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からくりサーカス

からくりさーかす

からくりサーカスとは、『週刊少年サンデー』で1997年から2006年まで連載されていた、藤田和日郎のアクション漫画。単行本は全43巻。
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概要編集

他人を笑わせなければ死んでしまう奇病「ゾナハ病」患者の男・加藤鳴海、莫大な遺産を相続したことから身柄を狙われる少年・才賀勝、勝を護衛する人形使いの少女・しろがねの3人の主人公を軸に、人形使いの戦いやサーカスの日常、200年に渡る人間と自動人形との戦いなどが複雑に絡み合ったストーリーが展開される。


特徴編集

鳴海が人間と敵対する自動人形と戦う「からくり編」、勝としろがねがサーカス一座で人々と交流する「サーカス編」が交互に進められた後、クライマックスにつながる「からくりサーカス編」を経て、最終幕の「機械仕掛けの神編」へと通じる。各編の間には幕間として解説役のピエロが登場し、物語全体が1つの演劇であることを示す。


ストーリー編集

さぁさ皆様お立ち会い、今より開幕しまするは絡繰り仕掛けの大サーカス!


主役の3人を紹介しましょう。まず一人目は厄介な病に苦しむ中国拳法使い加藤鳴海。人を笑わせないと息が出来なくなるゾナハ病に苦しむ彼の所へ運命のからくりが招きましたるは、遺産相続争いに巻き込まれた才賀勝とそれを守護する謎の美女しろがね


数奇な巡り合わせによって出会った3人、ありとあらゆるしがらみや因果が絡み合うサーカスを舞台に八面六臂の大活躍!!お客様、心してお楽しみ下さいませ。


登場人物編集


主人公

才賀勝(CV:植田千尋

サーカス編及び作品全体の主人公の一人。ごく普通の小学5年生だが、国内有数の大企業『才賀グループ』の御曹司でもある。但し正妻の子ではなく愛人の子であり、母を亡くして引き取られてからは、家では冷遇され学校ではイジメを受ける辛い日々を送っていた。父・才賀貞義の急死に伴い、彼の遺産180億円を相続したため快く思わない異母兄弟たちに命を狙われることになる。


加藤鳴海(CV:小山力也

からくり編及び作品全体の主人公の一人。ゾナハ病に苦しむ拳法使いの青年。病気を少しでも良くしようとサーカスでアルバイトに勤しみ、誰かに笑ってもらおうと奮闘していた。正義感の強い熱血漢で、子供には特に優しい。ひょんなことから勝と出会い、何者かに追われる彼を守ろうと戦ううちに、壮絶な運命へと巻き込まれていく。


しろがね(CV:林原めぐみ

物語のメインヒロイン。銀髪銀目のミステリアスな美少女。マリオネット・あるるかんを駆使して敵と戦う凄腕の人形遣い。勝の祖父・才賀正二の命を受け、勝のボディーガードとして彼の前に現れる。普段は常にクールで落ち着き払っているものの、時折盛大な天然ボケをかます可愛らしい一面もある。苦しい過去を背負っているがために、口数が少なくあまり笑わないが、勝や鳴海との触れ合いで少しずつ人間らしさを取り戻していく。



しろがね

錬金術の力で驚異的な生命力と身体能力を得た者たち。然る事情から自動人形と戦う宿命を背負っている。


ギイ・クリストフ・レッシュ(CV:佐々木望

勝と鳴海に深く関わる人形遣いのフランス人青年。普段はウィットに富んだ振る舞いで彼らをおちょくるが、戦闘となると歴戦の猛者としての勇姿を見せる。『二百体破壊者』の異名を冠するレコードホルダーで、現役のしろがねの中では群を抜いた実力者である。顔に似合わずマザコンの気がある。


ルシール・ベルヌイユ(CV:朴路美

しろがねの最古参にあたる老女で、長きに亘り若きしろがねたちを導いてきた先達。現在は老体ゆえに人形を繰ることは困難になっているが、代わりに銃火器や剣を駆使して人形と戦うパワフルな婆さんである。


ファティマ(CV:佐倉綾音

スティーブ・ロッケンフィールド(CV:小上裕通

ドミートリィ・イワノフ

エドワルド・ダール

ティンババティ(CV:藤原貴弘

シュヴァルツェス・トーア(CV:江川大輔

サハラの最終決戦に集結したしろがねたち。


才賀家

才賀正二(CV:田中正彦

勝の義理の祖父。勝を疎んじる才賀家にあって、唯一愛情を持って接してくれた人物で、勝に強く慕われていた。実は彼もしろがねの一人であり、江戸の昔から生きてきた。


才賀アンジェリーナ(CV:林原めぐみ)

ルシールの娘でしろがねの一人。しろがねの中では古参にあたる女性で、あるるかんの元の所有者。娘の幸せを願ったルシールによって戦線を離脱させられるが、人形破壊の存在理由を奪われた彼女には苦痛でしかなく、終わりの無い孤独に絶望していた。しかし正二と出会い、彼の温かい心に触れたことで救われる。やがて正二と夫婦になり、子供を授かる奇跡を得たことで“伝説のしろがね”として有名になる。


才賀貞義(CV:古川登志夫

勝の義父。生みの母を亡くして天涯孤独になった勝を跡取りとして引き取った。他の家族のように迫害こそしなかったものの関心も特に払わなかった。当然勝には親らしく接してもらった記憶は無く、顔すら忘れているほど関係は希薄だった。彼の突然の事故死によって物語が動き始める。


才賀善治(CV:大塚明夫

貞義の兄弟で勝の義理の叔父。勝が相続した遺産に目が眩み、勝を亡き者にして遺産をせしめようと企む。貞義とは血縁関係が無く、物心付く前に才賀家に引き取られた孤児である。


しろがね-O

ジョージ・ラローシュ(CV:浜田賢二

馬 麗娜(マァ リィナ)(CV:石田嘉代


仲町サーカス

勝としろがねが転がり込んだサーカス団。昔は名うての一座だったが、団長の仲町が起こした暴力事件で凋落。食うや食わずの日々を過ごしていたが、勝たちが加わったことで転機を迎える。


仲町信夫(CV:江川央生

仲町サーカスの団長でノリとヒロの養父。潰れかけたサーカスの復興に腐心していたが、一向に暮らし向きは良くならず、すっかりやさぐれていた。勝としろがねと出会って活動していくうちに、芸人としての誇りを取り戻していく。


仲町紀之(CV:岩崎諒太

仲町サーカス団員で仲町の養子。通称ノリ。得意芸は七丁椅子。公園に捨てられていたところを仲町の亡妻フサエに拾われた過去を持つ。しろがねに好意を抱いている。


仲町浩男(CV:石川界人

仲町サーカス団員で仲町の養子。通称ヒロ。得意芸はトランポリン。ノリ同様、展望台に捨てられていたところをフサエに助けられた過去を持つ。しろがねに好意を抱いている。


タランダ・リーゼロッテ・橘(CV:黒沢ともよ

アメリカの大サーカスで活躍していた猛獣使いの少女。日本人とドイツ人のハーフ。日本で発生したサーカスの虎脱走事件で仲町サーカスと知り合う。過去のトラウマに苦しんでいたが勝によって精神的に救われ、新たな仲間となった。


ヴィルマ・ソーン(CV:井上麻里奈

勝に送り込まれた刺客の一人。アメリカのサーカス芸人の家庭に生まれ、ナイフ投げの芸で活躍していた。ゾナハ病に冒された弟を治すため、裏稼業に手を染めてまで治療費を稼いでいたが、その甲斐無く死なせてしまった過去を持つ。のちに勝に感化されてサーカスの一員となる。バイセクシャル。


生方法安・生方涼子(リョーコ)

仲町サーカスが盛況だった頃の道具方の老人と、その孫娘。仲町の不祥事に伴いサーカスから離脱していたが、後にリョーコ共々サーカスに復帰する。


三牛諸美・三牛直太

仲町サーカスのライバル・ストローサーカスの団長親子。サーカスの金を使い込んで一座を潰してしまい、仲町サーカスに転がり込んできた。二人揃って欲の皮が張った俗物だが、どこか憎めない愛嬌を持つ。



黒賀村

阿紫花英良(CV:櫻井孝宏

勝に送り込まれた刺客の一人。人形遣いで有名な黒賀村の出身で、依頼の対価に対して強いこだわりを持つ。人形遣いの技を人殺しに使ったことで実家とは絶縁状態にある。


中国

梁剣峰(リャン・チャンフォン)(CV:宝亀克寿

鳴海の拳法の師。ゾナハ病に冒され一人最期を迎えようとしていたが、鳴海の来訪により、自身の生家にまつわる秘密を彼に伝える。


梁明霞(リャン・ミンシア)(CV:南條愛乃

梁の一人娘で鳴海の姉弟子。香港で女優をしている。強気で活発な性格だが感情の起伏が激しい。鳴海が父親にゾナハを移したと思い込んで鳴海を責めるが、父の語りによってゾナハにまつわる秘密を知り、戦いに巻き込まれていく。


真夜中のサーカス

世界を練り歩く伝説のサーカスで、自動人形たちによって構成される。全ては笑顔を知らぬフランシーヌ人形のために存在し、世界中にゾナハ病の災厄をばら撒き続けている。


フランシーヌ人形(CV:林原めぐみ)

18世紀の錬金術師が愛した女性の面影を求めて作り上げた究極の自動人形。錬金術至高の霊薬“生命の水(アクア・ウイタエ)”を使われている唯一の人形で、人間と寸分違わぬ振る舞いを見せるが、笑うことだけがどうしてもできず、作成者の錬金術師に捨てられてしまう。それからは笑える方法を探して旅立ち、人形たちのサーカスを率いて世界を巡っていた。


フラッシュ・ジミー

パウルマン(CV:岩崎征実

アンゼルムス(CV:岩崎征実)

スパッツア(CV:勝杏里

クピディアー(CV:神谷浩史


最古の四人(レ・キャトル・ピオネール)

自動人形たちの幹部とも言うべきフランシーヌ腹心の四体。フランシーヌ人形に忠誠を誓い、彼女が笑うための方法を探して人間を虐殺してきた。


パンタローネ(CV:中田譲治

アルレッキーノ(CV:福山潤

コロンビーヌ(CV:悠木碧

ドットーレ(CV:大友龍三郎


最後の四人(レ・デルニエ・キャトル)

フェイスレスの腹心たる四体。物語終盤における強敵として登場し、どれもが主人に似て醜悪な精神性を有している。


ハーレクイン(CV:三宅健太

カピタン・グラツィアーノ(CV:佐藤健輔

ブリゲッラ・カヴィッキオ・ダ・ヴァル・ブレンバーナ(CV:陶山章央

ディアマンティーナ(CV:かないみか


キーキャラクター

白銀(CV:関智一

18世紀のプラハで活躍していた中国人の錬金術師。元は人形芸を生業とする家の生まれで、人形をより人間に近づけたいと願い錬金術を研究していた。プラハで出会ったリンゴ売りの娘フランシーヌに恋をし、彼女と結ばれるが…。


白金(CV:古川登志夫)

18世紀のプラハで活躍していた中国人の錬金術師。白銀の弟。兄の志に同調してプラハへ渡り、錬金術の研究に励んでいた。兄と同じくフランシーヌに惹かれていたが…。


フランシーヌ(CV:林原めぐみ)

プラハでリンゴ売りをしていた貧しい少女。元はフランス生まれだったが人買いに売られ、プラハに流れて来た過去を持つ。幸薄い境遇にあっても明るさを失わず、周囲の人間にも愛情深く接する心優しい性格。容姿も美しく、笑顔が魅力的だった。白兄弟が恋した女性であり、本作の発端となった重要人物。


ディーン・メーストル(CV:古川登志夫)

古参のしろがねの一人でアンジェリーナの幼馴染み。剽軽な性格だが人形繰りや製作技術は一級品で、正二やアンジェリーナには深く信頼されていた。実は才賀貞義の本来の姿であり、義理の親子となった正二と『才賀グループ』の前身にあたる『才賀機巧社』を創業した。


フェイスレス(CV:古川登志夫)

しろがねを更に改良した超人部隊『しろがね-O』のリーダー。サングラスをかけた初老の男性だが、渋い見た目に反して日頃からしょうもないギャグやジョークを飛ばしている怪人。O以外のしろがねたちからは胡散臭い目で見られているが本人は意に介さず、マイペースに振る舞っている。

本作の根幹にまつわる最大のキーパーソン。


用語編集

自動人形

 錬金術によって生み出された擬似体液による、自律した思考と精密な動作、そして人間に劣らぬ個々の人格を有した人形。作中における人類の敵。彼らの動力源である擬似体液は、人間の生き血を含んで性質を維持するため、無差別に人を襲い、且つ彼らの擬似体液にはゾナハ病という不治の奇病に冒す性質がある。彼らの生みの親が狂人だったせいもあり、総じて残忍且つ文字通り非人間的な存在である。

 形態は人間型から、器物型、乗り物型、動物型と多種多様。


 彼らは皆ある目的のためだけに生み出され、そのためならあらゆる手段を厭わない一途な使命感を持つ(作中後半ではそれとは無関係の人形も登場するためこの限りではない)。

 しかし作中に登場する人形の中には、人形であるが故に純粋な心を持つ個体もおり、人間について学ぶうちに自我が芽生え、人間の営みに興味を示す者や、人間に心を寄せる者、人間と交流する者も現れるようになる。


ゾナハ病

 作中に登場する奇病。正式名称は他者の副交感神経系優位状態認識における生理機能影響症(長い…)。他人を笑わせないと死んでしまうとされ、Z.O.N.A.P.H.A syndromeとも表記される。自動人形率いる『真夜中のサーカス』が撒き散らす、ごく微細な『銀の煙』を吸入することで発病する。症状は主に呼吸困難と痛みを伴う発作。前述の特異な病態の通り、他人に笑ってもらう(スマイルだけでも良い)ことで発作は緩和される。しかしそれは一時的な対策でしかなく、暫くすると再び発作が始まり、この繰り返しが半永久的に続く。

 治療法は存在せず、作中における特効薬は錬金術の集大成『柔らかい石』から精製される“生命の水(アクア・ウイタエ)”だけであるとされる。


柔らかい石

 錬金術究極の目的である、万病を癒し、黄金を生むとされる結晶。名前の通り結晶状でありながら柔らかくしなる。作中の記録によると18世紀末の近世ヨーロッパで活躍した錬金術師の兄弟によって生み出されたとある。これを水に投入するとあらゆる病を治し、あらゆる物質を溶解する生命の水(アクア・ウイタエ)に変化する。

 結晶状でも時間の経過と共に蒸発し、空気に触れて消えていく性質を有するが、溶解性の高い性質上維持するには人間の子供の体内に封じるしかないとされる。


生命の水(アクア・ウイタエ)

 柔らかい石によって生まれる、あらゆる病を治し、液体が外側に触れたあらゆる物質を溶解する薬液。人形に人間の立ち居振る舞いと精神を与え、人間が服用すると髪と瞳が銀色に変わり、身体能力を向上させ、老化が1/5の速度となる。色はロゼワインのように淡い薔薇色をしており、微かな甘味を帯びるという。

 また人間が溶けた水には溶けた人間の記憶が保持され、飲んだ者にはその記憶が継承される(溶けた体積によってまちまちだが)。


しろがね

 作中に登場する人形破壊者の人々。生命の水によって驚異的な生命力と身体能力を有し、懸系傀儡(けんしくぐつ/マリオネット)なる糸繰り人形を使って自動人形と戦う戦士たちである。

 その正体は生命の水に溶けたとある人物の意思に縛られた元ゾナハ病患者。不治の病を治す代わりに、その人物の「この世に蔓延る自動人形を一体残らず破壊せよ」という末期の願いに動かされた、ある種の「操り人形」である。


テレビアニメ編集

2018年3月14日発売の少年サンデー16号にてテレビアニメ化が発表され、同日に公式ティザーサイトも開設された。

アニメーション制作は同作者の『うしおととら』も手掛けたstudioVOLNが担当。

才賀勝のキャストはプロアマ問わずの公募オーディションにて決定された(総合学園ヒューマンアカデミーの公式サイトにて募集)。

同年8月1日に情報が解禁され、放送時期、主要キャスト、制作スタッフ、第1弾キービジュアル&第1弾PVが公開。同時に公式サイトもリニューアルされた。

2018年10月からTOKYOMXおよびBS11、ついでに北海道テレビ放送(何でも作者の出身地のテレビ局と言うことで放送してるそうな)にて放送されている他、Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信を実施している。

AT-Xでは2クール目までを2話連続で補完、本放送に追いつくというとんでもない放送を行った。


全43巻分のストーリーを3クール分で纏め上げるため、小規模なエピソードはほとんどカット。

長編エピソードについても編集またはカットされているところが少なくなく(顕著なのが機械仕掛けの神編直前の黒賀村での出来事は全編カットされている。逆に機械仕掛けの神編は大詰めということもあってか、おおむね原作に忠実)、生方涼子や阿紫花平馬をはじめとした登場していない主要キャラクターも多く存在する。また、そういった変更に対して辻褄を合わせるために一部のストーリーが原作とは異なる展開となっている。

ちなみにシリーズ構成には原作者である「藤田和日郎」も名を連ね、脚本やその構成に携わっている。アニメスタッフが勝手にやったわけではなく原作者も了承済みである点に注意。


制作スタッフ編集

監督西村聡
シリーズ構成井上敏樹/藤田和日郎
キャラクターデザイン吉松孝博
音楽林ゆうき
アニメーション制作スタジオヴォルン
製作ツインエンジン

主題歌編集

【OP】

第1クール(第1幕 - 第12幕):BUMP OF CHICKEN「月虹」

第2クール(第13幕 - 第24幕):KANA-BOON「ハグルマ」

第3クール(第25幕 - ):ロザリーナ「Over me」

【ED】

第1クール(第1幕 - 第12幕):ロザリーナ「マリオネット」

第2クール(第13幕 - 第24幕):眩暈SIREN「夕立ち」

第3クール(第25幕 - ):BUMP OF CHICKEN「月虹」(※二番部分)


関連動画編集


関連タグ編集

少年サンデー 藤田和日郎 人形 錬金術 サーカス

2018年秋アニメ


コラボタグ編集

Fate×からくりサーカス(Fateシリーズ)


外部リンク編集

アニメ公式サイト

アニメ公式Twitter

wikipedia

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