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概要

人物

『週刊少年サンデー』にて活動している日本の漫画家。代表作は『うしおととら』、『からくりサーカス』、『月光条例』など。

迫力のある作画と非常に綿密に練られたストーリーに定評がある。

1964年5月24日北海道旭川市に生まれる。

高校生の頃、高橋留美子ホラー読み切り闇をかけるまなざし」を読んだことをきっかけに漫画家を志す。

日本一の熱血漫画家、島本和彦と親交があり、島本著『吼えろペン』に登場する主人公のライバル、富士鷹ジュビロは藤田をモチーフにしたキャラクターである。

島本の作品『逆境ナイン』が映画化した際、『月刊サンデーGX』にて彼との合作を制作したこともある。

その他ほぼ同時期に『サンデー』で活躍を始めた椎名高志久米田康治などとも親交がある。

妖怪人形のデザインセンスの高さや本人の人柄から、妖怪と呼ばれることもしばしば。

先述の高橋留美子には多大な影響を受けており、今なおリスペクトしているいわばルミキスト。彼女の作品すべてをこよなく愛しており、特にあれとかこれとかそれとかのホラー系を好んでいる。この人以上に高橋留美子を好きな人はいないと思う。たぶん。どれくらい好きなのかは、彼のWikipediaやインタビューで確かめることを推奨。

作風

敵味方問わず登場人物たちの深い心理描写を徹底し、脇役たちにもスポットライトを当てたサイドストーリーを多く挿入することで、キャラクター同士の絆や、彼らが抱える過去、葛藤を鮮明に描き上げるのが特徴である。

登場人物がやたら死ぬのも有名だが、その場合も同時にそのキャラが抱える問題に決着をつけたり、答えを見出すので死に際を見せ場として盛り上げる。

表情の描きわけも徹底している。笑顔といった明るい表情はもちろん狂気に満ちた顔にも定評があり、女であろうと美形キャラであろうと必要であれば容赦なく顔を歪ませる。

特に彼が描く狂気の表情は他の漫画家にも影響を与える程で、例えば楕円の黒目などは彼の発案である。

また「目」の描写を重要視する作家で同じ表情でも心理状態に合わせて描き分ける。明確に意志を示したときは大きい黒目、意志が薄弱だったら小さい黒目などといったように「目」そのものにも表情をつけている。

激情したキャラクターを表現するためにあえて筆や指だけで描くこともある。例えば『からくりサーカス』の主人公の一人加藤鳴海が自らの無力さに苛まれた末に悪魔になると誓った後の戦闘シーンでは彼を筆で書き殴ったように描いたり、同じく彼が多くの仲間が犠牲になった戦いが無意味だったと知って慟哭するシーンでは指だけで描いたりしている。

ストーリーは非常に濃いのだが、やたら描き込むので原稿が黒くなりがちな上に、彼の描く人物は特徴的なので絵だけを見て敬遠する人も多い。

作品群

うしおととら

藤田和日郎の出世作にして代表作。

からくりの君

短編作品ながらOVA化された珍しい作品。後の『からくりサーカス』の雛形になる。

からくりサーカス

複雑に絡み合うストーリーと人間模様はまさに”からくり”。

月光条例

「月打」されて凶暴化したおとぎ話のキャラクターと戦う「月光条例執行者」。

邪眼は月輪に飛ぶ

見たものを即死させる邪眼とそれを追う老マタギの死闘と葛藤を描く。

双亡亭壊すべし

怪異の巣窟・古屋敷「双亡亭」へ挑む者たちの戦い。

黒博物館シリーズ

学芸員(キュレーター)と呼ばれる女性キャラクターを狂言回しとした、短編・中編シリーズ。

学芸員のもとに客が訪れ、いわくつきの品などをきっかけに、物語が語られていく。

黒博物館スプリンガルド

ロンドンを騒がせた怪人・バネ足ジャックの正体とは……。

直接の続編となる『黒博物館スプリンガルド異聞マザア・グウス』(全3話)もある。

黒博物館ゴーストアンドレディ

黒博物館第二弾。幽霊「灰色の服の男」に憑り付かれた看護婦フロレンス・ナイチンゲール」の壮絶な戦いに満ちた半生を描く。

『黒博物館三日月よ、怪物と踊れ

黒博物館第3弾。

小説『フランケンシュタインの怪物』の作者メアリー・シェリーが黒博物館に訪れ、彼女自身が体験した、とある「怪物」を巡る物語が語られる。

登場する作品

本人自身の強烈なキャラクターのせいか、上述の富士鷹ジュビロのように他の作者が描く漫画に登場する事も多い。

主人公の炎尾のライバルの熱血漫画家富士鷹ジュビロとして登場。代表作は「からぶりサービス」というこれまたどこかで聞いたようなタイトルである。

また、作中の「世界中の子供たちに愛と勇気をね!与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!!一生残る恐怖と衝撃で一生残る愛と勇気をね!!」というセリフは余りにも彼の作風を的確に現しすぎているといわれている。

主人公・美神令子の師匠唐巣和宏として登場。藤田と同じく旭川の出身らしい。

主人公達が旅行先で訪れた「札幌裏雪祭り」の審査員として登場。名前等は明かされていないがその特徴的な見た目やポーズがどう見ても「うしおととら」1巻の著者近影である。作者の久米田康治は藤田と仲が良く、後述の作品でも度々藤田をネタにしている。

この作品ではほとんどの場合実名で登場しているが、久米田先生の深い藤田愛ゆえか実はフサフサだったり実は女子高生だったりと色々な属性を盛られている。

「ダークファンタジーの巨匠」こと不二多勝日郎として登場。フサフサ。

主人公・後藤可久士の友人の漫豪文豪の漫画家バージョン)で、昔は売れていたが最近は落ち着いている(=売れなくなった事の優しい言い方)。現在は「某豪邸焦がすべし」を連載中。

架空の出版社「件社」の漫画家として実名で登場しているが、そのキャラクターのぶっ飛びっぷりは上述の富士鷹ジュビロをもしのぎ、初登場では新人漫画家達の乗った船「双亡艇」をぶっ壊して沈めたり、主人公の漫画家としての才能を認めた上で「ぶっ殺し合いたい」とのたまうなど本当に実名で出して良かったのか?と首を傾げたくなるほど。

最終話にて主人公達が訪れた黒博物館の実質的な管理人「ジュビロ伯爵」として名前のみ登場。またこの時主人公達を案内したのは黒博物館シリーズでお馴染みの学芸員であり、さらには同時期に連載していた「ゴーストアンドレディ」の最終話にもエンバーミングの主人公達が登場した。

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