トム(トムとジェリー)
とむ
体が青がかった灰色のオス猫で、ジェリーのケンカ友達。体色はシリーズによって異なる。目の色は黄色で瞳は緑、短めの尻尾と手足の先は白である(因みに毛皮は着脱可能で脱げた際には赤いシャツやステテコを着ている事が多い)。本名はトーマス・ジャスパー・キャット・シニア、通称トム・キャット(オス猫を意味する英単語)。
主人は不明(と言うか一貫していない)だが、前期では黒人の召使い、後期では白人の夫婦+子供二人の存在が確認されている。従兄弟はトムにそっくりでネズミが嫌いなジョージ。交友関係としては悪友のブッチ等がいるが、時に無関係であったり、同居している設定であったりと適当。
ジェリーを捕まえる事に並々ならぬ情熱を注いでいる。ジェリーとケンカする事は彼にとっての生きがいらしく、巣穴の前に常に待機していたり、爆弾などの武器を使って大掛かりな罠を張ったりとあらゆる手を使って捕まえようとするが、結局いつもやられてしまう。
何か悪巧みをしてジェリーに返り討ちされることが多いが、逆にジェリーやジェリーが面倒を見る事になった動物の悪巧みやイタズラの被害を受けることも多く、それでトムが「何もしていないのに」巻き添えに遭った挙句に負けることも多い。
「失敗は成功のもと」で彼が漏らした「何でいつも俺ばっかりこうなるの!?」と言う台詞が普段の状況を端的に表していると言えよう。
ケンカは全戦全敗ではなく彼が逆転及び完全勝利するケースもあり、その多くにサブキャラの介入(前述のジョージやニブルス、スパイク、自分が助けたアリなど)がある。
また、図々しい子猫や代わりの猫が現れた際など、ジェリーとの利害が一致した時には共闘する。ジェリーの知力とトムの行動力が合わさればある種の勝利フラグが立ち、ほぼ100%勝利・成功している(ジェリーのおじ・ペコスと「赤ちゃんは知らん顔」の赤ちゃんには敵わなかったため。また、作戦が成功したのに何故か敵が復活して、逆転されて敗北された話もある(ブッチが実質的な主役になっている「腹ぺこブッチ」が代表的な例で、この話では作戦が成功してブッチを家から追い出すも、いつの間にか復活し、ハムを丸かじりされてしまった))。
回によって異なるが、基本的には「飼い猫」としての立ち位置が多く、しかも当時の見解からしても飼われている家はかなりの豪邸。しかし、信頼関係は複雑なようで大抵はジェリーに手玉を取られてしまい、あっさり追い出されることもしばしば(ギャグなので当然、次話では何事も無かったかの様に話が進むが)。
一方で、「夢と消えた百万ドル」の様に主人の100万ドルの遺産を相続する権限すら与えられる事もある等、優遇されているケースもある。
また、その他にも能力を理解して家事を強要されるなど、人間寄りな存在として認知されている事も少なくない。
初期は「ネズミに対する捕食者としての猫」といった凶悪な面が目立ったが、回が進むにつれて性格は徐々に丸くなっている。
お人好しな一面もあり、赤ちゃんが脱走した時はジェリーと協力して世話をし、「ネズミの学校」ではニブルスに対して優しく接してあげたり、「素敵なママ」では自己犠牲を厭わないアヒルの子を見て感動して改心して立派な親になりきるといった場面も見られる。
一方、丸くなったことで逆に理不尽な目に遭うことも多くなり、昼寝といった何もしてない時もあれば、真面目に仕事をしている時に被害を受け、ジェリーに食料や役職を奪われることもある(「真面目に働いているトムが敗北して全てを失い、盗み等を働くジェリーが勝って全てを手に入れる」といった構成も少なくない)。
体格差によるものなのか、ジェリーがやったことの濡れ衣を着せられる事も多い。
なお、逆にトム側が仕掛けて勝利した場合、ジェリーから奪って終わることは少なく、「完全にやり返した」程度で留まっている。
初期の頃は追いかける時も猫らしく四足歩行だったが中盤の作品から二足歩行で追いかけるようになった。
また相手が強い立場になると急に弱気に陥りやすいのか、相手がトムに対してブチ切れた時(ほとんどジェリーが原因だが)などは怯えて逃げ出したり、何の抵抗も出来なかったりする。その筆頭格がスパイクで、彼が介入すると負けフラグがほぼ必ず回収されてしまう。また「なかよし」ではカナリアがその場に落ちてた銃を拾った際にカナリアが落とした時に何故かそのまま返したり、「お好みサンド」などでもハエ叩きで4回も叩かれ堪忍袋の切れたジェリーに怯んでそのままハエ叩きを渡したりしている。人間相手も同様でお手伝いさんや飼い主(通称足だけおばさん、ミストゥーシューズ)などには一切逆らえない。
また、ジェリーが本気で怒っているのを目撃した際には身体の色が黄色くなることがある(「捨てネズミ」と「とむとじぇりー」第2話「にじいろキャンディショップ」で確認可能)。
「あべこべ物語」と「海の底はすばらしい」、「とむとじぇりー」の第2話とイオンシネマコラボムービー、シンガポールが舞台となっている「Tom and Jerry」の「SKY'S THE LIMIT」では、目が複数も飛び出して驚く表情を見せたことがある。
非常に器用かつ多種多芸で、最早オーバースペックの一言に尽きる。
ジェリー用の罠を初めとした図画工作はお手のもので、粗大ゴミからパソコンを作ったり(テイルズ「デジタル・パニック!」)、ロケットを一から組み立てたりしたことも(テイルズ「宇宙レースで賞金を狙え!」)。これらのものは正常に作動するが最終的にジェリーや天候などの外部要因のせいでおじゃんになるのがお約束。
芸術面では音楽の才能に長けており、「星空の音楽会」終盤では(ジェリーのせいで)大半の楽器を扱っている。「とむとじぇりー」第5話「ねむれない夜」では、スプーンや缶詰などを使って演奏したことがある。特にピアノ演奏は得意なのか劇中での使用回数は多く、時には「ワルツの王様」のように数回弾いただけで弾きこなすといった才能を見せている。歌唱力もあり、「オペラ騒動」といった歌手になっている回もある。
スポーツ面でも万能で、ビリヤードを始め、ボーリングやテニスなど様々な分野をやってのける。また、「とむとじぇりー」第15話「ゆきあそび」では、大量の雪玉を素早く投げる描写があった。ただゴルフだけは下手なようで、ゴルフはPAR4のホールで33打を記録している。また、氷張りの上では思うように手足を動かせない場面がある(「氷あそび」、「とむとじぇりー」第15話「ゆきあそび」。そのためなのか、前者はスケート靴を履いて氷張りの上でも対応できるようにしているが、後者はスケート靴を使わず、タフィーの尻尾を掴んで滑っている)。
料理も上手であり、「とむとじぇりー」第3話「ふわふわ!ベーカリー」では、パン屋を経営していたことがある。「とむとじぇりー」第8話「チーズデー」ではチーズフェスタでホットドッグを作る店主になっていた。「とむとじぇりー」第9話ではダイナーの店主として登場し、なんとローラースケートを履いてホットケーキやクリームソーダを提供していたこともある。また、同話ではパフェの盛り付けもしている。
他にも開発や赤ちゃんの世話など、実用性の有無に関わらずあらゆる才能を見せつけており(女主人曰く「色々と役に立っている」)、最近では最早人間並みの対応を受けている。
それでもジェリーには敵わず、公式非公式問わず「ネズミ取り以外何でも出来るネコ」といわれている。
牛乳が大好物で、朝イチに配達の牛乳の交換をしては嗜んでいる。しかし、時々ジェリーに邪魔される事もある。
逆にジェリーの好物であるチーズは苦手(作品によっては食べられている)。
他には魚も好物であり、魚が原因で大騒動になる話も存在している(「ジェリーと金魚」と「可愛い逃亡者」、「カワイコ金魚ちゃん」、「Tom and Jerry」の「BE CAREFUL WHAT YOU FISH FOR」など。特に「可愛い逃亡者」&「BE CAREFUL WHAT YOU FISH FOR」では、ジェリーがトムが食べようとしていた魚を奪われてしまい、それによってジェリーとの追いかけっこに発展している)。
ちなみに、「とむとじぇりー」では、好物である牛乳や魚以外の食べ物を食べている描写が多く、例えば、
- 第1話「どきどき!パーティータイム」ではメロンを飲み込んだ結果、丸い形に変形した。
- イオンシネマコラボムービーでは映画を見ながらポップコーンを食べている。
- 第11話「ピクニック」ではリンゴを食べているが、ジェリーとタフィーに食べられた。
- 第12話「トラベル」では、卵焼きやニンジンなどが入っていたお弁当を食べようとする場面があった他、串カツをジェリー&タフィーと一緒に食べたことがある。
- 第14話「ハロウィン」ではキャンディーをなめている。
などのように、何かしらの食べ物を食べている描写が多い。
さらに、シンガポールが舞台となっている「Tom and Jerry」の「WHAT'S THAT SMELL」では、なんと匂いが強烈であるドリアンも平気で食べていたこともあった(ジェリーはドリアンの強烈な匂いが苦手であり、それによって気絶したこともある)。
又、金づちなようで溺れかける度にジェリーやサブキャラに助けられている(ただし回によっては蜂が通り過ぎるまで水遁の術を使って水の中に潜っていたり(「目茶苦茶ゴルフ」)、水に落ちても自力で帰ってきたり(ブッチによってプールに落とされたことがある「春はいたずらもの」など)、チャック・ジョーンズ版トムとジェリーや「トムとジェリーキッズ」「トムとジェリー テイルズ」では普通に水の中を泳いできたような描写があった)。
腕力は、ジェリー以上スパイク未満でこれも各回によって違うところもある。集団のネズミにタコ殴りにされる事もあれば、何十キロのダンベルを軽々と持ち上げられる等差が激しい。だが、日頃からジェリーを追いかけてるだけあって脚は速い。
その他の運動神経も高く、「夢と消えた百万ドル」では連続バク転を決めてソファまで座る神業を披露している。
単純な体力も力関係もジェリーより上だが、お人よしかつ抜けたところがある為、頭が良いジェリーにやられてしまう事が多い。
潰されてぺちゃんこになったり、燃えて黒焦げになったり、体が別の物や形に変形する事も多いが、基本的には直ぐに元に戻る。時には「真っ二つにされる」「バラバラになる」「破裂する」「切り刻まれる」「大爆発に巻き込まれる」等一般的なギャグ補正では済まないレベルの致命傷を受けても死なずに直ぐ復活する程。さらに、「お人形新発売」では、スイカを一気に食べた後、頭を機関銃のように変形した後、ジェリーをスイカの種でぶちまけなら追いかけたり、「とむとじぇりー」第1話では、前述したように、メロンを飲み込んで丸い形に変形した後、大ジャンプして、(チーズを飲み込んだこともあって)チーズの形に変形したジェリーの前に立ったり、どこかのハリネズミのように丸くなって転がり、チーズの形に変形したジェリーを追いかけた描写があることから、一部の作品では様々な形に変形されても動くことは可能である。
一応痛覚はある様で、尻に針が刺さったり、足に重い物が落ちて来たり、尻尾が扉やネズミ捕りに挟またり切断されたりすると凄まじい悲鳴を上げる(劇中の描写からして尻尾が一番痛いと思われる)。逆に銃で打ち抜かれたり、飲み込んだキツツキの赤ちゃんに腹の中から突かれても痛みは感じていない様子だった。
- ちなみに、この凄まじい悲鳴は作者のウィリアム・ハンナが担当している。
- トムの凄まじい悲鳴が初めて使われたのは、原作の「バラ色の人生」である。その後も「楽しいボーリング」「目茶苦茶ゴルフ」などで使われている。
- また、トムの凄まじい悲鳴が何気に人気になったのか、その後も「トムとジェリー テイルズ」や「トムとジェリーショー」で使われた他にも、チャック・ジョーンズ期(1963年~1967年の作品)でも何気に少しだけ使われている上に、インドの「Aum Animation Studios」がアニメーションを手掛けた、シンガポールが舞台の作品である「Tom and Jerry」でも使用されている。
- ちなみに、なんとトムの悲鳴を集めた動画もある。
- なお、上の動画を見れば分かるが、一部の初期作品(「上には上がある」「夜中のつまみ食い」「メリー・クリスマス」など)は、トムの悲鳴は普通のネコの鳴き声になっていた。
- 他にも、「やんちゃな生徒」では、子猫のトプシーがジェリーと握手している光景を見た際には「ノーーーー!」と悲鳴を出したことがある。
- ちなみに、ブッチ(「春はいたずらもの」「土曜の夜は」)や主人(「うらぎり者は去れ」)の悲鳴が何故かトムの悲鳴になっていたこともある。
- また、作者のウィリアム・ハンナが担当しているトムの悲鳴が使われていない作品も存在している(ジーン・ダイッチ期の作品や「トムとジェリーキッズ」「とむとじぇりー」など。両作品共に猫の声を意識したような悲鳴になっている。また、後者では、一部の話で「うわぁっ!」と悲鳴を出したことがある)
ただ、「パーティ荒らし」や「ネズミ捕り必勝法」等、一部の回では実際に死亡した様な描写が見られた(次の回では何事もなく復活するが)。
「こわいお手伝いさん」では召使いに変装したことがあり、ジェリーを奪ったブッチに反撃したことがある。また、「テイルズ」の「ほんものはどこ?」では虎そっくりにペイントされてしまったことがあった他、「とむとじぇりー」第14話「ハロウィン」では、ハロウィンを題材にしている話ということもあり、魔女(?)の仮装をしていた。
「とむとじぇりー」第2話「にじいろキャンディショップ」ではスマホで自撮りをしていた。「Tom & Jerry」の「SKY'S THE LIMIT」では、落下している途中で折り鶴などを作ったことがある。
ジェリーもそうだが、彼はメスの同族に大変惚れっぽく、そういった性格からドタバタが繰り広げられることもある。一度だけ、カンガルーの子持ちの雌とよい雰囲気になり、キスをする直前までいったこともある。
勝敗に関わらず作中では争っているシーンが多いが、前述の様に協力して立ち向かうシーンも多く、ジェリーに何かアクシデントがあった際には迷わず救っているなど友情を持っている。
特に顕著なのが長編映画で、仲良くなった人間を助ける為に協力して敵を懲らしめるケースもあり、名コンビとして描かれることも多い。
無印初期では「共同作戦」や「淋しがりや」、「うらぎり者は去れ」、「キッズ」の「ドロボウをやっつけろ」のようにオチであっさり対立したが、「強敵あらわる」ではパイの半分(体格的にジェリーが得している)をジェリーにあげたり、「悲しい悲しい物語」では2匹でジュースを飲んでいるシーンがあったり、「とむとじぇりー」第5話「ねむれない夜」ではタフィーも加えて仲良く一緒に演奏するなど共存していることもある。さらに、「とむとじぇりー」の人形劇(参考)では、雨で遊びに行けないジェリーとタフィーのためにてるてる坊主を作ったことがある。
また、トムとジェリーがお互いに不利な状況になった際には、一緒に逃げて敗走する展開もあるようだ(後述する「みどり色の訪問者」を除くと、「テイルズ」の「オバケ屋敷のすごしかた」や「とむとじぇりー」第11話「ピクニック」が該当。前者はオバケ、後者はハチたちと遭遇してしまい、一緒に逃げて敗走した)。
「トラになったトム」など酔い潰れた際に役目そっちのけで友好的に接したり、テイルズ「恐怖のコウモリネズミ」で死んだと思い込んで大泣きしたりしているため、本心では「仲良くしたい」と思っている節があるのかもしれない。
「テイルズ」では二人揃って摩訶不思議または危険な状況に追い込まれた際には迷わず協力しており、その際には(ペコスおじさん以外だが。トラウマ回「みどり色の訪問者」でも一緒に敗走する羽目になったがそもそも協力していないので除外。)必ず成功している(欲をかいたトムがしっぺ返しを喰らうこともあるが。)。また予定を立てて喧嘩してる描写があり、一応休戦の日もあるようだ(「最後に勝つのはどっちだ!?」より。最後まで仲違いすることもなく普通に仲良くしていたレアなケースである。)。
「ショー」からは一緒にスパイクやブッチなどに振り回されるなどして、そもそも勝負しないまたは予めコンビを組んでいることが多くなった。
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