概略
声優:古川登志夫(OVA版)/鈴木達央(Die Neue These)
OVA版 | Die Neue These(中央下) |
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田中芳樹原作のSF小説「銀河英雄伝説」に登場するキャラクター。明るい褐色の髪に緑眼の男性。作中登場する単座式戦闘艇(現実世界の戦闘機に相当)「スパルタニアン」のエースパイロットで、一騎討ちが主流とされた空戦で3機1体となった戦法を編み出し、帝国軍を苦しめる。自身は1機のみで敵機を250機以上を撃墜し、歴代撃墜王のベスト10に名を連ねている。
白兵戦にも長けており、イゼルローン攻略戦や地球教本部潜入作戦、ブリュンヒルト攻防戦でその実力を見せているが、本人は床に足をついた戦いに慣らされるのは不本意と零している。最終的階級は中佐だが、本人いわく実績だけなら将官クラスとしている。
誕生日は不明だが、ブリュンヒルト攻防戦で死ぬつもりだったらしく、「オリビエ・ポプラン、29歳、15月36日生まれ」と自称し、物語終了時点では30歳の誕生日を迎えたことが示唆されている。
サイオキシン麻薬の恐ろしさを知っているだけでなく、「宗教は精神的な麻薬」と評する、明るさのなかにもどこか冷めたところがある人物でもある。ヤンが死んだときには「どうして俺が他のやつの命令を聞かねばならないんだ」と吐露したり、ラストシーンでは銀河を放浪することをユリアンに告げるなど、ヤン以外の人物には扱えない人材でもあった。
作者いわく「殺そうと思ったが、最後まで生き残ってしまった」人物の一人である(もう一人はフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)。
実際のところ、劇中ではアッテンボローへの軽口ながら幾度となく『30歳になどならない』と主張していたり、親友であるイワン・コーネフが巡洋艦の艦砲射撃により戦死したことを聞いて『俺の時には戦艦が半ダースは必要』と嘯いたりと、もし戦死していれば皮肉な発言となり得たセリフが散見される。ちなみに、上記ブリュンヒルト攻防戦が行われたシヴァ星域会戦はポプランが30歳を迎える前の出来事であり、また後に獅子の泉の七元帥に数えられる指揮官たちそれぞれの旗艦でちょうど半ダースとなる。
なお、劇中ではサラマンドルを旗艦とするワーレン艦隊が第11次イゼルローン要塞攻防戦における損耗によりハイネセンへ残留しており、またメックリンガーが幕僚総監としてブリュンヒルトに同乗しているため、結果的にブリュンヒルトを含めても5隻の参加にとどまっている。これにより(旗艦以外にも戦艦は参戦しているとはいえ)戦艦半ダースの件が回避されて生存したとする考察も散見される。
女性関係
同僚のワルター・フォン・シェーンコップとともにヤン艦隊における漁色家の双璧とされ、女性関係は派手である。特定の恋人、婚約者等は存在しない。本人いわく理想の死に方は「帝国軍の12人の美人パイロットに囲まれて撃墜されること」(ただし帝国軍に女性パイロットは存在しない)。ヤン・ウェンリーはユリアン・ミンツのスパルタニアンの師匠にポプランをつけ、格闘戦の師匠としてはシェーンコップをつけているが、ポプランはユリアンに「おまえさんは何でもできるが、戦略家としてはヤン・ウェンリーに及ばず、格闘戦ではワルター・フォン・シェーンコップに及ばず、空戦ではオリビエ・ポプランに及ばずでは器用貧乏の生きた見本になってしまう」と説き、そうならないよう釘を刺している。そのうえで「せめて女ではヤン・ウェンリーを上まわろうや」と余計なことを言い、ヤンもその点はけっして真似をしてほしくないと願っていた。
女性関係については不道徳的の極みを突き進んでいたが、意外にも未成年の少女の保護者からは信頼されていて、ポプランもそれらの少女に手を出す趣味はもっていなかった。少年兵はその行動やスカーフの結び方など服装を真似しており、それを見たダスティ・アッテンボローは「平和な時代なら幼稚園の先生が似合う」と評していた。ちなみにジークフリード・キルヒアイスもラインハルト・フォン・ローエングラムに「(人の悪いところもほめて伸ばすことができるから)平和な時代ならいい先生になっていただろう」とからかい半分に評されたことがある。
なお「イゼルローンの諸星あたる」とはそんなポプランに対してつけられたファンのあだ名であり、原作の作者後書きでも紹介されている公式の通称である。
OVA版の声優が誰であるかについては言うまでもないだろう(なお、OVA版銀英伝、うる星やつらともにアニメの制作はキティフィルムである)。ちなみに電撃鬼娘の中の人はフェザーンの黒狐の愛人役でOVA版に出演しているが、残念ながらポプランとの接点はない(ポプランが酒にちなんで名づけた飛行隊の一つに「ラム」が含まれてはいる)。