『あいつが立ち上がる度に言ってた言葉』
『パートナーと、魔物の…仲間…』
概要
ファウード編序盤で登場した魔物。
CVはうえだゆうじ氏。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物は不明。
本の色に関しては、アニメ「金色のガッシュベル!!」DVD Level-3-3巻に収録された魔物百科にてブルーウォッシュと解説されている(実物ではなく映像特典なので、対象DVDを購入・レンタルすれば現在でも確認可能)。
長らくいそうでいなかった、ウマゴンにとって初の「ライバル」のような存在となった魔物である(それまでもウマゴンが仲間と連携して戦った相手は多いものの、個人的な因縁ができたのはカルディオが初となる)。
人物(?)像
容姿
もっさりと生えた黒い体毛、オリックス類のように後頭部辺りから生えた長く立派な二本角、鋭い目つきが特徴的。
ウマゴンと違って種族は明言されていないが、同じ「馬族」と見て間違いないだろう。
性格
喋れない動物系魔物の中では珍しく、作中で何度か明確な言葉としての心の声(※)が描かれており、全体としてウマゴンとは反対に「クール」「孤高」のような印象を受ける。
(※)心の声はアニメ版においてもうえだ氏の声でしっかりとした「言葉」として読み上げられている。
原作174話では何気に「クックックッ…」と鳴き声以外の言葉を発しているコマもあるので、やはり知能的にもウマゴンより少し上なのだと思われる。
当初こそサウザーと共に「仲間」というものを嫌悪しているような様子が描かれたが、これは過去に「1vs1の戦いと思わせておき、体力を消耗した後に仲間が出てくる騙し討ちをされた」という苦い経験をしたからであり、実際には仲間のために戦うことのできる真っ直ぐな心を持っている(現にサウザー・エリー・アースといった「一度信頼した相手」とは抜群の連携を見せている)。
鳴き声について
他の動物系魔物と同じく独特な鳴き声をしており、カルディオの場合は「パルパルモ~ン」となっている(ウマゴンのように鳴き声のモデルがあるのかは不明)。
アニメ版ではウマゴンが「メェルメルメェ~~~」と間延びした言い方になっている場面もあるのに対し、カルディオは「パルパルモォン!!」とやや早口で言い切るような演出(差別化)がなされている。
能力
ウマゴンに対して「別の魔物の臭いがする」と感じ取っていたり、ファウードから遥か遠く離れた山からもウマゴンの臭いを嗅ぎ取っていることから、ガッシュと同等、あるいはそれ以上に鋭い嗅覚の持ち主だと言える。
また、アースから教わった魔力隠蔽能力を短期間で会得し、モモンにすら至近距離でないと気付かれないレベルまで使いこなしている(※)ことからも、やはりファウード編まで生き残るに相応しい実力を秘めていたと言えるだろう。
(※)190話の時点でリオウが「ファウード復活まであと2日」と述べているため、アースと出会ったタイミングも考えると半日ほどで魔力隠蔽能力を修得し磨き上げたということになる。
術
公式から術属性が明かされていないため、公式情報としての表記は不明。
とはいえ作中の描写を踏まえれば、ほぼ間違いなくウマゴンと同じ「強化」属性だと思われる。
氷を扱うイメージこそ強いが、ウマゴンのディオエムル・シュドルクと同様にあくまで派生系によって新たに付与された属性であり、レイコムやフリガロのように氷を専門にしているわけではないと言える(現に初級術のギドルクや上位術のゴウ・ギドルクはシンプルな肉体強化となっている)。
とはいえ、サウザーが「生き残るために必死に修行してきた」と述べているように、過酷な鍛錬によって氷を専門にしている魔物以上に強力な冷気を操れるのがカルディオの強味である。
ギドルク
身体が一回りほど大きくなり、頭部や四肢に氷を思わせる水色の鎧を装備した形態へ変化する(カラーリングはアニメ版を参照)。
ゴウ・ギドルク
胸部や脇腹辺りにも鎧が追加され、二本角の伸びる方向が頭の斜め下へと変化した形態になる(通常のギドルクでは角の向きが変わっていない)。
ディオギコル・ギドルク
サウザーも「オイラも驚く程の強力な術」と述べているように、作中に登場する全ての肉体強化呪文の中でもトップクラスの総合性能を誇る呪文。
頭部から新たに1本の立派な角が生え、全身を氷の鎧で包んだ水色の身体に変化させる。
身体能力の向上はもちろん、やはり特筆すべきなのは術名に「ギコル」(=氷属性)が追加されたことに伴い冷気を操れるようになった点だろう。
元々は本の持ち主にも危害が及ぶリスクもあったらしいが、サウザーとカルディオは半年にも及ぶ厳しい鍛錬により冷気を完璧にコントロールしており、肉体強化と氷属性を同時に扱える唯一無二の術へと昇華させている。
冷気自体もレイコムやフリガロの術を遥かに超える強さとなっており、魔物や人、周囲の自然環境はもちろん、ゴウ・シュドルク状態のウマゴンの角を一瞬で凍結させて粉々に砕けるほど。
他にも海面を瞬時に凍らせて足場にする・相手の傷口を凍らせて回復できないようにする等、味方との連携でも多彩な使い方を見せており、総じて威力・応用性ともに優れた呪文だと言える。
ディオウ・ギゴリオ・ギドルク
「アースゥ!!!」
「エリーが凍らねえように、しっかり守ってろよ!!!」
本の持ち主のサウザーですら「アレは強力すぎて、普通に使ってもカルディオが死にかける程の凍気」と使用を躊躇うほどの術。
その言葉に違わず、レイコムやフリガロが使う氷属性の術と比べても明らかに別格の強さを誇り、作中最強の氷属性呪文と断言できるほどの超強力な呪文。
角が三方向に分かれた極太の角に変化し、全身から幾つもの氷柱が生えたような姿へ変化する。
描写こそ数コマなので断定はできないが、ほぼ間違いなくディオギコル・ギドルク状態よりも一回り以上大きくなっていると思われる。
冷気に関しても格段に強化されており、周囲の空気どころかファウードの心臓魔物が放った炎のムチすらも一瞬で凍結させて粉々に砕き、心臓魔物の体内で冷気を放出し続ければ僅か数秒ほどで完全な凍死に追い込めるほどの強さを誇る。
炎すらも凍結させていることから、おそらくマイナス180℃、炎のムチが高密度であることも踏まえればそれ以上もの凄まじい冷気が放たれていると考察できる(炎も凍る気温がマイナス180℃と言われているため)。
術名について
その強さを示す故か、「ディオウ」という作中に登場する全呪文の中でも非常に珍しい語が含まれている(他に「ディオウ」を含む術はリオウの「ファノン・リオウ・ディオウ」のみ)。
術名に「オウ」が含まれているものの、あくまでカルディオ自身の肉体強化であることには変わりないので、
- 「ディ~級+オウ系」で計4文字
ではなく
- 「ディオウ」の4文字セットで特別な等級を示す語
になっているのだと思われる。
ファノン・リオウ・ディオウの威力も踏まえて考えると、おそらく「ディオガ級と同等、もしくは並のディオガ級以上」といった位置づけだろうか?
本の持ち主
サウザー
全体的にツンと尖った髪型や、黒い半袖シャツが特徴的な少年。
CVは渡辺久美子氏。
公式からプロフィールが明かされていないため、年齢や国籍等は不明。
一応、原作での台詞を踏まえれば国籍はモンゴルで確定だと思われる。
幼さ故かやや乱暴な素振りこそ多いものの、カルディオと同じ理由で「表面的な仲間」を嫌っていただけであり、本質的には他者を思いやる心を持っている。
現に作中ではエリーを故郷の妹と重ね合わせて大切に想っていたり、ファウード侵攻に対して「オレの家族や、あのモンゴルの大地を汚そうとする奴を、誰が許せるかよ…」と怒りを滲ませていた。
活躍
初登場は原作173話。
仕事で北海道に来ていたサンビーム、及び追いかけてきたウマゴンと山中で遭遇し、ウマゴンを「仲間とつるまなきゃ戦えねえ魔物」と思い込んだため戦闘に。
通常の肉体強化術による戦いではほぼ互角だったものの、ディオギコル・ギドルクを発動してからは強力な冷気を操り、ウマゴンを瞬く間に戦闘不能に追い込むほどの力量差を見せる。
そのままサンビームも凍らせて体力を奪い、本を燃やそうとするも、ウマゴンが「ガッシュの元へ帰りたい」という強い想いからディオエムル・シュドルクを発現させ、炎vs氷の戦いとなる。
それでも術を修得したばかりのウマゴンは炎を上手くコントロールできないため、結果的に実力差は覆らず、再びウマゴンとサンビームを戦闘不能に追い込む。
だが、最後には力を振り絞ったウマゴンが「炎の分身」を作ってカルディオを欺き、その隙にサンビームを背負って撤退。
これを機にカルディオとサウザーは「今回は負けを認めるが、オレ達が必ず倒す」と敵意(ある種のライバル心)を抱き、以降はウマゴンペアにとってのライバルのような立ち位置となっていく。
その後は190話でも少しだけ登場し、206話にてアースと共に再登場。
リオウによって呪いを受けたエリーの容態、及び彼女の意志を見て支えると誓ったようで、アースと共に「ファウードを魔界に帰す装置」を起動させようとしていた。
そこへやって来たガッシュ達と対峙するも、清麿から「ファウードを復活させた上で対処する方法がある」という言葉を受け、以降はアースと共にガッシュ陣営に加わる。
そしてファウードが復活し、ゼオンが新たな主となってからは上記の装置を守るため、アースと共に別行動を取る(この辺りから「騎士と愛馬」のようにアースを背に乗せるシーンが度々描かれていく)。
ガッシュ達がコントロールルームを目指す一方、カルディオペアとアースペアは「ファウードを魔界に帰す装置」のある部屋で「ファウードの心臓を鳴らしていた魔物」(以下「心臓魔物」と表記)と戦闘に。
サウザーがエリーを信頼しきれないという心理的な要因と、心臓魔物がパイプによる無限回復を行うという面から苦戦を強いられる。
そんな中、
「『約束』をしよう!!!」
「『共に生き残り、この装置を守りきる』!!約束するんだ!オレと、アースに!!」
「約束は時に強い絆を生む!」
というエリーの真っ直ぐな想いと言葉を受け、気持ちに踏ん切りをつけて抜群の連携を見せる。
凄まじい速度の連続攻撃で心臓魔物に大ダメージを与え、勝利目前か……と思いきや、心臓魔物は全身を炎のムチに変化させるという新たな攻撃を行い、アースよりも先に標的にされてしまう。
咄嗟にアースとエリーから庇われたことで難を逃れるも、「またオイラが足手まといになった」と再び感情を荒げてしまうサウザー。
そんなサウザーに対しアースは、
「『共に生き残り、この装置を守りきる』」
「この約束は、コンビネーションを上手くするためだけにしたのではない」
「貴公らに生き残ってほしいというエリーの本心そのものだ!!!」
「だからヤケになるな!!!」
と熱い励ましの言葉をかけ、冷静さを取り戻させる。
そしてカルディオもエリーを守るため、自身の命が危険になることを承知でディオウ・ギゴリオ・ギドルクの使用を決断。
カルディオが冷気で死んでしまわないよう、あえて自ら炎に本を当てて燃やしたサウザーは、
「カルディオ…」
「この王を決める戦い、つれえことばかりだったけどよ…」
「最後に…嬉しい戦いができたな」
と優し気な笑みを浮かべ、カルディオも作中でただ一度の穏やかな笑みを浮かべた。
そしてディオウ・ギゴリオ・ギドルクを発動し、心臓魔物を体内から急速冷凍させ、凍死させる。
カルディオが魔界に帰った後、アースが剣を投げつけて心臓魔物の全身を粉々に砕き、勝利となった。
「魔界でも元気でな…」
「カルディオ…」
原作最終話の集合写真ではバランシャの上に乗っかり、自身はゾボロンに乗っかられるような形で写っている。
関連タグ
ウマゴン……同じ馬型の魔物であり、ライバルとなった魔物。
アース……原作では共闘する時間も長く、「騎士と愛馬」にも見えるような関係性を築く。
レイコム/フリガロ……作中でも数少ない氷使いであり、彼らは氷属性を専門にしている魔物。
ロブノス……本の持ち主の国籍がモンゴルの魔物(リュックの国籍は公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」にてモンゴルと明記されている)。