概要
事の発端は、2010年に発生した大相撲野球賭博問題発覚から間もない2011年の2月2日に野球賭博問題での捜査で警視庁が押収した力士の携帯電話中のデータやメールを調べていた際にこの八百長過程が明らかとなり、その中から13人の力士の名前が浮上した事から問題化となった。
過程
主にその八百長内容は本場所での取組で力士同士が白星(勝ち)を金で売買するという故意の敗退行為を行い、その過程を携帯電話のメールでやり取りし、勝ち負けのほかに取組での具体的な戦い方の内容についてもやり取りし、その報酬として黒星(負け)力士に数十万円の金銭を受け渡されるというものだった。
本来、この八百長行為は前年に発覚した野球賭博などの賭博罪と違い、法律に違反せず、八百長が疑われた取組で賭博が行われれば賭博容疑の対象となるが、この日明らかになった取組では賭博行為は見当たらなかった為、法律違反には該当しなかった。
しかし、翌2月3日に枝野幸男内閣官房長官(当時)は記者会見で、この問題が起きたことで日本相撲協会の公益法人化に難色を示す発言をしており、公益認定等委員会をに在籍していた蓮舫は「公平なルールで競技が行われないのでは、公益法人認定の要件を満たしているとは言えず、現段階で（公益法人認定は）厳しい」と発言。
これらの影響で、世間から公益財団法人化にも否定的な意見が増え、財団支援団体からも協会の解体も視野に入るほどとなり、大相撲協会は民間の格闘技団体になるしかないとの見方も出始め、大相撲協会は緊急取締役会を開き、弁護士や大学教授、協会監査委員による特別調査委員会を設置し、八百長問題の捜査を開始。
その後の捜査で、当時賭博問題で謹慎中であった現役幕内力士の春日錦、千代白鵬による取組を中心とした八百長が明らかとなり、その八百長に関与した力士は千代白鵬を含む述べ24名にも上り、さらにそれを隠蔽・協力していた協会役員は21人にも及ぶ事態となり、賭博問題に続づく世間からの大相撲の信頼を揺るがす大問題と発展した。
問題発生後
2月6日、大相撲協会は臨時理事会を開き、大阪府立体育会館にて3月13日より開催される予定となっていた平成23年大相撲春場所の開催の中止を正式に決定。
同時に、4月から予定していた春巡業を含め、2011年の地方巡業をすべて中止すると発表。
特別調査委員会は八百長に関与していた24人のうち22人に対して引退勧告を通知し、全員の力士が受理した事から4月付けで引退。残る2人は二年間の出場停止処分が下された。
そして、協会役員21人に対し1人は解雇処分となり、残る20人は降格処分となった。
その後、大相撲協会は組織責任として、理事長は役員報酬30%、理事は役員報酬15%、副理事及び役員待遇委員は役員報酬10%を2カ月間の自主返納となった。
翌、3月9日に大相撲協会は再発防止策として元文相の島村宜伸を委員長、協会副理事長の村山弘義を座長とする8名の構成による大相撲新生委員会を設置した。
引退力士達の活躍
引退勧告を受けた22人の力士は引退後、故郷・祖国に帰郷し、飲食店やマッサージ師、総合格闘家等に転向するなど、相撲とはかけ離れた世界で活動するようになった。
同じく、出場停止となった千代白鵬を含む2人もほど無くして引退し共に故郷に戻り、千代白鵬は故郷の熊本でBARや飲食店を経営し、もう片方は専門学校に入学し、柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得して、鍼灸接骨院のスタッフとして活動。
一方、八百長問題の中心人物でもある春日錦は引退後は消息を断ち、その後の動向は不明のままだったが、その後の貴闘力のYouTubeチャンネルから春日錦の動向が明かされ、当の本人はマスコミの格好の餌食に加え、それまで親しかった力士や親方からは手のひらを返すように見捨てられ、遂には大相撲に泥を塗られたと謂れのない誹謗まで浴びせられるまで困窮し、2020年4月24日に自殺した事が判明した。
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