CV:田中正彦
概要
既に亡くなっているので、序盤の才賀家のお家騒動には関与してこない。
以下は『からくりサーカス』の重大なネタバレを含みます!
物語開始時点では密かに生存し、黒幕から身を隠して生活している。そしてその正体は、勝ではなくしろがね、本名「才賀エレオノール」の父親である。
元々は医者として生活していたが、剣や機械の知識もあり、日本刀や重火器も使いこなす。
特に剣術はしろがねになる前から鍛練を重ねて、師範代の腕を持ち、それは後に勝にも受け継がれる事となる。
江戸時代の名は成瀬正二郎。
長崎に生れ、少年時代に出会った異国人医師のジャコブ・インから知識や技術などの師事を受け、また「白銀」を「しろがね」と読み教える。
30代でアンジェリーナと出会い、遊女に扮した彼女から「しろがね」の叡智を持つ彼女に、未熟な日本医学を鼻で笑われる最悪の出会いをし、暇潰しの歓談に付き合わされて彼女の笑みが作り笑いと暗に気付くと、彼女から“もし不死の身になったら何をするか”と問われ
「したら、わしは、女子(おなご)に惚れるこつができるなあ」
誰かのために生きて、医学の勉強を続ける自分には、人の一生では足りない。だからこそ無限の時があれば自分のため、誰かを愛する時間を使える、と(人の無知を嘲笑う様な女には惚れないと皮肉も付け加えている)。
その答えに嘘は無く、ただ一目惚れした彼女と連れ添うために、フランシーヌ人形や自動人形に怨恨や直接の因縁を持たずに自ら生命の水を飲み「しろがね」となった(鳴海もゾナハ病に長年苦しんだ経緯がある)唯一の人物である。
その後、アンジェリーナと共にしろがねの知識を使って企業を始め、先端技術の小出しで事業を成功させ、裏では対自動人形用の人形を作って海外のしろがねや本部に送る生活を重ねた。フェイスレス(当時の名はディーン・メーストル)とはこの頃に、妻の戦友として出会っている。
妻ともどもディーンと気の置けない関係になり長く交流を続けていたが、ディーンの正体(妻に執着し続けている悪質なストーカー)に気づくことができず、アンジェリーナの妊娠を知ったディーンが彼女に殺意を抱いたのを察知できなかったことが後の悲劇を招いてしまった。
一人娘の誕生直後に起こった黒賀村の事件(アンジェリーナの記事参照)ではアンジェリーナへの愛ゆえに真っ先に自動人形の大群に突っ込んでいくが、それが災いして妻の最期を看取ることはできなかった。
以後才賀機巧社の経営をディーン(才賀貞義と改名)と共に続行しつつ、その裏で事件を共に乗り越えたギィと共にエレオノールを守るための策を講じていくが、数十年越しに再会したエレオノールはディーンが化けた偽の正二に先に会い、ディーンの洗脳を受けてしまっていた。
この事件がきっかけとなり、遂にディーン=貞義の本性と、エレオノール及び勝を犠牲にして行われる彼の計画を知ることとなる。
エレオノールと勝を守るためにディーンに果敢に立ち向かい、勝のインストール中断、そしてディーンを硫酸のプールに叩きこむという成果を上げるも、相討ち覚悟での特攻だったため自身の身体も、生命維持装置に繋いで生かしておくのがやっとという状態になってしまう。
こうしたディーンを殺害したはずが、彼の忌まわしい計画が終わっていないことを察知。勝へのインストールが完了していた可能性を考えてギィに勝を連れてこさせ、インストールの成否を確認しようとするが、その場に現れたディーン本人にインストールは失敗、自分は硫酸によって身体の大半を失ったものの機械の身体になって生き延びたと明言される。
勝の無事を確信したのもつかの間、ディーンがギィを生命維持装置に叩きつけたことで装置が破損し命の危機に瀕する。ディーンは勝によって撃退されるが、正二の身体は限界を迎え、様々な波乱に満ちた生涯の果てに「本当に嬉しかった4つのこと」を勝に告げて息を引き取った。