「君はなぞなぞが好きなようだね。ファンファーレ!」(第5話)
登場話数:第5話「怖~いナゾナゾ」、第6話「立て!!大獣神」
概要
スフィンクスをヒントに作られた個体であるが、原典とは逆にライオンに似た容貌と、人間に近い身体とを持ち合わせており、頭のネメス頭巾を始め灰色の身体の至るところに、古代エジプトを思わせる装身具が多数配されているのも外見上の特徴となっている。
人間の姿に化けることもでき、こちらも本来の姿と同様にネメス頭巾を被りつつも、派手目のタキシードと蝶ネクタイが目を引く、クイズ番組の司会者の如き出で立ちをしている(オープニングクレジットでは「へんな男」と表記)。
主要な能力として、人間の姿で対峙した相手になぞなぞを出し、それに間違うと正体を現して「お前のような出来損ないは飛んで行ってしまえ!」と背中から生えている巨大な翼をはためかせて相手を吹き飛ばす。吹き飛ばされた相手は木の中へと閉じ込められ、自力での脱出はおろか身動きすら取れぬ状態に陥ってしまう。
この他にも、手にした?型の杖から同形状の火炎弾を連射する他、ティラノレンジャーとの一騎打ちにもつれ込んでも互角に渡り合うなど、単純な戦闘能力も決して低い方ではない。一方で、全てのなぞなぞが詰まっていると豪語する頭の蛇が、同時に最大の弱点ともなっている。
作中での動向
「子供はなぞなぞが好き」という点に着目し、それを利用してどんどん子供達をやっつけることでゆくゆくは人類滅亡を引き起こす・・・というバンドーラの遠大な野望を果たすべく、地上へと放たれたドーラスフィンクスは人間の姿で子供達の前に現れては、「ウルトラナゾナゾ大会」と称してなぞなぞを出題。それに答えられなかった子供を次々吹き飛ばしていった。
ゲキ達も、この子供達の連続失踪事件の裏にバンドーラ一味の企みが潜んでいることを察知するが、時同じくしてパトロール中であったボーイがドーラスフィンクスと遭遇、彼もまたなぞなぞに答えられなかったことで何処ともなく吹き飛ばされてしまう。
この時私的な行動で持ち場を離れ、結果としてこの事態に至ったことに責任を感じたダンは、単身ドーラスフィンクスへと挑んでやはり敗北を喫するが、この行動によりドーラスフィンクスによって吹き飛ばされた子供達がとある森の木々の中に、生きながら閉じ込められているという事実が判明することとなる。
「子供達の遊び場なんか作ろうともしない大人達が、自分達の遊びのためなら平気で木を切り倒す。それで子供達を殺してしまうという寸法さ。皮肉だね~」
事実を知ったゲキ達の前に、人間の姿で現れたドーラスフィンクスはこの森がゴルフ場の建設予定地となっていること、そしてもうしばらくすると伐採が始まることを明かし、上記の台詞をもって人間達の行いを嘲ってみせると、ゲキ達に対しても自慢のなぞなぞで挑戦。
チームワークの乱れをも巧みに突いてメイ、そしてゴウシをも立て続けに木の中に閉じ込め、ただ一人残されたゲキまでも自らの能力の餌食にせんと迫るが、ゲキは次々出されるなぞなぞを冷静に解答し、ならばとスフィンクスはとっておきの難しいなぞなぞを繰り出す。
ドーラスフィンクス「世の中に絶対はないという。それは本当か?」
ゲキ「絶対?」
ドーラスフィンクス「そう、絶対! あるかないか!」
この問いにゲキは、「ある!正義だ。正義は絶対勝つ!!」と力強く答えてみせた。
これにドーラスフィンクスが「ブブーッ、違う!悪だ。悪が絶対勝つ!」と反論したことで、なぞなぞ勝負も互いの意地の張り合いへと転じ、怪人態へと転じたドーラスフィンクスは「よーし、どっちが正しいか私が確かめてやる!」と自らの主張の正しさを証明すべく、ティラノレンジャーと直接干戈を交えるに至った。
森から採石場へと場を移しつつ激闘を繰り広げる両者であったが、そこに一挙に決着を付けんとするバンドーラが介入しドーラスフィンクスは巨大化。守護獣ティラノザウルスを召喚し立ち向かおうとするティラノレンジャーは、突如ティラノザウルスの目から放たれた光を浴び、見知らぬ異世界に飛ばされてしまった。
その異世界において、五守護獣からの啓示を受けたゲキは、リーダーとしての自覚を新たにし5人の気持ちを一つにまとめることを宣言。さらにバーザの助言により、ダイノクリスタルなるアイテムの存在を知ったゲキは、守護獣合体の鍵となるこれに事態打開の糸口を見出そうとする。
が、それを阻むかのごとくドーラスフィンクスが再度ゲキを襲撃し、グリフォーザーの援護を得て優位に戦いを進めるだけに留まらず、グリフォーザーと共に再度の巨大化で今度こそ止めを刺さんと迫った。絶体絶命の窮地の中、ゲキのリーダーとしての使命感に呼応して龍撃剣から放たれた光線が、採石場の一角に埋もれていたダイノクリスタルのありかをゲキに伝え、ドーラスフィンクスも額の蛇からの光線で妨害に及ぶも、結果としてダイノクリスタルはゲキの手に渡り、木にされていた他の4人の救出と、守護獣の合体を許すこととなってしまう。
かくして合体を遂げたダイノタンカー、そして大獣神を相手に熾烈な攻防が展開されることとなる。
だがドーラスフィンクスは大獣神のパワーに圧倒されながらも、森の伐採が始まり子供達を助けに向かおうとするのを見て取るや、これを妨害し殴り飛ばされながらも人間の姿へ戻り、大獣神を木の中へ閉じ込めんとまたしてもなぞなぞ大会の開始を宣言する。
助太刀に入ろうとしたグリフォーザーをも制し、無限に出てくるなぞなぞを次々出題。
これによって大獣神の動きを完全に封じたかに見えたドーラスフィンクスであったが、ここでティラノレンジャーが機転を利かせ挑発をかける。
ゲキ「奴はまだ一番難しいなぞなぞを出していない。それが何かわかるか? あいつの弱点についてのなぞなぞさ」
「あいつの弱点がどこにあるかって聞かれたら、誰も答えられない」
大獣神のコックピットでゲキが仲間達に語ったこれを聞きつけ、ドーラスフィンクスは早速これをなぞなぞとして出題。
このなぞなぞにジュウレンジャーは答えることができなかったものの、ゲキが誤答したのを聞いたドーラスフィンクスは、
ドーラスフィンクス「ブブーッ! とうとう間違えたな……胸じゃない! 正解は……この蛇さ! ここに全てのなぞなぞが詰まってるんだ」
と、「出題者の常として正解=自らの弱点を高らかに宣言する」という大ポカをやらかしてしまう。
大獣神を吹き飛ばすべく三度巨大化したが、足を止めた隙に超伝説雷光斬りを額に叩き込まれ、そのまま撃破されてしまった。そしてドーラスフィンクスの敗北と同時に、木にされた子供達も伐採の寸前で無事に元に戻ることができたのであった。
備考
デザインは野口竜が担当。前出の2体と同様に、モチーフであるスフィンクスの要素をほとんどストレートに反映するかたちでデザインが起こされている。
演者の市川は、当時の東映特撮とも関わりの深かった劇団東京ヴォードヴィルショーに所属していた俳優の一人で、スーパー戦隊シリーズへの初参加となった本作以前にも、東映不思議コメディーシリーズにおいてほぼ連年に亘って出演経験を有していることでも知られる。ドーラスフィンクスの登場回である第5・6話の前後編の演出も、やはり不思議コメディーシリーズで度々市川と共働の機会のあった坂本太郎の手によるものである。
マイティ・モーフィン・パワーレンジャー
本作ではスフィンクス名義で登場。吹き替えは山野井仁氏が担当する。
関連タグ
シロウネリ、ジニアス黒田:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、演者を同じくする敵役達
ファイヤースフィンクス、デスフィアス、冥府神スフィンクス:こちらはスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、スフィンクスをモチーフとした戦隊怪人達。