「俺の名は、冥府神ドレイク。インフェルシアの荒ぶる英雄よ!」(Stage.37)
データ
概要
冥府十神の一柱で、冥府神スレイプニルと並んで冥府神最強と恐れられる二極神と呼ばれる龍神。
インフェルシアで最も堅牢とされる、龍神の鱗で出来た龍神の鎧を全身に纏っており、冥府十神の中でも最強の防御力を誇る事から、通称「インフェルシアの盾」とも呼ばれている。
しかし、「盾」と言う肩書きに反して性格は極めて好戦的かつ攻撃的な無頼漢で、守る事よりも攻める事を好む野蛮な神であり、戦闘でも相手を徹底的に甚振るような戦い方を好む。三賢神の冥府神ダゴンからも「冥府神の中でも最も荒々しい無頼の神」と評され、冥府神ワイバーンに至っては「一番の乱暴者」とバッサリ言い切っている。
言動もスレイプニルとは真逆で乱暴な上に口数も多く、他の冥府神と揉め事を起こす事も多い。神罰執行に積極的なのもただ暴れたいだけであり、自分が選ばれない度に苛立たしげに荒れて周囲に当たり散らすので、他の冥府神からも疎まれて遠巻きにされている。
マジシャインとの戦いぶりを見たバンキュリアからもその凶暴性にドン引きされ、ナイとメアも「あの神様怖すぎ」「お近づきになりたくない」として、冥府神の中でも一番苦手な相手としている(ドレイクの方もこの2人の事は、虫のように気にせず踏み潰したりと一番扱いは雑)。
さらにこのような人物なので、ン・マへの忠誠心は皆無で闇の戒律にも全く興味がなく、それどころかン・マの復活にすら懐疑的で「最強の神は一人で十分、ン・マの復活など必要ない!」とまで言い切っている。このような身勝手な言動や振る舞いをする為、ダゴン達との折り合いも悪く、ダゴンやスレイプニルからも苦言を呈されている。
特に、闇の戒律を重視する冥府神スフィンクスからは嫌われており、彼女としては珍しく皮肉や嫌味を言われている。逆に同じく戒律やン・マに興味が無く、身勝手な振る舞いをする冥府神ゴーゴンとだけは仲が良く、その間柄は恋仲といっても過言ではない程で、ゴーゴンのその陰湿かつ執念深い性格や戦い方を「痺れるぜ」と高く評価している。
一方で、ダゴンやスレイプニルに直接逆らう事はできないらしく、彼等から睨まれてその言動を牽制された際には怯んだ様子を見せている。また、自分が優勢な間は強気だが、逆にマジシャインに弱点を指摘されると目に見えて動揺したり、自身が圧倒される事を受け入れられずに逆上したりと、その言動は荒ぶる神などと呼べば聞こえはいいが、その性根はハッキリ言ってただのチンピラやゴロツキもしくはDQNそのもの。
本質的には狭量な小物でしかなく、同じ二極神のスレイプニルとは、その戦闘スタイルだけでなく性格から最期にマジレンジャーの力を認めた潔さまで、あらゆる面で対照的だと言える。
能力
上述の通り「龍神の鎧」に守られた絶対の防御力を活かし、相手からの攻撃を全く意にも介さずに武装した「竜神の剣」とそのフィジカルで、正面から力任せに叩きのめすと言う荒々しい戦闘スタイルを好み、良く言えばバーサーカー、悪く言えばただの脳筋である。
ちなみに一見露出しているように見える顔も、鎧か龍神の鱗に覆われているらしく、防御力に関しては変わらない。
更に、自らの闘気のエネルギー弾である「竜闘気爆炸球」と言う技を持っている他、竜神の剣の先端から電撃を放って攻撃する事も可能。他にもドラゴンらしく口から火の玉を吐く事もでき、首を伸ばしてテンプレなドラゴンの形態になる事で、自由に空を飛ぶ飛行能力も有する。
弱点は首の後ろの付け根で、ここだけは龍神の鎧に覆われておらず、生身の部分が剥き出しになっている。特に上記の飛行形態になって首を伸ばすと、この弱点の部分がより露出して狙われやすくなるので諸刃の剣である。
他にも、今まで防御力に頼ったゴリ押しの戦い方しかしてこなかった為か、太刀筋はあくまで力任せな大振りで、天空聖者スノウジェルやワイバーンレベルの実力者には難なく見切られており、戦闘スキル自体もここまで様々な戦いを潜り抜けてきたマジレンジャーなら、普通に張り合える程度のもの。
加えて、これも防御力に頼った弊害か、ダメージそのものへの耐性はかなり低く、上記の弱点を突かれてダメージを通されると、途端に弱体化して押し切られてしまう。そして一度押し切られると、上記の通り簡単に動揺したり逆上する。
総じて、弱点が分からない内は圧倒的に強いのだが、あくまでも厄介なのはその防御力とフィジカルだけで、同じ二極神のスレイプニルと比較しても弱点ははっきりとしていて、しかも技量的にも精神的にも付け入る隙は多い。
その為、弱点さえ分かればいくらでも攻略の道筋はある相手であり、むしろ弱点が分かった上でなら彼より階級が下の三賢神や五武神の強者より攻略しやすいとすら言える。
活躍
最初に、地上界に神託を下しに現れた際には、冥府神としての神罰執行の宣言をするダゴンの口上を、「そんな御託どうでもいいぜ!」と遮って、勝手に破壊活動を始めてしまった。
その後は冥府神サイクロプスの神罰執行中に、鬱憤が溜まっている中でゴーゴンに唆される形で勝手に出撃し、マルデヨーナ世界で修行をしていたヒカルの元に現れて襲撃する。驚異的なパワーや鎧の防御力、容赦なく相手を痛めつける暴力性からあっさりと追い詰めるも、スフィンクスに阻まれただけでなく、勝手な行動を厳しく叱責された事で気分が萎えた為に撤退した。
そして、第3の神罰執行神に選ばれたゴーゴンを失った事で、他の神に当たり散らして荒れていたところをスフィンクスに煽られ、逆上して彼女にまで襲いかかったがワイバーンに阻まれ、とうとうその勝手な振る舞いに堪忍袋の緒が切れたワイバーンと決闘を行う。
最初は、ワイバーンの高速戦闘や槍術に翻弄されるも、その鎧の防御力によるゴリ押しで形勢逆転し、反撃に出ようとしたところで「裁きの石板」が反応した事で一時休戦となる。そしてその神託によって第4の神罰執行神に選ばれた事で機嫌を直した(この際、神罰執行神に選ばれた事をこれ見よがしにスフィンクスとワイバーンに自慢し、2人からはうんざりした様子であしらわれている)。
そして、地上に出て「体内エネルギーを臨界まで高め、一気に爆発させて地上界を消し去る」というルールの下、神罰の執行に乗り出し、その場に駆け付けたマジレンジャーに対して、本来のドラゴン形態となってマジレジェンドとトラベリオン、マジドラゴンを圧倒するも、スノウジェルの加勢によって翻弄され、そのままマルデヨーナ世界「沈黙の雪原」に引きずり込まれた。
しかし、マジレンジャーとスノウジェルを逆に圧倒し、力任せにマルデヨーナ世界を破壊して脱出すると、そこにヒカルが現れる。
最初はマジシャインの姿で戦うヒカルだが、やがて本来の姿である天空聖者サンジェルの姿で技を連発。小津魁のように考える事を止めてがむしゃらに戦う彼の奮戦により、首の付け根が弱点である事を見抜かれ、マジシャインによって弱点を突かれて大ダメージを負わされる。
直後に本来のサイズに巨大化し、首を攻撃されまいと飛行形態になってトラベリオンを攻撃。さらにはダゴンからの依頼で魔導馬車を呼び出して現れた、スレイプニルとの二極神の最強タッグでマジレンジャーを圧倒する。
しかし、そこへウルザードがウルケンタウロスになって参戦。スレイプニルとの一騎討ちの末に不意打ちで魔導馬車を破壊し、体勢を崩したスレイプニルにウルカイザーとなって必殺の「天空魔槍斬り」を放ち、そのままスレイプニルを魔法陣へと押し込んでインフェルシアへと強制送還する。
一方で、スレイプニルと分断されたドレイクも、地上に降りて来た所をトラベリオンに取り押さえられ、そのままマジレジェンドの「スクリューカリバー・ファイヤートルネード」で弱点である首の付け根を集中攻撃され致命傷を受け、最期は己の敗北を受け入れられず「馬鹿な…!俺は絶対、やられたりはしねぇえええッ!!」と叫びながら、トラベリオンの「デストラクション・ファイヤー」で吸い込まれて内部の炉心で消滅させられた。
しかし、ダゴンがスレイプニルを送った真の目的はドレイクの支援ではなく、マジレンジャーを追い込む事でン・マの魂を取り込んだウルザードを誘い出す事であり、ヴァンキュリアを使って彼に発信器となる自身の鱗を植え付ける事に成功していた。その為、二極神の一柱のドレイクが死んだ事も意にも介さず(元々ン・マ復活に否定的なドレイクは邪魔だったのもあると思われる)、むしろン・マ復活の時が近づいている事を確信して高笑いするのだった......
スーパーヒーロー大戦では、大ザンギャックの幹部として復活しているが、扱いは再生怪人と変わらない。
余談
名前のドレイクはドラゴンの別読みである。また、「首の付け根が弱点」という点も喉が唯一の弱点である西洋のドラゴンの一種《クエレブレ》や、首に逆鱗(一枚だけ反対向きの鱗)を持つ東洋の龍を思わせる。
声を演じた矢尾氏は『未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』の殺人ボクサー・ボリバルの声以来、4年ぶりにスーパー戦隊シリーズ出演となり、更に翌年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』でもオウガと言うキーパーソンの役を演じている。
関連リンク
魔法戦隊マジレンジャー 地底冥府インフェルシア 冥府十神(二極神)
アシュロン:『金色のガッシュ!!』に登場するドラゴンモチーフの魔物で、こちらも非常に堅牢な防御力を誇る。
デモルト:こちらも『金色のガッシュ!!』の魔物で、同じく首の後ろが弱点の戦闘狂繫がり。