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魔物の子の本

こんじきのがっしゅのほん

魔物の子の本とは、漫画「金色のガッシュ!!」「金色のガッシュ!!2」及びアニメ「金色のガッシュベル!!」に登場するキーアイテムである。便宜上「王を決める戦い」についても当記事にて詳しく解説する。
目次 [非表示]

(※)はじめに編集

当記事では漫画「金色のガッシュ!!」及びアニメ「金色のガッシュベル!!」における「魔本」や「王を決める戦い」について解説しています。

の記事をそれぞれ参照してください。


概要編集

魔物の子の本とは『金色のガッシュ!!』に登場するキーアイテム。

1000年に一度行われる「魔界の王を決める戦い」において、王候補とされた百人の魔物の子供たちに一冊ずつ渡された上で人間界に送られてくる。


正式な名称は不明。一部の媒体では「魔本」とも略される。

共通する特徴としてハードカバータイプの表紙と裏表紙を持ち、その表面には正三角形と逆三角形を頂点で合わせ、それぞれの角に円を重ねている図形が描かれている。

ちなみに一冊ずつ全て色が異なり、本の色は基本的に変わることは無い。

戦闘時以外でも条件を満たした場合に発光したり自発的に動く等の特殊なケースはあるが、平時の挙動は通常の本と変わらない。

ただ、あくまでもおまけ漫画の範囲内であるが、飲食が可能な描写がある。(開いたページの下の方に口(?)があるようで、咀嚼音と共に食品が消える)



本には人間界には存在しない文字によって「術」(「呪文」)が記されており、人間にも魔物にも決して自力で解読することはできない。

基本的に魔界の言語は似た文字が使用されているのだが、本に書かれているものはそれとも違っているらしく、ファウード編にてアースから魔界の言語を教わった清磨も解読は不可能だった。


基本的に、全ページの大部分は青くなっているが、特定の条件(魔物の術が目覚める、戦いの進行状況が告知される等)が満たされると一部の文面が本と同じ色に光り、対応する本の持ち主は色が変わった部分の文字に「何が書かれているのかを『理解』する」ことが出来るようになる。


機能編集

  • 『術の記載、及び追加』

基本的には戦いに参加している魔物の子100人がそれぞれ個別の呪文を持っており、魔物が得意とする属性に応じた術を習得していく。そして習得した術が本に浮かび上がり、本の持ち主である人間も唱えることができるようになる。

一応、基本的には各魔物が固有の術を覚えるのだが、効果の内容によっては呪文の名前の一部が被ったり、呪文そのものが被ることもある。


また、呪文の系統、等級によって共通の言葉が入ることがほとんどであり、名称からおおよその威力や性能を図ることも多い(術についての分類、等級といった詳細は術(金色のガッシュ!!)の記事を参照)。

作中において、清磨やナゾナゾ博士は「文字が読めないのではなく、まだ文字が書かれていないだけ」と推察しており、魔物の子の術に関しては、魔物の子が成長することで文字として浮かび上がるとのこと。

より詳しく言及するならば、「この本に書かれている術を、魔物の子供が使える」のではなく、「魔物の子が使えるようになった術が本に浮かび上がり、読めるようになる」といった方が正しく、言い換えるならば魔物の子供の成長記録でもあるのだろう。


  • 『人間の心の力を術に変換する』

この機能が『金色のガッシュ!!』における物語の核となる。

本には魔物の子供が使える術が書かれており、パートナーとなる人間が本を手にし、心の力を込めて術の名前を叫ぶことで、魔物の子供は術を使うことができる。

この際、本には手の一部が触れていればよく、必ずしも本を開いておく必要もない(作中の描写を見るに、指先が本に僅かでも触れている程度であっても発動可能な模様)。


元々魔物たちは魔界において本無しでも術を使うことが出来たが、「王を決める戦い」の参加者として人間界に送られた魔物の子は、パートナーの助力無しでは初級術ひとつ放てない制約を全員強制的に課せられる。

その代わり人間の心の力を元に放たれた術は、本来のものより威力や燃費が大幅に強化されている模様(ガッシュ2におけるギルの台詞等)。


パートナーと共に重ねた修練や互いへの信頼次第では、魔物本人だけでは決して引き出せないレベルの力も扱えるようになり得るので、いわば「潜在能力の前借りや拡張」とも言える。

一方、中には強すぎる想いに中てられて、似た性質だが本来の適性でない呪文を覚えてしまうバグが起きることさえある(モモンに散々陵辱された事で当時はまだ読めなかった「盾の呪文であるチャージル・セシルドン」と共に発現した「"攻撃用の"剣の呪文であるチャージル・サイフォドン」等)。


いずれにせよ最も重要なのはパートナーたる人間の「心の力」であるため、ゾフィスの様な操り人形にした人間を介して放たれる場合、元々の威力を超えるような成長性は一切見込めないだろう。現に千年前の魔物であるアムルは、心を操られている自身のパートナーを「心の力のバッテリー」と、一定の出力しか発揮できない道具であるかのように例えている。


また、文字だけでなく「文」も魔物の子供の成長によって変化すると思わしき描写もある。

例えば、当初清磨は一ページの上部に書かれている一行だけで「ザケル」と読めていたのだが、ファウード編におけるガッシュの変化によって術の威力が上がった際には、丸々一ページ分に書かれている文字全てが「ザケル」と読めるようになった。

このケースから察するに、読める文字量が多ければ多いほど、強力な術になるということになるのかもしれない。


ちなみに、「本に触れ、心の力を込めて術を唱える(発声する)」条件さえ満たせば魔物と人間双方の意志にかかわらず発動してしまう為、偶発的に出てしまう珍事も起こりうる他、人間側の独断で緊急行使させることも可能。

例えば記念すべき第一話では、勝手な事を一方的に捲し立てるガッシュに対し、軽くキレた清麿が「ふ"ざける"な!」と叫び殴り掛かった結果「ザケル」が反応し、ガッシュの正面にいた清麿にヒットする事態が起きた。


  • 『魔物の子供を人間界に繋ぎとめる』

これも最重要の機能であり、本が少しでも燃やされた場合、その瞬間に持ち主の魔物は敗北扱いとなり、王になる権利を剥奪され魔界へ強制送還される。これはどんな強者にも等しく課せられる絶対かつ唯一の敗北条件である。

この際、本が燃えるに従い徐々に魔物の体が透けていくという形で魔界に帰っていく。

一応、敗北条件には例外中の例外もあるのだが、ここでは割愛。


この本を「燃やす」手段は、

  • 本物の火を本に点ける(マッチやライター等、人間界にある一般的な道具でも可)
  • 魔物の術による攻撃で本を明確に傷つける

といった二種類の方法に大別される。

後者の場合は衝撃波やエネルギー弾といった火を起こさない属性や物理攻撃であっても、損傷部から本が勝手に発火し燃え始める。

だが、作中においてブラゴの術によってポッケリオの本が潰された場合や、バランシャの術が本を入れていたバッグを貫通して清麿の胴体まで衝撃を届かせた場合には発火しなかった為、何らかの基準がある模様(「変形」は「破損」に含まれない、術が直接触れなければセーフ等だろうか?)。


そして本に火が付くとその時点で敗退と見做され、水に漬けても消すことは出来ず、完全に燃えてなくなるのを待つしかない。無論、更に攻撃を加えて焼失を加速させる事も可能で、魔物もその分早く送還される。

逆に言えば、完全に本が消滅しない限り魔物は人間界に留まっており、どこがどれだけ燃えようと呪文の使用にも一切支障が無いため、ガッシュの仲間となった魔物が最後の足掻きとして消滅前に奮闘した場面も多々見られ、やられた方からすれば勝ったのに相打ちに持ち込まれてしまう危険性も意味する。


その他、本の持ち主自身が本を燃やしたり、持ち主の魔物の術で本を燃やすといったことはできないという特徴もある。

ただし直接的な行為に限られ、他の本の持ち主が、本来の持ち主の魔物の術によってついた火に本を放り込んで焼失させたケースもある(キャンチョメvsバーゴ戦など)。

こういった制約は、特訓中や日常生活中の過失といった「王を決める戦い」と関係のない自滅を防いだり、戦いを拒むものが簡単にリタイアすることを防ぐ措置だと思われる。


またアニメ版のみ、魔物が戦闘不能に陥るほどの大ダメージを負うと、術や火が本に触れていないのにひとりでに本が燃え出すような演出もあった。

とはいえ、原作においては魔物やパートナーがどれだけ重傷を負わされようと、本さえ燃やされなければ敗北扱いにはならないので、演出面での誤りだったと考えられる。


  • 『進行度の自動告知』

人間界に留まる魔物が30人減るごとに、対応する文字の色が変わり残りの魔物の数を告知する。

魔物が残り10人になった時は「王になった時の特権」もこの本を介して伝えられ、本に触れることで残った魔物とそのパートナーは現在の魔界の状況を見ることが可能。


  • 『人間界へ送る手紙への変形』

「王を決める戦い」が終わった後、戦った魔物達全員の元に、この本の表紙と同じマークを持った便箋+人間界へのお手紙セットが「参加賞」として現れる。

魔物本人が望むなら、共に戦った人間へ一度だけ手紙を送る事が出来、魔界の文字で書いても郵送先には読解が可能。

便箋は人間界に手紙を届け、本の持ち主が受け取った後に本へと姿を戻し魔界へ戻っていった事から、必要に応じて姿形すらも変えられるようである。


関連タグ編集

金色のガッシュ!! 金色のガッシュベル!! 金色のガッシュ!!2


術(金色のガッシュ!!) 金色のガッシュ!!登場人物一覧


核心的な謎(ネタバレ注意!)編集




魔本自体にも意志があるようで、戦いに勝利して王になるガッシュと清磨とは明らかに感情を伴ったような会話をしている。

また完全版最終巻掲載の「ガッシュカフェ」にてダウワンと一冊の魔本が対談している。

一冊ごとに別々の意志があるのか、すべての魔本が一つの意志のもとにあるのかは不明。


クリア・ノート曰く、「この魔本は1000年経つと魔界に勝手に現れる」らしく、人間界だけでなく魔界の学会においても、この本が何故作られて、何故人間界を舞台に人間と魔物がペアを組んで戦うのか、という根本的な疑問を突き止められてはいない。


即ち「魔界の王を決める戦い」自体、魔界に生きる魔物や魔界の王の意思を無視して行われており、「ガッシュカフェ」におけるダウワンの台詞でもそれが裏付けられる。

「100人の魔物の子」の選別も、劇場版「101番目の魔物」では魔界学園の校長が生徒達の用紙に印を押す形で決定しているという描写がされていたが、実際はもっと大きな意志によって本人の許可もなく本が現れる形で選ばれていると思われる。

流石に(ブラゴやゼオンといった)「実力や王になる意欲の強い子供」が多いものの、(ティオやコルルのように)「戦いや王になる事への意欲が無い子供」も入っている為、そもそもの選別基準も全くの不明。


また、詳細は不明だが、魔界と人間界の繋がりすらも、この本を運営する何らかの力によってもたらされているらしく、まさしく神の被造物としか言いようが無い。

事実ファウードの体内には魔界と人間界を行き来する事のできる転送装置が組み込まれていたが、戦いが終了した後は一切起動できなくなった模様。


ガッシュの本は特に顕著で、クリアとの最終決戦においては一時的に色が赤から金色に変わり、絆を結んだ魔物達の「シン級」術を本人たちの魂と共に行使できるようになった(しかもこの際、清麿の心の力ではなく魔物達の魂を源としている)。

そしてクリア完全体を圧倒し、倒し切ったあとは元の機能と赤色に戻った。


ブラゴ&シェリーとのガチンコを制し、最終的な勝者がガッシュと清麿に決まった際も、赤い本は魔物関連で人間界が被った被害を(清麿が負った傷だけでなく、戦いで抉られた周囲の自然環境をも)超常的な力で全て一瞬で修復し、清麿にも「望むままの財産か、戦いの思い出を残すか」の選択を投げかけ、清麿は迷わず後者を選択。


そのまま魔界へ帰ったガッシュと共に本も消えたが、雷句氏が連載していた「どうぶつの国」5巻に収録された番外編において、ガッシュの危機に際し再び清麿の前に現れ、一時的に魔界と人間界を繋いでいる。そしてガッシュが危機を乗り切ると、またどこかへと去って行った。


こういった数々の描写から、原作第1話から登場しながらも未だ核心部分に謎が多い存在である。


今作においては、謎の勢力の魔界侵略というイレギュラーな状況で再び魔界と人間界が繋がったものの、魔本はついてきていない。

むしろ侵略者の一員たるギルは、どこか(魔界の書庫?)に保管されていた魔本を探し出し全て燃やしたと語っている。


しかし、なぜかエジプトの遺跡、つまり人間界に石造りの魔本が多数保管されておりゼリィが持っていた清麿の似顔絵、もとい赤い魔本のザケルのページを近づけた結果、石の本が紙の本へと変化し、色もガッシュの本と同じ赤色へと変化した。


その後も、赤い本からページを千切り、石の本に近づけると色のない魔本(ワイズマンの白い魔本とは別物)に変化したことや、「ザケル」のページをガッシュが持っていた理由が「ある日、机の引き出しに入っていた」ということだった点から、石の本は何者かが遺した、魔本が全て無くなった際に魔界を救う為のバックアップではないかと考えられる。


結果ガッシュの本も含めて、二十七冊が紙の本として復活し、戦うべき運命を持った人間達のところへ飛んで行った。


無印においては基本的には自発的に動くことはなかったが、今作では上記のように持ち主のところに飛んで行くだけでなく、持ち主の危機を察知して他者に救援を求めてるシーンがあり、王を決める戦いとは状況が異なる故か魔本自体も魔物達に協力するように振舞っている。

またティオの魔本が自らの意図を読み取らなかった清磨に暴行を加えており、無印以上に感情を持っている様子が見られる。

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