「いい機会だ クソゴムとの決着もある このまま入っちまおう」
「なつかしき “偉大なる航路”!!!」
「バカか てめェは! ”宝”ってのはな 金銀財宝の事を言うんだ!! 持ち主の威厳を示す輝きをもってこそ宝なのだ!!」
「さァ野郎共!! 今こそが最大の好機!!! シャバの空気を吸いたけりゃ 命懸けで暴れ回れ!!!」
「男なら……!!おれと一緒に夢を見ねェか…!?」
「おれは今日…白ひげの首を…即ち"世界"を取る!!!!」
この記事はアニメ未収録の重大なネタバレ情報を含みます。 |
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ヤロー共ぉ!派手な概要だぁーっ!
「バギー海賊団」の船長であり、主人公モンキー・D・ルフィが敵対した最初のボスキャラ。
ルフィにとっては初の「自分以外の悪魔の実の能力者」でもある(幼少期にもう一人の能力者と出会ってるが能力者と知らなかったのでカウントしない)。
少年期は“海賊王”ゴール・D・ロジャーが率いる「ロジャー海賊団」に海賊見習いとして在籍しており、現四皇の一角である"赤髪のシャンクス"とは共に海賊見習いとして乗船していた腐れ縁の間柄。当時からソリが合わなかったが、計画の資金に当てようとしていたバラバラの実を彼のせいで誤って食べてしまって以降は、一方的に恨みまで抱いている。
しかし、なんだかんだで一緒に居たので光月おでんからは「こいつらは仲が良いのか悪いのか…」と困惑されていた。
当初は経歴を隠して東の海で活動していたが、ルフィ率いる「麦わらの一味」が“偉大なる航路”に入ったのを機に自分も『懐かしの』偉大なる航路に船を進める。そしてインペルダウンで再びルフィと関わったのをきっかけに、インペルダウンの大脱獄とマリンフォード頂上戦争を経て、大きく名を挙げる事態になった。
新世界編では従来の部下に加えて、インペルダウンを共に脱獄した名うての賞金首を多数従え、カライ・バリ島のバギー街を本拠地とする海賊派遣会社「バギーズデリバリー」の総帥として君臨。また、三大勢力の一角である“王下七武海”に名を連ねていた。
しかし、世界会議での七武海制度撤廃によって一度はただの海賊に戻り、海軍に包囲されて絶体絶命の状況になるが予期せぬ助太刀により窮地を脱し、海兵狩りを生業とする組織「クロスギルド」の設立に携わることで更なる戦力も獲得。
そして、これらの情報が海軍に事実とは大きく異なる形で伝わったワノ国編終盤、天上決戦によって空いた新世界に君臨する大海賊“四皇”の一角を埋める形で、当時の四皇"百獣のカイドウ"を打倒した麦わらのルフィと並んで新皇帝に位置づけられた。
プロフィール
本名 | バギー |
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異名 | 道化のバギー → 千両道化のバギー |
年齢 | 37歳→39歳 |
身長 | 130cm(13歳時)→192cm |
懸賞金 | 元1500万ベリー→31億8900万ベリー(七武海制度撤廃後) |
肩書き | 四皇、元王下七武海 |
所属 | ロジャー海賊団見習い→バギー海賊団船長→海賊派遣会社バギーズデリバリー座長→クロスギルド社長 |
所属船 | オーロ・ジャクソン号→ビッグトップ号→ビッグトップブラスター号 |
悪魔の実 | バラバラの実(超人系) |
覇気 | 不明 |
出身地 | 偉大なる航路 |
誕生日 | 8月8日(バ←8、ラ、バ←8、ラの実) |
星座 | しし座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | ホットドッグ |
嫌いな食べ物 | トマト |
趣味 | 宝の地図集め |
好きな島と季節 | 夏島の冬 |
イメージ動物 | パンダ |
イメージ花 | オダマキ |
イメージ職業 | 下町の工場長 |
初登場 | 単行本2巻 第9話『魔性の女』 |
WT100 | 34位(43559票) |
CV | 千葉繁、木村昴(幼少期) |
これが俺様の人物だ!
容姿
青髪のロングヘアーに大きくて丸い赤っ鼻(メイクではなく素でこの形をしている)が特徴。“道化”の異名の通り、顔にはピエロのような派手なメイクを施している。
七武海に就任した新世界編では、幹部級や古参の仲間以外の前ではダブダブの巨大な赤いローブに身を隠し、バラバラの能力でローブを広げ巨漢に見せかけ威圧感を演出。また髪も同じ色のカツラを被り毛量を誇張し、その上から更に巨大な海賊帽を被り演出に磨きをかけている。
映画『STAMPEDE』では、途中で巨漢に見せかけるための衣装一式を脱ぎ捨てて、一時的に騒ぎから抜け出すのに成功している。また、その時カツラは従来の青髪だったが、本来の髪を金色に染めていた。
ちなみに自分の赤くて丸い大きな鼻に凄まじいコンプレックスを抱いており、鼻を指摘されると激怒する。中には聞き間違い(それもかなり強引な)で怒るシーンも非常に多く、良くも悪くも常に騒がしいギャグメーカーでもある。
「誰がデカッ鼻だァああ!!!!!」
性格
一人称は「おれ」もしくは「おれ様」。江戸っ子気質かつハイテンションな男だが、実際は口癖に反して「派手」とは程遠い非常に臆病で気が弱くて間の抜けた俗物である。
望みは「世界中の財宝を手に入れる」で、財宝の場所を記された地図やそのヒントになるその他のアイテムの知識に精通している。
大砲好きの海賊として有名であり、登場当初こそ「ド派手」な破壊行為を好む残忍かつ卑劣な危険人物と思われていたが、回が進むにつれルフィやエース、シャンクスのようなマイペースな相手を前にすると、ツッコミ役に転ずるシーンもしばしば見られるようになった。また、初期は無力な一般市民や若手の弱小海賊、その他見るからに弱そうな相手には強く当たっていた一方で、クロコダイルや“白ひげ”のような新世界の強豪やその他の有名な海賊・海兵を前にすると思わず恐れ戦いてしまう(しかし部下たちの羨望もあり、時には真っ向から啖呵を切ってみせる場面もある)。
基本的に悪役ではあるが、場の空気に飲まれやすくノリが良いところもあり、財宝を求めて洞窟に探索に入るも間違ってトンネル工事の現場に迷い込み、発見した作業員に「新入り」と勘違いされるままに一緒にイイ汗を流したシーンもあった。
また卑劣な割には人情家で涙脆いところもあり、一時離れ離れになった部下たちに再会を暖かく迎えられた際には、共に涙をチョチョ切らせて喜んだり(しかし部下たちは直前まで葬式と二代目船長争奪戦をしていた……)、敵視するルフィからも、自身を心配してくれていた言葉を受けて良心を傷めるなど、根っからの悪党ではないようで不思議と憎めないやつである。
カリスマ性
それ程高くない実力をカバーできる非常に高いカリスマ性を持ち、海底監獄脱獄時には、自身より高額の賞金首(アルビダ曰く「どっかで見た顔ばかり」)である囚人たちを、ギャルディーノとの脱獄騒ぎの中で多数解放した。更にこれまで秘密にしていた『ロジャー海賊団の元船員』の経歴が発覚し、その評価が天井知らずとなる。
直後のマリンフォード頂上戦争においても、世界的に名を馳せた超大物人物らと同時に参戦した事で、世界的にその存在を示す。更に戦争序盤では白ひげから同盟を持ち掛けられ、戦争終結間際には赤髪のシャンクスと気安く接したのもあって、彼に就いてきた囚人たちに完全に崇拝される。その結果、彼らからは「キャプテン・バギー」と慕われ、脱獄後も彼らを自身の傘下として従えている。
ただし彼個人を見ている者たちからは、きちんと本来の力量を見抜かれており(革命軍幹部のイワンコフ曰く「どんな船にも汚点はある」)、世間で言われるほどバギー自身は強くないと理解されている。
バギーズデリバリーに属する海賊はほとんどがバギーよりも実力が上(何なら四皇の最強格に「海軍と同時に相手にするには厄介」と判断される程度には実力がある)であるため、バギーにそれほど実力が無い実態を見抜いているメンバーも少なくないだろう。
また、インペルダウンからマリンフォードへ向かう道中では、頂上戦争への殴り込みが目的であり、自分たちもその戦力として加えられている非常事態に気が付いたためとはいえ、バギーを担ぎ上げて反乱を起こそうとした実例があり、決して納得のいかない事態でも唯々諾々と従うような面子ではない。
それでも謀反を起こされた形跡がない辺り、よっぽど担いでいて気持ちのいい御輿なのだろうか。
良くも悪くもノリが良い上、(何度かダメージを受けた後にも)あれこれ騒ぎつつ行動再開するのが早い。そんな精神面のしぶとさ一点に関しては(理由はどうあれ)底知れないところがある他、バギーズデリバリー運営時点では構成員の生活を優先してクロコダイルへの借金返済が滞ったなど(結果的にだが)下の者への配慮を忘れない面も備えてあり、それらが彼のカリスマに繋がっているのかもしれない。
尚、頂上戦争において"鷹の目のミホーク"はルフィの事を「その場にいる者達を次々に味方につける。この海において、最も恐るべき力を持っている」と分析していたが、これはインペルダウン編以降のバギーにも当てはまっていたりする。
彼の言葉を借りるなら、このカリスマ性こそがバギー最大の力と評価できるだろう。
後に敗れた四皇が、『他者を恐怖で従える絶対的な力の持ち主』だったが故に「頭目一人を失えば終わり」と内部からも評されていた事実を考えると、『明らかに能力に劣るリーダーを、強力な部下が好き好んで支える集団』の形になっているのはまさに好対照である。
ルフィから見たバギー
ルフィからは他の誰とも異なるかなり複雑な印象と評価を受けている。大雑把に纏めると、個人的には嫌いなタイプで接する場合は他の誰よりも明らかな塩対応だが、海賊としては比較的好印象なもの。
嫌う理由としては自分にとっての憧れであるシャンクスをバカにした上に、約束の麦わら帽子に大きな傷を付けたのが原因。
良くも悪くもかなり印象に残ったようで、最初は間違えていた名前も最終的には一切間違えずに「バギー」と呼ぶようになり、ルフィにしては珍しくあだ名で呼ぶ場面が圧倒的に少なくなった。顔も完全に覚えており、遭遇したり話題に上がるたびに「なんだバギーか……」と若干げんなりした態度を取っている(アニメ版ではローグタウンで出会った時には名前を忘れていた)。
その一方で、町を破壊し略奪を行う、自分を殺害するつもりで部下に指示を出す、勇敢な一般人にも容赦なく攻撃を仕掛けるなどの、いかにも海賊らしい悪辣で残虐な行為については初対面の頃から批難も否定もしていない(もっとも、ルフィの性格上好意的に見ているわけでもないが)。むしろその対応や一味の雰囲気を見て「やっぱこうだよなー 海賊って!!」とかなりポジティブ(?)な評価をしている。
バギーの残虐性を見誤って、ルフィを殺すか自分が殺されるかの究極の二択を迫られたナミに対しても、ルフィ自身はそれを指示したバギーには触れず、むしろ海賊を相手にするナミの覚悟が甘すぎた点を指摘した。
つまり言外に示していないだけで、バギーが「本物の海賊」であるのは認めている。
この後に出会う敵がルフィから見て、海賊としては落第点だったのも多少は影響しているのかもしれない。
ただ、明らかに実力の見劣りするバギーが四皇の一角にまで数えられるようになった時には、流石に納得がいかない模様。曰く「あいつアホだぞ?」。
新聞で報じられたバギーの情報に関しても「それだけは間違いだろ!!!」と強く否定している(クロコダイルとミホークの人となりや実力を多少なりとも知っているからこそ、あの2人がバギーの部下に甘んじるのは有り得ないのもあっただろうが)。
逆にバギーからすればルフィは当初こそ単なる邪魔なガキに過ぎなかったが、その素性を知ると「シャンクスから託された麦わら帽子を持つ東の海出身で海賊王を目指す」という、バギーの過去やシャンクスへのコンプレックスからすれば地雷そのものと言ってもいい存在であり、ルフィが海賊王になると啖呵を切った際には激怒している。
上記の話の流れとは関係のない事だが、ルフィの海賊王を目指す発言を聞いたキャラの反応としては、一般人から見たら無謀に近い大それた発言に驚愕するか、同じ海賊達からは身の程知らずと嘲笑うか、その生意気さを好意的に笑う者が大半の中で怒るとはいうのは相当珍しい。同じ反応をしたのがあの二人だという事を見るに、やはりバギーもロジャー全盛期時代の大物達と肩を並べる存在と言えるのだろうか。
ウソップとの共通点or対比
作中ではお互い面識はないが、ウソップとはあらゆる点で共通点もとい対比点が面白いぐらいにある。
共通点に関しては、特徴的な鼻がある、派手好きなお祭り男、キレのあるツッコミのセンス、神に愛されているのではないかと思えるぐらいの九死に一生を得る強運、ゴキブリ並みの生命力、中の人がアドリブが得意、高いカリスマ性等である。
対比点に関しては、海賊の価値観(バギーは金銀財宝を求めて冒険するのが海賊という価値観で、ウソップは勇敢に戦う海の戦士であるのが海賊という価値観である。)、一部の性格や言動(バギーは普段は強気だが根が臆病なのに対し、ウソップは普段は臆病だが根は勇敢である。)、物事の進め方(バギーは良くも悪くも勢いとノリで物事を進める傾向にあり、ウソップは物事の進め方に関しては良くも悪くも非常に慎重である。)、カリスマ性の方向性と実力(バギーのカリスマはほとんどが偶然とハッタリと肩書のブランドであり、実力は(新世界基準で言えば)ほぼ皆無なのに対し、ウソップのカリスマは面倒見の良さやいざという時の根性と勇敢さであり、実力もルフィたちに劣るものの新世界に通じるくらいにある。)といった具合である。
戦闘能力
悪魔の実
「おれ様が斬れるか バカ者めェ!!!」
名称 | バラバラの実 |
---|---|
分類 | 超人系 |
属性 | 分離 |
能力 |
|
欠点 |
|
体の各部を自在に分離ができる、斬っても斬れない「バラバラ人間」。
切り離した体のパーツは自在に操るのが可能で、空中に浮遊させたり、それぞれに別々の動きをさせたりするのもお手の物。
ただし、全てのパーツは「足」を絶対の基点としており、操作できる範囲は地面に付いている自分の足を中心とした一定の範囲内に限られ、その範囲の外に出てしまったパーツはピクリとも動かせなくなる。尚、その制約の関係で足だけは浮かべられず、完全な意味で全身を浮かべたり、体だけ飛ばして遠くの島まで飛んで行ったりはできない(足を誰かに持ってもらえば、ある程度フォローできる模様)。
体の分離と接合が自由自在であるため、刺突斬撃に対して滅法強い防御力を持つ。首を横一文字に斬られようが、斧で頭を割られようが、切断されたと思った次の瞬間には元通り。覇気を用いられれば流石に分からないが、世界最強の剣士“鷹の目のミホーク”の斬撃で細切れにされても即座に復活していた(ただし、頂上戦争での交戦で斬撃が通用しないことを見抜かれたミホークには、自身の攻撃を返されたり、ある一件の際には刀の峰による殴打などで対応されている)。
SBSによればドフラミンゴの鳥カゴからも脱出できるらしく、インペルダウンに投獄された際も自分が能力者であるのをひた隠しにし、隙を突いて体を分離合体させ、牢の鉄格子の合間をすり抜けて脱走した模様で、こと斬撃に対しての守りは絶対的と評価できる。
一方で「面」による攻撃には比較的弱く、打撃を得意とする敵に懐まで跳びこまれると分が悪い(この点はなにかと縁のあるルフィの「打撃には滅法強いが刺突斬撃には弱い」体質と対になっている)。また、上述の「足」を基点としている能力の制約上、足場から落ちれば能力の行使が満足に出来なくなる。
更に、分離していても痛覚の類は全てのパーツで繋がっている性質上、飛べない足を狙われると非常に弱い。煙や砂を始め斬撃を伴わない自然系による広範囲攻撃も苦手で、本人も「弱点だらけ」と作中で毒吐いている。
ただ、本編で千両道化のバギーとして登場した時は、自身を大きく派手な出で立ちに見せるかのような暗幕を使っていたため、一応足の場所を特定されて狙われるリスクなどをある程度補うのには成功した模様。
また当然ではあるが、飛ばしたパーツの自由を奪われる(ロープで縛られる、閉じ込められるetc…)とパーツの回収が出来なくなり、回収できたパーツによっては2頭身ほどになってしまう。
Netflixで制作された実写版では、能力によって切り離した耳をルフィの麦わら帽子の紐飾りの間に潜ませてルフィ達の動向を把握しており、諜報活動にも能力を活用している。
戦闘においてもゴムゴムの銃で殴られたパーツがバギーの体からすっぽ抜ける形で攻撃の受け流しに成功しており、面の攻撃に対してもある程度の耐性をつけている。さらにバラバラになるパーツの細分化で多方面からの奇襲を行うなど、下手したら原作よりもバラバラを使いこなしている。
基礎戦闘力
覇気については未だ体得しているのかどうかは不明だが、元ロジャー海賊団の見習いとして新世界を生き抜いた程の実力者である経歴から、少なくとも基本的な二種類の覇気(武装色、見聞色)は体得しているかもしれない。
また、読者の間では「覇王色も使えるのではないか?」と推測する声も出ている。
が……本人の基礎戦闘能力は初期からあまり成長しておらず、素質はあったとしても、使いこなすのは現時点では不可能であろう。
ちなみに、単純な腕力自体は決して低くない。巨漢のジンベエ+ルフィを抱えて軽々と移動できる上に軽く投げ飛ばせるパワーがあり、ロジャー海賊団時代には身長より巨大な斧を振り回していた。だが、ワンピース世界にはバギー以上に凄まじい怪力を誇る強者が数多く存在するためにあまり目立たない。
武器
見習い時代からナイフを主たる武器として多数隠し持っており、これをバラバラの実の能力や投擲によって飛び交わせ、相手を切り刻む戦法が得意。更に切り分けた自分のパーツを飛ばし、直接相手にぶつける援護射撃も行い、四方八方から圧倒的物量で相手を攻め込む。
また、大砲を用いたド派手な破壊活動を好むので有名で、大規模な戦闘では噂に違わぬ砲撃のオンパレードで、敵対者を周囲諸共に吹き飛ばす。”特製バギー玉”と呼ばれる特殊な砲弾を用意しており、その爆発は家々を薙ぎ倒し、小さな村程度ならたった一発で滅ぼせると称され、通常の砲弾とは比べ物にならない程の壮絶な威力を誇る。更にインペルダウン編においてはその威力を殺さずに靴先に仕込める程に小型化した”特製マギー玉”の開発に成功、切り札として使用している。
インペルダウンでこれを聞いたギャルディーノは「自身の名前をつける辺りよほどの自信作なのだろう」と思っていたが、いざ披露すると「マ」ギー玉になっていたので「名前変わっとるガネ!!!」とツッコミをいれた。
一部ゲーム作品などにおいては、この“特製バギー玉”及び“特製マギー玉”がバギーの必殺技やアイテムとして登用されているケースが多く、双方共にバギーの代名詞としてよく知られている。
技
- バラバラ砲
手や腕を本体から切り離し、相手にけしかける。
そのまま殴ったり、ナイフで刺したり、掴みかかったりと臨機応変に使える。腕ごと発射して、止められても即座に手を切り離して攻撃を加える「バラバラ砲 切り離し」や低空飛行で相手の足元を狙う「地をはうバラバラ砲」などの派生技もある。
※アニメ版にて、"腕を飛ばすパンチ"に「バラバラパンチ」と口にしていたが、要するにこのバラバラ砲と思われる。
- バラバラせんべい
靴の仕込みナイフを展開した状態で、下半身を回転させながら発射する。本来バラバラの実の制約上、足は宙に浮かせられないはずだが、この技を使用する時は普通に飛ばしている。勢いだろうか?
- バラバラ緊急脱出
本体から首を切り離して敵の攻撃を回避する。
首から上は基本的に人体の急所であり、そこへの攻撃を回避できるのはある意味で理に適ってはいるが、首から下の本体は完全に無防備であり、そこに向けて攻撃されると弱い。
- バラバラフェスティバル
全身を細かく分離し、その全てを操りながら相手を襲撃する。
ただし能力の制約上、足だけは飛ばせない。勿論痛覚も繋がっているので、その足を狙われると弱い。「その気になれば分離する部位の数や大きさは自在」との弁だが、余りに細かく数多くし過ぎると、範囲内でもコントロールが利かなくなるのでしないらしい。
- 空中錐揉み大サーカス
捕まえた相手を切り離した手で空高く連れ去り、地面へ向けて錐揉み回転させながら投げ落とす。
人間相手や地形の条件によっては強力な技となり得るが、インペルダウンのブルゴリ相手にはあまり効果が無かった。
- バラバラキック
アニメ版のみ登場。上半身を浮かせた状態となり、下半身で相手を蹴る。
- バラバラカーニバル
アニメ版のみ登場。相手の延髄にダブルスレッジハンマーを叩き込む。
直前の描写では上半身を浮かせていたが、本技の際には既に全身くっついているように見える。だとすれば「どこが"バラバラ"なのか?」の話なのだが……。
コレが俺様のド派手な活躍だ!
過去
かつて“海賊王”ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団で、後の四皇シャンクスと共に見習いをしていた。シャンクスとはソリが合わず、常々下らない喧嘩をしており、その都度副船長のシルバーズ・レイリーに折檻されていた。この頃から既に「世界中の財宝を独り占めする」野望を抱いており、財宝の在り処を記された宝の地図を密かに所有していた。
ある日、敵船から奪った財宝の中にバラバラの実を発見する。
バギーは悪魔の実の能力に興味がなかった(カナヅチになると深海の財宝を捜せないため)が、「売れば1億ベリーにはなる」話を聞くと、実を売り飛ばして懐に納めようと企み、自らが実を口にすると名乗りを上げる。先輩船員たちも当時は悪魔の実の存在すらあまり信じられていなかったため、余興がてらにこれを承けた。
翌日バギーは予め作っておいた偽物の実を用意して、船員たちの前でそれを平らげてみせた。当然、何も効果など現れず、船員たちも「偽物を掴まされたか」と肩を落とした。
まんまと悪魔の実を手にしたバギーは、その晩、こっそりと小舟を用意して逃亡を図ろうとするも、突然話しかけてきたシャンクスに驚いた拍子にウッカリ実を丸呑みしてしまい、宝の地図を海に落とし、回収するために海に飛び込むも、能力者になってしまったことで泳げず、そのまま紛失してしまう。
シャンクスは「バギーは泳ぎが得意」と知っていたので船から落ちても最初は慌てず、助けようとはしていなかったが、様子がおかしい事にすぐに気付き、自身が海に飛び込んで救出。
命こそ助かったもののそれまでの算段を台無しにされた上、いくら斬られても死なない身体を手に入れたのと引き換えに得意と評された泳ぎを失いカナヅチにされてしまい、シャンクスを逆恨みするに至った。
“金獅子のシキ”率いる大船団との間で勃発した「エッド・ウォーの海戦」では、他の船員たちが大戦に意気込む中、1人だけ動揺して騒ぎ立て、直前までシキと同盟を結ぶのを提唱していた。(結局ロジャーがシキとの同盟の交渉を拒否した事により海戦となってしまい、最終的に大嵐が発生した事で(両者痛み分けとなりつつも)戦況から脱出する事自体には成功したが、かなりヤバい状況だったのは確かなため、実際のところはバギーが臆病なのではなくそのほか全員が無謀と言える)。
光月おでんがロジャー海賊団に加入し、4つのロード歴史の本文が解読され、偉大なる航路の最後の島の位置の特定に成功、遂に最後の島にたどり着けるかと思われた矢先、バギーは突如高熱を出してしまい、最後の航海にはとてもじゃないが同行できなかったため、自身の看病に残ったシャンクス共々ラフテルに上陸はできなかった。
“偉大なる航路”の制覇後は、他の船員共々ロジャーによる海賊団解散宣言に従い、ローグタウンで決行されたロジャーの処刑を大泣きしながら見届けた。
その後は同じくロジャーの処刑を見届けたシャンクスの勧誘をとある理由(後述)で蹴って袂を分かち、自らを船長とする「バギー海賊団」を結成。東の海を中心に活動するようになる。
以降は、政府から『ロジャー海賊団の残党』として警戒されるのを避けるため、元船員である事実を徹底的に隠して活動していた。懸賞金が低いのもそのためである。
第1部サバイバルの海 超新星編
東の海編
本編初登場は東の海オレンジの島で、ブードル町長の町を襲撃していた。
その際部下がグランドラインの海図(恐らくロジャー海賊団からの由緒正しい品)をしまっていた金庫に鍵をつけっぱなしにするというポカをやらかした結果ナミに海図を盗まれた挙句「(鼻が)付け鼻(鍵をつけっぱなしにしたの聞き間違い)」と言われた事で激昂、手首だけ分離して首を絞めた上で大砲の前まで移動させそのまま砲撃を直撃させる。
当時は失敗した部下を簡単に手にかけると思われていたが、変わらぬ慕われっぷりと爆弾を抱えて吹き飛ばされても生存していたアラバスタのペルや雷が直撃しても黒焦げになるだけで死にはしなかったルフィ達の姿を見ると、失敗しながらヘラヘラ笑っていた部下への仕置きで殺すまでには至っていないのかもしれない。
その後、やってきた麦わらの一味との交戦となり、モンキー・D・ルフィと悪魔の実の能力者同士、互いに持ち味を活かした戦闘(作中における能力者同士の初めての戦闘)を繰り広げる。
しかし、全身をバラバラにした際、ナミに身体のパーツを奪われ縄で拘束され、首と手足だけになった所をルフィによって空の彼方までぶっ飛ばされてしまった。
その後、扉絵連載「小さなバギーの大冒険」にて再登場。
ルフィにぶっ飛ばされた先から、仲間のところに戻るまでの紆余曲折が描かれた。巨大な鳥に捕食されそうになったり、珍獣島でガイモンに密猟者と勘違いされ命を狙われたり(後に似たような見た目だったことで和解し友人となる)、巨大なカニにイカダを破壊されたりと散々な目に遭うも、1人ぼっちの航海の中で、同じくルフィに因縁を持つ女海賊“金棒のアルビダ”と同盟を結び、彼女の船に乗せてもらい自身の海賊団と涙の再会を果たした。
ローグタウンでは、アルビダと結託し、ようやく発見したルフィに昔日の恨みを晴らそうと一味総出で強襲。かつて自身の船長が命を散らし、大海賊時代の幕開けとなった広場の処刑台にて、ルフィの公開斬首刑を決行しようと自ら剣を振り上げる。しかし、ルフィの首を取らんと振り下ろした剣に雷が落ち、今一歩のところでルフィの殺害に失敗してしまう。その後は、街に駐在する海軍本部大佐スモーカーに一味もろとも捕らわれるが、突如吹いた強烈な突風で海兵達が吹き飛ばされた隙に脱走。海軍の追走をなんとか振り切って逃げのび、麦わらの一味を追い詰めるべく、自らも偉大なる航路への突入を決意する(ちなみに、今のところルフィに本気で死を覚悟させたのはこの場面のみである)。ちなみにアニメでは、ルフィとすぐそばに居合わすニアミスを何度か起こしていた。
その後、アラバスタ編後の世界情勢回でわずかに登場。
宝の地図を元に財宝を探していたが、見当違いで鉱山に迷い込み、士気が落ちる一味と共に気を取り直して宴会を開いていた。その場に、料理の匂いに誘われたポートガス・D・エースが紛れ込み、ペースを乱されつつもしばしの交友を育んだ。この時バギーたちはエースが四皇"白ひげ"の部下だと認知していたが、「油断している今のうちに四皇の幹部の首を取ろう」と言う部下に対して、『"息子"を愛し、その死を絶対に許さない』彼の報復を怖れて首を取らなかった(東の海のいち海賊でしかないバギーが「直接会ったことがある」と発言した事で、「懐かしき偉大なる航路」発言と併せて物議を醸していた)。
インペルダウン編
『キャプテン・ジョンの宝の洞窟』と勘違いして海軍の駐屯所に突撃してしまい、逮捕されて海底監獄インペルダウンのLEVEL1に投獄されていたが、能力者である事をひた隠しにしていた事で、貴重な海楼石の手錠を使用されず、隙を突いて牢から脱出。看守や獄卒獣たちと追走劇を繰り広げていた。
同じタイミングで兄・エースを救いに監獄に侵入してきたルフィと鉢合わせし、彼を利用して脱獄作戦を画策。下層へ向かいたがる彼の道案内役を買って出た……のも、この時ルフィが腕に巻いていたキャプテン・ジョンの財宝の在り処を示す「トレジャーマーク」が目当てであったが、ウッカリ口を滑らせルフィに真意を知られると、彼はなんの躊躇いもなくトレジャーマークをバギーに譲渡する。バギーはそのままトンズラするつもりであったが、不運に不運が重なり、外に向かうつもりがどんどん監獄の下層へと連れ出される羽目になる。
道中では更に、元バロックワークス幹部のMr.3やMr.2も仲間に加わり、下層を突き進んでいくも、ドクドクの実の能力者である署長マゼランが動き出してからは本格的に逃亡を図り、ダチである「麦ちゃん」を救おうとするMr.2を余所に、Mr.3と2人だけで上階へ逃亡した。
その後ルフィたちは、LEVEL5.5に潜伏していたニューカマーランドの住人たちにより一命をとりとめ、ジンベエ、エンポリオ・イワンコフ、サー・クロコダイル、Mr.1などの凶悪囚人を引き連れて脱獄を開始。更には、とある目的でインペルダウンにやってきた"黒ひげ"率いる黒ひげ海賊団の暴動など、大きな混乱が監獄内各所で巻き起こる。この間もバギーとMr.3は上階を目指してなんとかLEVEL2まで戻っていたが、上述の混乱により警備が強化された監獄内で手こずり、こちらも仲間を増やそうとドルドルの実で作成した蝋の合鍵で片っ端から他の囚人たちを解放して廻り、一時は「鍵の開いた」牢で囚人を待機させ、機を見て合図する事でド派手に一斉脱獄、インペルダウンの混乱をより一層手の付けられないものとした。
その後、再会したルフィたちと再び協力し、圧倒的な戦力を率いて脱獄に成功する。
島の出入り口を開くべく1人で監獄に残ったMr.2の男気には、ルフィや他の脱獄仲間たちと同じく号泣して感謝の言葉を送った。
マリンフォード頂上戦争編
海軍の軍艦を奪って海に出た囚人たちであったが、間もなく、その行き先が海軍本部のある「マリンフォード」であると知らされると、バギーは白ひげ海賊団と海軍の戦争に行くよりインペルダウンで拷問を受けていた方がまだマシと、他の囚人たちとともに抗議を始める。同時に、海軍はここまでの一連の大脱獄の見計らったような混乱発生のタイミングから、主犯がルフィとバギーであり、その目的が死刑囚エースの奪還であると認識。バギーとエースの接点が見出だせなかった海軍は、彼の経歴を徹底的に調べ上げ、その中で『ロジャー海賊団の元船員』の事実に行き着き、恐らくは「白ひげとの結託ではないか?」と結論付けた。
この旨を、軍艦付属の電伝虫を介して伝えられ、それを聞いたルフィがロジャー海賊団副船長である"冥王"シルバーズ・レイリーの名を出し、バギーがそれに反応した事で一気に信憑性が増し、囚人たちはバギーに羨望の眼差しを向けると共に、彼を担ぎ上げてルフィたちから軍艦を奪い取ろうと意気込むが、気を大きくしたバギーは彼らを嗜め、「白ひげの首を、即ち世界を取る」と豪語し、その大きな野望に感銘を受けた囚人たちをまとめ上げた。
いざ参戦した頂上戦争では、白ひげに自身(の部下)の実力を見込まれ、海賊同士で一時的に手を組んで海軍を打ち倒すように提案される(カイドウやビッグ・マムが敵対ではなく同盟を持ち掛けてきたと考えれば、一般海賊からすればどんな風景に見えていたかは想像に難くない)
バギーも、今の戦力で圧倒的実力差のある新世界の海賊・海軍の総戦力を一度に相手にするのは流石に無謀だと考え、その提案を受け入れて彼らと共闘する道を選んだ。
その後、ルフィに捕まってミホークから受ける斬撃の盾代わりにされた挙句、マギー玉を打ち返されて吹っ飛んだり、海軍の映像電伝虫を奪って勝手にテレビ回線をジャックするも青キジに凍らされるなどギャグ要因として戦争を引っかき回していた。
当初の目的だった白ひげやエースの死亡により状況が一変した後は、空を飛んで逃走を試みるが、重傷を負ったルフィとジンベエを偶然救出し、追撃する海軍本部大将“赤犬”から彼らを逃した。
戦争終盤には、赤髪海賊団が戦争を止めるべくマリンフォードに上陸。バギーはシャンクスに提示された「とっておきの宝の地図を譲る(との嘘)」を条件に、瀕死のルフィに麦わら帽子を渡しに行く役目を担った。任務遂行後にウソだとバラされて憤慨し掴み掛かるバギー(上述通り、見る者が見ればカイドウやマムの胸ぐらを掴みながら、和気藹々と話しているも同然の行いであるため、更に人望が高まった)であったが、彼が側にいれば無事に戦場から脱出できると考え、甘んじて彼らの保護を受けた。
戦後、バギーはMr.3や他の囚人仲間を引き連れて、自身を待つ海賊団たちとの涙の再会を果たし、船長に復帰した。間もなく世界政府からの「伝書バット」で“王下七武海”加入の要請が届く(自身が見る前にMr.3が勝手に開封していたためツッコミを入れていた)。
第2部 最後の海 新世界編
※超新星編までの異名「道化のバギー」は、新世界編で「千両道化のバギー」に。異名変更は小説版で補足されており、世界の破壊者バーンディ・ワールドを討ち取った際の新聞報道により「千両道化」の異名になった。
パンクハザード編
海軍本部での会議にて、王下七武海入りと"千両道化"という新たな異名、更に海賊派遣組織の総帥に就任している事実が判明した。また、資料内の写真の形で現在の姿も明らかになった。
ゾウ編
海賊派遣組織「バギーズデリバリー」の座長として登場。
自身の拠点であるカライ・バリ島のバギー街で部下たちを鼓舞していたが、傘下にしていた巨人族の傭兵5人(ハイルディンとその仲間達)が麦わら大船団へ入団、自主退社した事実を知り驚愕する。
その後はハイルディンの扉絵シリーズにも登場。自分の元から去りゆくハイルディンたち新巨兵海賊団を脱走者として手配していた。
ワノ国編
第二幕~第三幕 幕間
聖地マリージョアで行われた世界会議において、王下七武海制度の撤廃が決定。カライ・バリ島を包囲した海軍本部中将ステンレスと多数の軍艦を前に迎撃の姿勢を見せ、傘下の海賊達を煽るが、内心では戦闘のスキを見つけて逃亡するつもりでいた。ちなみに撤廃に関して「制度を悪用して悪事を働いた連中を見破れなかったのは海軍の責任で、俺達は関係ない」と指摘している(割と正論)。
第三幕
ワノ国天上決戦より1週間後、トラファルガー・ロー及びユースタス・キッドを差し置き、ルフィと並んでカイドウ、ビッグ・マムに代わる四皇の一角となったことが判明。更に「クロスギルド」という海兵狩りを生業とする新会社をサー・クロコダイル及びジュラキュール・ミホークと共に設立し、バギーは会社の社長の座に就いたことが明かされた。
終幕後
クロスギルド設立と、四皇になった経緯が判明。
七武海撤廃時になされた海軍包囲網は突如現れたクロコダイルとダズ・ボーネスの助力により突破した。しかし、バギーズデリバリー設立のためにクロコダイルから多額の借金をしていたバギーは、ミホークと共に新会社設立を目論むクロコダイルにすぐに返済するよう脅迫されてしまう。自転車操業状態のバギーズデリバリーでは返済する金をすぐには用意できないと分かっていたバギーはクロコダイルに組織総出で新会社設立に一枚嚙むことを提案し、その窮地を逃れようとした。
しかし、広告宣伝といった仕事を自身を過剰に慕う部下たちに丸投げした結果、バギーが組織のリーダーであるかのようなビラが出来上がり、それが全世界にばら撒かれてしまった。
当然クロコダイルとミホークにとっては自分達を嘗めきったとしか表現しようの無い事態に加え、“この程度の男の下に付いた”と言うレッテルを今後一生貼られる事となったのは筆舌に尽くしがたい屈辱であった。
結果、バギーはブチギレた2人によって半殺しにされ、バギーズデリバリー幹部格の部下たちにも見捨てられかける(彼らのバギーへの塩対応は今に始まったことではないが…)。しかし、バギー自身の強大なブランド力や影響力に目をつけたミホークがいつでも始末できる「表向きの四皇」としてバギーを担ぎ上げることを思いつき、クロコダイルも賛同したことで生かされることになる。
一方、海賊王の船員という経歴を持つバギーがクロコダイルとミホークを従えたと誤認した海軍は、彼を新たな皇帝と位置づけて31億8900万ベリーという破格の懸賞金をかけ、同時に“世界政府要注意危険人物”に指定した。
「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉を真っ向から否定するような、借金によって命が繋がるという意味では豪運の持ち主だが、強者2人に睨まれ弁解虚しく、哀れバギーは世間的には四皇とされながらも、実は黒幕2人の傀儡でしかないという正真正銘の『道化』にされてしまうのだった。
富、名声、力を手に入れたはずなのに海賊にとって肝心の「自由」とは最も程遠い存在となってしまった彼は心のなかでこう叫んだ。
エッグヘッド編
クロスギルドの海兵狩りシステムが本格的に稼働し始め、間接的に海軍本部中将Tボーンを討つ非道を成し遂げるが、その矢先部下にデザインや建造を任せた組織の旗艦「ビッグトップブラスター号」が再びバギー要素全開になっていた仕様が判明し、またも2人に『会議室』(とは名ばかりのバギー専用の拷問室も兼ねている)にてボコボコにされる。
尤も、傀儡ながらもバギーをトップに据えると決定した以上、こうなる可能性も十分考慮出来たはずなので、この拷問は理不尽な八つ当たりと見ても問題ない。
その一方、バギーは、どこまでも平穏以外の目的が無いミホークや、海賊業をただのビジネスとしか考えず理想郷(ユートピア)の実現しか頭に無いクロコダイルの保守的な考えに、内心業を煮やしていた。
「違う……おれの思い描いた人生はこうじゃねェ…!」
かつて自身も抱いていた「海賊王になる」夢は、隣にいたシャンクスがあまりにも有望株だった(幼少期のバギーが優秀なシャンクスに劣等感を抱いている描写から、一部から「数少ないシャンクスに勝っている分野だった『泳ぎ』を失ったのはバギーにとって相当痛恨だったのではないか?」と見る推察もある)ために諦めており、ロジャーの望みもシャンクスが後に続くものだとバギーは信じていた。
しかし、ロジャーが処刑=凱旋を遂げたあの日、当のシャンクスは「(本人的には「今の世界にはまだ早い」の意味だったが)目指すつもりはない」と語り、その発言に「(見損なったぞシャンクス…お前じゃねェのかよ次代の王はよ…ロジャー船長の望みは、お前が後に続く事じゃねえのかよ)」と失望、バギーは直後の勧誘を「(海賊王を目指さねェ)おめェの部下なんざまっぴらだバーカ!」と蹴って完全に袂を分かったのである。
この回想から、シャンクスの『ラフテルを目指すつもりはない』発言さえなければバギーはシャンクスについて行く気があったのを意味する。バギーの「おれの宝の地図」とはもしかしたら、あの日海に消えたモノではなく「シャンクスとともにラフテル(ひいてはワンピース)に辿り着く道筋」を指していたのかもしれない。
だが、二十年以上経った今になってかつての盟友が突然動き出し、譬え運でも偶然でも事故でも四皇として比肩できた今の状況から、バギーもまた失っていた夢を再燃させ、本気で海賊王を狙う想いになっていたのである。
内心の不満が頂点に達し、ついにバギーの堪忍袋が爆発。
「も゛う…おれを殺したきゃ好きにすりゃいいが…お前らそれでも海賊か!? 半端なモン求めやがって! 回りくでェ事してんじゃねェよ!!」
と一喝、シャンクスが動き出した現状「ラフテルには訳あって行った事がない」「昔シャンクスがあまりに有望だったからと夢を捨ててしまった」との無念を語りながら、今は運にしろ天命にしろそのシャンクスと肩を並べられるところまで来ている、「だったら゛おれ゛が!!!『海賊王』になり゛てェ!!!!!」と涙ながらに力説するバギー。
当然「平穏」と「計画性」を重視する両者には「何の準備も計画もない」「赤髪、黒髭、麦わら、全員と戦えとでも言うのか」と文字通り一蹴されるが、このままこんな野心を失った奴らに飼い殺しされる位なら「もはや殺されようが構わない」と覚悟を決めたバギーは「出し抜きゃいいんだよ! お宝は争奪戦だ!! 見てろお前ら!!この言葉の持つ熱量を…! 海賊達はみんなコイツを求めて海へ出たのさ!」と宣言(ちなみに作中ではこれまた元七武海のゲッコー・モリアは「本物の海賊には死さえ脅しにならねェ!!」と発言している事から、正しくこの時のバギーは強さを除けば名実ともに本物の海賊になった瞬間と言えよう)
止めようとした両者の暴力にも屈せず、踏みつけられながらも電伝虫を介してクロスギルド全員に布告した。
「なァお前ら!!!お前らよォ!!!……何を夢見て海へ出た!?」
「次の瞬間死ぬかもしれねェお前らの命は叫んじゃいねェか!?」
「現状に甘んじた腰抜け共よ!! 一番欲しい物に手を伸ばせ!!!お前らにはおれがついてる!!!」
「取りに行くぞォ!!!!“ひとつなぎの大秘宝”!!!!!」
あまりにも眩しいバギーの海賊王宣言に感極まる船員達。彼等も届かぬ現実に折れ、夢を捨ててしまった者達であった。そんな彼等には伝説を生きる男の宣言はあまりに熱く力強いものに聞こえたのである。
この瞬間に、クロスギルドの操縦桿及び全決定権と指揮権は完全にバギーのものとなり、全員に火を点けてしまった手前、ここでバギーを排除すれば折角ここまで育てたクロスギルドは空中分解(解散)し、致命的に出遅れるのは明らかであったため、ここにきて「いつでも排除できる捨て駒兼スケープゴート」が「絶対に失えない鬼札」と化してしまい、バギーより強い「だけ」のミホークやクロコダイルはこの状況を止める術を持たず、バギーの夢に強制参加させられる事態に陥ったのだった……。
尚、ユースタス・キッドがかつてシャボンディ諸島で新世界を「『”ひとつなぎの大秘宝”を手に入れて海賊王になる』と宣言する度胸の無い者が死ぬ海」と称したのを考慮すると、バギーはそれを宣言した結果、傀儡として終わり兼ねない運命から抜け出す一歩を踏み出したのである。
余談だが、この時の『バギーVSクロコダイル&ミホークのやり取り』は、極一部の読者から「『イーストブルー編のウソップとキャプテン・クロ』を彷彿させた」と評されているとか。
その後、ベガパンクが全世界に放ったメッセージとして、「空白の100年」や「古代兵器」、そして「Dの一族に関する内容の一部」について語った後、「”ひとつなぎの大秘宝”を手に入れた者に世界の命運は委ねられる」事を知った船員達は、その底なしの野望の深さ(言うならば「ひとつなぎの大秘宝を手に入れたものは海賊王どころか世界を支配できる」事が判明したとも言えるため)から更にバギーへの忠誠心を引き出す事となるも、一方のバギーは、上記の宣言からここまでの状況となる事はあまりにも予想外過ぎたためか困惑しており、見開きでは他の四皇達が笑う中、自身は鼻水と涙を流しながら笑っていた。
本編外での活躍
『3D2Y』
第1部と第2部の間の七武海就任間もない姿が描かれた。作中では、インペルダウンLv.6脱獄囚の海賊バーンディ・ワールドを討ち取らんと世界政府から招集をかけられ、偶然ルフィとハンコックが戦闘中のワールドの母船を発見した。そこでバギーはルフィたちの手柄を横取りしようと暗躍を開始、海軍にワールドの母船の位置情報を連絡。結果的にこれが海軍によるワールドへの大規模攻撃のきっかけとなった。
STAMPEDE
海賊万博にも登場。ブエナ・フェスタと直接契約をして警備海賊200名を派遣していた。映画序盤ではそいつらをまとめ上げる警備責任者としてローの捕縛に動くも、彼がサニー号に逃げたことで取り逃がす。
その後、一旦はサニー号を追いかけていたものの、宝が眠る島に着くと「警備なんかよりお宝だぜ」と契約をほっぽりだす。最悪の世代が激突しあってる中、彼らを見事に出し抜いて海賊王が残したとされる宝を一旦は手に入れるも、すぐに取り落として自身は水の中に沈んだ。
水没したところをモージやカバジに助けられると、そこで"鬼の跡目"ダグラス・バレットの再臨を目撃する。『当時のレイリーさんとタメを張るほどのバケモン』とバレットの強さを高く評価し、宝の正体を知りながらも逃走を選ぶ。七武海がひとどころに集結する事態になると、自身も七武海として巻き込まれるのを恐れてそこからも逃走する。
しかし、逃げた先でスモーカーに出くわすと壁に叩きつけられる羽目になる。そこで彼に詰問されて自身が見た宝の正体について白状。その後バレットが自身の能力を覚醒させると岩に埋まる。その後ルフィと間違えられてハンコックに助けられたが「ルフィではない」として理不尽にも蹴り飛ばされた。
そのままハンコックにいいように扱われていると、スモーカーやサボと対面。そしてローやルフィも集まり、上手いことその場を離れられなかったが故に、ルフィを中心にした共闘関係になし崩し的に彼も参加する事態となってしまう。
バレットの腕が降って来そうになった際には慌てて逃げ、その逃げている最中に反撃としてお得意のマギー玉を披露。尚そこでバレットに評価されているのはバギーと同時に攻撃したルッチの方であったため、マギー玉の効果のほどは薄かったものと思われる。またローの能力に巻き込まれて、バレットへの追撃にも一応は参加したのだが、そこでも特別何かしている様子は見られなかった。
脱出についてはローの能力に巻き込まれる形で成功。EDでは「バレット撃破の一翼を担った」とでも説明したのか、例の如く部下たちからの歓声を浴びていた。
海賊無双2
狂乱貝の騒動で多くの海賊たちが暴走していく中、カリスマを持つリーダーとして頭角を示し原作同様、多くの海賊たちを纏め上げ海賊同盟のリーダーとして活躍する。
余談
- 口癖
派手好きな性格なのもあって『ハデに』を文頭に付けてよく喋る。
「ハデに撃て!!!」「ハデに死ねェーっ!!!」「ハデに騒げ!!!」等々その用法は様々。
- 評価
卑怯かつ残忍であり、憎まれ役でもおかしくない性格なのだが、同時に派手好きでノリがよく、間抜けな一面が多々あり、それなりにファンには愛される存在となっている。特にアニメにおいては、担当声優がアドリブ王として名高い千葉繁氏であるため、ギャグシーンが大量に存在し、憎めないキャラクター像に一層の磨きが掛かっている。
- 七武海となった経緯
本人は世界政府から警戒を向けられぬよう「ロジャーの船に乗っていた」事実をひた隠しにしていたが、大監獄インペルダウンでの大脱獄劇の主犯格として名前が上がった際に、海軍にその素性が洗われ露見。その後のマリンフォード頂上戦争を経て政府から要請を受け、王下七武海の一角として名を連ねる。
- 『ひとつなぎの大秘宝』の正体を知っている?
バギーは当初『ひとつなぎの大秘宝』を目的としている様子はなく、金銀財宝の類を目当てに活動していた。
元ロジャー海賊団のクルーとしてシャンクス同様、ラフテルに到達するために必要な知識を抱えていてもおかしくはない筈で、後に自勢力が拡大しチャンスは訪れていなくもない状況にあったが、依然として取りに行く気は見せていなかった。
その事実について、以前はクルーからの口伝で『ひとつなぎの大秘宝』の正体について教えられており「(少なくとも"金銀財宝の類ではなかった")、"期待するようなものではない"と分かっているためなのではないか?」と思われていた。
しかし、実際には上記にある通り、シャンクスへの期待と失望、そして自分自身の劣等感などと複雑な感情の入り混じったコンプレックスから諦めていただけで、本当は心の奥底では海賊王への夢を抱いており、海賊王を目指してひとつなぎの大秘宝奪取を目指し始める。
- 懸賞金の語呂
四皇になった際の懸賞金の額を良く見ると、「災厄」の語呂合わせ(3189)になっている。
- 大物になる予言?
インペルダウン脱獄後「なんかの間違いで白ひげのクビを取った日にゃ俺はたちまち四皇!? いやさいきおいあまって海賊王!?」などと都合のいい皮算用をしていたバギーが誤解と豪運だけで四皇に成り上がった現状から、一部の読者から「真の海賊王はルフィ、表向きや歴史上の海賊王はバギーになるのではないか?」との考察が盛り上がっている。
- ロジャー海賊団の異端児
ロジャー海賊団ではカタギへの手出しが禁忌になっており、光月おでんが略奪行為を働いた事実を知ったモブ船員が『船長に殺されるぞ』と警告していた。
バギーもロジャー海賊団の一員だったのなら、敬愛する船長の意思を尊重し、カタギに手を出さない海賊になっていると考える方が自然である。
現にシャンクスは一切カタギには手を出しておらず、戦闘狂の危険人物であるダグラス・バレットすら民間人を積極的に狙っていない。この経緯から、極一部の読者の間には「バギーがカタギに手を出す海賊となってしまった理由がいずれ語られるのではないか?」との考察がある。
※ただ、カタギに派手に手を出した描写が初登場時くらい(しかも住民は全員避難することが出来ていた)で、本当に所構わず町にバギー玉を撃ち込んでいたら活動範囲が東の海限定であっても、懸賞金1500万ベリーは余りに低過ぎるため、ロジャー海賊団らしさを否定するために敢えてそのような振る舞いをしていた可能性もある。
ただし、シャンクスを見ればよく分かるがカタギに手を出さないとは言っても敵として認識した者には容赦がなく、特に船長であるロジャーは仲間の悪口を言ったという理由だけで一国の軍隊を滅ぼした(麦わらの一味でさえこんな些細な理由でここまで暴れるような真似はしていない)ことさえあり決して温厚かつ善良な人物だったわけではない。
また、バギーは財宝に興味を示さないロジャー海賊団の仲間に対して「海賊というものを分かっていない」と発言したことがあるため、上記の行いはバギーなりの海賊とは本来こういうものだという意思の表れでもあったのかもしれない。
実写版では
Netflixで配信されている実写版ワンピースの彼は、原作やアニメのコミカルキャラから一転、監督の意図で残虐性と狂気に重点をおいたキャラクターとなっている。
オリジナルの演出として捕らえた住人に足枷を付け、自身のサーカスの観客として笑顔で拍手させるというシーンが追加されている。
これは「かつてシャンクスと仲違いしたことから来る心の闇」を強調するためであるが、結果完全にこの人のようなキャラクターに仕上がった。
とはいえ視聴者からは恐怖こそ抱かれつつも「実写なりのまた一味違うキャラになってて良い」と概ね好評のようである。
原作と比べると恐ろしい印象を持たれがちな反面、日本語吹き替え版では千葉氏のアドリブによって、吹き飛ばされた時に「お疲れ様でした〜!!!!」「バギ〜ん!!!!」と、アニメのバギーのようなコミカルさを見せる一面もある。
関連イラスト
- 見習い時代
- 2年前
- 2年後
関連タグ
本物千両道化のバギー:バギーが見た目通りのいかにもなキャラだったらというIF
所属組織
ハイルディン(後に離脱)
ゴール・D・ロジャー シルバーズ・レイリー スコッパー・ギャバン クロッカス(ONEPIECE) 光月おでん ダグラス・バレット
その他
2年後の本編に成り上がった状態で再登場したキャラ繋がり。こちらも現在、とある事情で人生お先真っ暗な状態となっている。
章ごとのボス