階級としての元帥
大将(存在する場合は上級大将)より更に上位でその軍隊における最上位の階級。
呼称は「海軍元帥」「陸軍元帥」(例外あり)。
「元帥」という階級が存在したことのある国はアメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、中華人民共和国、ユーゴスラビア、ソビエト社会主義共和国連邦(およびロシア連邦)、日本。
ただし、後述の通り日本は唯一の例外である「陸軍元帥」を除き、称号としての元帥であり、ユーゴスラビアはチトー専用の階級であった点は留意すべきだろう。
また、アメリカ、イタリア、中華人民共和国では2023年現在は「元帥」という階級自体が廃止されており、ドイツも戦後廃止したのち東ドイツで一度復活するも該当者がないまま東西ドイツ統一により消滅した。ポーランドでの廃止は2023年現在では不明だが、元帥への昇進は戦時中の特例であることから空位のままであるのは確実である(追加情報求む)。
現在、元帥という階級自体があるのはイギリスとロシアのみで、ロシアはイゴーリ・セルゲーエフを除き該当者はいないため、2023年現在は元帥の階級にいる人物は全員イギリス軍の関係者である。うち1名は現国王のチャールズ3世である(陸海空軍元帥を兼任)が海軍元帥のみ王室関係者でないメンバーが2名存命だという。なお空軍の元帥(Marshal)は紛らわしく、「Marshal of the air force」が階級としての元帥、「Air chief marshal」「Air marshal」「Air vice marshal」は空軍の大将・中将・少将である。
称号としての元帥
卓抜した実績を持つ者に授けられる称号。
大将及び上級大将の内、元帥府に所属する軍人を指す。
「元帥号」とも。一般的に元帥と言えばはこちらを指す場合が多い。
旧大日本帝国陸海軍における元帥も明治初期における西郷隆盛の例を除きこちらである。この場合の呼称は「元帥陸軍大将」「元帥海軍大将」であり、墓標などにはその通り記載されている。
なお、ドイツは正式な元帥の階級と「元帥位を有する上級大将」(称号としての元帥)が混在しているため少々複雑である。また、ドイツの海軍元帥のことを日本語で大提督と称する。
大元帥
元帥のさらに上であり、陸海空全軍を統べる者を指す。
大日本帝国においては天皇が該当する。
この地位に該当する人物は世界の歴史上にも数えるほどしかいない。
神名・神号としての元帥
大乗仏教経典に登場する鬼神アータヴァカは仏典の漢訳にあたり「大元帥明王」と表記された。
道教には中壇元帥(哪吒太子)、天蓬元帥、鄷都馘魔関元帥(関聖帝君)、霊官馬元帥(華光)、太歳殷元帥(殷郊)、玄壇趙元帥(趙公明)など「元帥」号を持つ様々な武神が存在し、日本の道教研究者から「元帥神」と総称されている。
主な「元帥」(現実世界)
- 東郷平八郎
- 大山巌
- 山本五十六(追贈)
- ダグラス・マッカーサー/マッカーサー
- ドワイト・アイゼンハワー/アイゼンハワー
- チェスター・ニミッツ/ニミッツ
- バーナード・モントゴメリー
- 林彪
- ヘルムート・フォン・モルトケ/モルトケ
- パウル・フォン・ヒンデンブルク/ヒンデンブルク
- エルヴィン・ロンメル/ロンメル
- ゲルト・フォン・ルントシュテット
- エーリヒ・フォン・マンシュタイン
- エーリヒ・レーダー
- カール・デーニッツ
- ヘルマン・ゲーリング/ゲーリング
- アルベルト・ケッセルリンク
- ゲオルギー・ジューコフ/ジューコフ
- ヨシップ・ブロズ・チトー/チトー
主な「元帥」(架空世界)
銀河英雄伝説
ゴールデンバウム王朝ローエングラム王朝
- ジークフリード・キルヒアイス/キルヒアイス→死後、追贈。
- アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト/ファーレンハイト→死後、追贈。
- カール・ロベルト・シュタインメッツ/シュタインメッツ→死後、追贈。
- コルネリアス・ルッツ/ルッツ→死後、追贈。
- オスカー・フォン・ロイエンタール/ロイエンタール
- ウォルフガング・ミッターマイヤー/ミッターマイヤー
- パウル・フォン・オーベルシュタイン/オーベルシュタイン
- ウォルフガング・ミッターマイヤー/ミッターマイヤー→首席元帥
- ナイトハルト・ミュラー/ミュラー
- フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト/ビッテンフェルト
- エルネスト・メックリンガー/メックリンガー
- ウルリッヒ・ケスラー/ケスラー
- アウグスト・ザムエル・ワーレン/ワーレン
- エルンスト・フォン・アイゼナッハ/アイゼナッハ
宇宙戦艦ヤマトシリーズ
- ヘルム・ゼーリック
- キーリング
ONEPIECE
仮面ライダーシリーズ
スーパー戦隊シリーズ
そのほかの作品