※この項目には『ONE PIECE FILM RED』の重大なネタバレが含まれています。 |
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「人の恐れ、人の迷い。トットムジカの名のもとに。怯えよ、逃げよ。」
解説
音楽の島エレジアに封印されし「歌の魔王」。
黒いハットを被ったピエロとも竜とも見える顔立ちで、両腕がピアノの鍵盤になっている異形の怪物。数珠のように並んだ髑髏の霊魂を首元に浮かばせている。
第1形態から第3形態まであり、ウタとのシンクロによって徐々にその姿は禍々しいものとなっていった。
ウタウタの実の能力者が禁忌の楽曲『TotMusica』を歌うと、「ウタウタの世界」(ウタワールド)のみならず現実世界にも降臨でき、一度顕現すれば最後、ウタワールドと現実世界両方に姿を現し破壊のかぎりを尽くす。
明確に悪意のある意思が存在するらしく、楽譜自体が自力の活動・浮遊ができる。
かつてエレジアを滅ぼした際も、何も知らないウタを利用し封印を解かせており、作者の尾田栄一郎氏も「本作唯一の悪役」と評している。
伝承は資料室の天井画に描かれており、ニコ・ロビン曰く、「『触れてはならないもの』としか読み取れず、古代兵器に類するものかどうかはわからない」らしい。
詳細は不明だが世界政府の上層部はその存在を知っている様子がある。特に五老星は当人達が四皇勢力の一角と互角以上に渡り合える実力を誇るにもかかわらず魔王の出現と同時に世界の存続を諦めており、魔王を四皇や革命軍が及びもつかない程の脅威として認識している。
事実、エレジアに顕現した際には赤髪海賊団が立ち向かったのにもかかわらず、国民が皆殺しにされて国が滅ぼされているという大惨事を引き起こしている。
またジャンプジェイブックス版の小説版には『「寂しい」「認められたい」「誰かに見つけてほしい」といった歌を愛する人々の負の感情の集合体』と説明されており、現に魔王は行き場のない自分の気持ちを受け止めて、自分を形作ってくれる存在をいつも探しているらしく、『ONE PIECE』でこの類の存在が登場するのは初となる。
勿論やろうと思えば撃退も可能で、倒せばウタワールドから解放されるが、厄介にもウタワールドと現実世界、両方から攻撃しなければダメージは通らず、何かしらの方法でウタワールドと現実世界で連携しない限り倒すのは不可能。
しかも目から放つ赤色の破壊光線や、形態を変える度に増加する長い腕で相手の攻撃を容易く防御する上にリーチの長い攻撃で圧倒し、一切の死角のない苛烈な攻撃の前では倒すのも容易では無い。
さらに悪魔の実の特殊能力も通用しないのか、作中ではバルトロメオのバリアやトラファルガー・ローのROOMを容易く破壊している。
劇中では2回(壁画に描かれていた描写を含めるなら3回)復活しており、12年前の復活ではウタを利用し蘇ったが、当時はウタが幼く体力がなかった事もあり、完全に復活する前にウタが眠ったため消滅した。
しかし、本編中ではウタの成長もあり第3形態まで達し、一時は万事休すにまで至る。
だがウソップ・ヤソップ親子の見聞色の覇気による視界共有により、1つずつ抵抗手段を奪われ、最後はシャンクスとゴムゴムの実の能力を覚醒させたルフィの同時攻撃により撃破された。
しかし解除されるはずのウタワールドが解除されず(トットムジカが成長しきったためとされている)ルフィたちが戻れずにいた……
尚、左目に十字の傷があり潰されているが、これが12年前につけられたのか、それ以前のものなのかどうかは不明である。
形態
映画の特典やONEPIECEmagazine等では『楽章』という表記で表現されている。
- 第一楽章
出現直後の姿。
赤い顔に上半身のみの案山子のような姿。
- 第二楽章
顔が青白くなり帽子に竜の顔のような意匠が追加される。さらに鍵盤の足が追加され機動力と攻撃力が上がる。
- 第三楽章
最終形態。
巨大な四手に二足。そして黒い翼が生える。さらに帽子の衣装がより豪華になり髑髏の数珠の数も五つに増加する。
余談
- 名前
pixiv百科事典では楽曲名が『Tot Musica』、それにより呼び出される魔王が『トットムジカ』という風に名称が分けられている所があるが、実際は両者は同一なもので、本来はこのような違いはない。例えば40億巻では歌の魔王も『Tot Musica』表記がされており、小説版では楽曲も『トットムジカ』とされている。
pixiv百科事典での表記の違いは、あくまで区別を分かりやすくするため、ファン間で生まれた呼び分けの意識を持っていた方がいいだろう。
- モチーフ
『Tot Musica』のモチーフであると目される『シューベルト』の『魔王』そのものであり、“父から子を引き離す”点においても、『魔王』とリンクする部分がある。