概要
『ONE PIECE』の世界に存在する、カタツムリのような姿をした生物。
固有の電波（念波）で遠い場所を隔てた仲間とも問題なく交信する能力を持っており、以下のように多数の亜種が存在し、その数は10種類以上確認されている。
生息域は広く、外界から持ち込まれた個体が繁殖したのか、元々野生の個体が生息していたのかは不明だが、海底1万mに位置する魚人島や海の森、そもそも使用する文化が無いゾウなどにも(亜種も含めて)生息している。
個体を識別するための番号があるようで、それに目をつけた人間が受話器やボタンを取り付けたことで、特定の電伝虫と交信し、電話のように使用することが可能になった。
電伝虫達もそれを理解しているようで、危害を加えられることもなく、むしろ安全と生活が保障されるので、野生の電伝虫も人に捕まることを嫌がらない。
かと言って飼い殺しをよしとする程堕落してもいないようで、トンタッタにパーツを除去され野生にかえるシーンもある。
その為、劇中でサンジに受話器を破壊されたシーンがあるが特に問題はないらしく、本体さえ無事なら改造された殻が元通りに生え変わるのか大丈夫のようだ。
握り拳ほどと大きいので携帯には不便だが、世界中との通信が可能。
部品を接続すればファックスとしても使える他、公衆電話のようにボックスの中に置かれたそのものズバリな「公衆電伝虫」なんてものもある。
ただし極寒など過酷な環境には弱く、そのような場所には外から持ち込んでも使用できない場合がある。また、電伝虫の念波を妨害する性質を持つ物質というものも存在し、これに周囲を覆われると送信も受信もできない。
このため電気動力機械のない上に島から島への移動も難しい本作では非常に重宝している。
とはいえ、生物なので寿命もある上、餌代や排泄物の処理といった衛生面管理など現実の電話より維持費が馬鹿にならない（映像電伝虫の様な大型の個体の所有や飼育は、メリーは「家に超大型のペットを飼う様なもの」と評している）ため、「一家に一台」というレベルまでは行かない模様。
その為、フーシャ村の様に「音があれば充分」と考え映像電伝虫の導入を敢えて渋る地域もある。
緊急性の高い情報は電伝虫を通じて拡散されることはあるものの、情報の統制や取捨選択といった理由からか、基本的に世界の情勢は新聞を通じて周知されている。
有効範囲は広く一部種類では動画配信可能なものもあるとはいえ、上記の理由からか「街の電伝虫ラジオやテレビで民衆にニュースや映像配信」とまでは上手くいかない模様。
人間が受話器に喋ると、受信側の電伝虫が喋っている人間の感情や表情を真似しながら声を伝える。その際にどのような姿になるかは全て個体の気分次第で、特に法則性はない。使用していない時はエネルギー節約のためか眠っているようで、着信時は「プルプルプルプルプル」、受話器を取ると「ガチャ」と鳴く。着信音は躾や餌、訓練次第で調整やマナーモードが可能。
また、擬態能力を持っており、所持者の特徴を真似ることがある。
緊急信号を受信すると号泣するが、海賊の間では海軍が使う罠の可能性もあるため、信憑性は50%以下とされている。
なお船上や海辺で使用されているシーンもあるが、現実のカタツムリのように塩等を浴びて干乾びるかどうかは不明。
ただ、水分は重要らしく、扉絵ではモンキー・D・ドラゴンがじょうろで水を掛けながら世話をしている様子が描かれている。因みに好物は草（特にアジサイ）。
生物であるため当然感情もあり、映像配信を拒否した個体がバギーの言葉に感涙し映像配信をしたり、劇場版『FILM RED』にてウタが「エンドレスライブを行う」と言った際にはギョッとするなど人間並の表情の豊かさを持つ。また、覇王色の覇気で気絶する、メロメロの実の能力で石化するなど対生物に特化した能力の影響を受ける。緊急信号を受信して泣き喚く姿を初めて見たルフィが「ハラでも痛ェのか!?」と心配するなど、劇中の人物もあくまで「機材」や「備品」などではなく「生物」として扱う描写が多い。
また、洗脳状態になってしまうと念波のコントロールを失い、他の個体に無差別に念波を発信するようになる。
種類
- 子電伝虫
電伝虫の子供。手乗りサイズで携帯に便利だが、電波が弱く、通信範囲は狭い。
それでも数十km四方は届くため、島国内等では十分需要はある。カメラのように撮影して記録保存するタイプもある。
- 黒電伝虫
盗聴用の非常に小さい種。一般の電伝虫とは別種で、成長しても大きくならない。他の電伝虫の電波を傍受できる。ブレスレットに乗るほど非常に小さい。恐らく一般には出回っていないものと思われる。
- ゴールデン電伝虫
バスターコール発動専用の希少種。体中が金色。
- シルバー電伝虫
ゴールデン電伝虫からの受信用。体中が銀色…ではなく、白髭を生やしている。
- 監視電伝虫
動きまわり監視ができる電伝虫。見ている内容は受信用の電伝虫に送信される。
- 映像電伝虫
映像と音声を送信・受信できる電伝虫。大小2つのサイズの電伝虫が存在し、小さい方がビデオカメラ、大きい方がプロジェクターの役割をそれぞれ果たす。
- 自走式映像転送電伝虫
『STRONGWORLD』に登場。大きい方の映像電伝虫とほぼ同じサイズで、自ら動きまわり映像を送信する。
- 白電伝虫
希少種。黒電伝虫の盗聴妨害の念波を飛ばすことができる。他の電伝虫と接続して使用する。
海軍もこの種の存在は把握しているようで、四皇同士や革命軍の無警戒な会話を盗聴した際にも盗聴妨害について言及されている。
- ツノ電伝虫
念波妨害のできる電伝虫。通信不能にする。
- スマートタニシ
通称「スマシ」。ワノ国の固有種と思われるタニシっぽい電伝虫。筒状の貝殻が印象的な携帯用。元ネタはスマートフォン(スマホ)。
多くは通常の電伝虫よりも念波が弱く通信可能範囲が狭いため、遠方との通信は大型の「親分タニシ」を経由させる事で行う。その都合上、親分タニシの機能を封じられると通信妨害されるという弱点にもなる。
- 映像配信電伝虫
初出は『FILMRED』。
ベガパンク率いる海軍特殊科学班SSGによって産み出された、不特定多数の電伝虫に念波を送れる最新の電伝虫。劇中では2年前に物語の舞台であるエレジアに流れ着き、ウタの計画に組み込まれた。
原作本編においてはベガパンクの死を感知して全世界の全ての電伝虫をジャックし、「世界の真実」についての放送を開始した。
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