概要
およそ四半世紀にわたり週刊少年ジャンプの看板漫画として連載され続けている漫画『ONE PIECE』。その物語は原作1000話を超え、コミックス100巻が刊行されてもなお勢いも人気も衰えず、想像を超えた展開で読者を楽しませている。
そんな『ONE PIECE』の物語において一つの大きな転機を迎えた原作597話。
冒険の中で大きな壁にぶつかり、心身ともに大きなダメージを受け、自身の弱さを痛感した主人公モンキー・D・ルフィは、仲間たちも含めて更なる力を身に着けなければこれから先の冒険を乗り越えられないと判断。そこで離れ離れになってしまった仲間たちに一度冒険の足を止めてじっくり自分たちを鍛え直すようにメッセージを送り、2年間の修業期間を設けて再集結することを決定する。
基本的に第1話から連続していた(途中に一部キャラクターの過去編などを挟みはしたが)物語は一度ここで途切れ、新たなステージへ進むための準備期間に入ることとなった。そして、公式ではここまでの物語を全体の大きな区切りの一つとし、『サバイバルの海 超新星編』という副題を名付けた。
ちなみに、「超新星」はそのまま『ちょうしんせい』とも読めるが、原作の「超新星」にちなむ形で『(スーパー)ルーキー』とも読める。
『ONE PIECE』の物語の中ではあくまで「第1部」に過ぎないのだが、それでも597話という大抵のフィクション作品なら既に完結を迎えていても別段おかしくはない特大ボリュームであり、コミックスは61巻にまで食い込む。
598話からは前話から2年間時が進み、修行を完全に終えて一味が集結し始めるところからストーリーが再開される(余談だがこの597話から598話の間は多忙を極めていた作者が英気を養うと同時に連載及びルフィたちの冒険の再開を勢い付ける意味合いも兼ねてジャンプ本誌でも4週間の休載が入っていた)。ここからの物語が第2部『最後の海 新世界編』となる。修業期間の内に服装や髪型が変わったり、新たな能力や技術を開発したりと、メインキャラクターにも大きな変化が見られたが、キャラクターとしての中身やその魅力に変化は無く、むしろ仲間たちとの団結力も含めてより一層強力で魅力的に成長した。
また、メインキャラクター以外にも世界規模で様々な変化があったようで、その辺りの情勢は本編の中だけでなく扉絵なども駆使して説明された。
第2部との違い
麦わらの一味
袖のないベストや短パンを中心とした服装。上着の前面は基本的に開けない。まだ胸に×状の傷は見られない(マリンフォード編の終盤から負うことになる)。第1部終了時点ではまだ覇気の完全なコントロールはできていないが、修業期間中に完全なものとし、新たな肉体強化戦法も開発した。
ラクダシャツにスラックスが基本。緑の腹巻やピアス、黒いバンダナなどは初登場時から継続。刀は初登場時から何度か変化し、第1部終了時点では和道一文字、三代鬼徹、秋水となった。修業中に覇気の体得にも成功しているが、左目に大きな傷を負い隻眼となった。
第1部初期は短い袖のあるTシャツを中心とした服装だが、ある事件が解決してからは袖のないオシャレな服装が主となるが新世界編以降と比べるとまだ少々大人しい。武器は数回改造され、第1部終了時点では完成版天候棒(パーフェクト・クリマ・タクト)だが、第2部開始前後で再度改造される。
頭には帽子ではなく黄色のバンダナを巻いている。メインとなる武器は初期は通常のパチンコ(銀河パチンコ)だったが、改造により第1部終了時点では巨大パチンコのカブトとなったが、第2部ではまた改造された。なお、第1部終了直前にものすごく太ってしまったが、第2部開始前にダイエットに成功し、以前よりも筋肉質な肉体を手に入れている。
髪型の分け目が新世界編とは逆で、左目が前髪で隠れている。戦闘スタイルに大きな変化は無いが、修業期間中に覇気の体得に成功し、さらに我流で六式の月歩に似た移動技、加えて水中での高速移動技の開発に成功した。
変身形態は基本的に3段階、ランブルボールを使用して最大7段階(+暴走形態)での戦闘スタイル。獣型(チョッパーの本来のトナカイの姿)は新世界編と比べてまだ小柄。
能力によって咲かせられる部位が腕や足、目などのパーツ単位だったが、修業中に更なる強化に成功した。また、新しい戦闘スタイルの開発も手掛けている。
まだ人間っぽい容姿。しかし第1部終了直前に不慮の事故によって体の前半分が丸ごと吹き飛びサイボーグとしての内部機構が一部剥き出しになるほどの外的損傷を受けたため、否応なく大改修が必要となった。第1部では一部の仲間たちに対して好き勝手なあだ名で呼んでいた(敵対していた頃の名残のようなもの)が、この点は修業期間中に改善された。
シンプルなスーツ姿が多く、アーティストとしてはまだ無名。ヨミヨミの実の能力の真髄にまだ気付けておらず、ほぼ俊敏な動きと純粋な剣技のみでの戦闘スタイル。
劇中に登場してはいるが、まだ仲間入りを果たしていない。そもそもこの時点では麦わらの一味とは異なる海賊団に所属しており(しかもポジションは「船長」)、熱心な読者でも(協力関係を結ぶならばまだしも)一味の仲間に加わるとまで予想できていたかは怪しい。
世界政府
第1部終了時点での元帥はセンゴク(但しその時点では退役寸前)。三大将はクザン、サカズキ、ボルサリーノ。マリンフォードに本部を置いていたが、第1部終了前に起きた大きな戦いで大きく損傷したこともあり、第2部開始前に改修及び移転した。また、昇進や退役などによって第2部では多少肩書が変わったキャラクターが多い。
最大定員は7人だが、不祥事や政府側の思惑による除名・新規加入・個人的都合による脱退などによって劇中の随所で一部のメンバーが目まぐるしく入れ替わる。初期から第1部終了時点まで在籍し続けたのは4名で、彼らは第2部以降も全員在籍している(ただし約1名は諸事情により公的には「在籍している」とされているが実質的には微妙)。
当初は所長がマゼラン、副所長がハンニャバル、看守長がシリュウ、副看守長がドミノという体制だったが、第1部終盤の事件による影響で第2部開始までに大きく体制が変わることとなる。
当時のCP9の現職メンバーが第1部終了時点でスパンダムを除く全員が消息不明。但し少なくとも誰一人死亡した様子は無く……。
海賊
シャンクスと白ひげのみ本編に登場。カイドウとシャーロット・リンリンは姿を見せず、一部キャラクターの会話の中にのみ登場(リンリンに至ってはユースタス・キッドの口から異名が語られただけ)。
コミックス50巻にて全員登場(黒ひげのみ比較的早い段階で登場していた)。ただしその殆どが読者への顔見せ程度の出番で、各個人の能力や戦闘スタイルなどは第2部以降にお預け。
最初期に敵として登場し、撃退されてからもポツポツと再登場し続け、遂に第1部終盤では準レギュラー的なポジションのキャラとして活躍(?)した。序盤に登場したキャラクターにも後々新たな出番や活躍の機会が与えられるという作風を象徴する存在となった。
本作のストーリーには一時期まである傾向が見られたが、第1部終盤に彼の身に起きた出来事によってその法則性は終焉を迎え、全読者に凄まじいまでの衝撃を与えた。