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CV:大木民夫(石黒版)、花輪英司(Die Neue These)。

概要

田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の登場人物。自由惑星同盟元帥

同盟軍宇宙艦隊司令長官を勤める高級軍人で、恰幅のいい初老の人物。

同盟軍統合作戦本部議長を勤めるシドニー・シトレ元帥のライバルとも目され、互いに意識し出世争いをしていたとも言われる。

彼の宇宙艦隊司令長官在職時、帝国との争いは小競り合いに終始していたが、互いの領域を損なうこともなかったともされ、「大ざっぱな手腕」と評されるものの無能との評はいっさいなかった。

しかし、宇宙暦796年、第13艦隊司令・ヤン・ウェンリー少将がイゼルローン要塞を半個艦隊で陥落させると事態は思わぬ方向へと進んていく。

ヤンをライバル視するアンドリュー・フォーク准将が同盟の政権中枢に「銀河帝国侵攻作戦」の計画案をもちこまれたからであった。

この一大作戦にシトレ元帥は反対したが結局は採用され、第3・第5・第7・第8・第9・第10・第12・第13各艦隊が動員され、ロボス元帥が総司令官として全艦隊を統率することとなった。

同盟軍各艦隊はイゼルローン要塞を起点として帝国領に侵攻するが、帝国軍宇宙艦隊司令長官ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥は焦土作戦を敢行、結果、補給線が伸び切った同盟軍は帝国軍の逆襲を受けて大敗、参加した同盟軍将兵3000万人のうち2000万人が戦死・行方不明となる惨状となり、同盟軍にとどめを刺す結果となった。

これらの責任をとって統合参謀本部議長・シトレ元帥、宇宙艦隊司令長官・ロボス元帥は退役、軍上層部に「帝国領侵攻作戦」に反対した軍事委員長・ヨブ・トリューニヒトは自由惑星同盟最高評議会議長に就任し政権を掌握、意見も通りやすくなったとされている。

これ以降、ロボスの消息は不明である。

ライバルのシトレは退役後も「救国軍事会議」のクーデターに反対しイゼルローン要塞駐留艦隊司令・ヤン・ウェンリー大将の支持にまわったこと、グエン・キム・ホア広場の暴動で帝国軍に身柄を拘束されオスカー・フォン・ロイエンタール元帥と堂々と対面したこと、「オーベルシュタインの草刈り」で帝国に逮捕されたことが語られているのに対し、ロボスの消息が語られることはついになかった。

能力

前述のとおり、無能ではないものの「大ざっぱな用兵家」と知られる。

しかし、「帝国領侵攻作戦」の発動時から著しく精彩を欠いており、「帝国から亡命した女に性病をうつされた」との不謹慎な説が流れるほど、能力低下がひどかったと言われている。

総参謀長・ドワイト・グリーンヒル大将は、「帝国侵攻作戦」の最中、その能力低下に苦慮、各艦隊司令との軋轢に苦悩することなった。特に帝国軍の反攻が始まった段階で、全軍撤退ではなく「残存艦隊のアムリッツア恒星系への集結」を命じてしまっている。これは帝国軍に一矢報いるための考えだったが、8個艦隊のうち4個がすでに全滅、残りも大なり小なりの損害を受けている状況では傷口をさらに広げる愚策でしかなく、同盟軍にとどめを刺す結果を生んでしまっている。

また、他の提督たちには評価されていないアンドリュー・フォークの才能を唯一買っていた人物として知られ、彼の才覚に作戦計画を丸投げしたため同盟軍艦隊に致命傷を与える結果となった。

外伝でも度々出番があり、第六次イゼルローン攻防戦ではグリーンヒルが参謀長として補佐しているとはいえ、意欲的に前線指揮を行うなど、優秀な指揮官としての姿が描かれている。しかし、作戦の内容ではなく(ヤン・ウェンリー准将や第11艦隊司令・ウィレム・ホーランド少将が同様な作戦を立案しているとはいえ)、「フォークが提案したから作戦を決定したのではないか」とダスティ・アッテンボロー大佐に評されるほど、後のフォークの専横に繋がる様な一面も確認できる。また、護衛部隊の士気を削ぐ様な訓示を出してグランド・カナル事件を引き起こすなど、徐々に精彩を欠いていく姿も明確に描写される。

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ラザール・ロボス
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