曖昧さ回避
概要
「おまえの子供の血は赤かったぜえ、ルシィィル。」
CV:大友龍三郎
フランシーヌ人形を笑わせるために創造主の男に作られた4体の人形(最古の四人)の一体。
つばが大きく黒い帽子を被った中年の男性の姿をしている。この帽子はつばが鋭利な刃物となっている。
「紺碧の手」(レ・マン・アジュール)という技を使うが、作中では技を使用する前に完全破壊されたので詳細は不明。戦闘では専ら前述の帽子と、蛇腹状に伸縮する両腕を武器にする描写のみが存在。
作者曰く、「使わなかったから分からないけど、切るんじゃないかと思います」とのこと。
クローグ村を襲撃した際は多くの村人の首を刎ねてジャグリングの玉にした。
ルシールの目の前で彼女の息子をバラバラに切り刻み彼女にとっては因縁の仇でもある。
人間の味覚に興味を持ち、いつか美味を味わってみたいと考えている。
また、巧みな弁舌はしろがね達すら心を乱すほどに煽り立てる。
「しろがね」と「真夜中のサーカス」との最終決戦では真夜中のサーカスのテント内でしろがねと自動人形の対決ゲームを仕切る。ゲームの最終局面においてルシールが操るフランシーヌ人形そっくりなアンジェリーナ人形の「ひかえよ」の一言でひれ伏し動けなくなる。なんとか偽物の言葉だと自分に言い聞かせ立ち上がるも、碌にその場から動けずルシールから挑発と侮辱、誘導を受けて、ついに耐えきれず「フランシーヌなど己になんの関係もない」と思考し口にしてしまう。
そのまま自由になった体でルシールを帽子で斬殺するが、それは同時に自身の「フランシーヌ様を笑わせる」という存在理由の否定を意味していた。
我に返り、必死にフランシーヌ人形に謝罪したが、一度手放した存在理由は元には戻らず、全身から擬似体液を噴き出して絶望に飲まれ行動不能となる(アルレッキーノ曰く、ルシールが人間の感情を最期の贈り物とした)。
他の最古の四人と違い、破壊されたのではなく自ら存在理由を手放してしまったので、復活することはなかった。
こういった展開から、「自動人形は存在意義により動いているのであって、それを手放す事で機能停止に陥る、逆に言えば、存在する目的を持つ限りは、動き続けることが出来る」という事実が明らかになった。
自動人形の製造目的からすれば当たり前のように思える話なのだが、これが後の展開で重要となっており、後の二人の最古の4人が半壊しながらも這々の体で動いたのも、使命を果たしたのだと認識した途端、満足して糸が切れた様に機能停止したのもまさにコレであったといえる。
最後まで純粋な悪役として描かれており、その悪行に関しては他の最古の四人とは変わらないものの、ルシールの子供を殺めてしまったばっかりに一人だけ再起するチャンスも印象アップのチャンスも失うという孤独な結末を迎えてしまった。
元ネタは即興演劇「コンメディア・デッラルテ」に登場するパンタローネの友人。