「ン・マの奴またも封印されるとは…。地底の帝も、冥獣態のままでは役立たずね」(Stage.35)
概要
冥府十神の中の三賢神の1人で原典のゴルゴン三姉妹の様に頭から生えた蛇、そしてボディラインを強調したボンデージ風の衣装を身にまとった外見が特徴の妖艶な蛇の女神。
三賢神の一角であるだけあってとても狡猾で頭が良く、自身より弱い相手をいたぶるのが好きという、まさしく蛇の如く執念深い性格のサディストであり、 同じ冥府神のワイバーンをして「冥府神一狡賢い」と言わしめる程。
ン・マの復活には興味が無く、同じく自分より弱い相手をいたぶることに無上の喜びを覚えるドレイクとは恋人同士の親しい間柄だが逆に同じ三賢神でありながらも戒律を遵守する生真面目な性格のスフィンクスとは反りが合わない。
そもそも(この時点では冥獣帝だったためか)ン・マへの忠誠心は微塵もないといって間違いなく、ン・マを「ヤツ」や「役立たず」呼ばわりしていたほど。
また、蛇と蛙の捕食者、非捕食者の関係からかトードとの関係もさながら「蛇に睨まれた蛙」そのものである。実際、自身の神罰執行を確実なものにするためだけにトードを脅してマジレンジャーを不利な状況にするよう強要した事もある。
その能力は『妖しい微笑みの盾』から無数の蛇を放ち、この蛇に噛み付かれた者を石化するというモチーフに違わぬ物であり、地を高速で這うこともできる。更には自らを巨大な大蛇の姿に変化させる変身能力を併せ持ち、絡み付いた獲物を頭部から丸飲みにすることを好む。下半身だけ蛇に変化させて天井にぶら下がるといった芸当も可能。他にも口から放つ電撃等の能力を有している。
劇中での活躍
預言の書により自分が神罰執行神に選ばれることを知り、その結果を確実な物にすべく冥府神トードをけしかけ、マジレンジャーと戦わせた。
その後地上に出現し、「盾からばら撒いた蛇を増殖させ、盾の瞳が光った時に地上の生物に一斉に噛み付き、石にしてしまう」というルールの神罰を執行。あらかじめけしかけたトードとの戦いで受けた毒のため、魁と芳香の精神と肉体が入れ替わって変身できなくなったマジレンジャーを圧倒する(入れ替わりの影響で天空聖界が混乱しているとのこと)。
しかし、2人の発動した魔法により転ばされるという屈辱を味わい、その怒りのままに新たなルールを設定。自分に有利なマルデヨーナ世界「長きものの庭」での戦いに彼らを誘い込み、精神の入れ替わったレッドとピンク以外のメンバーを飲み込む。
だが、直後に闇の戒律を遵守する冥府神スフィンクスの手で2人のトードの毒を無効化された上に新魔法『マジーネ・ルルド』で残りのマジレンジャーが吐き出されために形勢は逆転(マジレンジャーはマジカルカーテンで身を包んで胃液から身を守っていたために無事であった)。
最後は巨大化して襲い掛かるもトラベリオンのデストラクションファイヤーで盾を吸い込まれてしまい、大蛇に化身して絡み付こうとしたのが仇となり、マジレジェンドから止めのスクリューカリバー・ファイヤートルネードを受け、「これで勝ったと思ったら、大間違いよ…予言してやる…ドレイクが、私の恨みを晴らしてくれる…必ず…!!」と恨み節を遺して爆散。犬猿の仲だった同胞に足を掬われるとあう何とも皮肉な顛末であった。
余談
モチーフはゴルゴン。「石化の力を持つ盾を所有する女性」という点は同じくギリシャ神話に登場し、ゴルゴン達とも因縁深い女神・アテナを彷彿とさせる(というのも、アイギスに石化能力が付加されたのはアテナがメドゥーサの首を表面に貼り付けたから)。
『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱下之巻 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』(グライドメディア)における篠原保氏のコメントではこの点を『自虐的で戦隊怪人らしい』と評された。
声を演じた田中女史は今作でスーパー戦隊シリーズ初出演、延いては特撮においてはウルトラマンパワードの吹き替え以来となり、2年後の戦隊ではミシェル・ペングで出演した。
また、スーツアクターを担当した高岩氏は本作でマジレッドも演じている。
関連タグ
ヘビ女:同ポジション。構成員の一人を愛しているという共通点がある。
メドウメドウ、メルダメルダ:7年前の作品に登場したメドゥーサモチーフの女性怪人。ただし、こちらは原典と違って石化能力は披露していない。
メデューサ(ファントム):後に登場する同じくメドゥーサモチーフのライダー怪人。