ラディゲ「見たか!ヨロイスネークに取り憑かれた者は心を失い、悪魔と化すのだ!」
登場話数:第29話「最後の戦い」
概要
とある骨董屋に置かれていた武将の鎧兜を元に生み出された個体で、その厳つい見た目とは裏腹に体内は空洞となっている。それもそのはずで、ヨロイスネークはその空っぽの体内に素体となる人間を取り込むことで本領を発揮するという、所謂リビングアーマーに近い性質の持ち主なのである。
人間を取り込む際には自らの一部である装甲を切り離し、これを対象に取り付かせることにより、その動きをコントロールすることも可能である。コントロールは頭部の蛇の頭が司っているようで、人間を取り込んだ後も意識を完全に支配して自らの意のままに操るが、同時にこの蛇の頭こそが最大の弱点ともなっている。
作中では、かつてラディゲが全滅させた裏次元の一つ・ベルセルクの生き残りの持つ「手にした物を武器に変える」能力を利用すべく投入され、その片割れであるデュランを取り込むことで、彼等の事情を知っていたジェットマン相手に優位に戦いを進めた。
見ようによっては、取り込んだ人間次第で戦闘能力が左右されそうな特性持ちとも言えるが、取り込んだ後に面頬として機能する顔面の舌からはビームも発射できる等、ヨロイスネーク自体にも相応の攻撃手段は備わっている。
作中での動向
バイロックの次元レーダーに、かつて自身が滅ぼしたベルセルク人の生き残りの反応が感知されたのを知ったラディゲは、これを始末すべく自ら出撃。グリナム兵の一団と共に生き残りの片割れであるルーを追撃するが、彼女も自らの能力で辺りの物体を武器に変えて応戦し、逆に追い詰められるに至ったラディゲはこれを利用すべく方針を転換する。
当初ラディゲは自らの姿を自在に消し、復讐に駆られ見境のなくなっていたルーの攻撃で市街地を破壊させるよう仕向けていたが、それに飽き足らず駆けつけたジェットマンにルーをぶつけることで同士討ちを狙い、さらにジェットマンに保護されていた彼女のパートナー・デュランが復讐の無意味さを説いて制止しようとするのを見て取るや、ヨロイスネークを生み出してルーを完全に支配下に置こうと目論む。
かくして誕生したヨロイスネークは、自らの右手と左脚を飛ばしてルーに寄生、これを取り込もうとするが、デュランがこれを外そうと駆け寄ってくると矛先を変え、デュランを取り込んでその意識を完全に支配した上で、そばにあった木の棒を剣に変化させてジェットマンとルーに襲いかかり、ルーをかばったレッドホークに瀕死の重傷を負わせたのであった。
その後もラディゲに命じられるまま、デュランを探していたルーの前に現れるとこれを始末しようとするが、すんでのところで彼女の「自らの能力を手放すことで命を分け与える」特性で命を救われた竜や、他の4人に阻まれ再度干戈を交えることとなる。
激しい剣戟を展開しながらも、ルーの悲痛な制止もあって思うように戦えないレッドホークを相手に優位に戦いを進めるヨロイスネークであったが、一連の戦いを通してリエとの悲劇を追想したレッドホークは、これ以上自分のような思いを他人にさせまいと決意。そして敢えて武器を捨てて虚を突くことで、ヨロイスネークに組み付きその動きを封じると、デュランを操っているのが兜の上の蛇であると看破し、これを他の面々に攻撃させるという捨て身の戦法に及んでみせた。
果たして、狙い通りブラックコンドル、イエローオウル、ブルースワローの3人はバードブラスターの一斉射撃で兜の上の蛇を狙い撃ち、そのダメージでヨロイスネークはバラバラに四散。取り込まれていたデュランも無事救われたのであった。
備考
デザインは野口竜が担当。頭が蛇で胸も蛇と、先に登場したジクウマンモスと同様にモチーフの要素をこれでもかと盛り込む姿勢が通されており、野口自身もその点は『デンジマン』や『サンバルカン』の頃と基本的には同じと語っている。
関連タグ
※最終回ではありません:実際に『ジェットマン』の物語自体はこれ以降も続くが、一方で同話数のゲストであるルーとデュランにとっては正しく「最後の戦い」であり、決して看板に偽りなしという点がミソと言える
ヨロイドグラー、ヨロイヅノー、ヨロイボーマ、怒涛武者:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、「生きた鎧」としての特性を持つ戦隊怪人達
ドゴルド:『獣電戦隊キョウリュウジャー』の登場人物の一人。ヨロイスネークと同様に鎧が本体で、人間を取り込み本領を発揮するという特性の持ち主であるが、一方でこちらは幹部格のキャラクターであるという相違点も有する
ドーラスフィンクス:『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場する敵怪人の一体。こちらも頭の蛇が弱点という共通項を備えている
ダークネスト:『スター☆トゥインクルプリキュア』の登場人物の一人。ヨロイスネークと同様に緑色の蛇の鎧に身を包んだ出で立ちをしているが、こちらは特に鎧が本体という訳ではないという点で相違している
デュランダル:『ローランの歌』に登場する剣で、ルーとデュランの名前の由来になったのではと指摘する向きもある