概要
地底冥府インフェルシアの伝説に記された十柱の神々。
Stage.34で魔導神官メーミィの「大いなる獣滅びる時、打ち鳴らされたる鐘、怒りと災厄の神々を呼び醒す」という予言通り、再度ウルザードによって冥獣帝ン・マ封印されてしまった事をきっかけに永き眠りから目覚めた。
普段は、インフェルシアの深淵に存在するという「神々の谷」を拠点としており、劇中では謁見の間から予言の書を見つけ出したナイとメアが、予言の書を追って神々の谷に迷い込んだのと同時期に動き出した。そして当初こそバンキュリアは摘み出される筈であったが、冥府神ワイバーンに様々な世界を行き来できる能力を買われ、冥府神ダゴン直属の密偵として起用され、何だかんだで重宝された(とはいえ、巨大な神々に踏み潰されたり燃やされたり弾き飛ばされたり、ナイとメアの体を入れ替えられたりと扱いは散々だったが)。
ちなみにン・マとの謁見の間も、実は彼等の住む神々の谷を模して建造されたものである。それ以外でも独自のマルデヨーナ世界を有している者も多い。
大いなる怒りと災厄を撒き散らす邪悪な邪神達であり、その復活時や地上に姿を現す際には空が暗くなり、彼等を象徴する闇のオーロラが出現するのが特徴。また、神託を下す為に十柱全員で地上界に姿を表した際には巨大な大階段も出現した。
加えて、彼等の場合は巨大化している姿が本来の姿であり、神々の谷にいる時や地上界に出現する時は巨大な姿でいるのだが、そのままだと狭い地上界での活動に支障が出る為、地上では自らの魔力で背丈を等身大サイズまで縮めている。
同じ冥府十神の中でも幾つかの階級に分かれており、最強たる偉大なる神「二極神」、管理担当の神「三賢神」、戦闘専門の神「五武神」に分けられていて、階級上は二極神が最高位となる。ただし、十神のリーダー格は三賢神のダゴンであり、必ずしもこの階級は絶対ではない模様。
彼等の目的は、冥獣帝ン・マを彼等の主人にしてインフェルシアの主神である絶対神ン・マに転生させる事であり、その為の手段として地上界で神罰を執行し、地上界を滅ぼす事を目的としている。
ン・マ復活と転生の為に、彼等は「闇の戒律」という神々の掟を遵守しており、神罰執行を行う神罰執行神もこの闇の戒律の定めに従って、「裁きの石版」によって選ばれる。石板に選ばれた神以外が地上で暴れる事や、神罰執行神の神罰に介入する事は原則として許されない。
また、地上で神罰を行う時は勿論だが、マジレンジャーと戦う時でも、自らが神罰執行の上で決めたルールは絶対に遵守しなければならず、守れなかった場合はいかなる理由があろうとも神罰執行失敗と見なされ、ダゴンらの手で粛清される。
基本理念は上記の通りなのだが、実際はン・マ復活という共通目的はあってもその過程で神によってそれぞれ考え方に差違がある為、基本的に相互間の関係は最悪と言っても過言ではなく、目的の為なら戒律を捻じ曲げる者さえいる始末。
とはいえ、絶対神ン・マの転生を望んでいる者の方が過半数なので、それを実現する為なら手を組んで行動する場面や、それを強く望んでいる者同士の纏まりもあったりと完全にバラバラではないのだが、中にはン・マに対する忠誠心が皆無で、復活自体に否定的な冥府神ドレイクや冥府神ゴーゴンのような超個人主義な問題児達もいる。
これは冥獣帝としてのン・マが冥獣人や凱力大将ブランケンよりも位が高く、冥府十神よりも位が低い事も関係していると思われる(出典:『てれびくんデラックス 愛蔵版 魔法戦隊マジレンジャー超全集〈下巻〉』(小学館)P67より)。
最終的に残った神は、冥府神スフィンクスだけとなり、事実上冥府十神という枠組みは消滅した。
その強さはレジェンドパワーを手にしたマジレンジャーを遥かに上回り、天空聖界マジトピアの伝承にも「冥府の神々、破壊の限り尽くすとも、地上の民決して歯向かう事許されず」と語られ、地上の民ではない天空聖者であるヒカル/マジシャインが一人で戦おうと決意した程(尤も、この伝承の設定自体はStage.36以降は全く触れられなくなった為、単なる前フリであったと思われる)。
冥府神といっても十柱も存在する為、邪魔が入らなければ正攻法で確実にマジレンジャーを倒せた者も多くいた反面、策を弄してマジレンジャーを倒そうとする者や、本来の優しい性格に目覚めた結果、戦いや使命を放棄した者もいた。
このように基本的に圧倒的な実力者ではあるのだが、いかんせん参戦の遅さと十柱という数の多さから脚本と展開の都合もあってか、割りと早期的に倒される者が多いのも特徴。
特にStage.46以降は、冥府神最強の冥府神スレイプニルが1話で倒されたり、リーダー格のダゴンが回想シーンからカウンターの1発で倒されたりと、展開の早さが顕著である。
メンバー
以下では階級に分けて紹介する。各階級に該当する神はリンク先を参照。また、神罰執行に選ばれた順も後述する。
二極神
『インフェルシアの矛と盾』と称される強力なパワーを持つ最強にして最高位の二柱の神。詳細は該当記事を参照。
三賢神
知略に優れ、冥府神の管理を任せられる三柱の神。詳細は該当記事を参照。
五武神
武に秀でて、戦いを専門とする五柱の神。詳細は該当記事を参照。
神罰執行順:イフリート→サイクロプス→ゴーゴン→ドレイク→トード→ティターン→スフィンクス→スレイプニル
※ダゴンとワイバーンは選ばれる事なく倒された。ドレイクまでが2005年放送回、トードからスレイプニルまでが2006年放送回。
※上の順を見ても分かるが、三賢神のゴーゴンや二極神のドレイクが早い段階で選ばれたりと、その選定の基準は不明。一説ではン・マにとって重要度が低い神が早めに選ばれて、重要度が高い神が後に残されていたのではと考察されている。
余談
神を名乗ってはいるが、冥獣や冥獣人の類が神格化した存在なのか、それとも最初から神格として発生した存在なのかなど起源には謎の部分が多い。家族の絆や情以前にそもそも「家族」が何か知識としてすら持っていないフシがある者が複数名いる。中には元天空聖者という裏設定を持つ者もおり、その起源はますます謎。
モチーフは、主にギリシャ神話や北欧神話に登場する神々を基にしているが、トードのみ例外である。塚田英明プロデューサー曰く、「コンセプトは平成のデルザー軍団」。
加えて、一部のキャラのモデルには新選組隊士も選ばれている。
また、本作において予算の都合が出来た事と、過去に参加した『忍風戦隊ハリケンジャー』の暗黒七本槍が、最終回の邪悪なる意思の分身という形でしか全員揃い踏みが出来なかった事への反省点から、一度に10人登場させる形にしたという。
また、同じくプロデューサーとして参加した『特捜戦隊デカレンジャー』のアリエナイザーが操縦する怪重機シリーズに続いて、これまでにおける巨大戦のあり方を真剣に考えた結果、巨大化した状態をデフォルトとする形にしたとの事。
関連タグ
蠱毒房三冥獣、冥獣人四底王:同作における最強ユニットつながり。この内蠱毒房三冥獣と冥府十神の三賢神は三つながりのグループである。
デルザー軍団:同じく敵組織の中で味方サイドに対して、圧倒的な実力差を持つ幹部のみで構成された一軍。