「……言っておくが おれを“剣士”だなんて思うなよ…」
「『殺し屋』だ」
概要
全身のあらゆる部位を刃物に変える「スパスパの実」の能力者。
元は西の海(ウエストブルー)で名の通った賞金稼ぎで、『殺し屋ダズ』の異名で知られており、その名声はロロノア・ゾロやそして弱き者の顔と名前を覚えようとしないミホークにも知られる程。
いつしかクロコダイルが組織した秘密結社「バロックワークス(以下BW)」に名を連ね、上級幹部「オフィサーエージェント」の中では最上位の“Mr.1”のコードネームを与えられ、“ミス・ダブルフィンガー”とペアを組んでいた。ただし彼女は、普段はエージェントの集会所でもあるスパイダーズカフェの女店主「ポーラ」として行動していたため、有事以外は実質一人で行動していた模様。
BWの崩壊後はインペルダウンLEVEL4へ収監されていたものの、ルフィの手引で牢から脱出したクロコダイルに誘われて脱獄、再び彼の部下として行動を共にするようになった。
プロフィール
本名 | ダズ・ボーネス |
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異名 | 殺し屋 |
コードネーム | Mr.1 |
年齢 | 29歳→31歳 |
身長 | 212cm |
懸賞金 | 7500万ベリー |
所属 | 秘密犯罪会社バロックワークスオフィサーエージェント→クロスギルド幹部 |
所属船 | キルサスーン号→ビッグトップブラスター号 |
悪魔の実 | スパスパの実 (超人系) |
出身地 | 西の海 |
誕生日 | 1月1日 (Mr.1) |
星座 | やぎ座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | マテ茶、生ハム |
嫌いな食べ物 | 焼いた豚肉 |
初登場 | 単行本17巻 第155話『海賊 サー・クロコダイル』 |
CV | 稲田徹 |
人物
外見
丸刈りの頭に厚い唇、漢数字の「一」の字をおもわせるつながり眉毛が特徴の男。
筋骨逞しい肉体の持ち主で、胸の中央には「壱」の字の入れ墨を彫っており、手の指が常人より長い。
また、アラバスタ編後は顔の右半分(コメカミから目尻にかけて)に荒々しい切り傷を負っている。
性格
自ら『殺し屋』を自負する通り、性格は冷徹で寡黙。「仕事」中はいかなる状況でも動揺することはない冷静さを持つ。一方で、その職業柄か馴れ合いを嫌い、Mr.2/ボン・クレーのように部下や友人に甘い相手とは反りが合わない様子。初登場時には集合場所のスパイダーズカフェに向かう道中、Mr.2を見送って帰りながら歌と踊りの練習に興じていた彼の部下たちを急襲し、わざわざ彼の眼前に叩きつけている。
忠誠心
長らくバロックワークスに属していたものの、クロコダイルの正体を知ったのはアラバスタ乗っ取り計画の総仕上げ「理想郷(ユートピア)作戦」の際に開かれた会議の席。それまでは(ミス・オールサンデー除く)全ての社員と同様に直接的な関わりは浅かったが、海軍による逮捕、インペルダウンからの脱獄と、以降も彼に連れ添って行動しており、忠誠心は非常に高い。
脱獄の際には 「付き合いましょう……アンタになら」 と言うなどクロコダイルに対して敬意のようなものを持っている模様。
夢
ミス・ゴールデンウィークを主人公とする扉絵連載では、実は『ヒーロー』に憧れていたことが判明。彼女の能力でヒーローの姿にされても普段のように冷めた態度を崩さなかったものの、内心では喜んでいた。
戦闘能力
悪魔の実
「一瞬の読み違いが招くものは… 死だ」
腕や指、足を瞬時に刃(波刃)に変えることができる「全身刃物人間」。
その切れ味は石造りの建造物を一瞬で細切れにしてしまうほどであり、下手に武器を持つよりも素手で闘うほうが充分に強く、「指をナイフのように変化させる」、「腕や足を巨大な刃にして振り回す」、といったように、あらゆる体術がそのまま斬撃となる。刃であれば削岩機などにも変化させる事ができるようだ。また「全身が刃物」なので刃に裏表は存在せず、ダズが体を振り抜くのに合わせてその方向へと刃が向く。まさに全身凶器。
その能力の性質上、全身が刃物と同じ硬度(鉄の塊のようなもの)なので、打撃にせよ斬撃にせよ生半可な攻撃では傷一つつける事ができないし、例え首を斬られようともダメージは受けない。
攻守共に強力な能力だが、それはつまり鉄であろうとも関係なく破壊できるほどの攻撃力や技量があれば、能力による防御を突破してダメージを与えられるという事でもある。
確かに並大抵の力量でダズに勝利するのは不可能に近いが、ゾロやミホークのように「鉄をも斬る・鉄を破壊できる」レベルの相手だと旗色が非常に悪い。ゾロは戦闘の最中にレベルアップして斬れるようになったが、それまではまるでダメージを与えられなかったのだ。
加えてダズは元々この能力以外に武器を持っていない上、スパスパの能力の特性もあって「剣士」の間合いではまともに戦えない。相手のレベルによって極端なほど相性が変わってしまうのはある意味大きな弱点と言える。
技
スパスパの実の能力者らしく、技名全てに「スパ」が必ず入っている。
- 斬人(スパイダー)
全身を刃物の硬度に変化させ、相手の攻撃を凌ぐ。
- 掌握斬(スパークロー)
手を刃物に変化させる。
スパスパの能力の特性上、手を開けば手の内側が、拳を握れば手の外側が刃物となる。
- 発泡雛菊斬(スパークリングデイジー)
両手首を合わせ、掌底を繰り出すように斬撃を放ち、そして突き飛ばす。
放射状に広がる斬撃は石造りの建物がケーキのように切り分けられるほどの威力。
- 微塵斬(アトミックスパ)
内側から外側へ開くように両腕を振り抜き、無数の斬撃を放つ。
対象はその技名の通り、一瞬のうちに微塵切りにされる。
- 螺旋抜斬(スパイラルホロウ)
腕に巻き付くような独特な形状の刃物を浮き上がらせ、それを超高速で回転させる。
腕そのものを凶器と化し、それを振り回して接近戦を展開する危険な技。削岩機のような外見だが、本人曰く「何もかも抉り斬ってしまう」ため、発掘作業には向かないらしい。
ゾロ 「剣士じゃなけりゃ発掘屋かよ!!」
ダズ 「"殺し屋"だ」
「おれに発掘作業は無理だ」「何もかも抉り斬っちまうからな」
- 滅裂斬(スパーブレイク)
外側から内側へ両腕を振り抜き、対象に斬撃を浴びせる技。
石柱を輪切りにしてしまうほどの威力を誇り、ゾロはこの技の直撃を背後の石柱諸共喰らってしまったが、何故か石柱のように輪切りにはならず一命を取り留めた。
- 微塵速力斬(アトミックスパート)
足をスケート靴のように変化させて地面を滑るように相手へ突進、その勢いを乗せて右手で斬撃を繰り出す。名称からすると”微塵斬”の強化技のようだが、構えはどちらかと言うと”滅裂斬”寄り。いずれにせよ劇中ではゾロの”獅子歌歌”に潰されて技が決まらなかった。
2年後、スパスパの実の能力を再現した人物が使用した際は、鋼鉄の壁に巨大な4本の刀痕を刻む等高い威力がうかがえる。(アニメのみ)
活躍
第1部 サバイバルの海 超新星編
アラバスタ編
初登場のアラバスタ王国では、バロックワークスの社長Mr.0の招集命令を受けて待ち合わせ場所のスパイダーズカフェに現れる。その後、自身のパートナーである店主のポーラ改めミス・ダブルフィンガーやMr.2ボン・クレー、Mr.4ペアと共に、ミス・オールサンデーの手引でカジノ「レインディナーズ」へと赴く。そこでMr.0の正体クロコダイルと初対面し、彼がこれまで進めてきたアラバスタ王国乗っ取り計画の総仕上げ「理想郷(ユートピア)作戦」に協力する。
首都アルバーナにて、組織の裏切り者でもあるアラバスタ王女ネフェルタリ・ビビを始末しようとするも、彼女に協力する麦わらの一味の攪乱作戦に翻弄され、一味の戦闘員ロロノア・ゾロと対戦する。当初はスパスパの実の能力の特性もあり、剣士であるゾロの攻撃を歯牙にもかけず一方的に蹂躙するも、極限状態とかつての師の教えから「鉄の呼吸」を感じとる術を開眼したゾロの居合の奥義「獅子歌歌」の一撃を食らい惜敗する。その後、クロコダイルも一味の船長モンキー・D・ルフィによって倒され、海軍によってバロックワークスの悪事が明るみとなったことで逮捕される。
扉絵連載「ミスG・Wの作戦名“ミーツ・バロック”」
ミス・ゴールデンウィークら他のエージェントが留置所まで救出に現れるも、クロコダイルが「気が乗らねェ」と断ったことで、ダズも残留する道を選ぶ。その後、同じく逮捕されたMr.2、Mr.3共々、大監獄インペルダウンへ収監されることが決まった。
インペルダウン編
インペルダウンでは、ダズはLEVEL4「焦熱地獄」へ投獄される。
血の池や火の海による強烈な熱気の中にさらされながらも、ダズはただそこでじっと耐え続けていた。義兄ポートガス・D・エースを救おうと単身インペルダウンに乗り込んできたルフィが、LEVEL6からクロコダイルを解放し、そのクロコダイルから「駒が必要」だと誘いを受け、共に脱獄することを承諾する。ルフィとの直接の対面はこの時が初めてで、Mr.2から「ゾロに負けたヤツ」と説明された際はムッとしていた。
監獄の大手門前では、クロコダイルやジンベエ(ついでにバギー)と協力して、囚人たちが海上へ出るための軍艦一隻を強奪しようと海軍と交戦。圧倒的力量差でまたたく間に海兵たちを薙ぎ払い、無事に船を確保する活躍をみせた。
マリンフォード頂上戦争編
その後、白ひげ海賊団と海軍本部&王下七武海による大戦「マリンフォード頂上戦争」にも参戦。クロコダイルの目的は、この戦争に乗じて“白ひげ”ことエドワード・ニューゲートの首を獲ることだったが、白ひげが息子の裏切りで安々と傷を負った姿に戦慄。同時に、老獪かつ姑息な手段を用いた海軍に対する憤りからか、標的を海軍に定める。その上でダズは社長命令をうけ、エースの元を目指すルフィを援護。鷹の目のミホークの攻撃から彼を守って重傷を負う。
終戦後はクロコダイルと共に新世界に赴き、海賊として活動している。
第2部 最後の海 新世界編
ワノ国編
バギーズデリバリーを襲撃した海軍をクロコダイルと共に返り討ちにしており、現在はクロスギルドに身を置いていると思われる。
バギーがとんでもないやらかしをしてクロコダイルとミホークから制裁としてボコボコにされていた時には、クロコダイルにゴマをするギャルディーノ、そしてあっさりバギーを見捨てて鞍替えを考えるモージ、カバジ、アルビダをはじめとするバギーズデリバリーらを見て、いつもの仏頂面でいながらも無言で呆れているような感じであった。
余談
スピンオフ作品『コビー似の小日山』にはコイツににた少年「深栖 太一(みす たいち)」が登場する。非常に真面目でビビリ。
関連イラスト
関連タグ
バロックワークス サー・クロコダイル ザラ(ミス・ダブルフィンガー)
ゴッティ…同じ「殺し屋」の異名を持つ海賊。
類似能力
ブキブキの実:スパスパの実の上位種に当たるとされている悪魔の実。
ジャラジャラの実:スパスパの実に近い攻防一体の悪魔の実。