「小僧… 泣くだけじゃ何も変わらん」
「強くなれ!!」
「そうすればクソ野郎どもに悔しい思いをしなくて済む」
「シェリーーーーー!!!」
「てめえの執念が追っていたものは… てめえの信じていたものは… あんな言葉で潰されるものだったのか!?」
プロフィール
(公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」内の魔物大百科、及び魔物発見場所マップから引用)
本の色 | 黒 |
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術属性 | 重力 |
人間換算年齢 | 14→15歳→27歳(続編「金色のガッシュ!!2」)(※注1) |
好きな食べ物 | 魚(シャチ)、けもの肉 |
趣味 | 強い奴と戦うこと、ハイキング |
魔界から降り立った場所 | フランス |
CV | 小嶋一成 |
(※注1):石版編時点で発売された公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では14歳と表記されており、原作終盤(クリア編)では明確に1年以上経っているため。
また、続編第20話にて「金色のガッシュ!!2」の世界が前作から約13年後(クリア編からカウントした場合は約12年後)であることが明示されたため。
概要
作中に登場する全魔物の中でも最強クラスの強さを持つ「優勝候補」。
本の持ち主はシェリー・ベルモンド(詳細は個別記事を参照)。
今作の主人公であるガッシュと清麿にとって最大のライバルといえる存在であり、時には協力者ともなる存在。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では、作者の雷句先生から「戦いに参加する魔物の中の8割は彼を恐れている」と回答されており、現にその実力は非常に高く、邂逅編・石版編・ファウード編・クリア編の全てで圧倒的な戦闘力や唯一無二の役割を担うようなシーンが必ず描かれるほど。
人物像
容姿
うねるように逆立った黒髪と、灰色に近い白肌、両目の上下に走る黒の模様が特徴的(魔物特有の生まれ付きの模様なのか、いわゆるフェイスペイントの類なのかは不明)。両腕にも同じような色の模様がある。
服装は作中を通して変わらず、半袖の網シャツ(胸元くらいの短さ)の上に厚めの黒いファーのような独特の衣装を羽織り、ズボンも同じく黒いファーのようなもの。靴も黒く、つま先部分に鉄が仕込まれたような物になっている。
また、胸元には骸骨のような化け物(?)が描かれた灰色のプレートのような物を付け、腹部にはあばら骨に沿うように6本の骨のような飾りを付けている。
両腕や腹筋も非常に逞しく鍛え抜かれており、一目見ただけで強者だと感じ取れるような威圧感を醸し出している。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では、「ブラゴに外見上のモデルはいますか?」という質問に対し、作者の雷句先生は「モデルというか、ガッシュと正反対のイメージで、『強さの象徴』としてデザインしました。男気のあるところが気に入っています」と回答している。
後半からは身長が伸び、クリア編で過酷な修行を経たのもあり、初期と原作終盤では体格差がある。
現に原作1巻時点では頭がシェリーの胸部よりやや下か同じくらいの高さだったが、原作33巻では身長170cmのシェリーと並んでも数cm程度にまで差が縮まっている。
性格
基本的に冷静かつ無表情。口数も少ない方であり、日常パートでも戦闘シーンでも表情が変わることはほとんどない。
人間界へ来た当初はガッシュとの初戦で彼を見下すような発言をしたり、回想シーンでは「屋内で術の練習をすれば関係ない人を巻き込むから場所を変えよう」と提案されただけでシェリーの執事である爺やシェリー本人に暴力を振るう等、粗暴な面が目立っていた。
だが、人間界での戦いやシェリーとの旅を通じて何か感じるものがあったのか、ポッケリオ戦の後には疲労と高熱で倒れたシェリーを(口ではボヤきながらも)自身の上着をかけながら背負って運んだり、カナダの雪山ではタチの悪い地上げ屋に家を壊されそうになっていた老人と子どもを助けた上で激励の言葉を静かにかけたりと、精神面でも大きく穏やかに成長していく。
徐々に変化していく様子をシェリーと共に間近で見ていた爺からも、「最初の頃の危険で荒々しい振る舞いが、今では威厳や風格に見えるほど」「厳しくも優しい王たる風格」とまで評されるようになった。
また、完全版おまけ漫画『ガッシュカフェ』によると、雑談といった会話はしないタイプで、シェリーから不満を抱かれていた様子。
キャンチョメ・フォルゴレの提案でシェリーとデュエットをしたときは素直に楽しんでおり、強面な容姿に反して感性は意外と(?)普通であると判明した。
もっとも後述のように、おそらく特別な立場であり英才教育を受けていたが故に、幼少期からあまり娯楽に触れていなかった可能性もある。
ちなみにガイドブックで好物は獣肉と書かれていたものの、何気にコーヒーゼリーを注文していた。
異名について
作中最強クラスの強者ではあるのだが、ゼオンの「紫電の雷帝」・アシュロンの「竜族の神童」・クリアの「滅亡の子」といった異名のようなものが確認できず、強いて挙げるなら「優勝候補」だろうか(「大将軍」については原作終了時点では使われていなかったので割愛)。
とはいえ、原作143話では清麿から(シェリーと合わせて)「王になるために越えなければならない壁」と称されたり、2018年にG.E.M.シリーズとしてフィギュア化した際の描き下ろしイラストでは「金色のガッシュ」との対比を狙ってか「漆黒のブラゴ」という異名らしきものが描かれたこともある。
年齢について
前述の通り人間換算年齢は14歳であり、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」で年齢が明かされている魔物の中では年上の方。
ブラゴと同い年~年上の魔物を挙げると、
- 同い年:ゾフィス、バランシャ
- 1つ上:ダニー、ウォンレイ
- 3つ上:バリー
となっている。
あくまで人間換算年齢ではあるが、清麿や鈴芽と同じ年でもあり、年齢を知って驚く新規読者も一定数いる模様。
ギャグシーンでは
ギャグシーンを担当したり、唐突にギャグのような台詞を発するシーンはほぼ無いのだが、唯一の例外が原作29巻における清麿がアンサートーカーを一時的に消失してしまう原因となった夢(通称「アホな夢」)である。
この夢の中では、「ブラゴ大将軍!!」というやたら濃いタッチの太文字を背景に、ライオンのような猛獣の顔が描かれた腰巻き一丁の姿で啖呵を切っており、清磨(と読者)を絶句させた。
その後もシェリーからトスされたテニスボールを高笑いしながらお手玉した後、唐突に清磨に「アホのお手玉」なる速球をおみまいしている。一部のファンやサイトでブラゴが大将軍と呼ばれる事があるのはこの回が原因である。
とはいえ、勘違いされることもあるが、このシーンでのブラゴはあくまで「清麿の夢の中に出てきたブラゴ」であり、いわゆる「鬼麿」や「暴れん坊状態のティオ」のように、「現実にいるブラゴ本人」が豹変してしまったわけではない。
ファンの中にはキャラ崩壊同然の描写を(ネタだとわかっていても)あまり快く受け取れない層もいるので、大将軍ネタでイジる際には場を弁えた方がいいだろう。
実力
「優勝候補」という肩書きや、「戦いに参加する魔物の中の8割は彼を恐れている」という設定に違わず、術に頼らないブラゴ自身の戦闘力も並の魔物を遥かに上回っている。
それこそ作中で唯一、十数体もの魔物を相手に無傷で全員を戦闘不能にするという圧巻の無双シーンが描かれているほど。
また、物語初期から登場しているにもかかわらず、この手のキャラにありがちな「最初は強力なライバルだったが、徐々にインフレに付いていけなくなり……」などという扱いも一切無く、物語全体を通して常に作中最強クラスの実力者として描かれている。
邂逅編~クリア編序盤までの実力
物語開始時点から既に並の魔物とは比べ物にならないほどの実力を有しており、まさに今作における強者代表と言える存在感を発揮していた。
実力に関する作中の具体的な描写としては、
- アッパーの一撃でアマゾン川流域に生息するワニを気絶(絶命?)させる、ブルドーザーを凹ませた上で数メートル以上打ち上げて大破させる等、魔物ということを考慮しても並外れているとしか言いようのない腕力。
- 公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」ではパンチ力について、「軽く打っても数トン」「トレーラーが全速力で突っ込むぐらいの威力」と解説されている。
- 満身創痍も同然になってしまったとはいえ、ゾフィスのディオガ級呪文たるディオガ・テオラドムをも術での迎撃(威力減少)や肉体強化呪文抜きで受け切り、戦闘を継続できるほどの頑強な肉体。
- フリガロのラギコル・ファングによって左腕が千切れ飛んでも顔色一つ変えずに戦闘を続行し、クリアとの初戦では両腕と右足の筋力を削がれ、上級呪文が容易く消滅させられても戦意を喪失せず、むしろ新呪文を発現させる程の極めて強固な精神力。
- ちなみに公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では「ブラゴの腕は千切れても一日で繋がる」と回答されているので、回復力も非常に高い模様。
等、特に肉体面において並外れた強さを持つことが度々描写されている。
精神面に関しても、上述のように激痛や絶望に対して全く心が折れない描写が複数見受けられるため、「キャンチョメのシン・ポルクによる精神ダメージにも術が切れるまで耐え抜いて勝てるのでは?」と考察されることもあるほど。
他、作中で明言こそされていないものの、
- 邂逅編ではシェリーと共に自ら世界各地を飛び回って多くの魔物を倒しており、その際にも「この付近で感じた力は~」等と感覚的な話をしている。
- ファウード編ではファウードの外にいながらもガッシュの力が上がっていることを感じ取っている。
- 原作293話では「オレも勘を研ぎ澄ましてクリアの魔力を探ったが~」と明確に魔力感知を行った発言をしている。
といった描写から、モモンやアシュロンのような超広域かつ精度の高い魔力感知能力を物語初期から持っていた可能性が高い。
また、原作239話におけるキースの回想ではゼオンや「竜族の神童」のシルエットが映るコマで(ほぼ間違いなく)ブラゴのシルエットも映っており、該当シーンの台詞も踏まえると王族に近い身分の生まれで、魔界時代から特別な教育を受けていた事が窺える。
クリア編修行後の実力
更に、クリア編ではデュフォーから、
- ウマゴンと同じく、元々持っていた「野性」を取り戻す必要があるため、普通の生物が生きられないような場所で身体を鍛える。
- 地球で磁場の強い土地へ行き、星の力を感じることで、自身の力の本質に近付くことができる。
という指導を受け、過酷な修練を開始。
修行の直接的な描写こそ少ないものの、原作295話では拳圧だけでサハラ砂漠の砂を爆発が起きたかのように数メートル以上舞い上げる(あるいは砂丘を粉砕している?)という凄まじい修行が描かれている。
そうして元から作中トップクラスであった実力を大幅に鍛え上げ、以下のような著しい成長を遂げた。
- 幾つかの下位術はファウード編~クリア編の境に修得していた可能性もあるとはいえ、修行後の戦闘シーンでは新呪文を計8個も披露し、術の総数も19と作中最多に。
- しかも作中でただ1人シン級呪文の複数修得を成し遂げ、2つのシン級呪文はどちらもクリアのシン級呪文を捻じ伏せるほどの性能を持つ。
- 厳密にはクリアも複数のシン級呪文を使用しているが、ザレフェドーラとバードレルゴは「クリアが生み出した術」なので、真の意味での鍛錬を経てシン級呪文を複数発現させたのはブラゴだけである。
- 術に頼らない素の肉体面も遥かに強くなっており、肉体強化呪文抜きでも鎧形態のクリアを数メートル以上も打ち上げ、マント形態のクリアの顔面を殴りつけた際には一瞬とはいえ白目を剥けさせるほどの驚異的なパワーを披露している。
- 腕力だけでなく動体視力や瞬発力も大幅に増したようで、クリアとの決戦ではガッシュが合流するまでは肉体強化呪文を1度しか使わずとも鎧形態クリアのスピードや殴打を何度も見切って致命傷を避け、ガッシュが50km先から合流するまで長時間の防戦を成立させている。クリアの動きを完璧に見切って攻防を成立させているという時点で、動体視力や反応速度はアシュロンに匹敵していると思われる。
- 現にクリアとの初戦では(消滅の術が初見殺しに近かったとはいえ)クリアが攻撃を開始してから20秒も経たない内に満身創痍も同然にまで追い詰められていたので、初戦と比較すればブラゴが如何に凄まじい成長を遂げたのかは明らかである。
- 更に言えば(作中で描写された限りでは)使用した肉体強化呪文は腕部のみを強化するアム・グラナグルだけなので、移動速度や敏捷性に関しては肉体強化呪文抜きで鎧形態クリアと渡り合えるレベルに達していると思われる。
- また、作中でも最高クラスの魔力感知能力を持つクリアにすら「微かな魔力には気付いていたが、ガッシュ達の相手をしている間にここまで近寄っているとはな」と言わしめるほどの非常に優れた魔力隠蔽能力をも体得し、現にクリア相手に不意打ちを成功させている。
等、実質的には鎧形態クリアとも1vs1で戦えるほどの非常に高い総合戦闘力を身に付け、現にクリアに「違う… 前に戦った時とは何もかもが…」と言わしめるほど。
しかも鎧形態クリアを相手に時間稼ぎをする際には、ガッシュとの共闘に備えて力をセーブしていたので、クリアと攻防を成立させるだけなら多少なり力を抜いても問題がないほどの余裕があったという意味になる。
ブラゴ自身の「お前をオレだけでぶちのめしたい気持ちを押さえ、今回の作戦である共闘を最優先した」という台詞からも、本気を出せば鎧形態クリアすら単独で追い詰めることができる、あるいは撃破できるほどの力を得ていた可能性が示唆されている。
総じて、原作終盤のブラゴはまさしく作中最強クラスの強者へと成長したといえるだろう。
術
術属性については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」にて「重力」属性と解説されている。
現代の「王を決める戦い」に参加した魔物の中では唯一の「重力」属性であるため、オンリーワンの属性という点もブラゴが特別な才能を持っている証だろう。
尚、厳密に言えば公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にてイソジンという千年前の魔物の術属性が「重力」と記載されているのだが、戦闘描写が無いためブラゴと全く同じ術なのかは不明(イソジンの詳細は「関連人物」の項目を参照)。
一応、原作1巻では清麿にレイスを放った際に「目に見えない力の塊」と述べられたこともあったが、この表現は以降一切用いられていない。
連載当時に発売していた公式ファンブックや、完全版15巻の特典キラキラシールでも「重力」という解説で一貫しているため、おそらくレイスのみ設定変更の類があったのだと思われる。
また、重力の色はカードゲーム・家庭用ゲーム等を通して紫色で統一されている。
アニメ版では、ブラゴの手から発せられる光とレイス系統の重力弾は紫色(リオル・レイスのみ黄緑色で表現されているシーンもある)、グラビレイ系統の重力場は黒で表現されている。
術の傾向としては主に、
- 重力を弾丸にして発射する(いわゆる「重力弾」)。
- 上空から重力をかけて押し潰す。
- 特定の位置を起点として引力を発生させる。
- 重力のエネルギーを身に纏う。
の4種に大別され、下記のように豊富なレパートリーを誇る。
前述のように、術の総数も19と作中最多、かつ作中で2人しかいない自力でのシン級呪文複数修得者の一人。
ブラゴ本人の実力だけでなく、術でも作中最強クラスの要素を兼ね備えているといえるだろう。
レイス
掌から重力弾を発射する。
作中で初めて登場した「~イス」系でもある。
初使用時は手のひらサイズかつ透明な光球だったが、ポッケリオ戦以降は紫色の大きな重力弾として描かれていく。
石版編では(パムーンの本の持ち主であるランスを含めて)清麿達を5人まとめて吹き飛ばせるほどのサイズになっており、殺傷力の低さを逆手に取り人間達を安全地帯まで移動させるためにも使われた。
また、ガッシュとの決戦ではバオウ覚醒によって威力が底上げされているザケルと相殺しているような描写もあるので、この術(及びブラゴの術全て)もブラゴの実力や魔力によって威力が底上げされている可能性がある。
グラビレイ
手をかざした目の前に重力をかけ、相手の動きを封じる術。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「重力場を変化させて動きを封じる」と解説され、完全版15巻の特典キラキラシールでは「加重力」という表現が使用されている。
初級呪文であり範囲も狭めだが、物語初期のガッシュや清麿であればそう容易くは動けないほど強力。
後述のガッシュ2では治療目的で戦闘以外の使い方をした。
ギガノ・レイス
レイスの上位術であるギガノ級呪文。より巨大な重力弾を発射する。
作中で初めて登場したギガノ級呪文でもある。
公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「黒い重力風を纏った強力な重力弾」と表現されている。
ちなみに「ギガノ・レイス」と「ギガノレイス」で表記揺れしている場合もある(おそらく初期の頃は等級等の命名法則がまだあまり決まっていなかったためだと思われる)。
アイアン・グラビレイ
グラビレイの上位術であり、邂逅編で登場した全ての術の中でも際立って強力な呪文。
グラビレイより更に強力かつ広範囲の重力を展開し、範囲内にいる敵を並の術や周囲の環境ごと押し潰す。
シェリーが力の放出を続ければ重力場を移動させ続けることも可能で、ポッケリオ戦ではブラゴを中心として円状に重力をかけ続けることでアマゾンの一帯を更地と化すほどの威力と範囲制圧力を見せた。
アイアン級(系?)がどの等級に匹敵するのかは不明だが、少なくとも並のギガノ級は裕に上回るほどの破壊力なのは間違いないだろう。
ディオガ・グラビドン
複数の真空の鎌を伴う、特大の重力弾を放つ術。
作中で初めて登場したディオガ級呪文でもある。
ディオガ級なだけあり威力は高く、
- ゾフィスのディオガ・テオラドムと相殺し、最後には完全に打ち勝ってゾフィスに決定打を与える。
- 上述のカナダの雪山ではダイナマイトによって生じた雪崩を完全に受け止めた上で雪山自体を粉砕する。
等、石版編の時点ではトップクラスとも言える強さを誇る。
ビドム・グラビレイ
両手をかざした2か所に同時に重力をかける「グラビレイ」の派生術。
効果範囲が増しているのかは不明だが、上空にいる魔物を纏めて叩き落とすことも可能なので、おそらく高さの射程に特化したグラビレイだと思われる。
リオル・レイス
両手から細長く伸びた螺旋状の「レイス」を放つ術。
ブラゴの手に合わせて軌道を変えることも可能。
オルガ・レイス
螺旋状のレイスを直線的なビームのように放つ術。
バベルガ・グラビドン
グラビレイの上位術であり、石版編で登場した全ての術の中でも最強クラスの術。
一撃で大地や建物が底が見えないほど深く陥没する程の威力を誇る重力場を広範囲に展開する呪文。
作中では、
- ゾフィスがけしかけた数十体の魔物を射程範囲に入れてから唱え、一撃で全員まとめて床ごと遥か下の階まで叩き落としてトドメをさす。
- ゾフィスのディガン・テオラドムによる強力な爆発球(おそらくテオ級並?)を全て押し潰し、重力場の内と外の境に彼の腕を巻き込んで大きくダメージを負わせる。
- 超高速で移動するファウードが足を引っかけて転倒するほどに海面を陥没させる、ファウードと直接戦った際にはファウードの指を折り曲げて攻撃の軌道を変えさせる。
等、その破壊力と規模は並のディオガ級すら上回っている。
ディボルド・ジー・グラビドン
ファウード編~クリア編の境に修得した術。
中に真っ黒な重力球が10個ほど敷き詰められた、ディオガ・グラビドンと同程度の大きさの重力球を発生させる。
ミール曰く「ゴームの術に少し似ている」「球の中に複数の重力球を作り、空間ごと相手を捻じ曲げる」術らしい。
事実、この術を受けたクリアは他のグラビ系のように「上から押し潰される」のではなく「全身をグニャリと捻じ曲げられる」ような描写がなされている。
正確な威力は不明だが、クリアとの初戦ではシェリーが「今のブラゴの最大の攻撃術」と称していたり、ガッシュとの決戦ではエクセレス・ザケルガと相殺している描写もあるので、名前に「~ドン」が付くことも踏まえるとディオガ級相当は間違いないと思われる。
ニューボルツ・マ・グラビレイ
クリアとの初戦で発現させた、ファンの間ではいわゆる「マ級」に当たると評される強力な呪文。
手をかざした上空に、周囲の大地が瓦礫となって剥離し引き寄せられるほどの超強力な引力を発生させ、相手を身体ごと押し潰す。
その引力は作中最強クラスの魔物であるクリアでさえも一瞬で身体をコの字に曲げられ、数秒身動きを制限される程。
尚、ブラゴの「数秒は動けないはずだったな?」という台詞から、「所詮クリアを動けなくしたのは数秒だけ(=だからそこまで強い術ではない、弱い)」等とネガティブな解釈や過小評価をされることもあるが、それは誤りである。
現にクリアは腕を動かすだけでもそれなりの力を込めており、アム・ドュ・スプリフォでこの術を消滅させるまでは満足に動けておらず、素の身体能力で重力場の外まで離脱できたとは考えにくい。
ガッシュとの決戦で使用した際にも、清麿は即座にラウザルクを唱え、マントによる飛行と合わせて離脱するという対処をしている。
よって上記のブラゴの台詞は「(この術に捕まってから反撃の呪文を唱えて消滅させるまでの)数秒は動けないはず」という意味だと思われ、クリアや修行後のガッシュですら自力では離脱できないと見なせば非常に強力な術であるのは確かだろう。
ザング・マレイス
腕を手刀のように振ると同時に刃の形をした重力を飛ばし、対象を切り裂く。
ボルツ・グラビレイ
任意の地点に小規模な引力を発生させ、重力で相手を吸い寄せる術。
登場順こそ後だが、上記のニューボルツ・マ・グラビレイの下位術だと思われる。
ニューボルツ・マ・グラビレイと比べて重力が「強過ぎない」ため、これを応用して自ら急速に相手に接近し、一撃を叩き込むこともできる。
アム・グラナグル
両腕に重力のエネルギーを纏う肉体強化術。
ブラゴ自身の腕力も相まって威力は高く、何度も殴りつければマント形態のクリアすら危うく首の骨が外れかかるほど。
ベルド・グラビレイ
帯状の重力を展開し、相手の術を吸収する。
盾のような形をしているようには見えないが、防御的な使われ方をされており、一応「ルド」(防御呪文に付く「~シルド」の略あるいは語感変化)が入っていることも踏まえると防御術だろうか?
防御力も高いようで、過去にはアシュロンにすら重傷を負わせたことのあるランズ・ラディスを完璧に受け切るほど。
ちなみにクリアが「吸い込みきれない消滅波は斥力で弾いたか」と述べているが、これが「元々この術自体に斥力で弾く性質がある」のか「ブラゴが修行で細かなコントロールを身に付けて術の効果を拡張させている」のかは不明。
クリアの台詞のニュアンスや、後述のシン・バベルガ・グラビドンでも応用性を身に付けていることを踏まえると、おそらく後者だと思われる。
ディゴウ・グラビルク
全身に重力のエネルギーを纏う肉体強化。
ディ+ゴウ級なので強化幅は高いと思われ、空中で使用した際には鎧形態のクリアを勢いよく地面に叩き付けるほどの蹴りを見舞った。
更にガッシュとの決戦で使用した際には、テオザケルと思われる強力な電撃をほぼ無傷で突破するほどの耐久力も披露している。
クエアボルツ・グラビレイ
高さ数メートル以上もある長方形の重力板を3枚発生させ(羊羹をイメージしてもらうとわかりやすい)、触れた相手の術の速度を落とす。
クリアが「クエア・スプリフォ」という防御術を使用しているので、これも防御術の一種だろうか?
ちなみに「クェア」ではなく「クエア」なので表記に注意。
ニューボルツ・シン・グラビレイ
ボルツ系統のシン級であり、ブラゴが持つシンの術の一つ目。
ニューボルツ・マ・グラビレイより更に巨大かつ強力な引力を発生させる。
不意打ち気味かつ、既に巨大な砲台そのものを発射した後だったとはいえ、クリアのシン級呪文たるシン・クリア・セウノウス・ザレフェドーラの砲手と土台を一撃で原型を留めないほどに押し潰して圧死させ、跡形もなく捻じ切るほどの凄まじい威力を誇る。
シン・バベルガ・グラビドン
「オレがこの地球を巡り、感じたでかい力、地球って生き物が持つエネルギーってのはまさにケタ外れなものだ…」
「その地球の力を少し『借りる』!!」
「オレの術には、それができる特性がある!!」
グラビレイ系統のシン級であり、ブラゴが持つシンの術の二つ目。
バベルガ・グラビドンよりも更に大規模かつ強力な重力場を展開する。
今までアイアン・グラビレイやバベルガ・グラビドンといったグラビレイ系統の上位術が強力だったことに倣い、この術の威力も(特別枠に等しいシン・ベルワン・バオウ・ザケルガ等を除けば)作中最強クラス。
修練を経たブラゴ自身の力とシェリーの心の力で生み出される威力も相当だが、修行を経て体得した「地球の力(自転)を少し借りる」応用性を発揮すれば、相当の肉体的負担こそかかるものの「クリアの術の頂点」たるシン・クリア・セウノウスすら完全に上回って地に叩き伏せるほど。
しかもほぼ効いていない状態から一瞬でセウノウスの全身を押し潰したため、おそらく瞬間的に数倍以上もの出力へ跳ね上げることが可能なのだと思われる。
ガッシュとの決戦でも修行を経て遥かに強くなったとされる制御後バオウと拮抗しており、やはり一個人が出せる術の威力としては最上位クラスであることがうかがえる。
以下は原作では使用していない術。
グラビドン
連載当時に発売していたゲーム「金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル」及び「金色のガッシュベル!! 友情タッグバトルFullPower」にて収録されたゲームオリジナル呪文(シリーズ2作目である「金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル2」には収録されていない)。
両手を前方にかざし、重力を紫色の薄い盾のように展開する防御呪文。
「~シルド」ではないにもかかわらず防御呪文の扱いとなっているのは、原作においてディオガ・グラビドンの初使用シーンが雪崩を止めるため(=防御的な使われ方)だったことからの着想だろうか?
関連人物
ベルモンド家の令嬢にして、非常に高い精神力と心の力を持つ最高クラスの本の持ち主。
研ぎ澄まされた連携、そして互いの厚い信頼から成る圧倒的な実力で勝ち抜いていく。
本編では基本的にシリアスなシーンでの絡みが多いが、僅かながらコミカルなシーンも描かれており(アマゾンでブラゴが勝手にワニを取ってきたため、渋々ワニ肉を食べるシェリー等)、pixivでは二人のラフな一時を想像した微笑ましいイラストや漫画も多数投稿されている。
- 爺
シェリーの執事兼ボディーガード。シェリーが幼い頃からベルモンド家に仕えている、彼女の良き理解者。
ブラゴが魔物であることや王を決める戦いについて知る数少ない人物にして、ブラゴの王としての資質を最初に見抜き、二人を暖かく見守る。
ちなみに公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」では爺について「シェリーが幼い頃から雇われている執事です。元軍人なのでそこそこ強く、ボディーガードも兼ねている」と解説されているので、もしブラゴが「金色のガッシュ!!2」で本当に軍人になったとしたら意外な共通点ができるかもしれない。
今作の主人公ペアにして、ブラゴペアをライバルと見なしている相手。
ブラゴも次第にガッシュの実力を認めていき、原作終盤では純粋な力のぶつけ合いで決着をつける。
爆発系の術を使う狡猾な魔物であり、シェリーと共に追い続けてきた因縁の敵といえる存在。
石版編ラストで遂に直接対決し、重力vs爆発の熾烈な戦いを繰り広げる。
キースの台詞にて、同格の生まれや教育にて育ったことが示唆されている魔物達。
彼らも作中最強クラスの実力を持つ猛者達である。
- イソジン
石版編で登場した千年前の魔物の一体。ブラゴと同じ(?)重力属性。
さすがに個別記事を作るにはマイナー過ぎるキャラなので、少し長くなるが当項目で解説する。
初登場は原作103話。千年前の魔物達が一斉に復活する見開きページの場面でパムーンの右隣にいる、ギョロリとした二つ目を持つイソギンチャクのような魔物。
「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では、本の色はチャコールグレイ、本の持ち主の名前はカラマンリスだと明かされている。
最後に登場したのは原作109話であり、ブラゴのディオガ・グラビドンをくらい、イカゲッソ、ザクソンと共に本を燃やされて退場し出番を終えた。
……と、これだけなら他のモブ石版魔物と同じように思われるかもしれないが、実は色々と気になる要素が幾つも見受けられる興味深い(?)魔物でもある。
具体的には、
- 上述のように(ほぼ間違いなく)イソギンチャクをモデルにしているにもかかわらず、なぜか名前が「イソギン」ではなく「イソジン」。
- (単に石版の並び順だったとはいえ)原作103話では2コマもパムーンの隣におり、更に「外伝 ナゾナゾ博士とキッドの光の旅」ではビクトリームから見て右斜め後ろ、レイラから見て正面、パムーンから見て右斜め前というちょうど読者人気の高い石版魔物3体に囲まれるような位置で佇んで(?)いる(ナゾナゾ博士とキッドが望遠鏡で様子を窺って、「何て… 軍勢だ…」と驚くページの大ゴマ参照)。パムーン達の仲間だったりするのだろうか?
- 「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では、モブも含めた石版魔物全員の強さが星の数で評価されており(最低が星1~最高が星5)、ほとんどのモブ石版魔物は星1であるにもかかわらずイソジンは星2。これは本編でガッシュと戦ったアルムや、ウマゴンと戦ったダルモスと同格の強さである。
- 本編においても、ゾフィスはブラゴの元へ強めの魔物を何度も向かわせていたことが明かされているので、イソジンもまた選りすぐりの強さを持つ魔物だった……のかもしれない。
- また、ブラゴと戦って送還されるシーンでは、なぜか本の持ち主がどこにも見当たらない。
- シェリーに「こ、ここは…? あんた達は…?」と訊いている男性はザクソンの本の持ち主であるカーター、彼の隣で側頭部を押さえている者はイカゲッソの本の持ち主であるバウザーだと「まるかじりブック2」に明記されている。同じく「まるかじりブック2」においてもカラマンリスの写真は「NO DATA」となっている)。
- 書き忘……ココのように遠隔地から呪文を唱えていたのだろうか? だがイソジンのすぐ傍で本が燃えているし、操られている本の持ち主は本が燃えたらその場で気絶することを考慮すると、「カラマンリスが遠隔地から術を唱えていた」「洗脳が解けた直後に動揺して逃げ出してしまった」等の可能性は低いと思われるが……。
等があり、もし多くの読者やファンに存在を認知されれば、いつか考察の対象として脚光を浴びる日が来る……のかもしれない。
原作の最終決戦にて(ネタバレ注意!)
アニメ版では(諸所の都合等で)クリア編が描かれないため、最終回でモチノキ町の海岸に現れ(ゾフィスの時の借りとして)暴走したファウードの動きを止めてガッシュを援護。
そしてラストシーンはガッシュとの一騎討ちが始まったところで終了、という形で締めくくられた。
一方、原作ではクリア完全体を無事撃破した後、最後に残ったガッシュと王の座を賭けて真剣勝負を行った。
戦いの中では最初に出会った頃を思い出しながらガッシュの成長を喜び、「見事、全くもって見事」と戦いを楽しんでいた。
清麿のアンサー・トーカーの力をもってしても互いの力が拮抗した激闘が繰り広げられ、最終的にはバオウ・ザケルガとシン・バベルガ・グラビドンの打ち合いで惜しくも敗れる。
そして本が燃え、魔界と帰ってしまう直前にはシェリーに最初で最後の感謝の言葉を言い残し、彼女と手を繋いだまま送還された。
最終話では学校の教室(?)で一人読書をしている姿が描かれており、シェリーは届けられた手紙を見て涙していた。
そして連載終了後、作者ブログにてブラゴはシェリーが好きで、手を繋いだのは彼なりの愛情表現であった事が明言された。
原作293話でもデュフォーから「パートナーへの余計な気遣いが生まれている」と指摘されており、ある種の伏線があった。
ちなみに、魔物が人間に好意を抱いていたのはウォンレイに続いて二人目である。
また、同じく作者ブログでは「将来は大将軍になる」と回答されているが、これが本当に軍事的な組織のトップに立つという意味なのか、上述のギャグシーンをネタにしたものなのかは不明。
一応、原作261話におけるゼオンの回想でラジン中将なる魔物が登場しているので、魔界にも軍隊のような組織が存在していることは確定だと思われる。
金色のガッシュ!!2にて(ネタバレ注意!)
活躍
第18話で遂に再登場。「プロフィール」の項目で触れたように、今作では27歳、つまり立派な成人となって登場した。
18話時点では現在の職業が明かされていないものの、後述する容姿や実力を踏まえると現役の軍人である可能性が高い(※)。
(※)ネット上に書き込まれることの多い「前作終了時点で作者が『大将軍になる』と話していた」という情報については後述。
第7話で清麿は欲しい仲間の中で真っ先にブラゴの名前を挙げていたが、敵勢力からも魔物の中で危険人物(とびきりヤベエ奴)と見做された為、徒党を組んだ『カード』に敗れて既に死亡していた。
ブラゴとの闘いに執着していた『カード』のジリオンはガッシュの蘇生を知り、同じ「ゼブリット・ブラザーズ」のリーザ・ジモダ・ガムと共にベルモンド家を襲撃(それぞれの詳細は個別記事を参照)。
以下はシェリー・ブラゴ視点で解説していくため、ジリオン視点の解説や彼の実力については「ジリオン(金色のガッシュ!!2)」の記事を参照。
子供達の為に命を投げ出したシェリーに心の中で「走れ!」と檄を飛ばし、走った先にはアポロがヘリコプターで運んできた漆黒の棺と無色の白い本が出現する。
駆け付けた赤本組の援護で「ギガノ・レイス」「グラビレイ」を奪還し、シェリーの手によって黒本が復活する。
ヘリの中から飛び出した「命の欠片」も漆黒の棺に吸い込まれていき、
- 遺体(もしくは借り物の身体)が入った棺
- 黒色の本
- 命の欠片
という3つが揃う(命の欠片に関しては、おそらく第16話でガッシュが言及していた「亡骸から抜け出し、ボールのように固形化した命」を魔界から持ち帰ってきていたのだと思われる)。
「ブラゴと戦える」と狂喜したジリオンはリオウの禁呪「ギルファドム・バルスルク」を発動。正気を失った状態でシェリーと棺に襲い掛かるが……。
シェリーも身構えた次の瞬間、棺からシェリーを守る逞しい腕が飛び出し、凶拳を無傷で受け止める。
棺を内側から破り蘇生したのは、筋肉隆々の巨漢へと成長したブラゴだった。
パワーが10倍近く上がる禁呪を使ったジリオンを相手に、シェリーは攻撃呪文を唱えようとしたが、それよりも早くブラゴは肉体強化抜きの素手で相手の右腕を粉砕。
それでもなお残った左腕で攻撃を続けるジリオンに対し、
「ひざまずけ」
「……シェリー、どうした?」
「グ、グラビレイ!」
動きを封じられたジリオンは、ブラゴの拳を真正面から顔面に受け首がちぎれ飛んだ。
その圧倒的な蹂躙劇にシェリーは呆然し、ガッシュは冷や汗をかきながら苦笑、清麿からは心の中で「呪文いらねー」と真顔で突っ込まれた(グラビレイも相手をその場に留めるための拘束程度にしかなっていない)。
ブラゴは自身の成長した姿に驚くシェリーをじっと見つめ…。
「よし!なまってはないようだな」
「久々の再会で何よそれ?」
すると、ブラゴはシェリーの負傷した手足に「グラビレイ」で筋肉に圧力をかけて、自らの黒いファーを引きちぎり手当てを始める。
この行為に「(ブラゴが怪我の手当てをしている!?何てこと!)」とシェリーは戸惑いながらも嬉しさを隠せずにいると、背後には倒したはずのジリオンが首だけの状態で不気味な笑顔で待ち構えていた。
リーザの謎めいた呪文によりジリオンは『合力(エイシャント)』形態に転生。
清麿は本能で危険と感じるもガム、ジモダの援護により身動きが取れない。ブラゴはそのまま襲い掛かるが、強化後のジリオンに左腕を潰される。
お互いのパートナーとの見事な連携で戦い合い、ジリオンは最後の勝負に腹部に宿る異物で奇襲を仕掛ける。ブラゴは食い止めるが、それは目前を集中していたシェリーを倒す罠でもあり、片手の蛇腹剣を分裂させた。しかし。
「見えてなかったハズだ。なぜ避けられる!?」
シェリーは跳躍し、飛びかかる刃を全て避けきった。
愕然とするジリオンの頭をブラゴは静かに掴む。ジリオンの視界に映った男の表情は苛立ち———愛しのパートナーを軽視された事への怒りだった。
「なぜ、シェリーを甘く見た?」
「あいつはオレのパートナーだぞ?」
十年以上も離れていても絶対的な信頼と強い絆が結ばれていたブラゴとシェリー。
心から二人を賞賛したジリオンはゼロ距離の「ギガノ・レイス」を浴びて敗北を受け入れた。
第18話の時点では「もはやどうやったら倒せるんだよ」と言わんばかりの大人ブラゴの圧倒的な力が披露されたが、第19話も踏まえるとブラゴとシェリーの実力を披露しつつ『カード』側の脅威や魅力もしっかりと感じられる熱いバトルだったと言えるだろう。
一応、第18話の時点でも、「ブラゴほどではないものの、同じく成長したガッシュやキャンチョメ、ティオが相応にパワーアップしていて、なお敵に苦戦する様子も多々窺える」という点を理由に、「逆に言うと、ここまでパワーアップしていなければ太刀打ちできない程に今後の『カード』が強力なのかもしれない」と考察する声もあった(そのような『カード』側の考察については「カード(金色のガッシュ!!2)」の記事を参照)。
戦いの後、シェリーの夫・クロードが怪我をしたと連絡を受けて駆けつけてきた。
しかし襲撃に遭った家族の感動の再会はなく、次男ニコラの口から父親の不貞が暴露される。シェリーの身の心配より逆ギレするクロードに激怒し、車を破壊して手加減しながら首を掴み、「(妻が危機の時)お前はドコで何をしていた!?」と、「シェリーを案じる大人」として叱責しお灸をすえた。
容姿
筋肉隆々の巨漢。風貌猛々しく、圧倒的な強者の貫禄を纏っている。
身長は推定2.5m以上。身長はかつての倍以上に伸び、元々筋肉質だった腕は少なく見ても5,6倍以上の太さになっている。
衣装は少年期と同じ黒いファーで、装飾に多少の変化がある。
胸元の骸骨プレートはより刺々しく迫力が増し、盛り上がった胸板に沿っている。
腹部の骨飾りは二本追加。膝は装甲がつき、ブーツの鉄板は太ももを覆う独特な形状に変わった。
性格
良い意味で前作から変わっておらず、冷静沈着かつ威風堂々とした立ち振る舞いを貫く。
前作のポッケリオ戦後やゾフィス戦後のように、淡々としながらもシェリーを気遣う優しさも健在。
実力
前作よりも身体能力は遥かに向上し、術を使わずとも素手の拳で禁呪で強化した相手を粉砕する程の威力を持つ。
また後述のように、前作のクリア編時点よりも更に術の応用力が増したと思われる描写もある。
今作で使用する術
第19話時点ではガッシュやティオと同じく、瓶から取り返した術を使用している(初級術のレイスも使用できるのかは不明)。
グラビレイ
「ひざまずけ」
前作でも登場した重力属性の基本的な術。
ジリオンの記事でも解説しているように、何気に今作で初めて「ある程度遠くにいる相手にも命中させられる」という性能が明らかになった(前作では至近距離の相手にしか使っておらず、遠距離の相手に重力をかけるような描写が無かった)。
また、第19話ではシェリーに対して微弱な重力をかけて骨周りを圧迫し、簡易的な治療を施すという応用を見せた。
ちなみに前作でも「ボルツ・グラビレイの引力を使って自ら急接近する」「ベルド・グラビレイ使用時に斥力もコントロールする」といった術の応用・拡張を見せていたため、成長に伴い技量が更に増したということだろう。
ギガノ・レイス
前作でも登場したギガノ級呪文。
第19話時点では使用回数こそ多くないものの、バルスルク状態よりも肉体強度が増しているであろう『合力』状態のジリオンの身体を一撃で大きく抉るほどの威力を誇る。
これに関しては、おそらく「シェリーの心の力による性能向上」と「ブラゴ自身の成長による威力の底上げ」が同時に起きているためだと思われる。
余談
「大将軍」について
第18話でブラゴが復活したことを契機に、ネット上では「大将軍というのはファンが勝手に使っている表現」「作者が連載終了後に『大将軍になる』と明言していた」と一部のファンの間で情報が錯綜しているため、ここで正確な情報を記載しておく。
まず、作者の雷句先生がブログ内で「大将軍」という表現を用いたのは、
- 「ガッシュは王様になりましたが、他の魔物はどんな職に就いたのでしょうか?」という質問に対し、「そうですね……ブラゴは大将軍になりますよ。ゼオンは……また今度ね」と回答(2008年7月1日分)。
- 「ブラゴはシェリーを最終的に愛していたのですか?最後にシェリーと手を繋いだのはどんな意味が込められているんですか?」という質問に対し、「ブラゴはシェリーを好きだったんだよ!このツンデレ大将軍!」と回答(2008年9月18日分)。
- この質問と回答は公式ファンブック「金色のガッシュ!!20周年ありがとうなのだ!ブック」にも再録されているため、そちらでも確認可能。
という2回のみである。
このように「大将軍」という表現の用いられ方に温度差があったため、
- 「この時から設定が決まっていたor構想を練っていた上での真面目な回答」
だったのか
- 「原作277話における『アホの夢』に登場した『大将軍ブラゴ』とかけたギャグ寄りの回答」
だったのかが曖昧であり、真に受けるべきかの判断が分かれていた……というのが正しいと思われる。
新たな異名(?)
成長後のゴリラの如く逞し過ぎる姿に、SNSでは「ブラゴリラ」、または上記の作者ブログを元ネタとした「ブラゴ大将軍」という造語が12月14日配信初日で誕生した。
セルフオマージュ
バルスルク状態のジリオンを殴り付ける際の「オラァアアアアア!!!」という迫力満点の叫び声は、前作310話でマント形態クリアの顔面を殴り付けるシーンのセルフオマージュだと思われる(そちらでも「おらあぁあああ!!!」と叫んでいる)。
また、シェリーが「ギガノ……」とギガノ・レイスを唱えようとしたタイミングで「オラァアアアアア!!!」と叫んだため、一部のファンからは「ブラゴの新呪文はギガノ・オラァアアア」「今後はギガノ・オラァアアアで全部解決」などと(驚きや畏怖を交えて)ネタにされていた。
とはいえ前述のように、第19話ではさすがに『カード』側も素の殴打だけで倒せる相手ではないと判明したため、やはりブラゴも(本当の意味の)新呪文を修得していく流れになるのだろうか?
何かと「オラァアアアアア!!!」が注目されがちではあるが、他にも、
- ジリオン達との戦闘が家の中で始まっている(前作においても、ガッシュとの初戦は高嶺家の中での戦闘だった)。
- 前作のフリガロ戦後にはシェリーがブラゴの左腕を治療し、今回はブラゴがシェリーの左腕(と足)を治療している。
- 第19話で『合力』状態のジリオンがブラゴのパンチを受け止めるシーンは、前作の285話でクリアがブラゴのパンチを受け止めるシーンと非常に似通った構図になっている(受け止める手は逆だが、殴りかかるブラゴの体勢やジリオンの受け止め方が酷似している)。
等、ちょっとしたセルフオマージュと思われる描写も散見される。
ゴーレン(?)
上述のように、第18話にてジリオンが「ブラゴはとびきりヤベエ奴だから、オレの知らない奴らで徒党を組んで真っ先に倒された」と述べており、回想コマにて「徒党」たるメンバーの中にゴーレンと酷似したシルエットのキャラクターが見受けられる(詳細はゴーレンの記事を参照。当然そちらもネタバレが含まれるので注意)。
二組目の恋愛枠(?)
「大将軍」についての解説でも触れたように、作者ブログに「最後にシェリーと手を繋いだのはどんな意味が込められていたのですか?」という質問が届いた際、作者の雷句先生は「ブラゴはシェリーを好きだったんだよ」と回答していた(繰り返しになるが、この回答は「金色のガッシュ!!20周年ありがとうなのだ!ブック」でも確認可能。
つまり、2008年9月18日の時点でシェリーへの恋慕は公式から明言されていたのだが、これは本編内や単行本のオマケページではなくブログでの回答だったため、シェリーへの好意についての回答を把握していない読者も一定数いた(前述の通り、前作293話でも伏線は描かれていたのだが)。
関連イラスト
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関連タグ
キャンチョメ/パルコ・フォルゴレ……本編では絡みがほぼ無かったが、完全版に収録されたガッシュカフェにて共演。