「調子に乗りやがってコンチクショ―――!!!」
「ベルギム・E・Oの『E・O』はE(イスにかわって)・O(おしおきよ)だ―――!!!」
概要
千年前の魔物の中でも高い実力を持つ魔物の一体(アニメ版ではゾフィスに選ばれた「四天王」の一人として登場している)。
CVは千葉繁氏。
本の持ち主はダリア・アンジェ(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
公式情報としてプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明(一応、原作最終話の描写を踏まえると6~7歳だと思われる。詳細は「活躍」の項目を参照)。
本の色については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて赤茶色と解説されている。
高い実力を持ちながらもコミカルな描き方をされており、同時期に登場したビクトリームと似たようなキャラクター。
一方、(敵対している流れ上とはいえ)キャンチョメの心にファウード編~クリア編まで癒えることのない大きな傷を残した魔物でもある。
人物像
容姿
ツタンカーメンを思わせるような装飾を施したガイコツの顔、両肩に打ち込まれた太い釘、背もたれが非常に長い椅子が特徴的。
椅子に座った状態でも2~3メートル以上はありそうな巨体を誇っており、人間型の魔物の中でもかなりの高身長。
補足:椅子について
見た目的にはシンプルな石製の椅子なのだが、原作134話ではディオガ・リュウスドンを撃つ際にジェット噴射をしているので、魔物の道具らしく何かしらの超技術が使われている模様(原作135話でひっくり返っているシーンでは、椅子の底に噴射口のような穴が開いているのが確認できる)。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「ベルギムと椅子の関係を教えてください」という質問に対し、作者の雷句先生は「生まれた時に目の前にありました」と回答している。
いわゆる「刷り込み」というか、運命的なものを感じたのだろうか?
また、「ベルギム・E・Oは『E(イスにかわって)・O(おしおきよ)』と言っていましたが、Eはローマ字で『え』なのでは?」という質問に対しては、「私(雷句先生)もわかっていたんですが、ベルギムはバカですからね……」と回答している(※)。
(※)後に作者ブログにて、雷句先生は「ガッシュに登場するキャラの名前は語呂で決めている」という旨の回答をしているため、メタ的に言えば深い意味があるわけではなく、単に「アイオー」よりも「イーオー」の方が語呂がいいと判断したのだと思われる。
性格
全体的にギャグキャラとして描かれた都合もあっただろうが、フォルゴレのダンスに感動したと思いきや勝手な逆ギレを起こして敵対する等、喜怒哀楽の切り替わりが激しいような印象を受ける。
元から気分屋なタイプなのか、千年も石にされていた影響でやや情緒不安定になっていたのかは不明。
(「千年間石にされてとっても退屈でした」と発言しており、後述の術の属性と裏腹に、恨みや憎しみなどネガティブに強い感情こそ抱いてなかったものの、少なからず思うところはあったようだ。)
とはいえ、原作最終回では魔物の中でも幼い方だと判明したので、年齢を踏まえれば感情的な言動が目立つことにも納得できる面がある。
術
術属性に関しては、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「怨霊」属性と解説されている。
千年前の魔物達どころか、ファウード編~クリア編においても同じ属性と思われる術が一つも見受けられないため、何気に他の魔物と被らないオンリーワンの属性となっている(これもベルギムの実力を表しているということかもしれない)。
他の魔物が使う光線系やエネルギー系の術とは異なり、術の中に亡霊のような顔が幾つも蠢いているという不気味なデザインとなっている。
なお、その術は、噛んで傷付いた舌にシミるらしい。
ギガノ・リュウス
口を開け、黒い太線が交差した球体を放つ。
ガンズ・ゴウ・リュウガ
両肩が小さな砲門になり、多数のエネルギー弾を連射する。
椅子を回転させながら発動することで、より広範囲に打つことも可能な模様。
エルム・リュウガ
口を開け、やや放射状の炎を発射する。
ほぼ間違いなくキクロプやウマゴンと同じ「エムル系」(=炎属性付与)の術なのだが、この術のみ名前が「エムル」ではなく「エルム」となっている(おそらく深い意味があるわけではなく、単なる誤字だと思われる)。
リュウズ・ヨーヨー
両手を「怨霊が密集したヨーヨー」に変形させ、腕を伸ばして振り回す。
おそらくビクトリームのマグル・ヨーヨーと同じく、腕が伸びることも術の効果だと思われる。
リュウズレード・キロロ
身体の周りに回転する刃を出現させる。
作中では椅子に座ったまま発動しているが、厳密には「椅子の周り」ではなく「ベルギムの周囲」(腹部辺り?)に刃を出現させる術だと思われる(公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」でも「体の周りに出現した円状のブレード」と解説されている。)。
ディオガ・リュウスドン
ベルギムのディオガ級呪文。
口を開け、数多の怨霊が蠢く超巨大な球体を放つ。
全体的に威力の高い術を揃えているベルギムのディオガ級なだけあり、一撃でデボロ遺跡の壁を数十メートル以上も吹き飛ばすほど。
本の持ち主
ダリア・アンジェ
ウェーブのかかった黒髪や肩出しドレス、だらんとした猫背が特徴的な女性。
CVは永野愛氏。
玄宗とヴァイルを除いた本の持ち主達と同じく心を操られているはずなのだが、なぜか「ケケケー!!」という不気味な笑い声をあげながら戦う。
ゾフィスに心を操られている本の持ち主は基本的に無感情なのだが、なぜダリアだけこのような言動をしているのかは不明。
実力者であるベルギムと「心の波長」を合わせる際、何か特別な措置が必要だったのだろうかとも考えられなくもないが、それ以上に完全版に収録されたガッシュカフェでも、心を操られていた本の持ち主であるモヒカン・エースやランスは正気を取り戻し、明確な意識を以てしゃべっていたのに対し、ダリアは本編とまるで変化がなかったので、彼女も玄宗のように心を操られていなかったと考えた方が自然である。
また、後述でベルギムが泣いていた際は同情からか涙を流していた描写があり、そこも踏まえて考えると、情緒不安定な面と相まって、感受性が強く思い込みが激しいとも取れるダリアは、ゾフィスにとって心を操るまでもなくマインドコントロールは容易だったのかも知れない。
余談だが原作104話のバランシャ戦でもイバリスの本の持ち主であるカイル・ピカールも「ハハハッ、こっちも攻撃だ!!」とダリアや玄宗、ヴァイル同様明確に言葉を発しており、本の持ち主によっては個人差があると考えることも可能ではあるが、彼の場合はいかにも粗暴そうな見た目からの推測にはなるが、かの細川のように日頃からうっぷんが溜まってて愉快犯的に自ら嬉々としてゾフィスに加担したクチという可能性が濃い。
活躍
初登場は原作129話(本格的な活躍は134話から)。
一丸となってデボロ遺跡に乗り込んできたガッシュ陣営をゾフィスが分断した後、なぜか椅子に座って高速回転したままキャンチョメ・フォルゴレペア、キッド・ナゾナゾ博士ペアを待ち受ける。
そして「芸をしなさい」「楽しませてくれたら通してもいいが、つまらなかったら殺す」と半ば脅しをかけ、フォルゴレとキャンチョメに「チチをもげ!」を躍らせる。
観賞中は終始無言かつ無表情だったものの、ダンスが終わった直後に「マキシマム…」とボソッと呟いてから中級呪文を連発するという独特な喜び方を見せた。
そうして戦闘せずに素通りできる……と思った矢先、舌を噛んだ直後にダリアがディオガを唱え、術が舌に染みたこともあり一転して怒りを露わにする……という、フォルゴレ達にとってはとばっちりも同然な流れで戦闘に。
ナゾナゾ博士の作戦でダメージを負わされていくものの、博士に接近した際には術ではなく椅子を持ち上げて殴打するという意外な攻撃方法で虚を突き、博士に相応の怪我を負わせた。
その後も博士を狙って追い詰めていくも、キッドが博士に変わって司令塔を担い、キャンチョメの術も巧みに活かす指示を連発。
ダリアから月の石を奪い、ディカポルクによって心の力の消耗を狙うといった戦術で徐々に逆転していく。
最後にはベルギムも残った心の力を注ぎ込もうとするも、ディオガ・リュウスドンを発動する前にミコルオ・マ・ゼガルガをくらい、そのまま本を燃やされて魔界へ帰っていった(アニメ版ではディオガ・リュウスドンを発動した上で、術ごとミコルオ・マ・ゼガルガに打ち破られるという若干の演出変更がなされている)。
この戦いを経て、キャンチョメは「自分が弱いせいでキッドが魔界に帰ってしまった」という非常に大きな心の傷を負うことになり、後のディマ・ブルクやシン・ポルクにも関連する経験となっていく。
原作最終話ではなんとガッシュと同じクラスに転入しており、ガッシュも「あの者… 私と同じ学年なのか…」と驚いていた(この描写から、ベルギムの年齢も6~7歳だと考察されている)。
完全版に収録されたガッシュカフェでは、「魔界に帰ったらママと遊びに行きたい」と年相応の無邪気な一面を見せるも、封印されている1000年の間に大好きな家族は寿命で死んでる可能性が非常に高いという残酷な事実を告げられ号泣してしまう。
その後「帰っても家族が誰もない」と泣くのを見かねたパティに「もしよければ家に来ないか」と誘われているため、魔界に帰還した後は彼女の家族と同居している可能性がある。
「じゃあ私があなたのママになってあげるわよ」
「いいの?私大きいよ!リュウスドン吐くよ!!」
余談
アニオリ設定
アニメ版ではE・Oの意味が『E(イスに座って)・O(おしおきよ)』になっている。
原作ではビクトリームと一切絡みが無いのだが、アニメ版ではビクトリームの特別回に出演したり、実質的なドラマCD「Vのサインでおしおきよ!!」では「ビクトリームとは互いに存在を認知している」ことが明かされている。
大御所声優である若本規夫氏&千葉繁氏による共演、メタ発言のオンパレードを始めとしたカオスなコントが聴けるため、ファンは必聴である。
とはいえ、これらは全てアニメ版(及びアニメ版の関連CD)における話であり、前述の通り
原作ではビクトリームと一度も会話すらしていないので、設定を混同しないよう注意していただきたい。
関連タグ
ツァオロン/パムーン/デモルト……同じく千年前の魔物の中でも指折りの強者達。
パティ……本編では直接会話をするシーンが無かったものの、ガッシュカフェで共演。
ビクトリーム……先に述べたように、アニオリ設定ではライバルのような関係になっている。