「ようこそ!!我がインペルダウンへ!!!」
「あァ間違えました“我が”ってちょっと野心出ちゃった 私はまだ副署長のハンニャバルです!!」
「痛い!!すっごく署長になりたい!! あ、間違えた すっごく痛い!!」
「か弱い庶民の明るい未来を守る為!!前代未聞の海賊“麦わら”!! 署長に代わって極刑を言い渡す!!!」
概要
世界政府直轄機関の1つにして、世界中の名立たる犯罪者を収監する鉄壁の海底大監獄『インペルダウン』の副署長。
モンキー・D・ルフィを主犯とする200人以上の囚人脱走事件後、不祥事の責任を取る形で副署長降格の辞令を受けたマゼランに代わって署長に就任した。
プロフィール
本名 | ハンニャバル |
---|---|
年齢 | 33歳→35歳 |
身長 | 309cm |
所属 | インペルダウン副署長→署長 |
武器 | 薙刀「血吸」 |
出身地 | 南の海 |
誕生日 | 8月28日(ハンニャ=828) |
星座 | おとめ座 |
血液型 | S型 |
好物 | トンカツ |
初登場 | 単行本54巻 第525話『海底監獄インペルダウン』 |
CV | 後藤哲夫 |
性格
見習い時代から人並み以上の野心を滾らせる一方、投げやりで油断だらけな勤務態度で何度も失態を演じており、看守着任に際して当時の署長が勤務態度優良のマゼラン(当時副署長)を目付役として据えさせる問題児であった。
マゼランが署長に就任して以降も、副署長の地位にまで漕ぎ着けながら出世欲の高さは留まる所を知らず、気が少し緩んだだけでうっかり「偉くなりたい」「署長になりたい」と口を滑らせる(直後に「あ、間違えた」「本音出ちゃいました」と慌てて取り繕う)だけでなく、事ある毎に何とかマゼランに責任を擦り付けて署長の座から引きずり落とそうと画策し、幹部以下の一般刑務官の前ではそれらをまるで隠す様子が無いどころか雄弁に語って聞かせるなど、むしろ副署長就任以前よりも明け透けに野望を表すようになった。
その野心は職務上の地位に留まらず、ボア・ハンコックが面会に訪れた際には『私の“女帝”ハンコック殿で?』と彼女を手中に収める野心をも剥き出しにしていた。かつて本当に世界貴族の所有物として扱われていた過去を持つハンコックの気持ちは如何ばかりか。
その反面、収監中の凶悪犯罪者に対しては厳格に接し、一切の不正を許さない。そもそも、日々を懸命に生きる一般市民を瞬く間に不幸に貶める犯罪自体を憎んでいる節があり、日常の野心とは裏腹に己の命すら懸けて立ち向かう揺るぎない正義の心を持つ。海軍本部付大佐の1人であるTボーンと共通する「力を持たない人々の平和な暮らしを守る」という点については、「お前には心すら閉ざしていたい」と毒の効いた悪態を吐くマゼランをして
「ハンニャバル…よくここまで持ち堪えた………!!!」
「後は任せろ くたばるんじゃないぞ」
「おれ(署長職)の後任は お前しかいないんだ!!!」
と密かな信頼を寄せられており、ハンニャバル本人も地位さえ除けばマゼランを心から信頼し、お互いに強い絆で結ばれている。
また、看守たちからも普段の勤務態度は呆れ半分で見られているものの、こうした根底に正義と信念を秘めている点は信望を集めている様子。「受刑囚どもに副所長の格を見せてやる」と『LEVEL5 極寒地獄』をいつもの半裸に近い姿で平然と歩く姿は看守たちから尊敬の眼差しで見られており、秘蔵の薙刀“血吸”を手に自ら討って出た際は「副所長が薙刀“血吸”を持ってる!!本気だ!!」「じゃあ頼りになるぞ!!強ェぞ!!」と看守たちが大いに盛り上がっているなど、決して野心だけの厄介者と見なされているわけでは無いことが窺える。
年齢
実は、22年前にインペルダウン史上初の脱出に成功した伝説の海賊『金獅子のシキ』が脱獄を決行した際の第一発見者であり、読者に見える形で最後に言葉を交わした監獄職員でもある。つまり、マゼラン共々二度のインペルダウン脱走事件を経験している数少ない現役幹部であり、一度目に至っては苦肉の策で牢獄を出た直後のシキの様子を知る世界唯一の生き証人なのである。
しかし当時11歳だが今とほぼ変わらない姿でインペルダウンに務めていたことになる。部下のサルデスも16歳ながら役職に就いていたり、ロブ・ルッチも13歳の時点で政府側に属しとある王国の兵士を500人殺害するなど、若年層が政府側に起用されるケースは他にもある。
先発の原作中ではハンニャバルの看守着任当時を20年前、後発の特別版コミックス『ONE PIECE 巻零』ではシキ脱獄事件当時を22年前と設定している上、現実世界における看守は刑務官階級の最下位に当たるため、作品世界中の海軍同様に「雑用を主務とする見習い階級がインペルダウンにも適用されている」(原作中でも「本日より看守の任に着きました」と宣言している点が見習い階級の実在を仄めかす論拠である)とする便宜的解釈を前提としなければ、22年前のハンニャバルの存在について説明の付かない矛盾が生じる。
戦闘能力
能力者でも何でもないが、下記の通り頑強な体力と精神力が持ち味。
インペルダウンの威信に関わる非常事態ともなれば秘蔵の薙刀(形状からすれば正確には「双刃の長巻」であり、イメージは『機動戦士ガンダム』のゲルググが扱うビーム・ナギナタに近い)である血吸を持ち出すが、普段は現場に従事する一般刑務官と同様の三叉槍を常用し、それでもそれぞれに高い防御性能を持つ能力者であるはずの道化のバギーとMr.3を軽々と撃破、捕縛してみせた高い戦闘力を持つ。
しかし、その本領は海底監獄地下5階『LEVEL5 極寒地獄』を一切の防寒装備無しで平然と巡回し、当時のギア2状態のルフィが放つ猛攻を受けてなお立ち上がる強靭な体力、それにも増してインペルダウンへ収監されるほどの札付きの悪党が大手を振って娑婆へ舞い戻る事を絶対に認めない不退転の正義感を源とする屈強な精神力にある。
- ハンニャカーニバル “焦熱地獄車”(しょうねつじごくぐるま)
血吸を高速回転させて刀身に炎を纏わせ、回転を維持したまま熱傷を伴う斬撃を繰り出す攻防一体の奥義。
活躍
初登場時のインペルダウン編での階級は副署長だった。登場からしばらくは署長の座を夢見てマゼランを蹴落とす算段ばかりを考える姑息な腹黒さが目立つギャグ担当であり、ナミに変身したボン・クレーに不意打ちで気絶させられ成り代わられたりと情けないシーンが多かった。
しかし、バギー・Mr.3捕縛の一件で「仮にもインペルダウン副署長を務めるだけの実力者」である事が証明され、義兄であるポートガス・D・エースを奪還すべく地上へと向かうルフィの前に敢然と立ちはだかり、何度ぶっ飛ばされても絶対にその道を開けることなく戦い続けた。
「何を…貴様らシャバで悪名揚げただけの……… “海賊”に“謀反人”………!!!」
「何が兄貴を助けるだ!! 社会のゴミが奇麗事ぬかすな!!! 貴様らが海へ出て存在するだけで…!!! 庶民は愛する者を失う恐怖で 夜も眠れない!!!」
「か弱き人々にご安心いただくために凶悪な犯罪者達を閉じ込めておく ここは地獄の大砦!!!」
「それが破れちゃこの世は恐怖のドン底じゃろうがィ!!! 出さんと言ったら一歩も出さん!!!」
と己の心に秘めた正義を以って格上のルフィ相手に怒涛の啖呵を切ってみせ、(結果的に)刑務所内を荒らし回っているルフィも紛れもない罪人の一人であることを読者に認識させ、評価を一変させた(後に、この啖呵は作品の名言の1つに列している)。
直後に、黒ひげにより瀕死の重傷を負わされて善戦虚しく力尽きたとは言え、「俺が行くまで持ちこたえろ!!」とするマゼランの激励を含んだ命令は見事に完遂した。
ただ一方で、後にLEVEL6の囚人解放という当時の海軍元帥センゴクも「人々に及ぶ危険度は甚大」というほどの事態を引き起こし、この世を恐怖のドン底に陥れていった相手こそ、「やめときな 正義だ悪だと口にするのは!! …この世の何処を探しても答えは無ェだろくだらねェ!!!」と一蹴した黒ひげであり、結果としては"正義の敗北"という苦いものに終わっている。
マリンフォード頂上戦争後、先に述べた不祥事の責任を取って署長を辞任したマゼラン(本来は責任感の強さから自殺に踏み切ろうとしたが、センゴクの意向により「インペルダウンに不可欠な抑止力」という理由で降格処分の妥協案受け入れに落ち着いた)に代わって夢にまで見た監獄署長職を拝命し、2年後編の扉絵連載でその事実が正式に公表された。やったね。
備考
ちなみに、愛用の薙刀“血吸”の位列は不明。
固有の刃物が出る度に位列が気になる類は多く、トラファルガー・ローの大太刀“鬼哭”のように位列なしが明言されているものや、かなり後になって最上大業物と明かされた白ひげの薙刀“むら雲斬”があるが、シャンクスのサーベル“グリフォン”と同じく、固有で登場しつつなぜ位列はぼかされているかは続報次第。
関連動画
コミックス累計発行部数3億冊突破、並びにアニメ放送15周年記念の一環で企画されたキャラクターソングキャンペーン『ONE PIECE ニッポン縦断!47クルーズCD』44番目の大分県担当として参加し、別府市自慢の観光名物「温泉」と「地獄巡り」を折り込んだ『WELCOME TO 地獄』を歌った。
WELCOME TO 地獄
なお、マゼランは35番目の山口県担当として参加し、下関市の名を全国に轟かせる「フグ」および近代日本の激動「維新回天」を折り込んだ『維新伝心・インペルダウン』を歌っている。
維新伝心・インペルダウン
関連タグ
Tボーン:同じく「力を持たない市民を守る」という正義感の持ち主