概要
「週刊少年サンデー」2001年6号から2008年4・5合併号まで連載された雷句誠の漫画「金色のガッシュ!!」(全33巻)のテレビアニメ化作品。劇場版も2作公開された。
2003年4月6日から2006年3月26日にかけてフジテレビ系列局の一部で放送された。ちなみに本来の放送時間帯である日曜朝9時台前半はローカルセールス枠に近い扱い(同時ネット局ではスポンサーが付く)であるため、放送日時を差し替えた放送局が大半だった(基幹局であるはずの東海テレビ、関西テレビ、テレビ新広島でさえ差し替えた)ばかりか、テレビ大分と沖縄テレビでは放送自体無しという有様であった。
全150話。ファウード編までがアニメ化され、最終章のクリア・ノート編は放送されなかった。
東映アニメーション製作。制作プロデューサーは関弘美→清水慎治。シリーズディレクター(監督)は中村哲冶→貝澤幸男。シリーズ構成は橋本裕志→大和屋暁(31話〜最終回)。キャラクターデザインは大塚健。
原作からタイトルが変更された理由について公式発表はないが、「ガッシュ」が商標登録されていたため、というのが通説。
第108話「ホームシック!? 華と母上 さまよえるガッシュ」から、アバンとOPの後にCMは入るが、本編中はCMが入らずに番組が進行するようになる(この手法は次作の『デジモンセイバーズ』、次々作の『ゲゲゲの鬼太郎』まで使用されている)。
本作の製作・放送に伴い、4コマ漫画「金色のガッシュベル!!」が、「月刊コロコロコミック」や「ちゃお」で連載された。
新作発表された原作の続編である金色のガッシュ!!2に関してだが、2024年時点ではアニメ版の続編は発表されていない。
ストーリー
天才ゆえに孤独な中学生高嶺清麿のもとに突然現れた元気な少年ガッシュ・ベル。彼は高嶺清麿の父親から、息子の友達になるよう頼まれ、イギリスからやってきたのであった。退屈な日々は終わりを告げ、騒々しい毎日の幕が開く。だが実は、ガッシュ・ベルは1000年に1度行われる魔界の王を決める戦いに参加させられた100人の魔物の子の1人であった。次々と襲ってくる魔物たちとの戦いの中で、「やさしい王様」になるという志を抱くのであった。
登場人物
金色のガッシュ!!登場人物一覧を参照。
主題歌
オープニングテーマ
「カサブタ」(1話 - 50話)
作詞・作曲 - 千綿偉功 / 編曲 - 渡部チェル / 歌 - 千綿ヒデノリ
「君にこの声が 届きますように」(51話 - 100話)
作詞 - うらん / 作曲・編曲 - 大久保薫 / 歌 - 谷本貴義
「見えない翼」(101話 - 150話)
作詞・作曲・編曲 - 太田美知彦 / 歌 - 谷本貴義
エンディングテーマ
「PERSONAL」(1話 - 30話)
作詞・作曲・編曲 - T2ya / 歌 - 上戸彩
「STARS -you don't have to worry about tomorrow-」(31話 - 58話)
作詞 - KING / 作曲・編曲 - MIKI WATANABE / 歌 - KING
「つよがり」(59話 - 75話)
作詞 - 福田哲也 / 作曲・編曲 - 勝誠二 / 歌 - 喜多村英梨
「イデア」(76話 - 100話)
作詞・作曲 - 天野月子 / 編曲 - 戸倉弘智 / 歌 - 天野月子
「今日より明日は」(101話 - 125話)
作詞・作曲 - 芳賀俊和 / 編曲 - えちうら & MTTラボ / 歌 - えちうら
「★遊FEVER★」(126話 - 149話)
作詞・作曲 - 篠原ともえ / 編曲 - Kagami、篠原ともえ / 歌 - 篠原ともえ
「カサブタ」(150話)
作詞・作曲 - 千綿偉功 / 編曲 - 渡部チェル / 歌 - 千綿ヒデノリ
挿入歌
「裸足の王様」(第2・3話、第10話)
「あなたが傍にいるだけで」(第4話、第6話)
「僕はここにいる」(第8話、第22話)
「ココロノチカラ」(第9話)
「チチをもげ!」(第11話、第18話、第40話、第51話、第59話)
「無敵フォルゴレ」(第11話、第18話、第60話)
「Destinyーあの日に帰ろう-」(第12話)
「光のプリズム」(第14・15話)
「Happy Tomorrow☆」(第15話)
「約束の星」(第35話)
「Destiny〜あの日に帰ろう」(51話、60話、87話)
「ワタシノユメ」(第58話)
「Love is living in my heart」(71話)
「伝えて」(78話)
「ベリーメロン」(89話)
「Never Say BOIN BABY」(111話)
「カサブタ(清麿バージョン)」(7話、31話)
「コーラルQの変形体操」(105話、106話)
原作との相違点
- 戦闘面
・シーンの追加や変更点が多い。また、それらによってデモルト、ゾフィス、リオウといったボス格の魔物は原作よりも強力に描かれている(術の威力を原作よりも強化、多勢を相手にしても終始圧倒するなど)。また、過激な描写のある箇所はストーリーが変更されたり、描写が和らげられている。
- キャラクターデザイン・設定
・恵やパティなど、一部のキャラクターの色指定が原作と違う。
・ホウガンのデザインやパートナー(原作ではミリオン・スーツという名前だったが、アニメ版ではハルク)がまったく異なる他、ジェデュンの性別が男になっている。
- ストーリー
・原作で清麿とガッシュの出番がない回では、2人のオリジナルサイドストーリーが描かれることも。
アニメ版で恵との出会いの細かな経緯が第3期にオリジナルストーリーとして挿入されたが(第119話)、原作やTV放送第14話と矛盾したものになってしまっている(海に転落したティオが初めて意識を取り戻したのは恵の部屋のはずだったが、こちらでは病院になっているなど)。
・恵の出番が多く、学校生活や仕事(ドラマ出演やグラビア撮影)のシーンがある。
・ウマゴンの初登場は原作ではイギリスだったが、アニメ版ではモチノキ町になっており、早い展開からガッシュと会っている。
・邂逅編内のイギリスの話にて、ティオペアが恵のロケを行う形で登場したり、キャンチョメペアの出番が前倒しにされてバルトロ戦に参戦したり、鈴芽が香港と間違えてイギリス旅行に来たりと出番が増加している。
原作以上にカップル(清麿と恵、ウォンレイとリィエン、サンビームとエルなど)の恋模様が強調されている他、清麿も恵に好意を抱いている節がある
・石版編で原作ではタイマンだったゾフィスとシェリー&ブラゴの戦いにガッシュ&清麿ペアなどが介入する戦闘シーンがある。
・原作ではファウード編は春休みの後半辺りで終了しているが、アニメでは夏になっている。
・原作にアニメが追いついてしまったため第138話以降の展開が原作とはかなり違い、第139話から第150話(最終回)まではオリジナル展開で描かれた。この関係で
- ゼオンが最後まで改心しないまま退場
- アンサートーカーが登場しない
- デュフォーの正体が超能力者。最後はゼオン敗北後に消息不明になる
- 原作では敵ながらも揺るがぬ信念やパートナーとの絆が描かれた魔物(ロデュウなど)が単なる小物のまま退場
- 生き残った魔物が違う
…など様々な要素が合わさった結果、その後の原作には繋がらない独自の結末を迎えた。
ただし全てオリジナルではなく「ガッシュとゼオンが双子という設定」や「ジガディラス・ウル・ザケルガ」などは原作よりも先に登場している。
なお「作者が骨折で休載したため追い付きアニメオリジナル展開になった」とされることもあるが、休載からアニメオリジナル展開へ移行するまで1カ月ほどしか無いことや、連載再開後もファウード編完結まで1年弱かかっていることから、休載が無かった場合もアニメオリジナル展開になっていたと思われる。