ハト科
はとか
全て植物食で体に比べて頭が小さく、胸骨、胸筋が発達してずんぐりとしている。
又、頭を下にしたまま水を吸い上げて飲む事が出来るのが特徴。
ハトは常に地面をつついているが、これは地面の小石や砂を取り込んで、消化器官の一つである砂嚢に貯め込み、餌をすりつぶす為である。
ハトは素嚢の内壁から分泌される素嚢乳によって雛を育てる。
素嚢乳は雄雌共に分泌し、蛋白質と脂肪分の含有率が非常に高く、動物性の餌を与える必要がない為通年繁殖出来る。
代表格であるハトを事例に素嚢乳をピジョン・ミルクと呼ぶが、同様の物はフラミンゴ等にも見られる。
特筆すべき帰巣本能の持ち主として知られ、カワラバトを品種改良した伝書鳩は、その性質を利用して遠距離通信に用いられる。
通信機器が未発達だった時代には情報の伝達手段として伝書鳩は重要な存在だった。
知能や学習能力も高く、絵や模様、音楽等を聞き分ける事が出来るとされる。
マジックで使われるのは小鳩(コバト)と呼ばれる改良品種で、一般的なハトより一回りほど小さい。
一般的に想起される白いハトもこの小鳩である事が多い。
英語では羽毛が灰色のものをピジョン(Pigeon)、白いものをダヴ(Dove)と呼び分けている。
ベトナム語で鳩は「チンポコ」と発音する。
深い意味はない、深い意味はない。
由来
「ハト」という名前は飛び立つ時の羽音に由来する。
又、漢字の「鳩」は「クック」と鳴く所から「九」と「鳥」を合わせたといわれている。
平和の象徴(?)
平和の象徴とされるのは旧約聖書に由来する。
ノアの方舟の話において、一羽のハトが箱舟に平和の象徴であるオリーブの枝を持って降り立ち、洪水の終焉を告げたという。
聖書においてハトは神の使いとして登場する事が多い。
同じく洪水の神話であるシュメール人による『ギルガメシュ叙事詩』にも、洪水後に探索の為ハトを放したというエピソードが出てくる。
これは八幡宮が全国に伝播する際、ハトが道案内を務めたという伝説があり、又、ハトは「土地を安んじる」とされた為でもあるが、ハトの闘争心にモチーフが求められたとも言われる。
都市部の公園等で見かけられるカワラバト(ドバト)は警戒心、縄張り意識が強く、余所者を決して許さない。
又、気性も荒い為同種同士での殺し合いも行う。
特に一年中繁殖出来る事も手伝って、交尾の相手を巡る争いも絶え間ない。