグ
???:本編36話のラストにてトランが急成長した姿。