バジリスク
ばじりすく
- 伝説の毒蛇。本項で解説。
- 『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』
- 『ハリー・ポッター』シリーズに登場するキャラクター。→バジリスク(ウィザーディング・ワールド)
- 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に登場するキャラクター。→幻獣バジリスク拳サンヨ
- 『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に登場するキャラクター。→バジリスクマイナソー
- 『ニンジャスレイヤー』に登場するキャラクター。→バジリスク(ニンジャスレイヤー)
- 『聖闘士星矢』に登場するキャラクター。→天捷星バジリスクのシルフィード
- 『女神転生シリーズ』に登場するキャラクター。→邪龍バジリスク
- 『ダンジョン飯』に登場するモンスター。本項で解説。
- 『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『サンサーラ・ナーガ2』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『デビルメイクライ4』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『ダークソウル』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『ONEPIECE』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『ザ・ドラえもんズスペシャル 』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『タクティクスオウガ』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『からくりサーカス』に登場するキャラクター。本項で解説。
名称はギリシア語で「王侯」を意味する語basileusに由来し、「小さな王」ぐらいの意味となる。
その名の通り30センチにも満たない小さな蛇であるが、全ての蛇の上に君臨する王であり、「鎌首をもたげて堂々と進み、すべての蛇はその前を這いつくばって通る」との伝承もある。
中世からは鶏と蛇の魔物であるコカトリスと混同・派生し、同一視される場合もある。
ただし、資料によっては“バジリスクは原種であり、コカトリスは自らの弱点を消す為に進化した種”と記載されている。
英雄ペルセウスのメデューサ退治の折、その血飛沫から生まれたとも言われている。
外見はただの蛇だが、頭に冠を思わせる模様がある(あるいは小さな王冠を被っているとも)。
全身のあらゆる箇所に毒を持ち、その視線すら人を殺す(もしくは石化させる)程の力を持つ。その通り道にも人畜を死に至らしめる毒が含まれる。
それ以外でも
・喉を潤したせせらぎは何世紀にも渡って毒の水が満ち溢れ草一本育たない。
・泉を一舐めしたら毒で水が沸騰し、たちまち干上がる。
・吐く息に含まれる毒で岩が砕けて砂になる。
・移動する音を聞いただけで他の蛇が逃げてゆく。
・バジリスクを槍で殺した者はその毒が槍から伝わって死ぬ、どころか乗っている馬まで毒が伝わって死ぬ。
・地を這っているだけで空を飛ぶ鳥をも殺す、
等と言われ、その毒の力が恐れられていた。
ただ、吸血鬼ほどではないが、バジリスクも弱点がかなり多く知られている幻獣である。
主な弱点として、
・この手の能力持ちの定番として、鏡を見ると自分の視線が反射して自分を殺し(あるいは石化し)てしまう。
・雄鶏の鳴き声を聞くと一目散に逃げ出す、もしくは身もだえして死んでしまう。
・イタチにはバジリスクのあらゆる毒が効かず、それどころかイタチの体臭はバジリスクにとって最大の毒である(これは “毒蛇を食らうマングースが元ネタ” “イタチがバジリスクの毒を解毒するハーブを常食し免疫を得ている” からなどと考えられている)。
……等々がある。これらはバジリスク対策として、砂漠を渡る旅人達の常識であったらしい。
アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの幻獣辞典の当該項目には、中世の文献から引用したと覚しき詩が記載されている。内容は「『歩く死亡フラグ』なんで目撃したら生きているはずがない」との旨のものである。これは毛羽毛現の「魔狩人-DEMONHUNTER-」で引用されている。
近年の児童文学やゲームでは、足が複数ある毒トカゲタイプのバジリスクや、蛇体だが全長が10mを優に越す怪獣のようなバジリスクも見受けられる。
毒トカゲタイプの場合、足の数は普通に4本であったり、6本、もしくは8本となる作品もあるようだ。
尚、資料によってはトカゲ型バジリスクはコカドリーユと呼称され、上記のコカトリスの進化過程の存在とされている(他にも過程に生じた存在として、雄鶏とワイバーンの中間めいたバジリコックが存在する)。
かつて日本ではこのトカゲタイプが一般的だったが、映画「ハリー・ポッター」の第二作「秘密の部屋」の影響か、元来の大蛇としてのバジリスクの方が一般的となった。
その他の特色あるバジリスクとしては、「ソード・ワールド2.0」のバジリスクがある。蛮族(人類に敵対的な人型種族)の一員であり、普段は人型をしているが、巨大なトカゲ型の姿も取れる(ただし知性が落ちるため、こちらの姿になるのを嫌っている)。
ダンジョン飯のバジリスク
「尾蛇類」と呼ばれるモンスター。
蛇の尾を持つ巨大な鶏。
通常蛇の尾と石化能力を持つ鶏はコカトリスと呼ばれるはずなのだがこの漫画においてはバジリスクとしての登場である
蛇の牙のみならず鶏の蹴爪にも毒を持つ。二つの脳に対し体は一つであり、二方向から同時に攻められると混乱してしまうのが弱点。
蛇と鶏を生きたまま分断した所、鶏はすぐ死んで蛇が生き延びたという実験結果から「蛇が本体で鶏は尾」というのが定説となっている、コカトリスではなくバジリスクと呼ばれるのはこれが原因だろう。
また、卵も楕円形で殻が柔らかく卵白が無いなど蛇の卵の特徴を持つ。
主人公一行によって身はローストチキンならぬローストバジリスクとベーコン、卵はオムレツおよびかき揚げの材料として料理された。
「狂乱の魔術師」ことダークエルフのシスルがダンジョン内に作った疑似世界「黄金境」では小型(それでも大型犬ほどのサイズ)のバジリスクが家畜化されている。
ファイナルファンタジーのバジリスク
1作目で天野喜孝によって大きなグルグル目玉の多脚トカゲとしてデザインされ、続編『ファイナルファンタジー2』ではカメレオンのような姿に描かれた。以降のシリーズのものはこれらのデザインのアレンジである。
ゴッドオブウォーのバジリスク
PSPの外伝作『落日の悲愴曲』にて、シリーズ定番の序盤の巨大ボスとして登場。全体的なフォルムはトカゲに似ているが、四肢の間にはムササビのような皮膜が発達し、頭部は兜のような頑強そうなフォルムをしており、口から強力な炎を吐き散らす。
ギリシャに侵攻したペルシャ軍から「ペルシャの意思」「聖なる浄化の力」と称されてアッティカに解き放たれ、クレイトスとサイクロプスの一騎打ちに割り込み、サイクロプスを一飲みにした。残るクレイトスにも襲い掛かるが一瞬の隙を突かれ、サイクロプスの使用していた棍棒で左目を潰されてしまう。それでも怯むことなくアッティカを襲撃し、クレイトスに一矢報いんと再び襲い掛かるが、死闘の末にブレスを吐こうとした際にブレイズオブカオスで口をふさがれてしまい、そのまま炎が暴発して口が吹き飛び死亡した。
ダークソウルのバジリスク
シリーズを通して登場するザコモンスター。通称呪いトカゲ。ただし姿や鳴き声はトカゲというよりカエルに似ている。頭部に巨大な眼球のような器官を持っているがこれはダミーであり、本当の眼はその下にある鼻腔のような部分である。武器は口から吐き出す呪いガス。ゲーム中では閉所に集団で現れ、飛び跳ねながら呪いガスをまき散らしてくる事が多い。プレイヤーが滞留したガスの中に留まると呪いゲージが蓄積、やがて呪死と呼ばれる状態に陥り、石化(即死)する。
特に初代ダークソウルでの活躍が悪名高く、比較的序盤のステージ『最下層』で排水溝に落ちると、バジリスクの巣窟と化した下水道の最深部へ落下してしまう。多くの初見プレイヤーがそこで袋小路に追い詰められ、ワケも分からぬままガスを浴びせられ呪死していった。また、本作では呪死するとHPが半減(アップデート前は更に呪死すると4分の1まで半減)する仕様だった為、呪死の癒し手がいるという情報を基に高難度ステージ『小ロンド遺跡』へ向かい、そのまま詰んだという者も多い。
ダークソウル2では眼球状器官を持たない亜種や巨大化した個体が出現した。巨大バジリスクはガスだけではなく尻尾や腕でも攻撃してくるほか、PS3版では『虚ろの影の森』に配置された巨大バジリスクに近づくと周囲の地面が崩落。装備を溶かす強酸と数体のバジリスクが配置された洞窟へ叩き落とされる罠があった。ただ、2以降は呪死のペナルティが軽減された為、相対的に危険度は下がっている。
エルデンリングにも続投しており状態異常「死」を蓄積させるガスを撒き散らす点も変わっていないが装備「獣除けの松明」を持っていれば近づきすぎるか攻撃しない限り逃げていくようになる為獣除けの松明の仕様を知っていれば歴代の凶悪さから一転して危険度はほぼ皆無とも言える。腐れ湖に生息する個体は貴重なアイテム製作素材「エオニアの蝶」を落とすためマラソン対象とされることも。
ONEPIECEのバジリスク
インペルダウン地下2階「猛獣地獄」で飼われている怪獣の1体。鶏が産んだ蛇だという。外見はティラノサウルスほどもあるサイズの鶏に蛇の顔をくっつけたような感じで、巨体意外に目立った特殊能力はない。
1階「紅蓮地獄」から転落してきたルフィを襲うも、ギア3の攻撃を受けて看守室に突っ込んで気絶した(この影響で看守室が破壊され、バギーは2階の囚人の開放に成功している)。
ザ・ドラえもんズスペシャルのバジリスク
22世紀の空想動物サファリパーク(『のび太の日本誕生』に登場したドラコ、ペガ、グリが住んでいる所)で作られたバイオ合成獣の一体。鶏に蛇の首と尻尾をつけたような生物。
観光客のタイムカメラを盗んだスフィンクス軍団に連れられて過去の世界に脱走したが、紀元1世紀のアフリカでオオカミに変身したドラニコフに捕獲される。
タクティクスオウガのバジリスク
邪眼により石化攻撃を仕掛けてくるLサイズユニット。
敵専用クラスであり「説得」コマンドで仲間にすることは不可能。
説明文では「砂漠に生息するヘビのモンスター」とあるが、登場するのは死者の宮殿と空中庭園のみで砂漠のマップには登場せず、外見もドラゴン(有翼で4足歩行)の色違い。
からくりサーカスのバジリスク
コウモリのような翼を生やし鼻先に第三の眼を持つ大蛇。
『真夜中のサーカス』の猛獣使いドクトル・ラーオによって作られた、機械の体に動物の脳を移植したサイボーグ「幻獣」の一体。
ラーオにすら制御不能であるとしてユニコーン、ゴルゴン、ケルベロスと共に隔離されていたが、猛獣使いの才能「魔眼(チャームアイズ)」を開花させたタランダ・リーゼロッテ・橘に従いラーオの幻獣軍団と戦った。
ファイティングファンタジーのバジリスク
鳥のような形の頭部と、黄色い蛙のような目を持つ大トカゲで、「眼差しを見た者は石化」「強力な毒の息を持ち、接近しただけで即死の危険性がある」「鏡でその姿を見せれば逆に石化させられる」という、オーソドックスな特徴を持つ。
野生の種は砂漠に棲息するが、捕らえられて地下迷宮内の一室に、罠として飼われている事もある。
異種族レビュアーズのバジリスク
さまざまなモンスター娘の風俗店が登場する同作の、ノベライズ一作目「えくすたしー・でいず」に、バジリスク娘の風俗店「バジリ娘倶楽部」が登場する。
本作に登場するバジリスクは異種族の一つで、トカゲ系爬虫人の希少種。乾燥地に住み、あまり見かけられない。しかし致死性の有毒ガスや石化の邪眼といった種族的特徴を持ち、その点で知られている。
身体的な特徴は、鱗に覆われた手足と長い尾、そして頭頂部で王冠状に尖り立ったとさかを有する。
劇中にサキュ嬢(風俗嬢)として登場するが、邪眼を封じるメガネをかけ、ポーションでガスの毒性を抑え媚薬とする事で、客に奉仕する。故に全員がメガネっ娘。
詳細はこちらを参照。
科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌のバジリスク
異世界の住民に八本の脚とトサカを持つ蛇の王と呼ばれる大型爬虫類で、前足の指が発達した八本足で樹木の間を素早く移動し、筋肉を硬直させ死亡させる即効性の神経毒の付着した牙を、吹き矢のように鼻から飛ばして攻撃する危険生物である。
コカトリス
上記のとおりバジリスクは雄鶏の鳴き声が弱点なのだが、どうやらその伝承が伝わる際に「バジリスク」という幻獣の性質と「雄鶏」というなじみ深いキーワードが混同されて「コカトリス」という別の幻獣となったらしい。
そのためコカトリスを「バジリコック」と別の呼び方でよぶこともある。
「バジリコック」としてのコカトリスは、伝承的には「バジリスクの同類だ」とか「バジリスクとは雌雄の関係にある(雄雌どちらかは不明)」等と言われている。
また、バジリコックは雄鶏が産んだ卵から生まれると言われているため、「雄鶏と言う弱点を克服したバジリスクの進化系だ」という説も存在する。
ただ、コカトリスが一般にニワトリの姿をしているのは「コカ」という発音からの連想である、と言う説も存在するため確実に「コカトリス=バジリコック」とは言い難いかもしれない。
ゲイズハウンド
Gaze houndとは本来は猟犬の分類であり、嗅覚より視覚で獲物を捉えるものを指す(サイトハウンドとも言う。犬種としてはアフガン、グレーハウンド、ボルゾイ、サルーキ等)。
が、ウィザードリィ#1に麻痺攻撃の能力を持つモンスターとしてゲイズハウンドが登場。FC版において末弥純により八本脚のトカゲとしてデザインされ(それ以前のプラットフォームではカピバラと同デザイン)、事実上バジリスクに相当する存在として扱われるようになる。
#4ではLv3召喚モンスターとして登場。クラシック版・アレンジ版共に優先順位の高い有能な戦力。
#5では同じデザインでめでたく(?)バジリスクとして登場。能力も石化攻撃にパワーアップ。
寺田克也がデザインを担当したBUSINのゲイズハウンドは、顔つきは犬に近いものの脚は六本、体形や体色も犬とはかけ離れており、それでいてバジリスクにも似ていないまったく新種の魔法生物となっている。
余談だが、BUSINの登場人物・爆炎のヴァーゴはお供のゲイズハウンドにゴロとタマという名をつけている。
メデューサリザード
ウィザードリィ#1に登場した石化攻撃の能力を持つトカゲのモンスター。
なぜかメデューサそのものは#5まで登場せず。
SS版リルガミンサーガではボーナスダンジョンにも出現。GBC版リルガミンの遺産では追加ダンジョンにメデューサのお供として出現。
ピロリスク
どちらかといえばコカトリスの亜種、つまり鳥寄りなのだが、名前がバジリスク由来なのでこちらに記載。
初出は『ダンジョンズ&ドラゴンズ モンスター・マニュアル2』で、眼を合わせた相手を焼殺する能力を持つ。
名前は「Pyro-」(火の)+「Basilisk」(バジリスク)が由来。日本では、Pyroは「パイロ」と読む方が多いかも。
前述の「全ての蛇の上に君臨する王であり、鎌首をもたげて堂々と進む」「頭に冠を持つ」「吐く息に毒が含まれる」など伝承はおそらく伝言ゲーム方式でインドのキングコブラの姿を誇張化した結果と考察されてる。
現実でのキングコブラは実際他の蛇を食う蛇と知られ、鎌首をもたげて威嚇する時に冠を展開しながら移動する。また、いくつの近縁種のコブラは毒牙の先から毒液を噴射することができるため、伝承に混同されてもおかしくない。
キングコブラは成体が全長3〜4mとなるほど大型の毒蛇であり、一咬みで注入する毒の量は桁違い、現地では「象をも咬み殺す」と言われて、まさに毒蛇の王。
天敵は毒蛇を食うクジャクであることも「雄鶏を恐れる」伝承に通じてる。
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