「オレが昔見た本でのアレの呼び名、それは…」
「魔導巨兵、ファウード」
「その力があまりに強大で危険だったために、魔界の極地に封印された魔物だ」
概要
作中中盤における重要なファクターであり、その名の通りファウード編における全ての始まりにして常に話の中心となる存在。
ファウード編の大部分はファウードの体内において描かれているため、魔物でありながら物語の舞台でもあるという異質なキャラクターでもある。
作中で初めて登場した(というか唯一の)「兵器として造られた魔物」であり、アースからもバオウ・ザケルガと並んで「魔界の脅威」と呼ばれるほどに危険な禁断の存在である。
その恐ろしいまでの戦闘能力故に厳重な封印が施されていたが、リオウの一族が彼を王にするために人間界に転移させた。
誕生の謎
何者かによって造られた魔物(いわゆる人工生命体の類)であることは確定なのだが、なぜそれほど巨大な魔物が存在したのかという具体的な理由は作中・公式ファンブック・作者ブログ・作者Twitterのいずれにおいても明言されておらず、2024年3月現在でも一切不明となっている。
一応、ゼオンは作中で「オレが読んだのもファウードを封印するまでの過程だからな」と述べているので、魔界に存在する他の書物には情報があるのかもしれないが……。
同シーンでゼオンは「ある記述には、操っていた者がいることから、魔導の術をもって『造られた魔物』とも言われていたそうだ」とも語っている。
術に対する絶対防御
また、兵器として造られている故か、一応は生物(魔物)でありながらも魔物の使う術に対する絶対的な耐性を備えており、事実上魔物の術で内部から破壊するのは不可能となっている。
作中で心臓を打つ魔物が説明している通り、心臓や脳などの重要な部屋は絶対魔力防壁(読みは「マジック・シールド」)なるもので守られており、コントロールルームに関しては壁、床、機械まで全て「魔力を通さない特殊な鉱物」で作られている。
これらに関しては、
- 1:絶対魔力防壁
- 心臓を打つ魔物が「魔力による攻撃は一切効かない。シールドで打ち消されるだけ」と述べており、現にディオエムル・シュドルクによる炎が特に反撃を受けた様子も無いにもかかわらず自然消滅している。
- 更に心臓を打つ魔物も「熱がったフリ」をしていただけであり、ディオエムル・シュドルクによる炎の熱さすら感じていないかのような描写がなされている。
- 2:魔力を通さない特殊な鉱物
- キャンチョメが柱に閉じ込められた後、フォルゴレがコポルクを唱えてもキャンチョメが小型化しなかった。つまり、詠唱をしても術の効果が一切発揮されておらず、ゼオンも「その中に閉じ込めたのだから、呪文を唱えても術は発動せん」と述べている。
- 原作265話でチェリッシュがグラード・マ・コファルによって柱のスイッチを押す際にも、わざわざ弾丸の先端に布(ニコルの帽子を破いたもの)を被せなければならなかった。その際にゼオンも「弾に布を被せたのは、魔力の効かない柱に『押す力』を与えるため。あの柱は魔力では直接力を与えられない」と述べている。
といった点から、魔物の術によるダメージどころか、術によるあらゆる影響・効果・干渉、及び物理的な衝撃すらも全て完全無効化する性質を持っていると考えられる。
また、原作225話においてウマゴン&リーヤvsザルチム&ファンゴが始まる際、防御壁(読みは「ヘビー・シールド」)なるものが部屋に貼られるというアナウンスが流れており、おそらくこれも絶対魔力防壁と同質の物だと思われる。
尚、これらと関連して、原作315話にてアンサー・トーカー状態の清麿が「ヴィノーのバリアは魔物の術を無効化する」と述べているため、クリアの作る特殊なバリアも絶対魔力防壁と同質の物である可能性が高い(詳細はクリア・ノートの記事を参照)。
アニメ版では
……と、原作においては作中で「魔物の術は無効化される」旨がきちんと解説されていたのだが、アニメ版ではなぜか心臓の部屋における絶対魔力防壁関連の台詞がカットされていたり、アニオリのガッシュvsゼオン戦でもコントロールルームの柱が何本も倒壊する描写があったりと、まるでファウードの内部施設を術で破壊できるかのような演出となってしまっている。
そのため、原作未読・アニメのみ視聴のファンからは「ファウードの封印を解いてから施設を内側から破壊すればよかったのではないか?」とツッコまれることもあるが、少なくとも原作の設定においては不可能なので注意していただきたい。
戦闘能力
そもそもとして「兵器として造られた魔物」であるため当然ながら純粋な戦闘力に関しては他の魔物とは比較にならないほど絶大である。
現に連載当時に発売していたカードゲームでも、特殊な専用カードを使わなければ場に出せない代わりに、魔力99999かつダメージを一切受け付けず、相手のカードの効果では捨て札にならないという次元違いの存在として収録されていた。
やはり何と言っても単純にサイズが規格外であり、原作190話でデュフォーも「麓の山が膝の高さにすら届いていない」と思い返しているため、おそらく全長は数千mどころか数kmに達していると思われる(※)。
(※)あくまで一例ではあるが、作中でファウードが現れていたニュージーランドの山脈は約3400~3700mなので、現実世界の基準で照らし合わせた場合は確実に数千mを超えている。
その大きさが圧倒的な強味であり、海から金魚すくいのようにクジラを軽々と掬い上げてを丸呑みにし、クシャミ一つで小島を吹き飛ばす等、普通の魔物であれば実現不可能な描写を度々見せている(※)。
(※)ちなみにクシャミで小島を吹き飛ばしたシーンは、カードゲーム版でも「ブェェエーックショォォン!!」というファウード専用コマンドとして収録されているほど)。
兵器一覧
更に、「魔導巨兵」故に多数の兵器が備わっており、いずれも非常に高い殺傷力を持つ。
- 主砲
ファウードに備わった兵器の中でも間違いなく最強の威力を誇り、魔物が使う術と比べても異常な破壊力を持つ禁断兵器。
ファウードの主(=鍵たる石を付けた者)による「ファウードよ!!!放てえ!!!」という合図を聞いた後、両手を顔の前で交差してから勢いよく開き、口を大きく開けて超巨大な光線を放つ。
作中では清麿がかけたロックのおかげで海や空のみに放たれたため、正確な威力は不明なものの、原作210話でリオウが「大陸をぶっ飛ばすつもりで放った」と思い返しているため、おそらく本来であれば大陸一つを一撃で吹き飛ばせるほどの凄まじい威力を誇ると思われる。
現に原作209話で海に放った際は、一撃で海水を数百~数千m以上も打ち上げ、更に莫大な衝撃波も数百~数千m以上の規模で球状に迸るという、どう考えてもシン級呪文すら遥かに上回る描写がなされている。
- 十指砲(カーファーロウ)
名前の通り十本の指先が発光し、細長いレーザー光線を一本ずつ放つ。
- 襟の大剣
正式名称は不明。
実際に使用した描写は無いものの、原作224話におけるゼオンのイメージ内では襟の右半分を分離させて太い剣のように持っている様子が描かれている。
ゼオンは既に鍵たる石を付けている(=ファウードに関する情報を全て把握している)ため、実際に使用できる武器と見て間違いないだろう。
- 両腕レーザー、肩口レーザー、膝穴レーザー(仮称)
両腕や両肩、及び両膝の空洞部分から、主砲や十指砲と同じような光線を放つ。
これらも正式名称は不明。
いずれも原作274話における暴走シーンで確認可能。
その他
兵器以外の装備
- 高速移動
背中からジェットのような物を多段に展開した姿に変化。
ニュージーランドから日本までを約1時間で走りきるほどの高速移動をする。
- 瞬間移動
その名の通り一瞬で長距離を移動する。
「魔界へ帰す装置」とは異なるため、あくまで人間界の中で移動する。
- 姿を隠す魔法の装置
原作183話でリオウとロデュウが言及している装置。
何気に「術」「呪文」という表記で統一されている今作では珍しく、明確に「魔法」と表現されている装置である(魔物の術とは別種、あるいは上位種という意味合いだろうか?)。
同時に「姿を隠していても強力な勘を持つ魔物はファウードの存在を感知する」とも述べられているため、あくまで「透明になっているだけ」という具合だと思われる(兵器であることも踏まえると「光学迷彩」の類だろうか)。
- 魔力感知機能
原作237話でブラゴがファウードを転ばせた時に「上空付近に強い魔力を感知」というアナウンスが流れているため、緊急時には近くにいる魔物(というか魔力)を感知する機能も備わっている模様。
体内魔物
- ウンコティンティン
自称「知の門番」。胃袋にて侵入者を待ち受ける。
詳細は個別記事を参照。
- 心臓を打つ魔物
全長5mほどはあるであろう大柄な魔物。
ヒゲを蓄えた老人のような顔、複数の腕が特徴的。
ファウード解放前は心臓が止まらないよう、心臓を棍棒のようなもので叩き続ける役目を担っている。
ファウード解放後は心臓の部屋から動けるようになり、「ファウードを魔界へ帰す装置」を守っていたアース&カルディオと戦闘。
棍棒による殴打に加え、炎のムチを操る能力、ファウードの回復液を自在に取り込む能力をも披露した。
- リンパの魔物(正式名称不明)
ゼオン曰く「人間でいうリンパ節あたりから生み出された」とのこと。
爬虫類のような姿をしており、群体で行動する。
ギガノ級の術でようやく倒せし切れるほどの耐久力を持ち、数の暴力でガッシュ陣営を苦しめていく。
ガッシュ達の妨害や、「ファウードを魔界へ帰す装置」を破壊するために差し向けられた。
- デゴスミア
ファウードの脳へと続く部屋:3Fにてキースと共に登場した魔物。
それぞれに一本角が生えた三つ首や、逞しい四本足を持つ不気味な魔物。
キースのギガノ・ギニスを背後から無防備で受けてもほぼ無傷なほどの耐久力を持つ。
- ウンコティンティン2世
原作257話にて1コマだけ登場。
ウンコティンティンそっくりな顔、頭部に描かれた「Ⅱ」のマーク、四本腕が特徴的。
その他、関連事項等
- リオウの呪い
ファウードの封印を解くためにリオウが行使した呪い。
厳密にはファウードではなくリオウの関連事項なのだが、ファウードありきで成立している呪術のため当記事に記載する。
原作188話でゼオンの使い魔が「邪道なる術」と述べているように、呪いをかけた対象を「ファウードの封印を壊せなければ死んでしまう」状態にし、しかもファウードが復活するまで常人なら自力では歩けないほどの状態まで衰弱させ続けるという非道極まる呪術。
しかもリオウを殺しても呪いは解けず、解呪のためには封印を壊すしかないため、ウォンレイペア・チェリッシュペア・リーヤペア・アースペアの計4組は半強制的にリオウ陣営に加わざるを得なかった。
- 鍵たる石
その名の通り、ファウードを操るためのまさに「鍵」となるアイテム。
「石」という名称だが無骨な見た目ではなく、数cmほどの宝石に金属製の輪を括りつけたような「装飾品」に近い見た目となっている。
この石を頭部に装着した瞬間、装着者の脳内にファウードに関する情報が自動的に流れ込んでいき、同時にファウードに対する絶対命令権を持つことになる。
ちなみに、作中ではゼオンがリオウから鍵たる石を奪った後、鋭い針を自身の額に根元まで刺し込むというものすごく痛そうな装着方法が明かされているのだが、これに関しては作者の雷句先生が、
「あのコントロールキーは額にブッ刺す感じだけど、実は気持ちい~んだよ。フフフ」
と作者ブログ「雷句誠の今日このごろ。」にて回答している。
要するに、本当に物理的に刺し込んでいるのではなく、魔術的な力によって頭部と一体化するような物なのだと思われる。
- ファウードの栄養液
いわゆる「回復アイテム」の類であり、石版編に登場した「月の石」と似たような物。
初登場時には「栄養液」と呼ばれていたものの、作中では「回復液」と呼ばれることが多く、ファンの間でも「回復液」の方がよく使われているような印象を受ける。
原作213話でバニキスが「ファウードを動かしている魔力を含んだ血液から、養分だけを抽出した液」と解説しているように、人間や魔物が体内に取り込んでも問題はなく、むしろ体力や傷、心の力を回復させてくれる有益な物。
作中では、水筒に入れておき口から取り込む(ほとんどの本の持ち主)/栄養液で満ちた浴槽やカプセルに全身を長時間浸す(リオウ、清麿、チェリッシュ)/注射器のような物を首に刺して血管へ直に取り込む(バニキス)……という方法が確認できる。
ちなみにアニメ版では(なぜか)未登場であり、ガッシュ陣営は体力や心の力を回復する手段を持たないため、全員が互いを休ませながら戦うという工夫を強いられていた。
- ゴデュファの契約
作中でも非常に珍しい(原作では唯一の)魔物の肉体や術を直接的に強化する手段。
ファウード体内のどこかに手を当て、「ゴデュファ」と口にすることで主と契約が成立し、ファウードの細胞を体内へ取り込むことにより肉体強度や術の威力を大幅に引き上げることが可能。
一度しか恩恵を得られないわけでもなく、願ったり床に手を当て直すことで傷を癒したり、更にパワーアップすることも可能(作中ではキースが二段階目、ロデュウが三段階目まで強化された)。
ただ、決してノーリスクというわけではなく、ファウードの力を取り込む影響により、取り込んだ魔物の思考や価値観における第一優先事項が「ファウード」に塗り替えられてしまう。
一部のファンからは「性格が邪悪化する」と解釈されることもあるが、ファンゴを見たキャンチョメが「ファウードの力をもらうと性格が悪くなるっていうのかい?」と述べた際、モモンが「性格が悪くなったっていうより、何か『変な力』を感じるよ」と返しているため、厳密には「性格そのものを邪悪にする」わけではなく「自身の最優先事項が『ファウード』になった延長線上で、侵入者に対する敵意が膨れ上がっている」ような具合なのだと考えられる。
また、ロデュウがゼオンに逆らった際には「身体に侵入したファウードの細胞がロデュウ自身を駆除し始める」という現象が起き、ロデュウの意志とは関係なく翼が己の腹を貫いたり、ゼオンを殴ろうとした右腕がはち切れるという恐ろしい様子が描かれた。
更に、作中では明示されていなかったものの、「金色のガッシュ‼と雷句誠原画展」開催当時の雷句先生のツイートにて「ロデュウは失明寸前にまで追い詰められていた」旨が明かされている(詳細はロデュウの記事を参照)。
各施設/主な出来事
(※)アニメ版ではファウード再突入後の展開、及び各施設の内容自体が大きく異なっているので、当項目では原作版における出来事のみを記載する。
また、各施設は主に作中での登場順で解説するため、必ずしも時系列順ではない点は大目に見ていただきたい。
- 森近くの広場(遺跡?)
主な出来事(主=リオウ時) |
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- 端辺りの広場
主な出来事(主=リオウ時) |
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- 水路や植木のある広場
主な出来事(主=リオウ時) |
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- 広場の脇(?)に隠れた通路
主な出来事(主=リオウ時) |
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- 脊髄のモニタールーム
主な設備 |
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主な出来事(ファウード初潜入時) |
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主な出来事(ファウード再潜入時) |
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- 喉の奥/胃袋
主な設備 |
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主な出来事(主=リオウ時) |
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- 小腸
主な設備 |
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主な出来事 |
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- 肝臓
主な設備 |
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主な出来事(主=リオウ時) |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- 血管通路
主な出来事 |
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- 肛門
主な出来事(主=リオウ時) |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- 心臓
主な設備 |
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主な出来事 |
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- 「ファウードを魔界に帰す装置」のある部屋
主な設備 |
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主な出来事(主=リオウ時) |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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注釈 |
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- 封印の前の広場
主な出来事(主=リオウ時) |
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- 肝臓付近の通路
主な出来事(主=ゼオン時) |
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- ファウードの脳へと続く部屋:1F
主な設備 |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- ファウードの脳へと続く部屋:2F
主な設備 |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- ファウードの脳へと続く部屋:3F
主な設備 |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- コントロールルームの脇の部屋(メディカルルーム)
主な設備 |
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主な出来事(主=リオウ時) |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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- 秘密の通路(?)
主な出来事(主=ゼオン時) |
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- コントロールルーム(メインステージ)
主な設備 |
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主な出来事(主=リオウ時) |
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主な出来事(主=ゼオン時) |
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備考 |
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活躍
「概要」の項目でも触れたように、ファウード編における重要な存在であり舞台でもあるキャラクター。
本編登場前
ファウードの封印はリオウ単身で破壊するどころか、ディオガ級相当の術を最低12発は同時に打ち込む必要があったため、力を集めることに。
リオウはファウードの存在を他の魔物達に話し、「この力を奪えれば魔界の王になれるのは確実」と暗に示すことで力を狙った魔物たちを集める。
だが、それでも実力者の数が足りなかったため、特殊な呪術によってディオガ級以上の術を持つ魔物の本の持ち主に呪いをかけ、半強制的に協力させた。
本編にて
そして石版編終盤~終了時点でどこかの国に突如出現し、人間界では「謎の建造物」としてニュースにもなる。
ゼオン、コーラルQ、モモンは出現を感知していたものの、リオウはすぐさま瞬間移動と「姿を隠す魔法の装置」を使用し、行方をくらました(後のクリア編にて、同じく超広域の魔力感知能力を持つアシュロンもファウードに気付いていたと判明)。
その後、モモンの魔力感知により現在地はニュージーランドだと判明。
場所を特定したガッシュ陣営が侵入する形となり、実質的にガッシュ陣営vsリオウ陣営という構図で物語が進んでいく(各施設での出来事や戦闘は「各施設/主な出来事」の項目を参照)。
ブザライが魔界に帰る等のトラブルはあったものの、最終的にはリオウの思惑通り、集まった魔物の力+アース&ガッシュの術によって封印は破壊され、ファウードは人間界に解き放たれる。
「ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
清麿は「ファウードを魔界へ帰す装置」が起動するまでの数時間を乗り切るため、「ファウードの瞬間移動を使い、ファウード自身をケルマデック海溝に沈める」という大胆な作戦を実行し、見事大成功。
……したのだが、なんとファウードが軽快に泳ぎ始めるという清麿にとってもリオウにとっても想定外の事態が起き、作戦は失敗。
ファウードを好きにいじられて怒りを覚えたリオウは、清麿に対して個人的な敵意を向け、「ファウードで清麿の故郷である日本を破壊する」と宣告。日本へ向けて進行を開始。
しかしその後、コントロールルームに侵入していたゼオンがリオウに完勝し、鍵たる石を奪って新たな主となる。
ゼオンもガッシュへの個人的な敵意から、リオウが設定した日本行きを変えることはなかったため、ガッシュ陣営も「コントロールルームへ向かってゼオンを止める」ために奮闘する。
そして最終的には、ガッシュ陣営がファウード陣営の魔物を(パピプリオ以外)全員魔界へ帰し、暴走したファウードも極大バオウ・ザケルガで戦闘不能に。
直後、アースが修理していた「ファウードを魔界へ帰す装置」も無事に起動したため、黒焦げのまま魔界へと帰っていった。
魔界へ帰った後の処置
作中では魔界へ帰った後の扱いが描かれていなかったのだが、作者ブログ「雷句誠の今日このごろ。」にて作者の雷句先生が、
「ファウードは作られた魔物……、いわゆるフランケンシュタインのような人造人間ならぬ魔物造魔物かな。しっかりと命は持ってるのです」
「でも大きすぎる力ゆえ、みんなと遊べないのを不憫に思った新王ガッシュが普通の魔物サイズの体を与えたため、ガッシュ達と仲良く学校に通っています」
と回答している。
なので、もし続編「金色のガッシュ!!2」で再登場する場合、人間のようなサイズ(姿)となったファウードが見られるということだろうか?
余談
隣の本について
ゼオンが魔界の王立図書館にて「ファウードについて書かれた本」を読む回想シーンでは、隣にもう一冊の本が置かれていたが、これについては作者ブログ「雷句誠の今日このごろ。」にて、
- もう片方の本は、実は「魔界の王を決める戦いの記録」のような本だった。
- だからゼオンは残りの魔物の数が10人になった時に明かされる「王の特権」を既に知っていた。ゼオンがイギリス編の時点で口にしていた「もう一つの地獄」はこれを指していた。
と回答されている(※)。
(※)この質問と回答は公式ファンブック「金色のガッシュ!! 20周年ありがとうなのだ!ブック」にも再録されているため、そちらでも確認可能。
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リオウ/ゼオン・ベル……作中でファウードの主となった魔物達。
ザルチム……リオウ陣営の中では唯一、ファウードを「勝ち残るための力」というより「大偉業、ロマン」として見ていた魔物。
バオウ・ザケルガ……アースから「魔界の脅威」として同列に挙げられていた術。
クリア・ノート……こちらはアシュロンから同等の「脅威」と称された魔物。「魔物でありながら、魔物の術を無効化する特殊な防御手段を持つ」という共通点も。
アース……アニメ版では「ファウードを封印した一族」というオリジナル設定が追加されており、リオウとも因縁があるような描かれ方をされている(あくまでアニオリ設定であり、原作では「魔界の法律を守る一族」としか語られていないので注意)。
同作者作品の関連キャラクター
- グロビュウル
作者の雷句先生が連載していた作品「どうぶつの国」に登場する超巨大なキメラ。
ファウードとは「兵器として造られた超巨大な生物であり、実質的なラスボス枠」という点が共通している。
また、「ルースター・テール」というファウードの「主砲」を思わせる超破壊兵器を備えていたりもする。