概要
錬金術における究極の薬。エリクシャーまたはエリキシル、エリクシールとも。飲めば不老不死となれると伝わる。草ではない。
賢者の石から生成される、あるいは賢者の石そのものであると考えられてもいる。中国の錬丹術における仙丹も同様のものであると推測される。
ちなみに、現代では液体としてイメージされる場合が多いが、元々はギリシャ語で「粉」を意味する単語「xerion」に由来する。
創作におけるエリクサー
ファイナルファンタジーのエリクサー、テイルズオブシリーズのエリクシール等、多くのゲーム(主にロールプレイングゲーム)においては最高クラスの回復アイテムとしてその名を引用される。上位バージョンにラストエリクサーなど。
多くの場合は非売品か、購入こそ可能だが極めて高額物品の扱いになっている。ただし、作品によっては意外と序盤から手に入る場合もあるが、HPやMPがレベルに関係なく全快する効力を持つ設定が多く、使い惜しみしてラスボス戦の頃には貯まりまくってるが、味方が強くなりすぎて結局使わなくなる場合が多い。これはラストエリクサー症候群とも呼ばれる。
しかし、ヴァルキリープロファイルにおいては最下級の回復アイテム(もといHP回復アイテム系統の総称)として登場、サガ3時空の覇者では回復量に反して、市販品な上にバランスブレイカー扱いされるレベル。
……なんだこの差は。
また、上記のようにゲームで未だに多用される影響からか、近年の創作では本来の『万能の霊薬』のイメージが薄れ、その代わりに『ハイリスク・ハイリターンの劇薬』扱いも散見されつつある。
例えば『殺されて井戸に捨てられた聖女がチート怨霊になりました』では「薬効と依存性と中毒性のいずれも強い」、『亜空の聖女 ~妹に濡れ衣を着せられた最強魔術師は、正体を隠してやり直す~』では「使用者の魔力を倍増させるが、使用者の命を蝕む」と、最早『エリクサー』と冠するのもおこがましい紛い物となっている。
ただし、後述の歴史上の経緯も考慮すると強ち間違いではない(……のかもしれない)
実在のエリクサー
かつてはウィスキーやウォッカ等の酒類を「命の水(アクア・ヴィデ)」と呼び、エリクサー扱いされた歴史もある。
現代の日本薬局方の製剤総則にて「甘味及び芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の内用剤」をエリキシル剤として定義している他、一部のリキュールの中には、上記の実例に倣うように『エリクサー』の名を冠するものが存在する。
また、『ファイナルファンタジーXIII』とのタイアップ商品としてサントリーから、清涼飲料水『ファイナルファンタジーXIII エリクサー』が発売されている。