概要
『ONEPIECE』の主人公にしてゴムゴムの実の能力者であるモンキー・D・ルフィが最も得意とする技。原作第1話より使用しており、ルフィが原作にて初めて繰り出した技である(アニメ版ではストーリーの進行が変更されているためゴムゴムのロケットが最初の技となっている)。
ゴムゴムの実の能力を利用して勢いよく腕を伸ばし、そのまま敵を殴り飛ばすという比較的シンプルな攻撃技。ただし幼少期からガッツリ体を鍛え抜いているルフィの拳と膂力がベースなので、威力そのものは並ではない。何せルフィ自身の十倍以上の巨体を誇る海王類がたった一撃でノックアウトされるほどである。屈強な海賊や海兵であろうと、まともに喰らえば体ごと吹っ飛ばされてしまう。
なお、技の考案は7歳の頃からだが、当時は能力を上手く使いこなせていなかったため、構えが違ったり、なかなか狙いが定まらなかったり、伸ばした腕が一気に縮む反動に振り回されたりして上手くいっていなかった。しかし、我流の特訓を重ねた事で少なくとも14歳の時点では技として完成し、この時点で一撃で岩を割り砕くほどの威力を見せている。
開戦直後に牽制や小手調べ程度の感覚でまずは放ってみるという傾向が強い。そのため比較的大きな戦闘においてはとりあえず一度は使っているという場合が多く、使用率で言えば数あるルフィの技の中でも最上位に位置する。
しかし技自体はとてもシンプルなので、強敵が相手の場合は初見でもあっさり防御されてしまう事も少なくない。最近では世界規模でルフィの悪名が知れ渡ってきたため、同時にルフィの能力についてもある程度噂が広がっており、初対面の敵でも攻撃が通らない事例が少なからず見受けられるようになってきた。
バギーからは「伸びきった腕は スキだらけだな!!」とも指摘されており、事実伸ばした腕や拳自体を狙われて反撃されたケースも何度かある。ただ、ルフィ本人もこの技の弱点は十分に把握しており、機転を利かせて他の技に繋いだり、初めからこの技自体をフェイントとして利用するなどの工夫を見せる事もある。
派生・強化技
- ゴムゴムの銃弾(ブレット)
ゴムゴムの銃と同じく能力を利用したパンチ技……だが、技の性質などが似ているためによく混同される。初期のアニメ版ではどちらもほとんど区別されず、両方とも「ゴムゴムの銃」として扱われている節があったりした。
この二つの技の違いとしては、「ゴムゴムの銃」はルフィ本人はその場からほとんど動かず、あくまで腕だけを伸ばしてそのまま殴りつける技であり、対する「ゴムゴムの銃弾」は腕を後方に伸ばしながらルフィ本人(本体)が接敵し、引き戻される拳をその勢いのまま叩き込む技である。
- ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)
両腕を激しく前後させてゴムの伸縮を加速させ、腕が無数に枝分かれしたように見えるほどの十分な勢いを付けたところで一気に解放し、敵を滅多打ちにする。一撃としての威力はゴムゴムの銃の方が上回る場合が多いが、圧倒的な手数により相手に反撃のスキを与えにくく、攻撃範囲や総合的なダメージなどはゴムゴムの銃を上回る。
ただ、その回転式機関銃のように無数のパンチを放つ腕はあくまで2本でしかないため、“心綱(マントラ)”(空島で言うところの「見聞色の覇気」)を極めているエネルには技の軌道を見切られ、「腕が増えたわけでもあるまい!!」と、技発動中の両腕をつかまれて封殺されたりもしている。
ルフィを代表する大技の一つで使用頻度も高いが、強敵相手だと意外と決まりにくく、技の規模に反して回避・防御される事も多い。しかし、それでも雑兵の一掃など役立つ場面も少なくはなく、これを更に派生・強化した必殺技なども多い。
- ゴムゴムの銃「散弾(ショット)」
伸ばした腕を弦のように弾いて波打たせ、拳の軌道を変化させる。
弾いた腕の先端たる拳の位置が激しくブレるため、見た目的には、一発の拳が散弾銃から放たれ飛び散る銃弾の如く分身したかのように見える(ただし、当たる時にはあくまで「一発」)。
- ゴムゴムの回転弾(ライフル)
拳を放つために後方に腕を思い切り伸ばす際、その伸ばす腕を思いっきりねじり、放つ拳にそのねじりの反作用による強い回転も上乗せして叩き込むコークスクリューパンチ。「ライフル」と銘打ってはいるが基本的に「ブレット」と同じ近距離間合いで使われることが多く(一応遠い間合いでも使えないことはない模様)、別に超長距離狙撃に向いた特性があるわけではなく、由来は恐らくジャイロ効果によって弾道を安定させるために銃身や砲身内部に施される螺旋状の溝(腔線)の「ライフリング」から。
エネル戦では、行動制限用の枷として拳につけられた巨大な金塊を逆に利用し、その重さで破壊力を大幅に底上げしたトドメの決め技「ゴムゴムの黄金回転弾(おうごんライフル)」として放たれたこともある。
- ゴムゴムの蛇銃(スネークショット)
「ゴムゴムの銃“散弾”」のように腕を波打たせ、開いた手で相手を握りつぶす技。2年後編から使用するようになった。
- ゴムゴムのJET銃(ジェットピストル)
ギア2による身体強化をベースに強化された、独特な構えから放たれるゴムゴムの銃。並の相手では何が起きたのかも判別できない驚異的な速度で撃ち出される。威力そのものも通常の「ゴムゴムの銃」を大きく上回り、新世界編では覇気も扱えるようになったためパシフィスタ(プロトタイプ)を一撃で破壊するほどの威力を見せている。
- ゴムゴムの火拳銃(レッドホーク)
ギア2で加速した腕に武装色の覇気の硬化を重ねて放つゴムゴムの銃。名前の通り炎をまとったパンチであり、亡き兄の技を彷彿とさせる。
ワノ国編では、ギア3で巨大化させさらに覇気の応用となる新技術“流桜”を上乗せした「ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)」を放った。
- ゴムゴムの巨人の銃(ギガントピストル)
ギア3によって巨大化した腕から繰り出されるゴムゴムの銃。巨人族の腕の一撃にも比肩する絶大な威力を誇るが、あまりに巨大すぎて動きが遅く、一瞬で攻撃の範囲外に離脱できるほど俊敏な敵にはまず当たらないという欠点がある。
- ゴムゴムの象銃(エレファントガン)
ギア3に重ねて武装色の覇気で硬化した腕で放つゴムゴムの銃。ドレスローザ編の首領・チンジャオ戦では、上空からの落下エネルギーも合わせて放つ「ゴムゴムの雷将象銃(トールエレファントガン)」を放ったこともある。
- ゴムゴムの猿王銃(コングガン)
ギア4「弾む男(バウンドマン)」の巨大化し覇気を纏った腕で殴るゴムゴムの銃。一度手を縮めてから戻る力を利用して猛スピードの一撃を放つ。
ここからさらに息を吹き込むことで腕を更に巨大化させ「ゴムゴムの大猿王銃(キングコングガン)」や「ゴムゴムの大大大猿王銃(キングキングキングコングガン)」に繋げることができる。
- ゴムゴムの大蛇砲(カルヴァリン)
ギア4「弾む男(バウンドマン)」による強化を施した腕を伸ばして相手を殴り飛ばす。攻撃力の強化も然ることながら、最大の特徴は回避が非常に困難である点。ゴムゴムの能力と覇気の融合により、伸ばしながらでも自在に軌道を変化させる事が可能となっており、逃れようとする相手も的確に追尾して殴り飛ばす事ができる。
「蛇男(スネイクマン)」になるとより速さを増し、相手の認識外の速度から放つことができるようになる。
- ゴムゴムの覇猿王銃(オーバーコングガン)
覇王色の覇気を纏って放つ「ゴムゴムの猿王銃」の強化技。これまでルフィの一撃がなかなか通らなかった格上のカイドウにも通る攻撃になる。
- ゴムゴムの猿神銃(バジュラングガン)
ゴムゴムの実の覚醒状態であるギア5で巨大化した状態で放つ技。四皇百獣のカイドウを打ち沈めた技でもある。
- ゴムゴムのモグラ銃
ギア5による通常状態のゴムゴムの銃。地面や壁などの地形に向けて打ち込み、ゴム化して変形させた地形ごと殴りかかる。地形に拳が潜り込んでから襲い掛かってくるため、防御しようにもどの方向から攻撃が飛んでくるか分かりづらく、避けるにしてもどの方向へ動くべきか判断が難しい。ルフィの技の中では地味ながらも相手からすればなかなか厄介な技。
関連技
- オマージュ神拳 バリバリの銃(ピストル)
こちらはルフィに憧れを抱いているバルトロメオが使用。
どこで見て知ったのか、ルフィの「ゴムゴムの銃」をモチーフにした、バリバリの実の能力によるパンチ。絶対硬度のバリアを球状にして手を包み、相手を殴りつける。ルフィのように射程は伸びないのでただ単純なパンチだが、バリアの強度も相まって威力はかなり高い。
アニメでは、この技を繰り出したバルトロメオの姿にゴムゴムの銃を繰り出すルフィの姿が重なるという、ルフィに憧れる彼ならではの描写も見られた。
主に使用した対戦相手
- VS近海の主
原作においての「ゴムゴムの銃」初使用。たった一発で因縁のある近海の主をKOし、ルフィ本人の海賊デビューに花を添えた。
その後もアルビダやヘルメッポを一発で撃破する活躍を見せるが、それ以降は必殺技というより牽制技に落ち着いていく。
- VSバギー
開戦直後に一発放つが、紙一重で回避された上に伸び切った腕をナイフで狙われる。しかし伸ばした先にあった窓枠を掴み、「ゴムゴムの鎌」に繋いで反撃に出る……が、「バラバラ緊急脱出」でまたも回避され、結局活躍ならず。
- VSクロ
「ゴムゴムの鞭」をジャンプで回避したクロを、着地を狙い撃つ形で一発。しかし伸ばした腕の上に乗られ、更にはその腕を一本橋のように利用されて顔面を蹴り飛ばされる。身軽且つ俊敏なクロならではの回避と反撃を見せつけられた。
- VSアーロン
ほぼゼロ距離から顔面に叩き込むも、逆にそのまま打ち込んだ拳に喰らい付かれて自分が流血してしまう。
- VSスモーカー
モクモクの能力に拘束されながらも反撃するために使用。しかし当時のルフィでは自然系の防御能力を突破する事は出来なかった。
- VSクロコダイル(一戦目)
最初の一撃として放つも回避され、しかも拳が戻ってくるまでのスキを狙われ危うく鉤爪で貫かれかける。しかし腕が戻ってきた反動を利用して上体を逸らし、反撃を空振りさせて事なきを得た。
- VSクロコダイル(二戦目)
珍しく一人の相手に三度も使用(一戦目も加味すると四度)。一発目は回避されてクロコダイルのスナスナの能力による反撃を受けてしまう。二発目はゴムゴムの銃「散弾」として繰り出すも当たらず。三発目はフェイントとして使用。何度も同じ技ばかり使ってくると見せかけて油断を誘い、本命の一撃を叩き込む事に成功する。
ちなみに三戦目では使用されなかった。
- VSサトリ
二度繰り出すも、どちらも“心綱”によって能力と動きを読まれて当たらず、逆に反撃を許す。後に振り返ってみれば、ルフィが初めて明確に覇気の力を体験した一戦だった。
- VSワイパー
ワイパーからの攻撃を回避した直後、一瞬で体制を入れ替えて反撃の一発を放つ。しかしワイパーも咄嗟に足(シューター)でガードし、はじき返された。
- VSフォクシー
コンバット開始とほぼ同時に一発。しかし回避された上にその手先部分にノロノロビームを浴びせられ、早々にノロノロの実の能力の厄介さを体験する羽目になった。ちなみにその後、船内での戦いで一発クリーンヒットさせている。
- VSフランキー
フランキーが事前にルフィの能力についての噂を知っていたため、「ストロング右」で迎撃されて繰り出す前に潰される。
ナイトメア・ルフィ状態で使用。オーズの腹部に乗り込んでいたモリアの顔面に直撃し、一時的に意識を遠のかせた事でオーズへのサポートを封殺した。