CV:佐々木望
人物
自称病弱にして優雅、飄々として捕らえようのない性格と、鋭い刃物のようなキレを見せる人物。
美青年で女性にモテるが重度のマザコン。何かあるとすぐ胸のロケットを取り出しては「ママン」と呼びかけ、それを奪われると幼児退行してしまう。
一見頼りなさそうな優男だがマリオネット「オリンピア」を操り、自動人形たちから「オリンピアの恋人」「伝説の人形200体破壊者」などの二つ名で呼ばれる程の強者であり、クールに振る舞いつつ「青い炎のように静かに燃え上がる」怒りや熱い心を持っている。
エレオノール(しろがね)の育ての親で、幼い彼女を連れて自動人形との戦いの旅をしながら世界を周っていた。
左腕を失い死にかけた加藤鳴海の命を救い、以降しばらくの間彼と共に行動する。
よく鳴海と漫才の掛け合いのような会話を繰り返し、彼を「クサレチョンマゲ」や「チョンマゲイノシシ」「低脳イノシシマン」などと呼んでいる。
だが全編を通して精神的には鳴海の良き相棒であった。
鳴海たちが乗る旅客機が飛行中自動人形の襲撃を受けるとオリンピアに乗って出撃し旅客機を守り抜いた。この時、ギイは大怪我を負い仲町サーカスに救出され、才賀勝としろがねに出会う。
実はこの物語のトリックスターであり、「フランシーヌ人形」とそれに連なる謎の全てを知る人物。
「からくり編」と「サーカス編」の登場人物は基本的に会うことはないが、ある人物とこのギイのみが両編を行き来している。
ある恐るべき計画の存在も知っており、計画の最重要パーツである勝を警戒していた。
オリンピア
ギイの長年の相棒とも言えるマリオネット。
翼の力で空を飛ぶことも可能。
美しい姿と裏腹に攻撃はえげつないものが多く、足首の回転スパイクで蹴り飛ばしたり、肘と踵の武器で踊るように粉砕する「破壊輪舞曲」、指先の注射針を自動人形の身体に突き刺し、擬似体液を高速モーターで吸引する「聖母の抱擁」などどれも痛々しい。
ドレスを換装することで空中戦も可能。
関連イラスト
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蒼月潮:うしおととら(OVA版)で、ギイの担当声優・佐々木望氏がうしおを演じている。その相棒のとら(TVアニメ版)役だった小山力也氏の演じる鳴海とコンビを組むことになったのもまた縁か。
【CAUTION】以下、ネタバレ注意!!
最期の大舞台
物語終盤、ゾナハ病を治療する機器「ハリー」を守るための戦いへ赴いた際に鳴海がフウの憶測を真に受けてエレオノールを憎んでいることを知る。
そして、最終作戦出発前夜、鳴海と最後の会話を交わす。
エレオノールを殺すと言った彼の真意を確かめ、場合によっては戦う選択をした彼だが、長年酷使してきた彼の肉体が石化しつつあることに気づいた鳴海は戦闘を止める。
そしてギイも、鳴海の瞳から彼が本心からエレオノールを憎んでいるわけではないと悟る。
鳴海「勝負はお預けだ。それまで死ぬなよ。そしてそん時は絶対ぶん殴ってやる」
「不粋だなァ、ナルミ。こんな時は機知を効かせて、こう言ってもらいたいものだな。Bon Voyage. よい旅を」
三牛親子から敵の大群が翌日襲撃してくるという情報を受けるも誰にも知らせず、たった一人で最後の大舞台に望むことを選んだ。
「シェイクスピア曰く…『この世は舞台なり。誰もがそこでは一役演じなくてはならぬ』か」
そして鳴海達が出発した後、トンネルを襲撃してきたカピタン・グラツィアーノ率いる三千体の自動人形を相手に戦うも、圧倒的な数に押し潰されそうになるが、フェイスレスの呪縛を打ち破った勝の助勢によって奮起する。
「ここは僕の舞台。君は君の舞台で命をかけろ。しろがねを守ると誓ったのだろう?行け、マサル!」
後を任せて送り出した勝に対して、「本当に泣き虫だなぁ」と感想を抱きつつも彼に感謝し、エレオノールと鳴海が惹かれつつあることは最初からずっと予見していたことを明かす。
そして嫁を送り出す父親の気分とはこういったものかと思いを馳せながら、トンネル内に仕込んでいた爆弾の起爆スイッチを起動。三千体もの自動人形を道連れに自爆した。
「オリン…ピ…ア…君の顔は…ママンのデスマスクから…作ったんだ……」
「ママン…今、行くよ…今度は…たくさん…僕を…抱きしめて……」
そして、瓦礫の中でオリンピアに抱かれながら自分の人生にピリオドを告げて、舞台から静かに退場した……。