「骨のある戦いがしたいんならみせてやるよ………!!もう一つの戦法…!!」
「“ギア3”“骨風船”!!!」
「骨から骨に移動する空気(パワー)!!」
「みろ!!この左腕は!!巨人族の腕!!!」
概要
『ONEPIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの身体強化技"ギア"シリーズの一つである。
エニエス・ロビー編で初披露し、マリンフォード頂上戦争では巨人族の海兵を一撃で倒す破壊力を見せた。
新世界編でも2年間の修行で身につけた覇気を併用して恒常的に使っている。
内容 | 指の骨を噛んで風船のように思い切り息を吹き込んで骨内部を膨らませ、巨人族のように体の部位を巨大化させることができる (骨風船) |
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能力 | |
欠点 | |
初登場 | エニエス・ロビー編 |
備考 |
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※1 「ギア3」は、スピードが鈍化する欠点があったが、2年後はルフィの成長により、中には通常時と変わらないほどのスピードで繰り出すことが可能となっている技も存在する。
※2 2年後は修業や実戦を重ねることで、改善されている。
ギア2よりも強いのだが、初期はパワーしか強化されないのと前述するデメリットがある故か欠陥形態として扱われ、ギア2は割と頻繁に使われるのに対し、ギア3は余程のことがない限り使われることはない形態だったのだが、2年後は克服したためか使用頻度がギア2に勝るとも劣らないレベルで激増した。
詳細
主にスピードをパンプアップによって超強化するギア2とは趣が異なり、こちらはパワー重視の強化を行い、ダイナミックな攻撃を繰り出す。
骨風船という名前どおり、指の骨を噛んで風船のように思い切り息を吹き込んで骨内部をパンパンに膨らませるのが特徴。しかし決して見かけ倒しではなく、むしろ「そのまま巨大化している」といっても過言ではないほど威力が増している。また骨風船は硬く、弾丸による攻撃は通用しない。
強力な技を繰り出せる反面、速度は通常時よりも低下してしまうため小柄で動きが速い相手には攻撃を避けられ、反撃を喰らってしまうことが多い。
ギア3は巨人族といった自身よりも遥かにでかい相手や海軍の包囲網などの集団と対峙したときに使用すれば効果を存分に発揮し、戦況を変えられる。
ギア3使用時にはルフィは技名を「ゴムゴムの巨人の(ギガント)○○」と呼称している。
2年の修行を経て覇気を修得した新世界編ではより強大な力を発揮することが可能で、雷・炎を纏っていることもある。
…というか電気はともかく武装色による硬化はデフォルト化していると言ってよく、「ゴムゴムの巨人のつっぱり」のように覇気なしで打つことは滅多にない。
また覇気による技の進化に伴ってかネーミングが変化し、ゴムゴムの巨人の銃は「象銃(エレファントガン)」、巨人のバズーカは「ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)」といったように動物の名を冠した技名が多い(ギア2の技でも鷲(イーグル)バズーカ、鷹(ホーク)ウィップ、鷹銃乱打(ホークガトリング)などいろいろある)。
ワノ国編の修業後からは武装色の高度な技術や覇王色を纏う技術の修得により、四皇と渡り合える程のより強力な技を繰り出すことが可能になっている。
アニメ版においてのカイドウとの対決(1戦目)では、ギア3を使用しているときにも紅紫色に光るオーラを纏う龍モードのカイドウと対応するかのように赤く光るオーラ(稲妻)を纏いながらぶつかり合っており、攻撃のガードとしても使用している。
初期の頃は使用するとなぜか反動で数分間チビになり戦闘力が大幅に低下していたが、シルバーズ・レイリーとの特訓で克服し、何度でも使用できるようになった。
ギア2との併用
ギア2の併用で落ちたスピードをカバーすることもできるが、体に負担がかかりすぎるため滅多に行わない。しかし新世界編では身体を鍛え上げた成果で負担や反動を解消できたらしく、アニメ版では何度か使用している。
作中で初披露したのはスリラーバーク編で、代表的な技は「ゴムゴムの巨人のJET砲弾(ギガントジェットシェル)」。
砲弾のように突っ込む渾身のタックルで、1000体の影を取り込み巨人並みの体躯になったゲッコー・モリアに何度もぶつかっていき影を吐き出させた。
技一覧
通常の技
- ゴムゴムの巨人の銃(ギガントピストル)
初めて使用したギア3の技。骨風船によって巨大化した腕でぶん殴る「ゴムゴムの銃」の強化版。
分厚い鋼鉄の扉や軍艦であろうと問答無用で粉砕する破壊力を持つ。
初めてこれを食らったロブ・ルッチは、鉄塊で受け止めたにもかかわらず意識が吹き飛びかけた。
劇場版『ONEPIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』では、この技でワポルを空の遥か彼方まで吹っ飛ばしている。
- ゴムゴムの巨人の斧(ギガントアックス)
巨大化した足を振り下ろす「ゴムゴムの戦斧(オノ)」)の強化版。その威力は海軍の軍艦の甲板を一撃で破壊できる程強力。
- ゴムゴムの巨人の鞭(ギガントウィップ)
巨大化した足を振り払う「ゴムゴムの鞭(ムチ)」の強化版。その威力は海軍の軍艦のマストをへし折れる程。
- ゴムゴムの巨人のバズーカ(ギガントバズーカ)
巨大化した両腕から放つ掌底を放つ「ゴムゴムのバズーカ」の強化版。
使用した際には魔人オーズの背骨を砕いた。
- ゴムゴムの巨人の回転弾(ギガントライフル)
巨大化した腕から放つ「ゴムゴムの回転弾」の強化版。巨人族の海兵を一発で仕留める威力を誇る。
- ゴムゴムの巨人のスタンプ(ギガントスタンプ)
巨大化した足から蹴りを放つ「ゴムゴムのスタンプ」の強化版。
毒の巨兵(ベノムデーモン)状態のマゼランを吹っ飛ばす威力を持つ。
新世界編からはアニメ版ではあるが、武装色の覇気を纏い硬化した状態で繰り出している。
- ゴムゴムの巨人の雷斧(ギガントトールアックス)
劇場版『ONEPIECE FILM STRONGWORLD』のシキ戦で使用した決め技。トールは北欧神話の雷神。落雷を身体に受け、それを纏った状態で放つ「ゴムゴムの巨人の斧」の強化版。
威力としては、浮島一つをシキ諸共木端微塵に粉砕する程強力になっている(シキに関しては、複数のハンデ設定がなされている)。
- ゴムゴムの巨人の風船(ギガントフーセン)
骨風船によって胴体を巨大化させ、圧倒的な硬度を得る「ゴムゴムの風船(ふうせん)」の強化版。
通常の「ゴムゴムの風船」と違って弾力が失われるため攻撃を跳ね返すことはできないが、その防御力は圧巻の一言。
- ゴムゴムの巨人のつっぱり(ギガントつっぱり)
巨大化した手から放つ「ゴムゴムのつっぱり」の強化版。
浦島を凄まじい速度で吹き飛ばし、遠方にある建造物を次々と多数破壊していく程の威力を持つ。
- ゴムゴムの巨人の銃乱打(ギガントガトリング)
ゲーム『海賊無双』で使用した技。ゴムゴムの巨人の銃の連打版。巨大化した両腕で連打してサカズキの『流星火山』と撃ち合い、最後にエースの魂と共に一矢報いる形で打ち負かしていく。この時のルフィは無意識ながら覇気を纏って戦っていた。
覇気を纏った技
- ゴムゴムの象銃(エレファントガン)
2年後から使用。強化された「ゴムゴムの巨人の銃」を更にガスタンクのようなサイズにまで膨らませたうえに「武装色の覇気(通常の覇気)」を纏い硬化させることで、さらに威力を増大させている。新世界編においてギア3の中で使用頻度がかなり多い。
例え深海5000mの水中であろうと、300mの小山のような大きさの怪物「巨大なクラーケン」を一撃で気絶させる威力を持ち、暴走形態のチョッパーですら一発KOして甚大な後遺症を残す程強力。ルフィも少しずつ成長している故か、現在は巨大な龍に変身したカイドウを一撃で地面に叩きつける程の威力になっている。
アニメ版においてはギア2と併用し、怒りで覇気を暴発させた故か、劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』と同様に無意識ながらも外に覇気を纏わせる技術と酷似する芸当を行っており、赤く光るオーラ(稲妻)を大きく纏いながらカイドウを地面に叩きつけている。
- ゴムゴムの象銃乱打(エレファントガトリング)
「ゴムゴムの象銃」を連打する。
全力を尽くせば、500万人の人が居住する魚人島の半分の大きさの「巨大船ノア」を半壊以上にボロボロにできる程強力な技だが、四皇のカイドウは酒に酔っている状態で、まともに受けても無傷であった。
TVスペシャル『エピソードオブルフィ』ではビリッチ相手に片手で放っている。
- ゴムゴムの雷将象銃(トールエレファントガン)
上空から振り下ろす雷(電気)を帯びた「ゴムゴムの象銃」の強化版。
チンジャオの「武装色の覇気」を纏い硬化した凹んだ頭を元の錐頭の状態に戻してしまう程の威力を誇る。
雷を起こす仕組みは不明だが、最近までの描写からもある程度の推定は可能。そのパターンは「修業によって成長したことで、彼の能力の効果を引き出せるようになって扱えるようになったパターン」「覇気を操って仕組みを応用することで現象を起こすパターン」の2つの可能性が浮上する。しかし、この技の共通点を考慮すると、前者の可能性よりも、後者の可能性の方が高く、むしろこちらの仕組みの方が分からない者が多いと思われるので後者を解説する。
仕組みは、「ゴムゴムの象銃」のときよりも覇気を多く使用して操作することで、意図的に纏った覇気の支配圏内で「細かな覇気同士(或いは見えない覇気と空気)」を衝突させ合い、少し強い覇気となったことで静電気を起こし、帯電させるという説である(現象の起こし方は雷や火山雷などの仕組みと同じで、電気を起こす材料が覇気に変わっただけ)。このとき当然外見で判断することは不可能。
- ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)
巨大化した両腕に「武装色の覇気」を纏い硬化させ、後方へ伸ばしながら突進し、両腕が戻る勢いを乗せて叩きつける「ゴムゴムの巨人のバズーカ」の強化版。
隙が大きいが、シーザー・クラウンを鋼鉄製の扉ごと崩壊させながら凄まじい速度で吹き飛ばし、研究所を越えて、数km以上先の遥か遠方にあるタンカーに激突して爆発を起こす威力を持っている(もし、タンカーが停泊していなければ、凄まじい速度で飛ばされるため、シーザー・クラウンは島の外どころか、水平線の遥か彼方まで飛ばされていたことが窺える)。さらに超巨大な石像状態のピーカ(巨大な山ほどの大きさ)の頭部を粉々に吹っ飛ばしてしまう程強力な威力を発揮することもできる。
アニメではカイドウ戦でも放っており、酔った状態の巨大な龍に変身したカイドウを吹っ飛ばす程の猛烈な威力を発揮するようだが、カイドウは傷一つ負っていない様子(アニメ915話)。
- ゴムゴムの灰熊コークスクリュー銃(グリズリーコークスクリューマグナム)
アニメ855話で披露したオリジナル技。巨大化させた両腕に「武装色の覇気」を纏い硬化させ、「ゴムゴムの回転弾」のように高速回転させて放つ「ゴムゴムの灰熊銃」の強化版。
「ゴムゴムの灰熊銃」とは異なり、攻撃を行う際に両腕を絡め合うことで、回転する巨大な鉄球のような外観になっている。
シャーロット・カタクリと互角に打ち合ったが、最終的には後方へ弾き飛ばされてしまった。
- ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)
ワノ国で習った「武装色」の内部破壊の技術を使用し、巨大化した腕で放つ「ゴムゴムの火拳銃」の強化版。
その一撃は四皇カイドウを殴り倒し、彼にダメージを与えられる程。しかし、このときのカイドウは油断しており、内部から破壊する武装色を使用した攻撃を防御もせず完全な無防備な状態で喰らっていた。つまり、頑丈なカイドウにダメージを与えることができた理由としてはあくまでもこのため。
炎の発生は「ゴムゴムの火拳銃」を連想させるが、それと同様の仕組みかどうかについては不明。ギア2と併用しているともとらえられるが、ギア2を使用している描写はなく、「ギア2!!!」と叫んでいる描写もない。
『ONE PIECE magazine』Vol.13によると、技名は中東やインド洋地域の伝説に於いて、3頭の象を持ち去って巣の雛の餌にしてしまうぐらい大きく力が強いとされるロック鳥に由来するとされる。
余談だが、ロック鳥はルフとも呼ばれており、ルフィの名前と酷似しているのも特徴。
- ゴムゴムの怪鳥銃(ロックガン)
「覇王色(威圧の効果を含む通常よりも強い覇気)」を纏う技術など、今までにルフィが修得した覇気の技術(武装色・覇王色)を総合的に使用した「ゴムゴムの象銃」の強化版。
- ゴムゴムの怪鳥銃乱打(ロックガトリング)
「ゴムゴムの怪鳥銃」を連打する。
カイドウの「軍茶利龍盛軍(ぐんだりりゅうせいぐん)」と互角に撃ち合える程のスピードとパワーを備えている。
ギア2と併用して行う技
- ゴムゴムの巨人のJET砲弾(ギガントジェットシェル)
ギア2とギア3を併用し、巨大化した身体を圧倒的な速度で敵にぶつける。
ナイトメアモリアを吹っ飛ばす程の猛烈な威力を誇る。
スピードもパワーも凄まじいが、その分肉体にかかる負荷も凄まじい。
番外
- ゴムゴムの巨人のハエたたき(ギガントハエたたき)
アニメオリジナルで、『トリコ』とのコラボレーションスペシャルで使用した技。
余談
- 骨風船
ギア3の発動に必要な肺活量に関しては『空想科学読本15』で検証がなされている。
- 元ネタ?
アメリカのカートゥーンアニメ『トムとジェリー』のキャラクターであるマッスルと言うネズミが、指から空気を吹き込んで手を風船の様に膨らませてトムをぶん殴るギア3に酷似した攻撃を披露した話がある(タイトル「ごきげんないとこ」)。
尚、この話が公開されたのは1951年。つまりギア3の原型は半世紀以上前から存在していたのである。
実際に、尾田氏は青山剛昌氏との対談にて、最新のギアの描写は『トムとジェリー』に由来していると明言している。ギア5披露より前でも、ルフィの腕が伸びる様、大量の水を飲んで身体を膨らませる等、類似性のあるアクションはこれまでにも散見される。また、主人公の1人であるトムの本名は「Thomas D. Cat」と「D」のイニシャルをミドルネームに持っている点も類似している。