「拳を交わせば、拳が語ってくれる」
「それに、ガッシュの拳には、幾つもの『大きな何か』を背負ってる重さがあった」
「オレはクリアから目を離してはいかん… 野放しにしてはいけない。『脅威』はファウードだけでは無い」
「クリアを止められるのは、奴の存在を知り、生き延びているオレだけだ!!」
「なあ…ガッシュ…」
「お前に、魔物(オレたち)の全てを託していいか?」
「後はガッシュに全てを託した」
「ガッシュが魔界の王になる!!!」
概要
アシュロンとは、漫画「金色のガッシュ!!」に登場する赤い竜の魔物である。
一人称は「オレ」。
本の持ち主はリーン・ヴィズ(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
アニメ版はファウード編で終了したため登場せず、CMやゲーム等にも出演していないためCVは今のところ無し。
登場時期の都合上、プロフィールは公開されていないため、人間換算年齢や(ビール以外の)好物等は一切不明。
一応、年齢に関してはガッシュカフェにおけるエルザドルの台詞から「16歳以上」なのは確定している。詳細は「余談」の項目を参照。
エルザドルと同じく「竜族の神童」であり、「王を決める戦い」に参加した魔物の中でも大人でも手に負えないほどの高い戦闘能力を誇るとキースが述べているほどの強者。
事実、クリア編で遂に登場した際にも、ファウード編までに登場した大多数の魔物とは比較にならないほどの力を見せつけた作中最強クラスの豪傑。
人物像
容姿
まさしく「赤い巨大な翼竜」の姿をした魔物。
作中にてブラゴから「伝説の朱色(ヒヒイロ)の鱗を持って生まれた竜」と称されているように、全身が赤い鱗に覆われており、数メートル以上もの巨体を誇る。
背中に生えた両翼も自身の全長ほどの大きさであり、頭部には中央に短い角が一本、左右に長く立派な角が二本生えている。
カラーリングに関しては、鱗の無い身体の内側は黄色、翼の裏側はオレンジ色、角は黒色となっている。
基本的には上記のようないわゆる「竜型」だが、力を抑えて「人型(竜人型)」になることも可能。
人型の際には当然ながら翼が消え、身長2~3メートル近い筋肉隆々の大男といった出で立ちになる。
また、力を抑えている証拠なのか、鱗で覆われる部位も頭部~肩口までに減少している。
性格
一言で表すなら、まさに「武人肌な好漢」といったところ。
武人肌といえど無意味な闘争を好むわけではなく、勇ましさだけでなく礼儀正しさも秘めた善人。
王になった際には「差別の無い、皆が仲良く助け合い幸せに暮らせる魔界」を作る事を目指しており、自らが暮らす世界を平和なものにするために戦う人格者としての一面も併せ持つ。
実際、作中では武人としての一面だけでなく、「高嶺家を訪れた際にわざわざベルを鳴らす」「これから戦うガッシュにマントの使い方を丁寧に教える」等、生真面目なお人好しとも言える側面も描かれており、その穏やかな人柄がうかがえる。
好物
好物についても公式設定として明かされたことこそないが、好きな食べ物は間違いなくビール。
作中では「魔界一うまいとされる、小人族が作る北麦のビール」が好みだと語っていた。
現に原作30巻の裏表紙では、口から火を吐いて肉を焼きながら笑顔でジョッキを握る姿が描かれている。
ちなみに、連載終了後に作者ブログに届いた「アシュロンとエルザドルは子供なのにビールを飲んでもいいのですか?」という質問に対し、作者の雷句先生は「龍族は生まれた日から(ビールを)飲んでも体に影響はない。法律もない」と回答している。
この「法律がない」というのが、「魔界には人間界のような飲酒に関する法律がない」という意味なのか、あるいは「王を決める戦いの中では法律を問わない」という意味なのかは不明だが、バリーも原作10巻の裏表紙で(未成年でありながら)ワインを飲んで顔を赤くしている。ボトルにはグスタフが「のむべからず」と書いた紙が貼られているのだが……。
実力
「フン、勢いだけで戦いを制することができると思うか!?」
「さらに気迫や闘気でオレに張り合おうとは…」
「100年早いわぁ!!!」
まず前提として、作者ブログの質問コーナーに「歴代の王について」の質問が届いた際、作者の雷句先生は「やはり龍族が王になるときが多かった。昔は全てにおいて龍が群を抜いて強かった」と回答しているため、そもそも竜族が他の種族と比べて高い実力を誇ることが示唆されている。
そんな竜族の中でも、アシュロンは「神童」たる非常に高い素質を持ち、クリアを倒すための修練で己を鍛え続けてきた現在の実力は作中に登場した大多数の魔物と一線を画す。
具体的には、
- 自身の代名詞ともいえる「竜の鱗(ドラゴンスケイル)」で全身が覆われており、並の魔物の肉体を一撃で消し飛ばすラディスが直撃しても一切の損傷が無いどころか、周囲の大地を数十メートル以上も底まで消し去るほどの威力を持つラージア・ラディスが直撃しても無傷という作中最強クラスの頑強さを術に頼らず常時発揮可能。
- 力を抑えた姿である竜人形態の状態でも、清麿に戦闘どころか玄関で対面しただけで大きな力量差を感じさせるほどの迫力。
- いざガッシュと戦闘になった際は、気迫を高めただけでガッシュと清麿の肌にビリビリとした感覚を走らせるほどの威圧感を発し、本気で気迫や闘気を高めた際には清麿の足を震えさせ、ガッシュにさえ一瞬とはいえ恐怖を抱かせるほどの凄まじい覇気。
- 力を抑えた竜人形態の時でさえテオザケルとテオブロアが相殺した際の爆発に肉体強化呪文抜きで突っ込んでも無傷なほどの肉体強度。
- 作中最速クラスの移動速度を誇るクリアの動きを完璧に見切って攻防を成立させ、広範囲攻撃を放たれた時ですら余裕をもってガッシュ達を庇えるほどの動体視力、反応速度。
- 竜人形態でもバオウ覚醒後のガッシュに対し、実力を測るためにあえて隙を見せる等の余裕を見せながら互角以上の戦闘が可能なほどの総合戦闘力。
- ゴームがフランスに現れた際、「南西に約2400km」と遥か遠方にいる魔物との距離や方角さえも正確に把握できるほど超広範囲かつ高精度の魔力感知能力。
- クリア編中盤におけるガッシュ達のようにデュフォーの指導を受けたわけでもないにもかかわらず、自力での修練のみでシン級呪文を修得しているほどの素質、克己心(作中で初めてシン級呪文を使用した魔物でもある)。
- 後述のブラフのためとはいえ自ら左腕を切り落としても平然とし、最後のシン・フェイウルクで特攻した際に尾と両足が千切れ飛んでも全く痛みに震える様子すら見せないほどの凄まじい精神力。
等があり、心身ともに作中最高クラスまで鍛え上げられているといえるだろう。
また、作中で明確な描写こそ無いものの、
- 超広域の魔力感知能力を持つクリアと戦い逃走した後、長期に渡って修行を積んでいる中でも「ゴームの空間移動によってクリアに襲撃されてしまう」ことが(おそらく)一度も無かった。
- 高嶺家を訪れる時にはベルを鳴らすまで存在に気付かれず、エリーと面会した後のガッシュと清麿に出会う際もリーンが声をかけるまで気付かれていない(クリア編修行前のガッシュと清麿でも、夜更けにアースが家の外から殺気を向けただけで気付くほどの勘は持っている)。
といった描写から、おそらく練度の高い魔力隠蔽能力を使えるのだと思われる。
現に原作278話では、ガッシュに対して「イメージによって魔力をコントロールし、マントを元に戻す」やり方を教えているため、魔力のコントロールに関して長けているのは間違いないだろう。
他、ここまで述べた描写以外にも、
- クリアはアシュロンが現れた直後に「ゴームでは敵わない」と断言し、即座にゴームとミールを撤退させている。
- 一匹狼気質なブラゴにも「シェリー。こいつらの戦いをしっかりと見ておけ」と暗に実力を認められている。
等、まさしく強者の中の強者であるような描写が多く、今作のラスボスであるクリアにすらライバルと言わせしめているほど。
後に作者ブログにて雷句先生も、
- アシュロンとエルザドルの強さに関して、最初は若干アシュロンの方が強かったが、2体とも同じくらいの強さだった。
- だが、アシュロンはクリアという凄まじい強敵にあったことで、強さの差を埋めるためにもの凄い修行を始めた。なので、エルザドルがバリーと戦った時点だとアシュロンの方が強さでは上をいっていた。
とコメントしており、その高い実力は作者のお墨付きでもある。
他、上述のように圧倒的な強さを披露したため、ファンからは実力に関して様々な期待や想像をされているほどのキャラクターでもある。
ファンからの考察については長くなってしまうので、詳細は当記事における「余談」の項目を参照していただきたい。
術
登場時期が原作終盤だった関係上、公式から術属性は発表されていない。
ただ、「竜族の神童」と称される通り、「爆炎を発射する」「爪や尾を強化する」「高速で飛行する」等、やはり「竜」を連想させるような術を数多く修得している。
テオブロア
「では… いくぞ…」
口から強力なエネルギーを放つ術(おそらく爆炎や波動の類だろうか?)。
人型の状態で使ってもガッシュのテオザケルと同程度の威力を持つので、おそらくゼオンやクリア達と同様、アシュロンの素の実力(魔力)によって威力が底上げされていると思われる。
ちなみに、この術自体が作中で「竜の吐息」と称されているシーンは一切無いものの、後述のシン・ドラゴノス・ブロアが「真なる竜の吐息(ドラゴンブレス)」と称されているため、この術(及びブロア系全般)を「竜の吐息」と表現するファンもいる。
外部サイトではテオブロアを解説する欄に「作中で『竜の吐息』と称されている」と記載されている場合もあるが、そのような表現だと厳密には誤りになってしまうので注意。
ディガル・クロウ
「さっきの不意打ちの一撃ではない。『ディガル・クロウ』の力を全て乗せた…」
「まさに全身全霊の一撃だ!!!」
右腕及び爪を強化する肉体強化術。エルザドルの術と同様。
竜人形態で使用した際には、「術の力を全て腕に上乗せした状態(=一時的に右腕のみが竜形態に戻った状態)で相手を殴りつける」といった使い方もしている。
竜人形態で使用した際でも相当な威力を誇り、ガッシュ戦では前方の大地を抉り飛ばし、数メートル~十メートル以上はありそうな文字通りの「巨大な爪痕」を残すほど。
ディオガ・ブロア
ディオガ級呪文。アシュロンの数倍以上もの大きさを誇る、「テオブロア」よりも更に巨大なエネルギーを口から放つ。
やはりディオガ級なだけあってか威力は凄まじく、クリアのクエア・スプリフォで後方に受け流された際には周囲の小山を巻き込むかのような大規模な爆発が起きていたほど。
テイル・ディスグルグ
尻尾の力を強化し、相手を攻撃するディスグルグ系の肉体強化術(ディスグルグ系については「術(金色のガッシュ!!)」の記事を参照)。
アシュロン自身が「バラけろ!!」「戻れ!!」と任意で複数に分散させたり、元に戻すことも可能。
ガンズ・ブロア
口から多数のエネルギー弾を連射する。
ディオガ・アムギルク
ディオガ級呪文。右腕に大きく太い三枚刃を生やして攻撃する。
ディシルド・ドラゴルク
「あの頃とは違う!! だからこそ勝負を挑んだんだ!!」
両腕に金属製にも見える盾を装備する呪文。どことなく盾の模様がアシュロンの鱗を表しているようにも見える。
クリアの「ランズ・ラディス」に対抗するための術であり、実戦でもランズ・ラディスを完璧に防ぎきるほどの硬度を誇る。
シン・フェイウルク
「最後の一撃で、クリアを倒す!!!」
アシュロンが修得したシン級呪文。作中で初めて登場したシン級呪文でもある。
シンの名に恥じず、単純な移動速度であればおそらく作中最速クラスであり、フィンランドからフランスまでの約2400kmを短時間で移動できるほどの超高速移動を行う呪文。
正確な速度が公式情報として明かされてはいないが、作中でリーンが「音速(マッハ)を遥かに超える速度」と述べている点や、ブラゴの元へ駆け付けるまでの時間を踏まえた場合、秒速2km(=マッハ5~6相当)もの速度を出していると思われる(※)。
(※)距離については作中で「約2400km」と明言されており、修行前のブラゴがクリア相手に30分以上も持ち堪えたとは考えにくいので、「距離2400km、時間20分」として計算。
もちろん、あくまで仮定なので、ブラゴの元へ到達した時間が20分未満であれば更に速い可能性も充分にある。
現在のアシュロンでは凄まじいパワーを完全にはコントロールしきれず、短距離での小回りも利かない上、深手を負った状態で使えば血が噴き出してしまう危険性もある。
だが、いざ命中させれば、並の中~上級呪文を無防備でくらっても無傷なほどのクリアに対してすら一撃で腹部に大穴を開けるほどの威力を誇る。
クリアに体当たりした時の描写から、頭の角を変形させる(あるいは伸ばす)ことも可能な模様。
アシュロンは自力で竜人形態に変身できる=肉体を変化させられるため、角の変形も術の効果ではなく自身の能力という可能性もあるが。
ちなみに、同じ肉体強化系のシン級呪文であるウマゴンの「シン・シュドルク」とよく比較されることもあるが、作中で使用した場面や状況が異なるため一概に優劣を付けることはできない。
比較について詳しく知りたい方はウマゴンの記事における「余談」の項目を参照していただきたい。
シン・ドラゴノス・ブロア
「クリアよ…」
「お前にはまだ、『真なる竜の吐息(ドラゴンブレス)』を味わわせてなかったな…」
アシュロンが披露した2つ目のシン級呪文(クリアとの戦闘では使用していないので、おそらく自力修得はしていなかったと思われる)。
クリア完全体との決戦において、ガッシュの「自分達を助けたい」という思いを感じ取り、ガッシュの「金色の本」を介して発動。
効果は「ディオガ・ブロアよりも更に超強大な波動を放つ」というシンプルなものだが、クリア完全体の下半身に付随していた山のように巨大な球状の消滅弾を一撃で消し飛ばす程の威力を誇り、他のシン級呪文と比べても単純な破壊力なら最強クラスだと思われる。
本の持ち主
リーン・ヴィズ
アシュロンの本(ヒヒ色)の持ち主。
高く逆立った黒髪や白いロングコート、ニヒルな笑みが特徴的な青年。
リーンもアシュロンと同じくプロフィールが公開されていないので、現状では年齢や好物等も不明。
一人称は「あっし」、アシュロンを「ダンナ」、清麿を「兄さん」と呼ぶ等、何気にいそうでいなかった後輩口調系のキャラクター。
原作30巻の中扉を見るに、アシュロンとは裏路地のような場所で出会った模様。
出会いの場面から察するに当時は不良であり、タバコを吸っていた。
原作291話の回想シーンでは、自分を「何もない奴」「スリルさえあればドキドキと生きている感じをもらえる」等と話してはいたが、少なくとも本編においては刹那主義的な言動を一切していない。
むしろ、
- クリアとの戦闘では至って冷静かつ真剣な姿勢を見せ、アシュロンの命を賭けた特攻でもなおクリアを倒せなかった際には悔し涙を流す。
- クリアを倒す算段が浮かばず意気消沈するガッシュ達に「それでも倒すんです」「でなきゃ命までかけたダンナが浮かばれねえ」と自分なりの言葉で発破をかける。
- 原作304話でガッシュ達が搭乗する際には、アポロやナゾナゾ博士と共に見送りに来ている。
- 空路・飛行機・操縦者を用意してくれたアポロや博士とは違い、リーンは何かしらの物資を支援したわけではないと思われるので、ただ顔を出すためだけに来日してくれたとも読み取れる。
といったように、どこかアシュロンを彷彿とさせるような人情に厚い面を見せているため、おそらくリーンもアシュロンとの出会いを経て人間的に成長したのだと思われる。
現に上述の中扉ではタバコを吸っているが、本編では喫煙をしている描写が一切無いため、一部のファンから「人間的に成長していく中で禁煙したのでは?」と考察されることもある(回想シーン及び原作最終回でも、手にしているのはタバコではなく缶コーヒーである)。
また、作中最強クラスの強者であるアシュロンと苦楽を共にしてきただけあり、本の持ち主としての実力も非常に高い。
現にクリア戦では「ヴィノーが術を唱え、息継ぎで次の呪文が唱えられない一瞬の隙を突いてシン級呪文を発動する」という非常に高度な戦術を成功させており、戦闘における観察力や実行力が抜群に優れているのだと思われる。
心の力に関しても、クリア戦においても様々な中級~上級呪文を連発し、フランスへ移動する際も含めれば一度の戦闘中にシン級呪文を3回も発動しているため、原作終盤時点の清麿やシェリーに匹敵するほどの相当な量を持つと思われる。
尚、原作288話でガンズ・ブロアを発動する際には、クリアの移動速度にも対応できているかのような描写があるが、これが「リーンが自力でクリアの動きを見切れるほどの動体視力を持っていた」のかは解釈が別れる。
現に該当シーンではアシュロンが胸部~頭部まで完全に振り返っているのに対し、リーンは頭部のみが半端に振り返っているので、おそらく「クリアが消えた瞬間にアシュロンの顔の向きを確認し、咄嗟に攻撃呪文を唱えた」のだと思われる。
活躍
初登場は原作278話。一応、原作239話におけるキースの台詞にて名前だけが先行登場していた。
過去にクリアと交戦し生き延びている唯一の魔物であり、クリアの目的である魔界の滅亡を阻止するべく行動している。
ファウード出現時に姿を見せていなかったのも、クリアの監視を続けていたため。
かつて「魔界を滅ぼそうとしている魔物」であるクリアと1vs1で交戦(正確な時期は不明だが、少なくともファウード編よりは前)。
詳細な戦闘描写は無いものの、クリアのランズ・ラディスで右胸に重傷を負わされ、本こそ燃やされなかったものの実質的な敗北。
彼の目的と圧倒的な実力を知り、クリアを止めるために逃げ延び、修業を積み力を高めながら討伐の機会を窺っていた。
そして魔物の残り人数が10人になる直前に「バオウ」の使い手であるガッシュの下に現れ、彼の実力と善悪を見極めるために戦いを挑み、ガッシュが悪ではないことを知る。
戦いの後は、後に彼の力も借りるためにクリアの存在を教えた。
その後は原作30巻で再登場。
フランスに現れたゴームとクリアの魔力を察知し、ガッシュと共にフランスへ駆け付ける。
再び戦いを挑むが、依然クリアとの実力差は大きく、ガッシュとの共闘を以てしてもほぼダメージを与えられないほどの力量差を見せつけられてしまった。
それでも戦闘終盤では、ガッシュの強い意志と姿勢に魔界の希望を感じ、彼に想いを託すことを決意。
クリアのシン・クリア・セウノウスからガッシュを庇ったことで両翼を失い、ブラゴを守るためのブラフとして左腕を自ら引き千切るほどの重傷を負っても戦闘を続行する強固な精神を見せた。
そうして自らの身体を犠牲にしてガッシュに願いを託した後、ブラゴとの連携で捨て身の一撃を繰り出し、クリアの腹部に大穴を開け重症を負わせる。
さすがのクリアも死亡した……と勝利を確信しかけた直後、クリアは魔物としても異常な耐久力と生命力を持っていたため殺し切ることができず、無念の涙を流す。
それでも魔界へ帰る直前には、ガッシュに希望を託したことを誇り「ガッシュが魔界の王になる」と高らかに宣言。希望を抱いて魔界へと帰っていった。
こうして彼が「シン・フェイウルク」でクリアに10ヶ月もの再生期間を余儀なくさせてくれたおかげで、ガッシュ達はブラゴとの共闘、更にはクリア討伐を成し遂げるための修業期間を得ることができた。
そもそもアシュロンがガッシュと清麿に声をかけていなければ、ブラゴが孤立した状態で倒されてしまい、後の共闘が叶うことも絶対になかった。
確かにアシュロン自身がクリアを倒すことこそできなかったものの、アシュロンの存在と行動はクリア討伐を成し遂げる上で欠かせないものだったと見て間違いないだろう。
クリア完全体との決戦においては、ガッシュの金色の本を通して出現。
クリア完全体の下半身に装着された山のように巨大な球状の消滅弾を一撃で完全粉砕し、アシュロンを覚えていたクリア完全体を驚愕させた。
また、アシュロン自身も今のクリアを「力に支配された馬鹿」と罵っていた。
原作最終回ではガッシュに新たな肉体を与えられたことで右胸の傷が消えており、エルザドルと一緒に笑顔で小人族のビールを飲んでいる姿が描かれている。
後に完全版16巻に収録された「ガッシュカフェ」で描かれたパーティでも、奥の方でエルザドルと並んで巨大なジョッキを手にしている。
余談
アシュロンの年齢について
当記事冒頭でも述べたように、2023年11月現在では「アシュロンの年齢が〇〇歳」という明確な公式情報は出ていない。
とはいえ、完全版12巻に収録されたガッシュカフェにて、エルザドルが「昔アシュロンと死にかけるほどの大喧嘩をした」と語る際に「10の時… 6年前だな」と述べているため、現在は16~17歳と見なすこともできる。
だが、実はアシュロンとエルザドルが「同い年」と語られたことは一度も無いため、一概にエルザドルの台詞だけでは断定できない面もあるので注意。
作中の貫録や実力を踏まえれば、アシュロンが18~19歳でもさほどおかしくはないと思われる。
ファンからの考察、期待等
「実力」の項目で触れたように、ここではアシュロンの強さに関する様々な声を列挙していく。
Pixiv百科事典でも考察を書き込むのは(考察や想像の類だとわかるように書けば)問題ないので、もし以下に挙げるものの他にも考察等があれば気軽に追記していただきたい。
- 1:最後の2人になる?
上述のように、「クリアからは最大のライバルと称されるだけの実力を持つ」「もし彼がガッシュ達にクリアの事を警告しなければ、ガッシュ達が順番に倒されていた可能性が高い」等の理由から、もし何かが食い違えば最終的にはクリアとアシュロンの二人が残っていた可能性が高いと考える読者もいる。
- 2:ファウードを単騎で撃破できる?
作中にて(ギリギリまで)ファウードよりクリアの監視を優先していた描写から、「もしもファウードを直前まで放置していても、自分だけで対処できるから監視を続けていた」と解釈するファンもいる。
とはいえ、これが「ファウードを単騎で撃破できる」という意味なのか「ファウード内にいる魔物を単騎で殲滅できる」または「すぐさまガッシュ達のような良心的な魔物に加勢しに行く」という意味だったのかは、厳密には語られていない。
さすがにファウードを1対1で撃破するのは無理があると思われるので、これに関しては「アシュロンがファウードを単独で撃破できる」という意味合いではなく、「ガッシュ達に加勢する」といったニュアンスだったと見なす声も多い。
- 3:キャンチョメにシン・ポルクを使われても勝てる?
あくまで考察であり、公式設定ではないのだが、
- たとえキャンチョメが複数の幻を作り出したとしても、魔力感知能力で本体がどこにいるかを正確に把握できる。
- 当然ながら呪文抜きの攻撃でもキャンチョメを(ほぼ間違いなく)一撃で倒せる。
- 仮に「竜の鱗」が分厚く神経が通っていない場合、キャンチョメに触れられても激痛の錯覚が起こらないため無傷で済む。
- 腕や両足が部位欠損し大量出血しても苦しんでいる様子が無い(苦しみに耐えられるだけの屈強な精神力を持っている)ため、幻覚による精神ダメージ程度で気絶するところが想像できない。
等の理由から、キャンチョメのシン・ポルクを打ち破れるのではないかと考察する声もある。
また、「そもそもとして、アシュロンが本気で気迫を高めれば威圧感でビビったキャンチョメが気絶するor戦意喪失するので確実に勝てる」というネタのようでもあり真っ当なようでもある考察(?)も。
- 4:ゼオンと戦った場合はどちらが勝つ?
これに関しては意見が分かれるため、当記事において勝敗や実力を明言することはできない。当然、公式からどちらの方が上かという情報が発表されたことは一度も無い。アシュロンとの優劣が明言されているのはエルザドルのみである。
むしろ「どちらが勝つのか解釈が分かれる」事自体、ある意味ではアシュロンが作中最強クラスである証でもあるので、様々な意見を交換して楽しむのが健全であろう。
ただ、一部の外部サイトにおいては「ゼオンはアシュロンに比べれば遙かに実力が劣る」等の個人的見解(あるいはゼオンへのアンチに近い記述)をあたかも公式情報であるかのように書き連ねている場合もあるので、真に受けないよう注意していただきたい。
現にpixiv百科事典でも、過去に幾つかのガッシュ関連の記事においてゼオンやジガディラスを乏しめるような記述が特定のユーザーにより多数書き込まれた時があった(現在はほぼ全て修正済みだと思われる)。
金色のガッシュ!!2にて(ネタバレ注意!)
魔界が謎の勢力に襲われた後も生き残っていた数少ない魔物の1人。
第15話のラストで姿だけ登場し、第16話でガッシュや清磨達と再会した。
ガッシュ曰く「竜族の聖地」である超巨大な山『龍の要塞(ドラゴン・フォートレス)』にて竜族を束ね、情報収集や魔物たちの保護活動を指揮している。
山の内部には広大な街が広がり、生き残った魔物たちの最後の砦となっている(ちなみに山の内部は見開きフルカラーで描かれており、赤を基調とした美麗なイラストで描かれる光景はファン必見である)。
元々大きかった身体は更に成長しており、大岩でできた玉座らしき椅子に腰掛ける姿は威厳と迫力に満ちている。
しかしそれ以上に、胸部や手足の至る所から無数の歪なトゲが生えている姿が目を引く。なんと自身の心臓を暴走させ、血液から生み出されるウロコを山全体に流し入れていることが判明。
竜族の中でも伝説とされ、圧倒的な強度を誇る朱色のウロコで山を満たしているため、並大抵の攻撃では山も住民も傷つかないという。
まさに最強のシェルターだがデメリットも大きく、「その場から動くことはできず、あと1年生きられるかもわからない」と語っており、文字通り自らを犠牲に民を守っている。
実はガッシュが生き返る計画を事前に知らされており、半ば諦めかけながらも彼の帰還を待ち続けていた。そして清磨から経緯と詳細を聞き、これからの方針を決めるための会議に臨む。
また、会議の際には、
- 魔物達の救助が最優先事項だと承知の上で、復活した魔本とパートナーを集めることこそが勝利への必須条件なため、ガッシュ達には人間界でパートナーを集めてもらうことを優先してもらう。
- アシュロン側は部隊の指揮系統を強化し、今以上に救助へ全精力を注ぐと約束。
- 魔界と人間界を行き来する方法や本の力等が不明瞭なため、各地区部族の長を集めて話し合うことを決定する。
といった具合に、今後の方針決定・共有を短時間で過不足なく行っており、作戦立案能力や指揮官としての思考力・指示力も非常に優秀であることが今作で明らかになった。
そして別れ際、ガッシュから「雷の竜の卵」という言葉を聞いた時には何かを知っているかのような表情を見せ、長老ミラージュなる魔物を招集することを約束した。
余談
竜族の生態的特徴(?)
前述の通り、ガッシュ2においてアシュロンは「我が血から生まれる朱色のウロコを山全体に流し入れている」と述べているのだが、原作287話にてブラゴはアシュロンを「伝説の朱色の鱗を持って生まれた竜」と称しており、解釈によっては矛盾が生じているようにも思える。
これらを総合して考えた場合、アシュロンの「竜の鱗(ドラゴンスケイル)」は厳密には生まれた瞬間から体表を覆っているわけではなく、「竜族の神童」と呼ばれるに値する特別な遺伝子(=血液)の類が皮膚を変化させていった結果だと解釈することもできる。
初のギャグ顔
第16話にて、ガッシュが生き返る計画を事前に知らされていなかったことにティオが怒り狂った際、彼女に対してガッシュと同じくらいガチビビりし、冷や汗を流すほど焦っている。
彼のギャグ顔は原作本編では1度も描かれなかったため、そういった面でも読者に衝撃を与える(?)登場回だった。
関連イラスト
関連タグ
リーン・ヴィズ……本の持ち主。
エルザドル……同じく「竜族の神童」たる強者。
クリア・ノート……絶対に倒なければならない宿敵。
ヴィンセント・バリー……「エルザドルと関係がある」「単行本の裏表紙で飲酒している」「本の持ち主が喫煙者」という共通点を持つ強者(リーンは「元」喫煙者である可能性も高いが)。
バーゴ……ビジュアル的に「竜族なのではないか?」と考察される魔物(一応、2023年12月現在では公式情報としてバーゴが竜族とは明言されていない)。
ブラゴ/ゼオン……原作239話にてキースから強者として共に名前を挙げられていた魔物達。彼らも作中最強クラスの猛者である。