「一度失ったものを、もう一度失っても別に不自由はせんよ!!」
概要
CV:岡部政明(OVA)、江川央生(Die Neue These)
田中芳樹による小説『銀河英雄伝説』の登場人物。銀河帝国側の軍人として登場する。ローエングラム王朝における主要提督の1人。
座乗艦は火竜(サラマンドル)。
ラインハルト・フォン・ローエングラムの改姓前の中佐時代に、彼の座乗艦『ヘーシュリッヒ・エンチェン』の副長を務めており、当時からラインハルトの才覚を「只者ではない」と高く評価しているところがあった。
後にラインハルトが元帥府を設立した際、コルネリアス・ルッツ達と共に艦隊司令官として招聘されており(当時の階級は中将)、物語最終盤には獅子の泉の七元帥の1人として抜擢されている。
後述するが、とある戦いの際に左腕を負傷して肘から先を失っている。
アムリッツァ会戦では、その前哨戦で自由惑星同盟軍第3艦隊と交戦し、これを敗走させた。
リップシュタット戦役においてはルッツと共にジークフリード・キルヒアイス上級大将の副将としてキフォイザー星域に赴き、数において優るリッテンハイム侯爵の軍を共に打ち破るなどの功績を残した。
ラインハルトが帝国の支配権を得ると大将に昇進、神々の黄昏作戦ではフェザーン方面の最後尾第五陣を指揮し、第一次ランテマリオ会戦においても同盟軍デュドネイ分艦隊を壊滅させ、更に左翼に楔を打ち込むことは失敗したものの張り付いて出血を強いる事で多大な損害を与えるなど、宇宙艦隊司令長官となったラインハルトの立てた作戦の実行に、軍事面で尽力した(但しこのランテマリオの戦いでは、結果的に同盟軍・ヤン・ウェンリー元帥に敗れている)。
その後、帝国軍補給路を脅かすヤン元帥の艦隊討伐を命じられるも、タッシリ星域で輸送船を餌としたヤンの奇策を前に敗北する。
ローエングラム王朝設立と共に上級大将に任ぜられ、地球教討伐を命じられる。しかし、この時、艦に潜入したテロリストの襲撃を受けて左腕を失う(以後、左腕は精巧な義手となっている)。
直後、地球教殲滅に協力したフェザーンの貿易商人・ボリス・コーネフと仲間としてついていたユリアン・ミンツ、オリビエ・ポプランに会い、地球教によって破壊された(とされる)商船の弁償を行い、更に彼らを帝都オーディンに連れて行った。
原作ではこのときユリアンとポプランはその素性を隠し通したが、藤崎版では「親切にしてくれた人を騙したくない」としてユリアン側が自ら素性を明かしている。ワーレン側も戦勝で入手した同盟軍の情報から素性に気づいていたが、ユリアンが言い出さなければ黙っているつもりであり、原作同様オーディンに連れて行っている。
新領土総督オスカー・フォン・ロイエンタール元帥がラインハルトに叛旗を翻した折は宇宙艦隊司令長官ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥の指揮のもと討伐艦隊に参加。
第2次ランテマリオ会戦ではロイエンタールの猛攻で旗艦サラマンドルに直撃を受け義手が破壊されるも、「さあ、これで悪運を切り離したぞ。恐れるものは怯懦のみだ」と猶も戦場に踏み止まり戦線を維持し続ける剛毅さを示した。
ロイエンタールの死後、ハイネセンに残留。同地の治安維持に努めるが、イゼルローン革命軍が帝国軍と一戦交えるべく出兵、第11次イゼルローン攻防戦が発生する。
旧帝都オーディン側の回廊に展開していたヴァーゲンザイル大将の艦隊と連携してイゼルローン軍の挟撃を行うも、ヴァーゲンザイル艦隊の敗走に伴って作戦は失敗。それでも踏みとどまって応戦するが、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツの強襲と要塞から放たれたトゥールハンマーの一撃で多数の艦を喪失し、撤退を余儀なくされた。
帝国軍の敗戦によって、ノイエラントの治安が悪化したことを受けて、軍務尚書・パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥、フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト、ナイトハルト・ミュラー両上級大将が、旧自由惑星同盟首都・ハイネセンに赴任。ワーレンもオーベルシュタインの指揮下に入る。
ここでヤン・ウェンリーとの戦いをオーベルシュタインが批判したことにビッテンフェルトが激高、元帥を上級大将が殴り倒す事件が起き、オーベルシュタインの指示により、ビッテンフェルト麾下の「黒色槍騎兵」艦隊の指揮権を預かる。
が、オーベルシュタイン麾下の護衛隊とビッテンフェルト麾下の部隊が睨みあう事件が起き、ワーレンは双方の真ん中に装甲車を置き、暴発しないよう睨みをきかせている。
戦後、イゼルローン軍司令官・ユリアン・ミンツ中尉と会見、地球でも会ったことを思い出し、「おたがい、知人が少なくなったものだ」と語りあっている。
人物
基本的に剛毅且つ温和な性格で、用兵家としても一流。それ故に部下からの信頼も厚く、彼と会ったことのあるイゼルローン要塞司令官代理・ユリアン・ミンツ中尉も尊敬の念を抱いている。
苦杯をなめたヤンに対しても、敗北への無念さこそあれ怨恨は抱かず能力面は高く評価する柔軟さを持つ。
但しオーベルシュタインについてはあまり良い感情を抱いておらず(尤も、これは戦友であるビッテンフェルトやロイエンタールもそうであったが)、ビッテンフェルトとオーベルシュタインの仲裁を行った際も「義手の故障のせいにして軍務尚書を殴ろうか」とジョークとも本気ともつかないことを言っている。
また、独身者の多いローエングラム陣営の中でミッターマイヤー元帥、アイゼナッハ上級大将、後に結婚するウルリッヒ・ケスラー上級大将とともに妻に先立たれているが数少ない妻帯者であり、幼少の一人息子がいることが確認されている。