概要
ゴールデンバウム朝銀河帝国皇帝・フリードリヒ4世治世下の宇宙艦隊司令長官。士官学校を首席で卒業し、その後長く軍歴を誇る人物。
威厳が軍服を纏ったような堂々たる人物であり「皇帝よりも皇帝らしい」と評されていた(ラインハルトは「ただし立派なのは見た目だけだ」と酷評している)。他の帝国軍の将帥からもメルカッツ上級大将と立場を入れ替えるべきだという意見もあるが、実際には宇宙艦隊司令長官在職中は帝国の勢力圏は安定しているなど決して無能な人物ではない。
伯爵の爵位を持つ武門の家柄で外伝に登場する軍務尚書を務めたケルトリング元帥を大叔父に持ち、父のウィルヘルムは中将で艦隊司令官であったが帝国暦436年の第二次ティアマト会戦で戦死した。
父が戦死したのは幼少の頃であった為、以後は母に女手一つで育てられ後に自分の艦に母の名である『ヴィルヘルミナ』を名づけている。
外伝1、3巻では「生意気な金髪の孺子(こぞう)」といわれるラインハルト・フォン・ローエングラムの台頭を苦々しく見ながらも、皇帝の愛妾・アンネローゼ・フォン・グリューネワルト伯爵夫人の実弟であることから、ラインハルトの謀殺を企てるフレーゲル男爵の行動をたしなめるなど、決して好意的ではないもののラインハルトの行動を表立って妨害することはなかった。
原作の小説においては華々しい武勲を立てたラインハルト・フォン・ローエングラム元帥が宇宙艦隊司令長官に任じられて以後、その後の動向は不明。アニメではラインハルトの宇宙艦隊司令長官就任と入れ替わりに退役、国務尚書・リヒテンラーデ公爵、宇宙艦隊司令長官・ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥連合と貴族連合軍との争いのどちらにも加担することはなく中立を守りつづけた。ラインハルトとの対決を決意したブラウンシュヴァイク公に「ローエングラム候は決して油断できる人物ではない」と忠告し、「この時期に退役できて幸福だ」と語るなど、ラインハルトの将器を認めるオリジナルシーンが追加され、軍司令部の階段を降りるミュッケンベルガーと階段を上るラインハルトが敬礼を交わすシーンが追加された。
Die Neue Theseでは隠居し乗馬を楽しんでいる中、オフレッサーに貴族連合へ勧誘されたがラインハルトの将器を警戒し参加を拒んだ。或いは、後述の言葉通りに始めから貴族連合が負けるのを見越していたのかもしれない。
「事実を見ようとしない者達をあの男は一掃する気でいる。」
リップシュタット貴族連合が只、ラインハルト憎しで集まった特権意識の塊である貴族の寄せ集めである上に、利権争いが先んじている等の実態をメルカッツが見抜いていたように、彼もまた貴族連合が特権意識に凝り固まり、ラインハルトの実績や能力を見ていない本質を看破していた。
オフレッサーは死の瞬間に、自分達が事実を見ていないことを実感して果てた。そして戦いが終わり門閥貴族達が一掃された後、ミュッケンベルガーは一人オフレッサーの墓を訪れ、感情に走り散っていった男の憐れな運命を弔っている。
「馬鹿な男だ…」