「もうすぐライブが始まる…世界中に 私の歌が響き渡る…」
「みんな!やっと会えたね!ウタだよ!!!」
「私と一緒ならどんな夢でも叶う!!皆を怖がらせるものなんてどこにもない!!新時代!最っ高!!」
「歌姫っていうのはね みんなに夢を与える存在なの」
「あいつは私を捨てたんだよ… このエレジアに 私を1人を残して行っちゃったんだ!!!」
※この記事は『ONE PIECE FILM RED』のネタバレ情報を含みます。 |
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概要
劇場版第15作目『ONE PIECE FILM RED』に登場する歌姫であり、本作における主要人物。
ロビンには「今世界で1番愛されている人」と称されるほど絶大な人気を博したアーティスト/歌手であり世界の歌姫として名を馳せている。
歓喜のあまり嬉し涙を流すチョッパーのように僅か2年足らずの活動で老若男女や様々な種族からも支持されており、エンターテイナーとして確立している。
その歌声はソウルキングとして一世を風靡したブルックからも“別次元”と称される程の実力者である。
ライブのオープニングを終えた直後にルフィと再会したことでモンキー・D・ルフィの幼馴染にして四皇の一角を担う“赤髪のシャンクス”の娘であることが発覚。
ライブが進むにつれて世界を巻き込む彼女の“計画”が明らかになっていく。
プロフィール
本名 | ウタ |
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異名 | 世界の歌姫 |
年齢 | 21歳※ |
身長 | 169cm |
所属 | 元赤髪海賊団音楽家 |
所属船 | 元レッド・フォース号 |
悪魔の実 | ウタウタの実(超人系) |
出身地 | 不明 |
誕生日 | 10月1日(国際音楽の日) |
星座 | てんびん座 |
血液型 | XF型 |
好きな食べ物 | ホイップましましのパンケーキ |
好きなもの | カワイイもの |
嫌いなもの | 海賊(本心は···) |
趣味 | 歌うこと、Tシャツ収集 |
座右の銘 | 楽しんだもの勝ち |
朝起きてすること | ストレッチ |
旅行に行くならどこ? | クリミナルの本店 |
最近ハマってること | メッセージ映像の発信 |
好きな人のタイプ | 普段は子どもっぽいけど いざというとき頼りになる人 |
夢 | 自分の歌で世界中のみんなに幸せになってもらうこと |
CV | 名塚佳織 |
Vo吹き替え | Ado |
北米版CV | AmaLee |
※生存説も複数あるが、後に原作者や脚本家からのコメントから死亡した可能性が高い
容姿
美脚が目を引く紫色の瞳をした美少女。
髪色は右側が鮮やかなポピーレッド、左側は淡いピンクホワイトのツートンカラーであり染色ではなく地毛である。
髪型はツインテールを上部でうさみみ型のリングにまとめヘッドセットのバンド部分で留め、更に肩から胸にかけて下ろした髪の先を2つずつシズク型のリング状に結んでいる。
前髪は左側が長く目が隠れているが、動きにより見える時もある。
このうさみみのような髪は感情に連動して動く。
テンションが上がると立ち上がったり、悲しくなると垂れたり、興奮すると台詞に合わせて揺れたりする。
ライブ等ではネオンライトブルーのラインの入ったゴールドのヘッドセットを付けている。
彼女の個性的な髪型を可能としているのはこのヘッドセットが髪留めとしての役割も果たしているからである。
右手首にはヘッドセットのアクセントカラーと同じ色のブレスレットを2連、左腕は同色の濃淡グラデーションのアームカバーを着ており、甲の部分にはあるマークが入っている。
衣服はモノトーンカラーのミニワンピースと音符をイメージした独特なデザインのハイカットスニーカーを履いている。
他にもライブのオープニングでは自身がデザインした色々なマークがあしらわれたカラフルなスタジャンを着用する他、後述の能力で特定の場面では衣装を自在に変化させることができ、劇中では途中から背中に彼女の髪色をイメージした淡いカラーの翼が現れた。
なお、私服も何着か所有しているようで作中では回想シーンにて、ライトグレーや黒い無地のTシャツなどのトップスに、7分丈パンツ、モノトーンカラーのスリッポンというシンプルなファッションであった。
ちなみにウタ日記にて私服がダサいと判明しており公式からもネタにされた。
人物
「私は新時代を創る女 ウタ」
「歌でみんなを幸せにするの!!」
無邪気で心優しく純粋な性格。
想像力が豊かで幼い時から空想する事が好き。
だがルフィに似て負けず嫌いなところがあり、幼い頃は幾度となく色んな勝負に挑んでいた。
中にはナイフ投げ、腕相撲、チキンレース(骨付き肉の早食い勝負)まであるので見かけに反し中々にアグレッシブなところもある。
重症を負い意識を失った人達を目の当たりにしても涙を流しながら止血し負傷者を必死に励ますなど人が傷つく姿に心を痛め全力で助けようとする。
「海賊嫌い」の歌姫
映画公開に向けて配信されているウタ日記にて映像を撮影する様は完全にYouTubeの配信者そのものであり、初配信ではピンボケしてしまい次の配信ではその点を反省して今度は映像電伝虫から離れ過ぎてしまったりと初々しい様子が見られる。
そのウタ日記にて海賊が嫌いであることが明らかになりウタに多くのファンがいるのはこの思想であることも1つの理由である。
再会したルフィをはじめ、彼の仲間である麦わらの一味に対して当初は友好的な姿勢を見せたが一味が海賊であることを知ると態度を変える。
だが実はエレジア王国の真実を知った今自分に海賊を嫌う資格はないと考えており、自分を支持してくれるファンの人々との間で板挟みになって苦しんでいる。
一方で12年間エレジア王国でたった2人で生活していた為世間知らずな一面も持ち、王下七武海に名を連ねていたドンキホーテ・ドフラミンゴや長年新世界に君臨しているビッグ・マム海賊団の存在、ロッキーポート事件とその事件で英雄と称されるまでの活躍を見せたコビーについてなど世界の大半が知っていることに対してほとんど知らない。
麦わらの一味についてもルフィが海賊をやっていると公言するまで知らなかった。
天竜人の存在は本を読んだ事で知っており、書物などから知識や情報を得ているようである。
死生観
「“死ぬ”って何?! 大切なのは身体より“心”じゃないの?!」
「“新時代”は、みんな一緒に“心”で生き続けるものなんだよ!」
そしてウタの特筆すべき点は肉体の消滅を死と考えていないことである。
「“ここ”はみんなが望んでいたとこだよ! 大海賊時代はもうおしまい! 平和で自由な時代がくるんだよ!」
「食べ物や遊びはいっぱいある! そして、酷い事する人や 病気や苦しみはないんだよ!」
「みんなー! 平和で自由な新時代で、ず~っと一緒に楽しく暮らそうねー!!」
ウタは自分の悪魔の実の能力も相まって「生きること・幸せに肉体は必要ない」という考えを持っている。
本編で起きた世界中を巻き込む騒動はこの死生観が根幹にある。
人間関係
- シャンクスとの関係
現在四皇の一角に名を連ねる大海賊“赤髪のシャンクス”とは義理の親子の関係。
ウタは2歳の頃、故郷を海賊に襲撃されて両親を失い、自身も海賊に拐われることになるもその後に遭遇した赤髪海賊団がウタを拐った海賊を撃破し財宝を奪ったことで宝箱に隠れていたウタはシャンクスに助けられることになる。
自身の過去の経験から縁を感じとったシャンクスが、ウタを娘として育てることを決めたことで、2人の間に親子の関係が生まれた。
ウタにとっては憧れの人物でもある。
シャンクス 「なァウタ この世界に 平和や平等なんてものは存在しない」
「だけど お前の歌声だけは 世界中の全ての人達を 幸せにする事ができる」
以降、7年間シャンクスの娘として赤髪海賊団の音楽家として育ったウタだったが、12年前のエレジア王国でウタが「Tot Musica」を歌ってしまったことでエレジア王国が滅亡する大事件が発生。
この事実をウタに知らせるのは酷と考え、また元々歌が上手で優しいウタが海賊と関わり続ける将来を案じていたシャンクスはこれを機にウタの罪をすべて被ってウタと別れることを決断し、ウタが眠っている間に出航。
自らの船の音楽家の大事な門出を祝うため全員涙を堪えながらも敢えて笑いながら船上で酒を酌み交わした。
シャンクスからすべてを託されたゴードンは彼の頼み通り “赤髪海賊団がエレジア王国を滅ぼした”と偽る。
初めは信じず港へ走ったウタだったが、目の前でエレジア王国に目もくれずに笑いながら去っていく赤髪海賊団を目撃したウタはゴードンの話を完全に信じてしまい以降11年間シャンクスのことを憎むようになった。
しかし1年前にウタは偶然この事件の真相を知り…。
シャンクス「離れていても お前は一生 おれの娘だ」
- ルフィとの関係
「出た! 負けおしみィ!」
「何言ってんの! 私が183連勝中だってのに!」
幼馴染であり、良きライバル。
共に「“新時代”をつくろう」と約束した幼少期から久しぶりの再会を果たす。
赤髪海賊団がフーシャ村を拠点にしていた時期と、ウタが赤髪海賊団に所属していた時期はしばらく重なっていたため、当時フーシャ村で暮らしていたルフィとも交流がある。
ルフィとは幼少期から色んな勝負を重ねてきた善きライバル兼幼馴染と言った関係だが、前述のチキンレースでは途中で自身の持っているジュースをルフィに渡し、それを快く受け取って飲んでる隙に食べ終えるというなかなかに策士な勝ち方をしている。
そしてエレジア王国でルフィと再会した時にも同じ勝負を挑むことにしたのだが、ルフィは全く同じ手にハマってものの見事に敗北している。
ねぇルフィ、学習しなよ……
こう言ったこともあってかルフィから卑怯だとクレームを付けられているがその度に「出た!負け惜しみィ♪」と声高らかに笑うのがお約束になっている。
なお、このセリフについては後に意外な形で聴くことにもなる……。
幼少期は年齢や赤髪海賊団としての経験からウタの方がしっかりしたお姉さん気質であったが、12年後再会した時は様々な人間関係や苦難を乗り越えたルフィの方が精神的に大人になっている描写がある。
- ゴードンとの関係
かつて音楽の国として栄えたエレジア王国の元国王であるゴードンはウタにとってシャンクスと離れてから12年間傍に居続けたもう一人の育ての親のような存在である。
ウタの天性の才とウタウタの実の能力を最大限に引き出せたのは彼の音楽の指導もあった為であり〝天使の歌声〟と例えていた。
エレジア王国での一件以降笑顔を見せなくなったウタもゴードンの前では気丈に振る舞っていた。
そして2年前にウタが電伝虫を介して外の世界に触れて笑顔を取り戻してからは安堵し1人見守り続けていたが…。
- 麦わらの一味との関係
「ルフィの友達」という認識でライブ中も気にかけて友好的に会話を交わす。
だが彼らが海賊と知った途端、摂取した食物の作用も影響しある行動を起こす。
ウソップからは「プリンセス ウタ」と、サンジからは「ウタちゃん」と呼ばれた。
- 海賊たち
海賊嫌いを公言しているが、勿論本心は誰にも伝える事が出来ない。
配信時は拾った手配書の写真を見て勝手にファッションチェックを行うなど、ユニークな企画も行っている。
殺気立つ海賊たちを見て「じゃあみんなで海賊やめちゃおう今までしてきた悪いことは全部私が許してあげる!」と歩み寄る姿勢もみせる。
しかし海賊という行為⦅悪事⦆は非道で残酷な為嫌いな模様。
また麦わらの一味、バルトロメオ、ベポなど純粋に彼女のファンである海賊も大勢いる。
ちなみにバルトロメオは敬愛の強さからか彼女を「ウタ様」と呼ぶ。
- 同業者
尊敬するミュージシャンとして『ONE PIECE FILM GOLD』に登場した歌姫カリーナと海底一のディーバとして魚人島が誇る歌姫マリア・ナポレを挙げている。
能力
悪魔の実
「私の歌があれば みんなが平和で幸せになれる!!!」
名称 | ウタウタの実 |
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分類 | 超人系 |
特性 | 歌(歌うことで効果を発揮できる能力) |
能力 |
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欠点 |
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※能力のON/OFFは任意の為歌唱で必ず発動する訳ではない。また、ウタウタの実を食べたところで、歌が上手くなるわけではない。
※作中では強大な能力となっているために一見すると「覚醒しているのでは?」と思うかもしれないが、彼女の能力の扱い方は計画性と能力に強く影響する物理的な外的要因(ネズキノコ・電伝虫等)も多く絡んでおり覚醒段階に達した相応しい扱い方をしていないので、覚醒している可能性は限りなく低い(下記の『補足』を参照)。
ウタワールド
歌を聴いた人間の意識を自分自身が創った世界『ウタワールド』へと招く。
ウタワールドは現実そっくりだが自分自身の心象風景や想像したものなどを自在に創出もできウタワールドに招かれた者はウタの空想上の世界を体験することができる。
ウタワールドを維持するためには体力の急激な消耗が伴うため本人が眠ることで解除される。
つまりは短い間だけ歌を聴いた人間たちと夢を共有する能力だと言える。
本来はそこまで害をもたらすような悪魔の実ではないと思われる。
試作電伝虫との併用
しかしウタは能力を研究し入念な下準備をしたことで最凶の能力へと変貌させている。
ウタワールドへ招かれる真のメカニズムは、ウタの歌が耳に入った瞬間自覚もなく眠りに落ち、魂が分離してウタワールドに送られるというもの。
この手の能力の持ち主にありがちな「自身の地声にしか能力は適用されない」という制約もなく映像越しに聞いた歌も有効でありスクラッチメン・アプーのオトオトの実のように視線を合わせる必要も無く自分が直接認識してない相手でもウタワールドに招くことができる。
ウタは偶然不特定多数の電伝虫に念波を送れる新型試作電伝虫を入手しており、電伝虫は生物であることも重なりまるでコンピュータウイルスが広がるかのようにたとえウタのファンでなくとも電伝虫を持っているだけでウタの歌を聴いてしまいウタワールドに招かれる危険がある。
劇中ではエレジア王国に来ていた観客だけでなく、映像電伝虫を介してライブを視聴した世界中の人々がウタワールドに取り込まれて意識を失い、最終的には同じようにウタワールドに取り込まれた電伝虫を介して歌が拡散されて世界総人口の7割がウタの手中に落ちると言われた。
ウタの純粋に音楽を極めた故の美声と、それで得た名声と知名度により実質的な“無限射程”の能力として、他の悪魔の実の能力とは一線を画すレベルの絶大な効果範囲を有しており、とりわけ対人性能においては随一の危険度を誇る能力となっている。
「私は最強」
そしてウタワールド内では全てがウタの思うがままであり、食べ物も飲み物もなんでも揃うし、致命傷を負っても手で押さえるだけですぐに治療可能、銃で武装した者どころか四皇幹部等、腕に覚えのある者も簡単に倒せてしまう。ウタに忠実な兵士を無尽蔵に生み出せもする。
また本来なら海水を少量浴びる程度では弱体化しないはずの悪魔の実の能力者がバケツ1杯の海水をかけられただけで弱体化するといった事象も引き起こせる(もっともアニメにおいては悪魔の実の弱点が海水であることが強調される傾向にあることは留意する必要がある)。
極め付きにはこれまで破壊はおろか傷ひとつつかなかったバルトロメオのバリアをトットムジカの起動という特殊な状況下とはいえ真正面から打ち破っている(バルトロメオの前任曰くバリアとは概念であり、作中でもトップクラスの実力を持った光月おでんの攻撃を以ってしても破壊することは不可能だった)。
ウタが望まないことは起こらないからだ。
実質的には仮想世界の神になれる能力に等しい。
そして能力者自身の優位性に留まらず、一度ウタワールドに精神を引き込まれてしまった者はたとえどんなに強力な覇気や能力を持っていようと自力で脱出することは絶対にできない 。
一応先述の条件に加え、能力者が歌の魔王を召喚した場合はそれを撃破することで能力者の意思に関係なくウタワールドを消失させることができるが、そもそもウタワールド内において絶対的な強者である能力者に召喚を強いること自体が極めて困難であり、よしんば召喚できたとしても魔王の性質上撃破するには現実側からの介入が必須になるため、結局ウタワールド内にいる人物だけでは使えない手段である。
後述の能力も併せると実質的に歌声を聞いた者達は意思や感情といった精神面以外の全てをウタに支配されると言っても過言ではない。
なお、引き込まれた人間や生物がウタワールド内で死亡した場合どうなるのかは不明。
しかし作中でチャルロス聖の護衛が彼に撃たれた際に激しく動揺し急いで傷を治していたことやウタワールドから脱出する方法として「自殺」という選択が挙げられていないことから無事では済まない可能性が高い。
またもう1つの能力として、眠っている者の体を夢遊病者のように操ることができる。
操られた者は意識がないにもかかわらず起きている時と遜色ない実力を維持しており、悪魔の実の能力も問題なく使える。
作中では操られたブルーノがドアドアの実の能力を用いて藤虎に奇襲攻撃を仕掛ける描写も見られた。
そして前述のとおり作中世界の記録媒体である電伝虫も生物であるためこれに該当しノンストップで自身のライブ映像を世界中に流し続けることも可能。
この能力の本当に恐ろしいところは他の悪魔の実の能力や覇気や個人の強さが全く意味をなさない点。
現に猛烈な覇気を持つはずのルフィやゾロといった面子も自覚なくウタワールドに取り込まれ大将2人も耳栓必須で戦う必要があった。
どんな強者でも歌を聞いてしまった瞬間に終わりという非常に凶悪な能力である。
ウタウタの実の能力を知らない若しくは余程用心しなければどれだけ格上の相手であっても勝ててしまうこの上ない初見殺し。
おまけに犠牲者が増えれば増えるほど現実世界における自身の手足となる戦力も増えていくため、とりわけ集団戦においては更に脅威となりうる。
特に人命救助を重視する海軍とは最悪の相性であり、作中でも30隻の軍艦と大将2人を出動させたにもかかわらず一般人を盾にされたことも相まって本来戦闘力が皆無であるはずのウタを最後まで捕縛することができなかった。
ウタ日記でもエレジアの輸送船を襲った海賊をあっさり返り討ちにしたことを明かしている。
弱点
前述したように体力の消耗が激しく、ウタが現実世界で眠りについた場合、能力に囚われた人間は全員解放されることである。
ただしウタが能力を発動し、起きたまま死亡した場合は現実世界とウタワールドの繋がりが失われウタワールドは永久に続く無限の牢獄と化す。
また能力の解除方法及びウタワールドからの脱出手段は能力者が眠る、または解除する意思を持って歌うことだけであり、内側からの干渉は基本的に不可能になっている。
解放された人間も現実世界ですぐに目覚める訳では無くしばらく無防備の状態になる。
劇中では「能力者当人も眠ると」という弱点を補う為に食べた者を不眠状態にする「ネズキノコ」という毒キノコを服用している。
このキノコを食べ続けると副作用で人格が凶暴化するだけでなく、体力の消耗により衰弱し死んでしまうというとんでもない代物。
一応投薬による解毒は可能。
しかしウタは凶暴化の副作用までは知らなかった模様。
また歌声を聞かなければ能力にかかることはない。
ただし耳栓の類のものはウタワールドに取り込まれて操られる者達に外される危険がある。
他にも現実世界ではあくまで眠っている犠牲者たちとは異なりウタ本人の意識は二つの世界にまたがって存在しているため、二つの世界で同時に何かが起こるとマルチタスクが発生してしまうことがあげられネズキノコの作用で感情が不安定になっている彼女にとっては特に致命的といえる。
数少ない弱点としてウタワールド内部ではウタは最強・無敵ではあるが全知ではない。
他の悪魔の実の能力者・覇気使いは自分の能力や技を現実世界同様に使用できるため逃げに徹されてしまうとウタでも見つけるのには時間がかかる。
肉体は操れても精神まで束縛することはできないということだろう。
また音声が関係する能力である以上ドンキホーテ・ロシナンテのナギナギの実のような能力者は天敵となりうる。
そして2つの意味でシーザー・クラウンが最大の天敵となる。
ガスガスの実の能力で酸素を抜かれてしまえばそもそも歌う事が出来なくなる上に彼の人格的に操られた市民を虐殺する事も容易いからである。
また「一度も寝た事がない」と作中で明言されているマーシャル・D・ティーチや寝ることでハクバの人格が目覚めるキャベンディッシュなどにも能力が効くかどうかは不明。
※あくまで能力の本質が「精神をウタワールドに引き込む」ことにあり眠りにつくのは副次的効果であると考えれば効く可能性もあるが両者ともに体質自体の詳細が不明瞭なためどちらとも断言することはできない。
そして眠ってしまえば効果がなくなるためジャンゴやボビンのような催眠能力も天敵となりうる。
ただし現実ならともかくウタワールド内のウタにそのような催眠が効くかどうかは不明。
なお、上述した通りウタウタの実の能力はもちろん実力も条件になるが、主に「歌を聞いてもらう事」が発動の大前提にある為ウタの卓越した歌唱力があって成り立っている。
仮に実を食べた者が音痴だったとしたら、当然歌を聞いてもらう事など出来ず宝の持ち腐れで終わると思われる。
クロコダイルの「悪魔の実の能力は使い方と訓練次第」という発言にもある様に元々の才能に加えて音楽の練習を続けてきたウタだからこそ実の力を最大限に引き出せているのだろう。
補足
彼女のウタウタの実の能力は劇中の描写から「覚醒」しているのではと思うかもしれないが、覚醒の有無の可能性については「悪魔の実の能力の覚醒条件(心身が能力に追いつくこと)」「従来の覚醒者の描写」「能力者の能力の発揮方法と扱い方」を全て考慮した上で判断する必要がある。
その前に前提条件として、悪魔の実の能力の覚醒条件である「心身が能力に追いつく」という意味を正しく読み取って理解している必要があるのだが、この覚醒条件はある内容が省略されたような濁した内容になっているので、それをそのまま言葉通りに受け取ったところで、一生理解することはできない。なので、ここでも簡単に記述しておくが、その具体的な意味については、作中の描写を見るに「能力者の心身(の強さ)が、能力(自体が持っているエネルギーの強さ)に追いつく」という意味だと考えられる。
そのことを踏まえた上で、実際に上記3つすべてを考慮すると…
- 彼女は能力について熟知して扱い方も非常に上手いが、「能力を“覚醒”させる方法」の扱い方としては不適切で、心身の強さが能力よりも致命的に不足している
- 彼女のウタウタの実の能力が強大になった理由は、あくまでも以下2つが要因であるに過ぎない
- 能力を発揮した際、あらゆる手段を用いて「能力に影響する物理的な外部の力」も多く利用したこと(代表例は、「ネズキノコ」「電伝虫」等)
- 彼女が故意に能力を効果的に発揮しやすい環境にしたこと
- 従来の覚醒者を見てみても、彼女の心身の強さでは疑問が残ってしまい、能力の発揮方法も、能力者自身の実力(体力と精神力)が大きく伴っていない様子が窺えることから、「覚醒」に相応しい強さに達しているとは到底考えられない
- 彼女のウタウタの実の能力が強大になった理由は、あくまでも以下2つが要因であるに過ぎない
- 「覚醒」は能力のさらなる上位の領域であるため、非実力者が使いこなせるほどそんなに甘くはない
- 「覚醒」段階に達している能力者は、基本的に「自ら能力をよく使いこなしている強者」に限られており、しかも「非実力者が能力を“覚醒”させてそれを問題なく扱えている」という事例は一つもない
- 彼女は歌の実力は非常に高いが、戦闘力の高さを物語る実績は一切なく、劇中の描写を見ても明らかに素人がよくやるような戦闘方法である
- 歌の実力の高さに関しては、ウタウタの実の能力を効果的に発揮するのに必要な条件なのだが、彼女の場合は「能力者の致命的な力不足」という問題が一切解消されていないので、歌の実力だけに特化して最大限に伸ばしたところで、「覚醒」は自然には起きないと予想できる
- 「覚醒」という設定が明らかになって以降、今までの歴代映画キャラの覚醒者は劇中や資料などの公式情報では必ずと言っていいほど「“覚醒”している」という情報が出ている
- 歴代の映画のキャラクターの覚醒者も、何れも強者に該当している
等の理由から彼女が持つウタウタの実の能力に関して「覚醒」している可能性は極めて低いと言える。
彼女の能力の発揮方法を見ると、彼女は一応能力を使いこなしてはいるのだが、それは素人がよくやるような方法で、「自分の力で能力を極限以上に強く発揮し、それを操る」という方法ではない。仮に彼女が覚醒能力を扱ったとしても、実力がそれに致命的に追いついてないせいで、その持て余した力に振り回されてしまい、殆ど使いこなせずにダウンしてしまうのがオチ(動物系の能力者である獄卒獣のように覚醒者の中には強者の中に類さない者もいるが、それは同じ覚醒者でも問題ありに該当する覚醒で、能力者の人格が動物系の能力に取り込まれているような印象になっている)。その反面、実力の高い覚醒者であれば、「能力に強く影響する物理的な外的要因」を一切利用せずとも自らの力で能力を強大に発揮し、それを自在に使いこなすことができる。そのため、彼女の場合はこのことからも条件に反している。
実際に彼女の能力の発揮方法と使用方法には、ネズキノコや電伝虫等の外的要因が多く絡んでいるという問題がある時点で、それらすべてを取り除いて考慮する必要があるので、ドンキホーテ・ドフラミンゴやトラファルガー・ローらの「覚醒者の強さ」と「彼女の強さ」をそのまま単純比較することはできない。実際に彼女の強さをそのまま評価し、超人系の特徴である「周囲に影響を及ぼしているから」を理由に彼女の強さをそのまま当てはめて覚醒の有無を判断している者も多いのだが、劇中の描写をそのまま比較している以上、「周囲に影響を及ぼしている能力者は全員覚醒している能力者」ということを認めることにもなるので、それでは従来の悪魔の実の能力者の傾向を見ても全く以て不自然極まりない描写だし、いくら作中世界でも現実的とは言えない現象が起きてしまう。さらに作中の描写を表面的に見たものを条件なしにそのまま考慮しているので、100人以上もいる超人系の能力者(原作以外のも含む)について、従来の能力の描写を長期的に見れば「周囲に影響を与える」という現象は頻繁に描写されている以上、未覚醒の可能性が高い能力者でも「周囲に影響を与える」という現象に該当してしまうケースも出てきてしまうので、それだけで「覚醒」の有無の可能性を判断することは極めて困難。
簡単にまとめると、彼女が劇中で発揮した能力の強さは、彼女が周到に練った計画性と外的要因が多く含まれており、彼女自身が持っている本来の実力の高さとして評価したところで信憑性がないので、そのまま「覚醒」の有無の可能性を判断することはできない。そこで、彼女の計画性や外的要因を全て取り除いて、彼女が通常の環境・条件で能力を発揮したケースに戻す。そうすると、彼女は強大な力と精神力のある実力者ではないので、強さが劇中で発揮したときよりも著しく低下するのが容易に予想ができることから、「未覚醒である可能性の方が圧倒的に高い」という結論に至るわけだ。
また、超人系の覚醒の特徴である「周囲に影響を与える」という現象だけを見て「覚醒」の有無を判断しても、能力者の実力や能力の発揮方法が一切考慮されておらず、彼女のように外的要因を利用した方法で能力が強くなっているケースも含まれてしまうので、作中の描写をそのまま「周囲に影響を与える」という現象に当てはめたところで、「覚醒」の有無の可能性を判断しても意味がない。
このように考えると、劇中や公式から「覚醒している」という情報が一切出ないのも頷ける。
ただ彼女ではなく、先代能力者であれば、ウタウタの実が覚醒していたことは否定できない。
劇中での使用例
上記したように自身が創造主を務める新しい世界「ウタワールド」を生み出した。
その世界の中では何でもウタの思い通りに出来るため以下のような現象を起こしている。
- 擬人化
ウタワールドに招いた動物や船を擬人化させる。
劇中に登場したアニマルバンドやサニーくんはこの能力によって変化したものであった。
サニーくん以外の船は姿を変えられて海の底に沈んでしまった様子で監督は「メリー号のときのクラバウターマンのようなものが作用した結果なんじゃないかな」と述べている。
- 音符をいろいろなものに変化させる
食べ物やぬいぐるみ等かわいいものが中心でファンサービスで客に配る。
ゾロなど成人には酒も出てくる模様。
数には限りがなくやろうと思えば生命体すらも生み出せる。
また音符自体にも質量があり蟲のように物体を包んで運んだりバリアのように身を守ったりもできる。
四方八方から質量をもった音符を生み出し攻撃に転ずることも可能。
自分よりも大きいサイズの音符に乗り自在に飛び回れる。
そのほか海に沈む能力者を音符で包み陸に上げ救うことも出来る。
ウタワールド内にいる者たちも音符として扱えるのか劇中ではベポとブルーノを2頭身のマスコットのように縮めチャルロス聖や観客はぬいぐるみなどに変えていた。
- 拘束
手から五線譜を出して空中に浮かべ相手を磔にする。
ゴキブリホイホイのように粘着性があるが頭の位置にある音を歌うとはらりと剥がれる。
逆に言えばそれ以外で五線譜の拘束を解くことはできない。
他にも指先からレーザーライトを出し実体化させることでロープのように縛る技も披露した。
- 武装
服がレオタード調になり義手義足のような金色のアーマー背中には赤い毛皮とブースター頭には背の高い王冠に、槍と盾を持ち空を飛べるようになる。
それでも彼女にとってはこれも衣装のひとつという扱いのようで自分の周囲で起こるドンパチはむしろ上記の音符を使って割り込み止めようとする。
- 音符の戦士を召喚する
「音符を変化させる」能力の応用。
槍で武装し空を飛び彼女の命令に忠実に従う戦闘員を呼び出し操ることができる。
個々の戦闘力はそこまで高くはないが無尽蔵に生み出すことができ圧倒的な物量で相手を追い詰めることができる。
劇中では赤紫色で八分音符のマークが描かれた衣服を着込んだ軽装備の「スリム」と藍色で二連八分音符のマークが描かれた衣服を着込んだ重装備の「ファット」の2タイプが確認されている。
- 衝撃波
ウタが激昂した時や『私は最強』の歌唱中に発動している。
特に後者の場面では舞台一面を覆いつくす衝撃波でクラゲ海賊団の面々やオーブンたちを吹き飛ばしていた。
- 衣装変更
対象の服装を自在に変更出来る。
映画本編の麦わらの一味及びその協力者の戦闘服はウタの能力で海賊(悪人)の印として着せられたものであった。
基礎戦闘力
ウタワールドでは無類の強さを誇るウタだが現実世界での身体能力は平均的。
しかし4歳の時には既に能力者であった熟練度に加え、ウタワールドと現実世界双方で状況判断、その処理ができる器用さは侮れないものになっている。
また覚悟を決めていたとは言えライブ開始から数時間ウタワールドを展開して耐え抜く体力もある。
ホンゴウが解毒薬を用意した段階で助かる見込みがあったとすれば高いバイタリティを持っていたことになる。
歌
キャラソンアルバム『ウタの歌』の項目に纏められているため参照。
経歴
※以下の内容は映画本編及び入場特典である40億巻の内容を含みます。
出生〜シャンクスとの出会い
21年前、とある島で生まれるも2歳になったときに故郷を海賊に襲撃され両親を失ったウタは海賊に拐われてしまう。
しかしその海賊は海で遭遇した赤髪海賊団に撃破され宝箱に隠れていたウタは赤髪海賊団に拾われることになった。
ウタを発見した海賊団のメンバーは困惑したがゴッドバレーから逃走したロジャー海賊団がかっぱらった宝箱に入っていたことで拾われた自分の経緯が頭によぎったシャンクスは「これも何かの縁か」と感じウタは赤髪海賊団の音楽家、そしてシャンクスの娘として育つことになった。
なお、赤髪海賊団に拾われた頃には既にウタウタの実の能力者だったようでウタが歌えばシャンクスたちは眠り、海賊団が戦闘中の際には船で留守番しつつ夢想する夢の世界で過ごすなどしていた。
ルフィとの出会い
13年前、赤髪海賊団の音楽家として東の海のフーシャ村に辿り着いたウタは自由に生きることを目指す少年モンキー・D・ルフィと出会う。
年齢が近かった2人は意気投合し身長対決や可愛さ対決、腕相撲やチキンレース勝負といった真剣勝負を183回も繰り返す程の関係になった。
「歌でみんなを幸せにする」新時代という夢を持つウタに対しルフィはこれをきっかけとして自分の「新時代」の夢を考えることとなる。
そしてルフィからシャンクスの麦わら帽子の絵(とても帽子には見えないもの)を「新時代の誓い」とすることを提案された。
────ルフィはのちに思いついた自分の「夢の果て」をウタに伝えることなく二人は別れることとなる。だがこれが現実世界での二人の今生の別れになってしまった(二人が再会し会話したのが現実ではなくウタワールドであるため)。
エレジア上陸〜赤髪海賊団との離別
フーシャ村を拠点としていた期間の中でウタは音楽の島エレジアへの航海にも同行。
類いまれなる歌の才能を持つウタは国王ゴードンをはじめ国中から大歓迎を受ける。
ゴードンから国に残って歌手になるための英才教育を受けることを提案され、シャンクスにも残っていいのではないかとか尋ねられるが赤髪海賊団の音楽家として海に出たいウタはその提案を断っていた。
しかしその夜、この島を去る前にエレジアの皆を喜ばせようと一曲でも多く歌っていたウタ。折角の機会と彼女の歌声を国中に届けようとしたのが災いし、それはウタへと引き寄せられた。いつの間にか傍に落ちていた「Tot Musica」の楽譜を拾って歌ってしまいエレジアに歌の魔王「トットムジカ」が出現。
ウタがまだ幼く能力を長い時間保てなかったのが救いであったが、赤髪海賊団の奮戦も虚しくエレジアはたった一夜で壊滅しゴードン以外の国民も亡くなってしまった。
この事実を知らせるのは酷だと思い、またウタの才能を潰したくないと考えたシャンクスはウタの罪を被ることを決めゴードンにウタを託して出航。
シャンクスはゴードンの下で立派な歌姫に育ってほしいと考えていたが……「赤髪海賊団がエレジアを滅ぼした」と聞かされたウタは激情し7年間共に過ごした父シャンクスに捨てられたことでウタは笑わなくなってしまった。
ゴードンもまたトットムジカを恐れたためかエレジアを出る選択は出来ず2人で崩壊したエレジアで暮らすことになり外の世界へ出る機会も減ってゆくのである。
なおシャンクス及び赤髪海賊団の面々はウタとの別れに関して相当身に堪えた模様でフーシャ村に帰還して出迎えたルフィの呼びかけにクルーは終始無言であり、唯一答えたシャンクスも「ウタは歌手になるために船を降りた」と語るのみだった。
アニメの連動エピソードではウタの事情を一切話さないシャンクスに対しルフィが「絶交だ!」と言って離れた距離をベン・ベックマンが取り持っている様が描写された。
民衆の代弁者“世界の歌姫”へ
2年前、外の世界を何も知らないまま育ったウタはエレジアの海岸でベガパンクを筆頭とする海軍特殊科学班SSGが試作品として作った不特定多数に念波を発信できる新種の電伝虫を拾ったことで自身の歌声を世界に発信することができるようになる。
また、歌声を聞いた民衆がウタに感謝のメッセージを送ったことでウタは外の世界について知ることができるようになり、メッセージを聞いたウタは笑顔を取り戻した。
メッセージを受け続けるうちにウタは民衆が大海賊時代に苦しんでいることを知り、その苦しみを癒したいと考えるようになる。
そんな中誕生した歌「新時代」は世界中で大ヒットし、海賊たちへの怒りがこもった「逆光」も大喝采を受ける。
いつしかウタは世代・種族を超える止まらない人気を受けるようになり、シャンクスに捨てられた悲しみも徐々に癒えていった。
突如明らかになった真実
1年前、エレジアの事件の一部始終を記録した映像電伝虫(40億巻の設定ではトーンダイアル)を偶然見つけたウタはそこで自身がトットムジカを召喚してしまったことを思い出しそれによりエレジアの人々が虐殺され国が滅んだこと、そして恨んでいたシャンクスが自分のためにその罪を被っていたことを知る。
エレジアを滅ぼしたのはシャンクスではなく自分自身だった。
そのうえ、10年以上恨み続けた相手は自分の濡れ衣を着た大恩人であると知り自己嫌悪感が込み上げてきた。
シャンクスとの思い出、そして海賊が大好きだった自分を思い出したウタだったが、世間に根付いた海賊嫌いのイメージを拭うことはできずファンからの歓声も止まらない状況に悩み苦しむことになり逃げたい、救われたいと考えるようになった(普通なら「死にたい」とも考えるのではないかと思われるが40億巻に原作者ははっきりと「こうじゃない!」と記載している)。
世間の期待と自己嫌悪、再び思い出した赤髪海賊団との思い出の日々に苦しむ中から、ウタに二面性が生まれていった。
巨大ライブ『NEW GENESIS』計画立案
ある日、ウタは昔に本で存在を知った食べると眠れなくなり数時間後には死ぬ「ネズキノコ」と自身のウタウタの実の能力の相性に気づく。
眠らずに死ぬことで仮想世界「ウタワールド」は閉じないと考えたウタは大勢の自身のファンと自身を辛い現実世界から救い出すという表の目的、そして最期にシャンクスに会って感謝と謝罪の言葉を伝えたいという裏の目的を達成すべくネズキノコを食し、映像電伝虫と自身の能力を総動員して世界規模のライブを開催することにした。
ライブ直前にはウタ日記と題して歌唱予定の曲に関するエピソードなどを発信している。
本編
世界の7割もの人口が注目するライブのオープニングに代表曲「新時代」を歌い、観客全員をウタワールドに迎え入れたウタはライブ会場に訪れていたルフィと12年ぶりの再会。涙を浮かべてハグをしている。
この際、ルフィがウタがシャンクスの娘であることを包み隠さず明らかにしたことで元々身柄を狙っていたクラゲ海賊団、そしてシャンクスへの最大の弱点になると考えたビッグ・マム海賊団のオーブンとブリュレに狙われるも、ネズキノコの感情が暴走する作用が生じ始めたウタは動揺することなく「私は最強」を歌い、海賊たちを全員五線譜に拘束した。
その後、ライブの休憩時間にルフィと懐かしいチキンレース勝負をするなど交流を深めたがルフィが海賊をやっていると知ると一瞬狼狽える様な表情を見せる。
ルフィに海賊を辞めるよう促すがルフィが海賊を辞める気が一切無いと知ると、表情を一変させて麦わらの一味も敵とすることに決め「逆光」を歌ってルフィ以外の一味のメンバーを五線譜に拘束。
ルフィ自身も追い詰めるが突如バルトロメオとトラファルガー・ローが介入したことで逃げられてしまった。
観客たちにゲーム形式でルフィを探させ、一度はルフィを発見するも再び逃げられてしまう。その際彼の麦わら帽子を奪った。さらに、自身の計画に反対していたゴードンを五線譜に拘束した。
その後、現実世界のエレジアで大将藤虎、中将モモンガを筆頭とする海軍部隊を相手にすることとなる。
彼らはウタウタの実の能力を知っており、耳栓をしたうえで自身の身柄を拘束しに来たが観客の身体を操って海兵たちの耳栓を外させ自身は「ウタカタララバイ」を歌うことで彼らを操り応戦。
同じ頃にウタワールドでは傲慢な態度で自身に接近し、部下すら容赦なく負傷させる天竜人のチャルロス聖を容赦なく叩きのめし、天竜人に手を出したことで動揺する観客に向かって「ここでは天竜人であってもみんな平等」と宣言した。
しかし、その直後にロッキーポート事件の英雄として民衆に名が知れ渡っていたコビーが観客にウタウタの実の能力によるカラクリを告げたことで会場に混乱が起き、観客はウタワールドに残りたいと考える者と現実世界に帰りたい者に分裂。
板挟みとなって人々が怒り口論しあう光景に悩乱したウタはネズキノコの精神凶暴化という副作用も相まって「もっと楽しいことがいっぱいあれば良い」とライブ会場を水没させ飲み込まれた観客全員をぬいぐるみなどに変化させてしまった(上記の通り、帰りたい側と残りたい側の言い争いだが、かなり後の展開を考えると大半がブーイングの嵐であることは間違ってもいない)。
その後、自身の計画をゴードンから聞いたルフィが再び現れる。
「いい加減わかりなよ。大海賊時代はおしまいだって。なんでそんなに海賊王になりたいの?」
ルフィ「“新時代”を作る為だ!」
ウタワールドでウタを止めようと歩み寄ってくるが決してウタを殴ろうとせず「海賊王になるのは新時代を作る為」と語るルフィに対しウタは「ロジャーの処刑で始まった大海賊時代。ルフィ、あんたの処刑を以て終わりにする」と告げて麦わら帽子を千切りはじめる。
しかし、昔を覚えているルフィのシャンクスとの確執についての必死な問いについに屈しシャンクスに棄てられた悲しみを暴露する。
信じられないルフィに対し「じゃあ私の12年間は何だ!?」と問い詰めるも、シャンクスを信じ続けるルフィ。
精神の暴走したウタは昔と何も変わらないルフィへの複雑な思いと彼は決して自分の「新時代」計画を受け入れることはないであろうということからルフィの命を奪うことを決め、現実世界ではルフィの顔を優しく撫でたあと、ナイフを手にしシャンクスの麦わら帽子もろとも心臓を貫いて心中しようとする(自分と同様に死を与えようとしたことや「バイバイ」というセリフからルフィだけは特別な扱いだったことが窺える)。
現実世界でナイフがルフィに届く間一髪の瞬間にシャンクスが赤髪海賊団を率いて現れルフィ殺害を阻止される。
ウタはそれまでの経緯、葛藤、確執、愛憎もあり一気に感情があふれた結果、ネズキノコの作用で感情が暴走して観客を操りシャンクスに襲い掛かる。
同時に海軍側から大将黄猿が戦線に加わったことで観客に被害が出始め、ウタワールドでは脱出を目指す海賊たちに総出で囲まれ、バルトロメオたちの奮闘により能力を封じられる。
現実世界では凶弾に倒れた自分のファンを回復させようとするもウタワールドではないために回復することは無かった(治療にあたったホンゴウの表情と後の描写からウタが救おうとしたファンは死亡した可能性はあるがヤソップが「観客も全員無事だ」と言っていたため最終的に生存した可能性が高い。ただし二つある小説版のうちみらい文庫版の方では死亡したという表現がされている)。
それによって感情のコントロールが破綻して追い詰められたウタの感情は暴走しすべての邪魔者を排除しようとウタワールド内の海賊たちに「悪い印」として海賊服をつけさせバルトロメオのバリアを打ち破って「Tot Musica」を歌った。
12年前にエレジアを滅ぼした魔王「トットムジカ」を召喚、エレジア崩壊のきっかけであることを既に知っており、それでもなお止まない感性と海賊嫌いのイメージに圧され、後にトットムジカの体内で止まない野次と罵倒を浴びせられながらも引き返せない自分に嫌悪しながら涙を流しながら宛ての無い感情をぶつけ始める。
ウタワールドと現実世界で同じ箇所を同時に攻撃しなければならないトットムジカを相手に海賊たちは窮地に陥るもウタワールドにいるウソップと現実世界にいるヤソップが見聞色の覇気で視界を共有させたことで状況が打開され、ギア5を発動させたルフィとシャンクスの同時攻撃を最後にトットムジカは消滅した。
無数の黒い音符となって消滅していくトットムジカの正体が歌を愛する人々の寂しい・認めてほしい・見つけてほしいといった誰もが持つ負の感情の集合体でありそれゆえに自分を形作る存在を求めて彷徨っていたことに気づいたウタは数多の不幸の元凶であるトットムジカに憎しみを向けず「なんだ、アンタもさびしかったんだね」と語りかけた。
その後、彼らの活躍でトットムジカの呪いが解かれウタワールドからも解放され、無事に現実世界に戻り意識を取り戻す事が出来た。
しかし、この時点で彼女の身体はそれまでに大量に服用し続けたネズキノコの副作用により毒性が全身に回っており、凶暴化していた性格が収まった頃のウタの体力は著しく消耗し衰弱し、いつ死んでもおかしくない状況だった。
その為、シャンクスはホンゴウから託された解毒剤を飲む様に勧めるもウタはこれを拒み、解毒剤を自ら捨て、自分のしたことにけりをつけるべく暴走の影響でウタワールドに残された者たちを現実世界に解放するべく自分の命を省みず、血を吐きながらも最期の力を振り絞って「世界のつづき」を歌い、ウタワールドにいた者たち全員の意識を現実世界に引き戻す。
そして少しの時間だけルフィと最後の会話を交わし麦わら帽子を返して新時代を託した。
「いつかきっと これがもっと似合う男になるんだぞ!」
その後、黄猿と藤虎率いる海軍が改めて身柄を拘束しようとしたがシャンクスが海軍中将モモンガをも膝をつかせる覇王色の覇気で威圧した事によりそれを免れる。
そして、赤髪海賊団が見守る中かつて彼らの前で歌っていた「風のゆくえ」を最期に歌い、歌い終わった頃には夕日の落日と共に彼女はそのまま静かに眠りつき、二度と目覚めることは無かった。
その後、彼女の亡骸はシャンクス達の手によりレッド・フォース号に乗せられシャンクスと共にエレジアを後にした。その姿を見たルフィは彼女の最期を悟ったのか声をかけず静かに彼女を見送り、自身もエレジアを後にしている。
-どこまでも あなたへ 届くように 歌うわ-
-大海原を駆ける 新しい風になれ-
そして、彼女の歌はトーンダイアルを介して世界中に広まり、姿なくとも自身の歌声が多くの人間の心を癒す存在として慕われていった。その歌声が人々から記憶から忘れない限り、彼女の魂は歌の中で永遠に生き続けるであろう。
客演
楽曲誕生
厳密には含まれるかどうか不明ではあるものの、尾田栄一郎先生書き下ろしの短編が公開前後のジャンプに3号連続で掲載されており、入場特典『巻4/4』に収録された。
触れられた楽曲は「新時代」「世界のつづき」「風のゆくえ」の3曲である。
ワノ国編
原作1015話「新時代」にてワノ国の近海に現れたシャンクスが思い浮かべたシルエットの中に幼いルフィ、モモ、日和と並び彼女と思われる人物が登場している。劇場版のオリジナルキャラクターが原作本編で登場するのは元々登場させる予定だったシキのみであり彼女の待遇は正に異例。
それらのシーンを経て放たれたシャンクスの台詞が
である。
週刊少年ジャンプの作者コメントに「youtubeに上がっているアニメワンピース1029話及び1030話を是非見て下さい。ルフィの考え方がわかります。」
とあるので、現在のルフィの考え方にウタを含めた赤髪海賊団が影響しているのは確定であり人格形成には出来事が必要であるためウタが原作軸にも存在しているのは確定であると言える。
副音声上映で1015話について質問された際、原作者は「映画と漫画との関係は“漫画は漫画をずっと読み続けている人にとって意味の分からないコマがあってはいけない”と考えている。ただ、シャンクスが『新時代』・台頭する若者たちを思い浮かべる際にウタがいないと鬼すぎる」「映画は“僕の中では存在する世界”だけど、同時に漫画しか読まない人たちには余計な情報を与えないようにする、というルールがある」「だけど、“映画は存在する”という説得力としては、シャンクスは絶対ウタを思い浮かべる。なので折衷案としてコマのスミッコのシルエットでのみ描かせてもらった」とコメントした。
VIVRE CARD「脅威!“新世界”の強者達!!」においてもこのコマについて触れられており、『ルフィ、モモの助、日和、そして…!』という文面で彼女の存在が示唆されている。
その後、ルフィが仲間以外で誰に自身の夢の果てについて話したかを思い出す際に
「シャンクスと… エースとサボだけだったか」
と、シャンクスの名を挙げた後に一度間を開けている。
『CHRONICLE OF UTA』修正版で「ウタに触発されてルフィは自分の「新時代」の夢について考えるようになり、ウタと別れてから"夢の果て"を決めた」が人数を確認していることから「ウタには話したかどうかを思い出している」という話題になった。
アニメ本編への出演
2023年11月5日公開のアニメワンピース第1082話『新時代到来!赤髪の皇帝の怒り』にて上記のシルエットシーンがアニメ映像として放映されX(旧twitter)のトレンド入りした。
原作では曖昧な描かれ方をしていたがアニメでは黒塗りのシルエットながらに楽しげに一回転する幼少期のウタが原作よりもわかりやすくはっきりと描かれていた。
このことは公式twitterでも取り上げられている。(1)
この他にも該当シーンのレイアウトと原画を担当したアニメーターの荒木氏が『本誌を読んだときから描きたいと思っていたので嬉しかった(2)』と呟いた他、撮影を担当した石塚氏が『どうしてもやりたかったので嬉しかった(3)』と語っており彼女が多くの人に愛されたことを示している。
『ONE PIECE学園』
2023年には公式スピンオフの学パロ漫画『ONE PIECE学園』にルフィたちのクラスの転校生として登場。
最初の挨拶で「ルフィの幼馴染」と名乗ったことでルフィに恋をしているハンコックから勝手に恋のライバル認定されるというまさに公式が最大手の展開が描かれた。
地上波放送の出演
2022年末の有名な音楽番組にも出演が決まっており、公式も「UTA TV LIVE TOUR」と銘打ってそれぞれの衣装が新規含めて用意されたり「ウタ日記」がアフタートークとして配信されている。
詳しくは⇒こちら
このラストを飾るのが大晦日のNHK紅白歌合戦。
もちろん初出場でしかも歌唱担当のAdoとしてではなくウタとしてである。
アニメキャラが紅白に登場するのはピカチュウやアラシニャン、大泉洋に無茶振りをした葛城ミサト、2年連続で遺影が映った煉獄杏寿郎など様々な形で前例はあるが正式な歌手として出場するのは史上初となった。
またおまけ漫画によるとウタも大泉洋にドッキリを仕掛けるらしく、実行された。
この点でも彼女は新時代を切り開いた存在と言えよう。
なお「架空の人物」としては1997年に連続テレビ小説で演じたのがきっかけで実際にCDも発売した歌手「オーロラ輝子」名義の河合美智子、その翌年にはコント番組から生まれた大半が本名や元の芸名のもじりながらキャラ名と設定付きの「ポケットビスケッツ・ブラックビスケッツ」、2005年の同じくコント番組出身の「ゴリエ」がいる。
考察
本編後の消息
ウタの歌声が現世にしっかり残り世界中に広まったということはエンドロールで明らかになっているが、ウタ本人がその後どうなったのかは本編でははっきりと描かれてはいない。
そのため、ウタの生死については意見が分かれている。
亡くなってしまった説の根拠としては
- ルフィとの最後の会話を交わした時の彼の表情
- エレジアから去る赤髪海賊団が棺のようなものを囲んでいた
- 映画本編の締めくくりに流れた「風のゆくえ」に「私が消え去っても歌は響き続ける」という歌詞がある
- エンドロールの挿絵で登場したウタのアルバムのタイトルが「FIRST&LASTアルバム」
- 亡くなってしまったが故にこのタイトルになったという解釈
- 入場者特典の四十億巻に原作者直筆で「死にゆくウタ」という記述がある
- ただし死にゆくという表現を使われ生存したアイスバーグなどの事例もある
- 小説版でも「柩で眠るウタ」などのウタの死を示唆する表現がある
などが挙げられる。
一方、ウタは生存している説の根拠としては
- エンドロールの挿絵にてペローナが手に持つ新聞に"Princess survived"「姫は生き残った / 生還した」と書かれていたという説(副音声上映で原作者も言及した)
- エンドロールの挿絵で登場したウタのアルバムのタイトルが「FIRST&LASTアルバム」
- 世界の歌姫としては最初で最後であるためという解釈
- その他の挿絵でもウタのファンを含めキャラクターほぼ全員が歌を笑顔で聴いており悲しんでいるキャラクターが居なかったこと
- ウタが瀕死の際歌った「風のゆくえ」はトーンダイヤルで広まったそれと声の覇気など明確に違っていること
このように双方共に根拠がありウタの生死を断定することは難しい。
ただ、これらの根拠を否定しようとすると生存をほのめかす要素はあるが、公式の隠喩を覆すほどの根拠が揃っていないことから死亡したとするのが優勢であり原作者本人もそれを追認している。
そして新しい情報として10月1日(ウタの誕生日)から配布された映画特典第5弾のメモリアルカードでは実際に映画内で使用されたエンドロールのノンクレジットバージョンが閲覧可能となっている。
この中には確かにペローナが新聞を持っている描写が確認されているが読める範囲で新聞内に書かれている文章は
PRINCES OF MUSIC, FOREVER「歌姫よ、永遠に」
NEVER ENDING MUSIC OF ELEGIA「エレジアの音楽は不滅である」
WE NEVER FORGET HER MUSIC!「私たちは彼女の音楽を決して忘れない」
この3つである。
つまり"PRINCESS SURVIVED"という文章は確認ができなかった。
そして10月1日に公開された脚本家の黒岩勉氏のインタビューでウタが亡くなったことが明らかになった(直接的な表現はされておらずケジメをつけてもらったとあるのでその後は不明)。
黒岩氏曰く「自分なりに物事を収める自立した強さがないと話として深みがなくなってしまう」とのこと。
なお、11月5日から始まった副音声上映では副音声上映での「“『FILM RED』はマルチバースではない”とおっしゃっていたが、映画全部の出来事があったことですか?それとも過去編あたりまでが本当にあったことで『RED』の事件は原作では起きてないのですか?」という質問に対し、原作者は「あります。映画の世界全部ある。同時に漫画しか読まない人たちには余計な情報を与えないようにする、というルールがあるので原作には引っ張ってこれない」と語った。
同時に「ウタは生きているのか死んでいるかを皆気にしているのだろう」ということで「僕は、『CHRONICLE OF UTA』にて「死にゆくウタ」としか書いてないらしいです。「死んだ」とは書いてない。以上です」とフォローを入れた。
更に再上映特典として配布された巻四十億一の帯コメントにて原作者は、ウタの生死について『ウタが死ぬのは人に忘れられた時だけです。』と述べている。
余談
- 歌い手「ado」との関係
現実の日本の歌手adoとの関係性は「親友」とのことである。
- 読者(視聴者)からの評価
“世界の歌姫”という肩書きを持ち、シャンクスの娘でありルフィの幼なじみという重要なキャラであるにもかかわらず、原作でその存在自体が全く描写されることなく映画のために制作されたキャラクターであるウタは映画公開までの間に配信された「新時代」を筆頭とした歌やウタ日記などを通してその人物像を明らかにしていった効果もあって少しずつその人気を高めていった。
- 劇場版の敵として
ウタは映画シリーズ初であり且つ原作を見ても殆ど例が無い仲間も部下も持たずに単身で麦わらの一味全員と渡り合った者である。
ウタウタの能力で眠りに落ちた者達を操る・ウタワールド内であれば兵隊等の戦力を出現させられるといった特性があるとはいえ、組織と呼べるものに身を置くことなく個人の力、敢えていうならトットムジカの存在のみで最後まで戦い抜いたという点で他の相対した者達と比べても異色なキャラといえるだろう。
またルフィと敵対しながらも、ルフィが最後まで手を出すことのできなかった点でも異色であると言える。
他にも単身で多くの強豪らと渡り合った劇場版ボスとして前作のダグラス・バレットがいるが、彼の場合は目的のためにブエナ・フェスタと一時的に組んでおりその興行力を利用していたという点での差はある。
なお、フェスタも同じく「おれの新時代」を目指していたが彼は「奪い合い血を流す」という全くの逆。
大海賊時代とともに無理心中を決めようとしたという意味では『ONE PIECE FILM Z』のゼファーという前例がないわけではないが、あちらはあくまで凶悪な海賊が特に多い"偉大なる航路"後半の海である新世界のみを狙い主敵は海賊であり民間人の犠牲は巻き添えであるという認識はあった点が異なる。
また『ONE PIECE FILM GOLD』のギルド・テゾーロもウタと同じくエンターテイナーとして名を馳せていた他、お互いに大切な人を形は違えど失った経験を持っている。
ただ性格に関しては全くの真反対であり、金のない人間を人間とも思わず傍若無人に振る舞うテゾーロはウタと全くもって相容れない存在と言えよう。
ちなみに本作の最初の情報解禁の際に尾田先生は「映画で伝説のジジイ描くのもう疲れたんだよ!笑」とコメントしており彼女の異例さは意図的な、言わばマンネリからの脱却を狙ったものであることが窺える。
前述の“伝説のジジイ”枠になってしまうが、(こちらはなおさらパラレル感あるが)ゲーム『ONE PIECE アンリミテッドワールドレッド』のヴィランのパトリック・レッドフィールドも孤立無援の信条で奮闘しており、ある意味でウタと同じような信念たる存在感の同類とも捉えられるかもしれない。(レッドフィールドの孤高一筋のポリシー、ウタの海賊嫌いから、仮に両者が接触したところで前述のテゾーロ同様相容れるわけがないが)
- 血筋
本編にてウタを革命の芽と判断した五老星の1人が「あの娘がフィガーランド家の血筋でもか?」と発言しウタを抹殺することに少し躊躇いが生じたもののトットムジカの存在があったことにより結局ウタ抹殺の方向で話は進むこととなった。
本編ではそれ以降フィガーランド家の名前が出ることはなかったが、フィガーランド家が世界にとって重大な存在と読み取れるこの発言はルフィの言葉からウタがシャンクスの実の娘であると仮定した上での発言である。
が、実際ウタは赤髪海賊団に拾われたことでシャンクスの義理の娘となった。
つまり、ウタとフィガーランド家に血の繋がりはなく、作中でこの血筋に該当するのは…。
- 過去出演との関連性
ボイスキャストを務める名塚女史はテレビシリーズのオリジナルストーリーに2回ほど出演経験がある。
このうちソランという少女はバーソロミュー・くまに飛ばされたニコ・ロビンがテキーラウルフにて出会うのだが、彼女が描いた絵の中に本作の舞台となる島「エレジア」を彷彿とさせるものがある(参照ツイート)。
- ダブルキャスト制
ボイスキャストと歌唱キャストが異なるアニメは同じく歌をテーマにしたマクロスシリーズや『アイカツスターズ!』までのアイカツシリーズ、週刊少年ジャンプでは『SKET DANCE』と『Dr.STONE』のリリアンでも例がある。
ちなみに『ONE PIECE FILM GOLD』ではカリーナ役の満島ひかりは元歌手のためかダブルキャストとはならず劇中のステージ歌唱も担当していた。
- PEACH JOHNコラボ
ウタをイメージしたブラセットやランジェリーが販売されることとなった。
厳密には本人が身に着けているものという設定がされている訳でもないのだが、全世界に堂々と下着を披露される歌姫と言うのはなかなかに気恥ずかしい話である。
ちなみにラインナップは彼女のほかにナミ、ロビン、そしてパジャマのシャンクス。
- ルフィとウタの関係
ウタがよく言う「負け惜しみぃ」だが、脚本家曰く本当は「ルフィは海賊として大きな事を成し遂げると感じていたが故に、負けを認めている自分に対して言っている」とのこと。
また、ルフィにとってウタは「殴れる相手ではないので殴らなかった」とも明かされた。
ちなみにこちらは尾田先生が発案し最後までこだわった事である。
- ゲーム版において
『ONE PIECE 海賊無双4』のDLC第5弾にてシャンクスやコビーと共に登場した。しかし、あまり強くなかったことから後日上方修正された。
関連イラスト
幼少期
本編
関連タグ
ONEPIECE ⠀劇場版ONEPIECE ⠀FILM RED
名前がまだ発表されていなかった際にネットミームにもなったポスターのセリフ「海賊やめなよ」からファンの間で付けられた通称。
ホビウタ ⠀ヤンデレウタ ⠀闇ウタ ⠀ルウタ ウタ(幼少期)
人物・要素
歌姫アン…歌姫&映画登場キャラ繋がり
ワンピース映画ヴィラン
ダグラス・バレット→ウタ