「私の名前はビクトリーム! 華麗なるビクトリーム様だ!!」
「言ってごらん?」
「てめえらを冥途に送る名前だーーーーー!!!」
「よーーーーーく覚えておくんだなーーーーー!!!」
概要
石版編に登場する魔物の子。
千年前の「王を決める戦い」においてゴーレンに敗れ、ゾフィスによって現代に復活した魔物の1体。
CVは若本規夫氏(若本氏は邂逅編で登場したフェインも担当している)。
本の持ち主はモヒカン・エース(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
本の色に関しては、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にてスカイグリーンと明かされている。
漫画・アニメ・ゲーム等における、いわゆる「作者にとっても予想外の人気が出たキャラ」であり、本編では単なる敵役として登場し僅か数話で退場しただけなのにもかかわらず、後述のように数々の伝説を築き上げたお方(?)でもある。
ファンからは敬意を払って(?)「ビクトリーム様」「V様」と様付けで呼ばれることもある。
連載が終了した現在でも人気やネタ方面での需要は高く、ガッシュという作品を詳しく知らない層にすら名前が知れ渡っていることもある等、総じて今作におけるコメディキャラの代表とも言える存在。
人物像
容姿
一言で表すならば、まさしく「全身でアルファベットのVを象っている」という他ない非常にシンプルかつインパクトの大きい見た目をしている。
一応具体的に述べるとしても、頭部がV字型、胴体(あるいは着用しているアーマー?)もV字型、両足も細長いV字型……等、やはり「V字型」と表現するのが最も適切であろう容姿。
作中に登場するキャラクターの中で、これほどまでに「名が体を表す」容姿をしている魔物は他におらず、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて作者の雷句先生も「コン・バトラーVの歌を口ずさみながら書いていたら3時間くらいで出来上がった」と明かしている。
カラーリングについては、原作版とアニメ版ともに白で一貫している。術の際に発光する5つの球は緑色。
また、カードゲームに収録された際には体色が薄い緑色になっている場合もあり、おそらくこれは本の色との対応、もしくはメロンをイメージしたためだと思われる。
また、術に頼らないビクトリーム自身の能力として、頭部を胴体から分離させ、空中に浮かせたまま動かすことも可能。
作中ではこの特性を活用し、「頭部を高速回転させたまま術を放ち、攻撃範囲を拡大させる」という応用も見せた。
単に頭部を回転させているだけなのだが、ビクトリーム自身はこれを「荘厳回転3・6・O」(読みは「グロリアスレヴォリューション スリー・シックス・オー」)というやけに豪華な呼び方をしている。
ちなみに、分離時に身体が待機する際の体勢は「Vの字」ではなく「Yの字」に見えるというツッコミもあるが、遠目で見ればVなので問題ない……と思われる(?)。
性格
本編に登場した際にはギャグキャラとして描かれており、意外にも内面の深い部分を知れるような言動は見受けられなかった。
一応、ガッシュ達との戦闘の際には非情な台詞や相手を煽るような言動も少々見受けられたが、そもそも千年前の魔物達は「千年間も石にされていた」という事情により性格が攻撃的になっている者も多いため、ビクトリームが元から苛烈な性格だったか否かは意見が分かれるところ。
現に完全版に収録されたガッシュカフェでは純粋にレイラのことを思って戦いに挑んだことが明かされたり、後述の「V伝」では読者からのファンレターを読んで感涙している等、本質的には情に厚い性格をしていることがうかがえる。
また、「ガッシュ達が先の戦闘で心の力や体力を疲弊した状況を狙って襲撃する」「戦闘中でも清麿が何重にも仕掛けた作戦をあと一歩まで見抜く」等、戦術的思考に関しては非常に優れており、普段のギャグキャラとしての振る舞いに反して地頭は良い方だと思われる。
尚、ネット上では「純粋に本の持ち主であるモヒカン・エースのことを気遣う珍しい魔物」と書き込まれている場合もあるが、これがどのシーンの何を根拠としているのかは不明であり、うる覚えで書き込まれただけの情報である可能性もある(上述の荘厳回転3・6・Oで待機させていた自分の身体に誤爆した際、パートナーは巻き込まれずに済んだ旨の発言から?)
もちろんガッシュカフェの描写を見るに、他者への思いやりを秘めている点は間違いないだろうが。
趣味嗜好等
とにかくメロンが大好物であり、メロンへの愛情を表現した歌「ベリーメロン」はガッシュという作品を知らない層でも聞いたことくらいはある場合もあるほどの知名度を誇る。
だが、意外にも原作本編においてメロンを好きになったきっかけや経緯は一切語られておらず、そもそも初登場時にはメロンについて一切言及すらしていないし、「メロン」という単語すら一度も発せず、「ベリーメロン」の歌やダンスすら披露していない。
「メロンが好き」という設定やダンスは、本編ではなく原作13巻の巻末に収録された「おまけビクトリーム劇場 ベリーメロン」が初出であり、その際にも特にきっかけや経緯は語られていない(厳密にはこの際にも「メロンが好きという設定が明かされた」というよりも「唐突にメロンを食べて好きになった」という方が正しい)。
アニメ版ではこの点を補完する目的があったのか、「ガッシュ達が自身の登場に気付かず怒りが沸き上がる→その様子を見たフォルゴレが機転を利かせ、休憩中に食べていたメロンをお裾分けする→そうしてメロンを食べた結果として例のベリーメロンを踊る」というアニオリ展開が追加されている(繰り返しになるが、この経緯はあくまでアニオリ展開なので、原作の展開と混同しないよう注意)。
とはいえ、ビクトリームが本編外で「メロン好き」という描写が多々なされたためか、原作終盤で再登場した際には本人の口からメロンについて言及しており、現在では「本編内外問わず、ビクトリームといえばメロン好き」という認識で統一されている。
人気/伝説
まず前提として、ビクトリームは、
- ガッシュ達の仲間になる、友情を育む。
- 作中において重要な立ち位置にいる。
- 幹部クラスに相当する敵側の主力的な強さを持つ。
等の、いわゆる「人気が出る要素」をいずれも持ち合わせていない。
にもかかわらず、なぜか多くの読者から絶大な人気を集め、以下のような様々な伝説を築き上げたのだった。
- 連載当時に開催していた読者応募企画「魔物デザインコンテスト」にて、原作15巻の時点では「ビクトリームをモデルにしたような魔物」のイラストがなんと72枚以上(正確な総数は不明)も送られてきた。
- そんな中で人気を察したのか、作者の雷句先生が原作15巻のおまけページにて「ビクトリームを復活させてくださいというハガキが1000通以上来たら考える」と発言、専用の応募先が作られる。
- その後、2ヶ月と経たない内に3000通を超えるハガキが届いたため、週刊少年サンデー(平成16年27号)にて本当にビクトリームを主役とした書き下ろし「金色のガッシュ!! V伝 V字型のビクトリーム」が掲載される。
- ちなみに当書き下ろしは公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」と「金色のガッシュ!! 20周年ありがとうなのだ!ブック」にも収録されているため、現在でも確認可能。
- 上述のようにガッシュ達と友情が芽生えた魔物ではないのに、本編においても「清麿がアンサー・トーカーを一時的に消失する際の夢」と「クリアとの最終決戦」の2回も再登場を果たす(原作最終話も含めるなら3回)。
- アニメ版では第89話にて「フォルゴレの初夢にビクトリームが登場する」という内容のアニメオリジナルエピソードまでも作られ、サブタイトル映像もビクトリーム仕様になるという特別扱いを受ける。
- 多くの主要キャラや人気キャラに並び、文庫版・完全版の両方でカラー表紙として描かれている。
- これについては完全版6巻の発売当時、雷句先生がTwitterにて「表紙は『ビクトリームとモヒカン・エース』のペアか『ゾフィスとココ』のペアかで迷ったが、読者のみんなはビクトリームの方が喜ぶだろうと思ったので決めた」とツイートしている。
- 2017年9月には多くの人気キャラを差し置き(?)、「ヴァリアブルアクションHeroes」としてアクションフィギュア化される。
- ソーシャルゲームアプリ『コトダマン』とコラボした際にも、コラボキャラの1人(組)として登場。しかもログインするだけで必ず手に入るという優しい仕様。
このような数々の伝説を持つ通り人気も高く、連載当時に行われていた公式人気投票では第2回こそ16位だったが、第3回ではなんと9位にまで急上昇。
更に、2023年7月にマイナビが開催したアンケート「金色のガッシュ!!で1番好きな魔物の子は?」でも、主要キャラ達がトップ10を占める中でも大健闘の12位にランクインしており、現在でも高い人気を誇っている。
これほどの人気を誇る具体的な理由として、ファンからは、
- ある意味では洗練されたデザイン
- 作中の言動や歌などに代表される個性的な叫び声
- シリアスな状況の中でギャグチックな展開を披露した
等の理由が挙げられることが多い模様。
術
術属性については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「V」……ではなく「光」属性だと明かされている。
同じく光属性だと明かされているバリーやロブノスと同様、術自体は性能・軌道ともにシンプルな印象。
前述の通り着想元がコン・バトラーVである事を踏まえると「電磁力」でもあるのかもしれない。
マグルガ
「おお、美しき我が攻撃の爪痕…」
「華麗なるビクトリーム様の勝利を暗示するVの爪痕!!」
頭部からV型のビームを直線上に放つ。
一応「ガ」が付いているので初級よりは上位の術だと思われるが、作中ではティオのセウシルに数発ぶつけてもヒビが入るところまでしか追い込めなかったので、1発ごとの威力は控えめな印象。
とはいえ前述のように頭部を分離させて回転可能なため、作中では一度の発動中に部屋全体を攻撃する「実質的な広範囲攻撃」という強力な応用を披露した。
マグル・ヨーヨー
「1・2ーーー!!」
「1・2ーーー!!」
ベルギムE・Oも修得しているヨーヨー系の術(おそらく肉体強化系の一種?)。
両腕を高速回転するヨーヨーに変化させて攻撃する。戦闘時だけでなく、「ベリーメロン」を踊る際にも多用される。
厳密には「ヨーヨー」というよりも「中央で刃が高速回転する武器」のように変化しており、後に登場したゼオンのレード・ディラス・ザケルガの小型版と表現すれば伝わりやすいだろうか。
また、腕部がしなりのあるロープのように変化しており、軌道を自在に操作することが可能。
尚、ネット上ではマグル・ヨーヨーについて「どんなものでも切り裂く」と書き込まれている場合もあるが、さすがに「どんなものでも切り裂く」とまで表現するのは過剰評価である。
現に原作118話では「既に疲労が貯まっており、ラウザルクも発動していない」状態のガッシュに命中させても大きな出血や傷跡が見受けられないので、威力自体はそこまで高くないと思われる。
着想元がコン・バトラーVである事を踏まえ、元ネタは超電磁ヨーヨーなのではないか?と考察されることも。
チャーグル
「怒りの力(パワー)を右腕に!!」
「我が強さを右肩に!!!」
「我が美しさを股間の紳士に!!」
「誇り高き心を左肩に!!」
「Vの華麗な力を頂点に!!!」
ビクトリームが上記の口上を順に発し、それらに合わせてモヒカン・エースが「チャーグル」と唱える度に、該当箇所(両腕・両肩・股間)の球が発光。
原作版とアニメ版では発光する順番や発光の総数が異なっているため、口上の数や順番も異なっている。
原作版では「右半身→股間→左肩」の順で、左腕は最後の「頂点に」と統合されているため言及無し。
アニメ版では「両腕→両肩→股間」の順で、最後の「頂点に」が5箇所とは別のラスト1回となっているため、左腕にも個別の口上がある。
よって上記の口上は原作版のものであり、アニメ版では、
「怒りの力(パワー)を右腕に!!」
「憎しみの力を左腕に!!」
「我が強さを右肩に!!!」
「誇り高き心を左肩に!!」
「我が美しさを股間の紳士に!!」
「Vの華麗な力を頂点に!!!」
となっている。
この術そのものでは何の攻撃力も持たないが、発光させた箇所の数に応じてチャーグル・イミスドンの威力やサイズを高めるための攻撃補助呪文。
同じく「グル系」であるガッシュのザグルゼムと同じく、この術による充電は他の術を使用しても効果が消失しない。
そのため、一度チャージを開始すれば相手がチャージそのものを止めることはできないという強みがある。
ちなみに原作118話では右腕→右肩→股間まで貯めたところでティオから石を投げつけられたため、1度目は半分ほどの力で発射したが、アニメ版では最後の5つ目で股間に貯める演出に変更されたため、1度目からフルチャージで放っている。
また、上述のように、アニメ版での2回目では5つの光の玉が輝いた後にも「Vの華麗な力を頂点に!!!」と叫んで6回目のチャーグルができている等、演出面で若干の違いがある。
チャーグル・イミスドン
「これでてめえらをロストしてやるぜ!!!」
上記のチャーグルでエネルギーを貯めた箇所から、数メートル以上もある分厚い光線を放つ。
最大チャージが完了した状態であれば巨大なV字型、3段階チャージであれば「\」のような形として発射される。
登場当時では作中最強クラスの威力を誇り、チャージが3つしか完了していない状態でも覚醒前のバオウ・ザケルガを一方的に打ち破るという衝撃的な演出がなされた(※)。
(※)それまでの戦闘でもバオウが「相殺される」「魔物に命中させたが耐えられてしまう」「2vs1で破られる」等はあったものの、完全な1vs1でバオウを容易く粉砕したのはチャーグル・イミスドンが初であった。
シン・チャーグル・イミスドン
「アーンド・荘厳回転3・6・O!!!」
「Vの体勢をとれ!! ガッシュ!!!」
クリアとの決戦において、「金色の本」を介して発動したシン級のチャーグル・イミスドン。
単独での効果は不明だが、作中ではレイラのミベルナ・シン・ミグロン及びパムーンのファルセーゼ・バーロンによって生じた無数の三日月と星からV字型の光線を放ち、クリア完全体の放った無数の消滅弾を全て撃墜する活躍を見せた。
不明点
最上位の等級である「シン」が付いていることからも、チャーグル・イミスドンの上位術であることは間違いないのだが、光線の形状に関しては変化が見受けられないため、どのような強化・発展を遂げているのかが曖昧でもある。
特に、この術に関してはチャーグルを使用していない状態でも光線がV字型になっているのだが、これについても、
- 1:チャーグル・イミスドンの弱点を解消するかのように、「チャーグルによる充電を必要とせず、最初から最大火力を放つことができる」という強化を遂げている。
- 2:充電を必要としないのであれば、それこそチャーグルの存在意義が無くなってしまいかねないため、本編での使用時はあくまで「金色の本」という特異な状況下による特別な強化がなされていただけ、もしくはレイラ&パムーンの術と組み合わさった結果であり、ビクトリーム自身が使用する場合は一から充電する必要がある。
という相反する見方をすることができる。
もっとも、2024年2月現在では公式情報としての補足が無いため、現状ではファンの考察に留まっている。
バベルガ・ベリーメロン
アニメ版オリジナルエピソードにて登場した新呪文(?)。
虹色に輝く巨大なメロンを前方に発射し、着弾と同時に爆発を起こす。
本の持ち主
モヒカン・エース
鋭く逆立てたモヒカンや額に書いた「1」、両肩に棘のついた革ジャンを上裸に羽織る等、全体的にロックな雰囲気を漂わせる男性。
CVは永野善一氏。
公式からプロフィールは明かされていないため、年齢や好物等は不明(作者ブログの回答については下記の小見出しを参照)。
尚、正確な表記は「モヒカン・エース」であり、「モヒカンエース」ではない(真ん中に点が入る)。
作中では終始心を操られているため、人物像については不明な点が多い。
一応、ニヤついていたり汗をかいていたり泣いたりと、心を操られた人の割には表情豊かな面もある。
完全版の表紙ではタバコを吸っているので、喫煙者である模様。
また、作中では吹っ飛ばされたビクトリームに激突されたり、偽物と間違われて蹴り飛ばされて悲鳴も上げたりと、割と不憫な扱い(?)も受けている。
原作13巻の中扉では、ビクトリームが彼の顔にペンで「1」を書いており、足元には櫛も置いてあるので、ヘアスタイルに関してもビクトリームが整えたものだと思われる。
作中ではビクトリームと意志疎通をする場面はなかったのだが、「月の石」による洗脳が解けた後もヘアスタイルを維持している(遺跡に拉致させる前からモヒカンであり、ビクトリームはあくまで整え直しただけという可能性もゼロではないが)。
作者ブログの回答について
作者ブログに「ズバリ、モヒカン・エースの本名と職業は?」という質問が届いた際、作者の雷句先生は「彼の名前は『ポロ・ペーニョン』。ロックなサボテン職人です」と回答しており、ネット上ではこれが公式設定であるかのように書き込まれている場合もある。
だが、実際の回答は端的に事実を述べるような形ではなく、
「彼の名前は『ポロ・ペーニョン』ロックなサボテン職人です。え!?今適当に決めただろって?ハッハッハ、そんなわけないよ、やだなぁ……。ハッハッハ、アッハッハッハッハッハッハッハ」
と、あくまで即興(冗談)の類であることも仄めかされているような内容となっている。
作者ブログでは全ての質問に対して真面目に回答しているわけではなく、こういった遊び心のある回答も混じっているため、モヒカン・エースの回答に関しても「公式設定」なのか「あくまでネタの類」なのかは曖昧なままである。
活躍
初登場は原作116話(本格登場は117話)。
アニメ版では第62話「Vの衝撃 ベリーメロン!!」、第63話「ブルァアア!紳士怒りのチャーグル」に登場。
既にアルム達との戦闘で疲弊したガッシュ達の前に現れ、高威力の術でガッシュ達を追い詰めていく。
この戦いではガッシュ陣営が使える呪文の回数は各々1~2回という状態であり、かつビクトリーム自身もそこそこの実力者だったので、ガッシュ達に相当な苦戦を強いらせていく。
だが、最終的にはティオのサイフォジオによる回復やキャンチョメのポルクを有効活用した清麿の作戦に嵌められてしまい、本を奪い取られた直後に包囲されて敗北。
惜しくも決定的な敗因はビクトリーム自身というより「本の持ち主は心を操られているため、会話による意思疎通ができない」という状態の方であった。
その後はファンサービスも兼ねてなのか、石版編では最初から最後まで敵であったにもかかわらず、クリア完全体との決戦にて再登場を果たす(ちなみにクリアとの初戦時、ガッシュがクリアに対して激怒した際の回想にも映っている)。
「呪文」の項目で述べたようにレイラやパムーンと見事な連係プレーを見せただけでなく、
「いいか…ガッシュ…魔界に帰るときには、メロンの種を持って帰るんだ…」
「『一粒の種は100万のメロンを生む。』これを忘れるんじゃないぞ…」
と告げ、後にガッシュは本当にメロンの種を持ち帰っている。
クリア完全体を倒した後にガッシュから感謝されるシーンでは、ページの一番上でVの態勢を取っており、ここでも何かと存在感を発揮していた。
そして原作最終回では、本当にメロンの繁殖に成功したようで、畑でメロンの芽を嬉しそうに眺めている様子が描かれている。
ちなみにメロンに関しては、後に作者ブログにて「ビクトリームがメロンを持って魔法使いの元へ行き、V字型のメロンにできないかと無理難題を押し付けている」と回答されている(V字型のメロンについては「金色のガッシュ!! V伝 V字型のビクトリーム」での岐阜県ネタを踏まえたものだと思われる)。
また、畑の立て札にカタカナ(=人間界の文字)で「メロン」と書かれているのは、同じく作者ブログにて「魔界にメロンという食べ物が無かったから、魔界の文字でもメロンを意味する言葉がなかった」「ビクトリームのこだわりでガッシュにカタカナ表記を教えてもらった」からだと回答されている。
また、完全版に収録されたガッシュカフェではレイラと共演。
レイラとの会話の中で千年前の戦いについて少し振り返っており、千年前の本の持ち主がなんとムラサキシキブであったことが明かされた(一応ガッシュカフェではカタカナ表記だが、間違いなく紫式部を指している)。
正確な人物像は不明だが、レイラ曰く「美人で話が面白いロマンチストな方」だったらしい。
ちなみにモヒカン・エースは(正式設定かは不明なものの)作者ブログにて「アイルランド人」と回答されたこともあるので、本編での「千年前の本の持ち主の子孫であれば本を読めるようにできる」という設定と矛盾が生じてしまうようにも思える。
これについては、ムラサキシキブはなぜかビクトリームと共に日本から航海に出て、その最中ヴァイキングに拉致されたとも語られているので、そのままアイルランド付近に居着いて家庭を持ったのであれば一応の筋は通る。
更に、レイラとは一緒に「ベリーメロン」を踊る程に仲が良かったらしく、
「オレは一応 お前が石にされたと聞いてゴーレンに戦いを挑んだんだぜ」
とも語っており、本質的には情に厚い面を持つことも判明した。
完全版16巻に収録されたパーティー会場でもレイラの隣に位置しており、前王が到着した時にはVの体勢をとっていた。
余談
叫び声について
ビクトリーム(及び担当声優の若本規夫氏)といえば「ブルァアア!」でお馴染みだが、この叫び声は原作117話の時点で使われており、アニメオリジナルの台詞やアドリブというわけではない。
そもそも雷句誠先生の作品ではしばしば他のキャラクターにも使われており、作中では清麿も同じ悲鳴を発したことがある。
雷句先生の読み切り作品「玄米ブレード」の主人公である五輪玄米も同じ悲鳴を発しており、何気に歴史は深い。
ベルギム・E・Oとの関係
ギャグキャラという共通点を持つためか、アニメ版においてはベルギム・E・Oとライバル的な立ち位置として描かれている。
ミニドラマCD内でもベルギム・E・Oと掛け合い漫才的なことをやっており、前々から知り合いだった模様。
とはいえ、この設定も「メロンを好きになったきっかけ」と同じくアニメオリジナルの要素であり、原作においては絡みが一切無いので混同しないよう注意。
関連タグ
キース……敵陣営のギャグキャラでありながら頭脳派、高い実力を持つ、特定の好物を愛している等、多くの共通点を持つ。
ロデュウ・レイコム……ビクトリーム同様、最初から最後まで敵だったが、ガッシュがクリアに対して激怒した際の回想に登場した魔物達。
ガッシュ・ティオ・キッド……自身を主役とした外伝が描かれた魔物達。
ビッグ・ボイン……魔物ではないが、同じく「名が体を表している」キャラクター。
岐阜県……「金色のガッシュ!! V伝 V字型のビクトリーム」にて、読者からの「岐阜ではV字型のメロンを育てていることで有名です」というハガキを見て実際に来訪。その顛末についてはぜひご自身の目で確かめていただきたい。「金色のガッシュ!! 20周年ありがとうなのだ!ブック」であれば無料で購入可能なのでオススメである。
同作者作品の関連キャラクター
- サラダうどん(どうぶつの国)
作者の雷句先生がガッシュの連載終了後に連載していた作品「どうぶつの国」に登場するキメラの1体。
「どうぶつの国」におけるビクトリームのようなキャラクターであり、ビジュアル(特に顔)、意外と侮れない能力を持つ、人情家としての面を持つ……等、描かれ方も似たところが多い。
他作品の関連キャラクター
スマートフォン向けゲーム「Fate/GrandOrder」に登場するサーヴァント。
ガッシュカフェにて千年前の本の持ち主が明かされてから、彼女とビクトリームをクロスオーバーさせたイラストもPixiv内外で投稿されるようになった。
モチーフがV(ビクトリー)繋がりのキャラクター。