概要
片刃の刀とは異なり、両刃の剣は一見殺傷能力は上がるが何らかのミスで峰側の刃が自分に当たる恐れもある。
このことから使えば大きな成果が得られるが、同時にそれと同等以上なダメージを負いかねない大変な危険を伴うという意味の言葉となった。
……一体どういうデザインの剣なんだ、とツッコミたくなるが、単に両刃なだけならば普通の剣(西洋のみならず中華圏や中東圏などにも普通に存在している)であり、それなら適切に扱う限り自分が傷つくような事は無く、扱いを間違えた際の自傷事故の発生率に如実な差が生じる訳でもない。
この辺りから考えるに、日本で剣が平安初期以降実用武器として消えて神事などに用いる祭器の扱いになった事への理由付けや片刃の日本刀の優位性を示す為の方便が変化し諺となった物と考えられる。
・・・というワケはなく、元々はアラブ圏の言葉らしい(15世紀ごろのアラビア語の文献にこの言い回しが残っている)。
そこからキリスト教圏にもこの言葉が伝わり、日本にはおそらく宣教師などを通じで入ってきたと思われる。
現代の英語でも「a double-edged sword」は「大きな効果を望めるが、同時にリスクも内包している(案、行為)」の意味で使われることがある。
ドラゴンクエストシリーズでの「もろはの剣」は「柄の側にも刃が付いている」というけったいな外見の武器として登場している(相手にダメージを与えると自分も傷つく武器)。また、特技として通常よりも大きなダメージを相手に与えるが、自分にもダメージが入る「もろばぎり/もろば斬り」がある。