概要
スペイン北部のアストゥリアス地方の伝承で語られる森や地下洞窟、源泉、地底に通じている湖に棲むとされる2本の足と二枚の翼を持つドラゴンの一種。
若い個体は家畜や人間を襲ってその血を吸ってどんどん大きく成長して行き、年を得た個体は地上で暮らす事が難しくなる為、閉ざされた海へと住処を変えて、そこに隠された財宝の番人として君臨するとされている。
その為、クエレブレが住んでいる近くにいる人々は屋地区などが襲われないようにクエレブレにトウモロコシやライ麦のパンを捧げていた地方もあるらしい。
また、聖ヨハネの日の朝には眠ってしまう為に、その日だけはクエレブレに捕らわれてしまった動物や人間は自由になる事が出来るともされているという。
また、空を飛ぶことのできる飛龍でもあり、毒のブレスを吐き出し、その鳴き声は遥か遠くまで響き渡るとされる。
更にその体は弾丸すらも弾き返すことの出来る硬い鱗で覆われている為、このドラゴンを退治する為には唯一の弱点である喉を突き破るしかないとされているが、伝承によっては捧げ物に大量の針を入れたパンを与えられたり、パンの代わりに焼いた石を食べさせられて退治されてしまったり(ただし後者は海に逃げて体を冷やす事で何とか一命を取り留めた事例もある)等々、弱点を突かないと退治できないという設定はどこ行ったんだ?といういう事例もあるらしい。もっとも、「体内は外側ほど頑丈ではない」という可能性も考えられる。
ここまで書くと一見ただのおバカで凶暴かつ獰猛なドラゴンのように見えるが、美しいものを好むという側面も持っており、とある雄のクエレブレは自分の住処へ強引な求婚者から逃げて来た金髪の乙女に一目惚れして彼女が自分と一緒にいてくれるならば他の何も望まないと願い出て、彼女も彼の申し出を快く受け入れてくれたため、自身の魔力で彼女を永い時を生きることのできる存在へと転生させ、幸せな時を過ごしている個体も存在しているという。
創作におけるクエレブレ
アニメ『悪魔くん』に登場するクエレブレ
CV/山口健
東嶽大帝を支える幹部クラスの黒悪魔の1人。
伝承とは違って悪魔のような出で立ちをした竜人のような容姿をしており、東嶽大帝の宝を増やす事とその財宝を守護する事を主な任務としている。
三叉の槍を武器としており、自分はほとんど表舞台に出る事無く配下のガハハ三人組や魔火に指令を出して真吾達を襲撃していたが、真吾達の活躍によって失態が続いたため、第15話で妖精界をも手中に収めようと目論む大帝直々の命を受け、その障害の1つとなる妖精界の女王ティタニアの復活の阻止を兼ねて慎吾を亡き者にしようと画策。人間を嫌う妖精モスを唆して利用し慎吾達を襲わせるが、またしても失敗してしまった為に遂に自ら姿を現し、妖精界諸共慎吾達やティタニアを滅ぼしてしまおうと目論む。最後はその事を察知して目覚めたティタニアによって封印されてしまい、地の奥底へと沈んでいった………。
ゲームにおけるクエレブレ
アビセア-タロンギに出現するウィルム族(応龍型)ノートリアスモンスター。
時間経過で出現するモンスターであり、同じ種族の通常モンスター、ナウルに気を取られているとこいつに見つかって(当然、見破り付き)やられていた・・・なんてこともありえるので注意が必要。
倒すとクエレブレの角だけでなく、オーリックダガー、地爪のアートマと言ったアイテムを落とす。
- 逆転オセロニア
[智白竜]クエレブレとして登場。
真っ白い姿をしたドラゴンの姿をしたモンスターで、スキルは自分と同じ竜駒の攻撃力を上げるだけでなく、3枚以上ひっくり返すと自身の攻撃力を更に底上げするという攻撃に特化したモンスター。
- 女神転生シリーズ
初出は『真・女神転生デビルサマナー』で種族は”龍王“。姿はカメレオンのような顔のワイバーンで、デザイン担当の金子一馬氏はこのゲーム開発当時水木しげる氏の妖怪図鑑しか資料が無かったので、妖怪画と似てしまったとコメントしている。
なお表記は「ブ」が「プ」になったクエレプレで、『デビルサバイバー』では種族は”邪龍“である。
- アサルトリリィシリーズ
リリィ達を育成するガーデンの一つ『エレンスゲ女学園』に所属するレギオンで、学園の序列2位にあたる者が率いる隊。現在の隊長は松村優珂。