概要
2000年3月4日に第1作となる『ONE PIECE』が公開され、興行収入が20億円を超える大ヒットとなり、翌年の3月3日に公開された『ONE PIECE ねじまき島の冒険』が、それを上回る30億円を記録。これにより、ドラえもんと同じく毎年3月に新作が公開されるのが定番となった。
しかし、主要キャラである麦わらの一味は、原作の展開の流れと共にメンバーが増えつつある事もあって、作劇を保つ事が徐々に難しくなっていき、2005年3月5日に公開された『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』は、12億円という大幅な失敗に終わり、それ以来興行収入が10億円を超えない事に悩まされていた。
転機を迎えたのは2009年。この年の12月12日に公開された『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』だ。「作者尾田栄一郎が総指揮を務め、漫画0巻が配布される」という触れ込みもあって原作読者も呼び込み、48億円という当時のアニメ映画としては最高の大ヒットであったポケモンやジブリ映画以外のそれまでのアニメ映画にはない大ヒットを記録。この時の原作者による漫画特典というのは、アニメ映画の新たなヒット要因として、『BLEACH』や『鋼の錬金術師』、『NARUTO』や『FAIRY TAIL』の映画でも行われるようになった(0巻商法と揶揄される事も)。
それ以降は長期間の製作に時間を費やして2年以上の間を開けての公開、原作者尾田栄一郎を作品作りに関わらせて(『ONE PIECE FILM GOLD』の時は「名前だけ、CEOでいいから関わってほしい」と言われたという)公開時の特典に原作者によるネームや設定画をつける形をとっている。
その結果現在では、東映の映画史上最高の大ヒット映画シリーズとなっている(ちなみに、同じく東映の実写映画で1番の大ヒット作は、『相棒』の劇場版シリーズである)。
『ONE PIECE STAMPEDE』では監修という形で尾田栄一郎が関わることが決定している。
歴代劇場版作品
公開年 | 作品No. | タイトル | タグ | ボス |
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2000年3月4日 | 1 | 『ONE PIECE』 | ONEPIECE(2000) | エルドラゴ |
2001年3月3日 | 2 | 『ONE PIECE ねじまき島の冒険』 | ねじまき島の冒険 | ベアキング |
2002年3月2日 | 3 | 『ONE PIECE 珍獣島のチョッパー王国』 | 珍獣島のチョッパー王国 | バトラー伯爵 |
2003年3月1日 | 4 | 『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』 | デッドエンドの冒険 | ガスパーデ |
2004年3月6日 | 5 | 『ONE PIECE 呪われた聖剣』 | 呪われた聖剣 | サガ |
2005年3月5日 | 6 | 『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』 | オマツリ男爵と秘密の島 | オマツリ男爵 |
2006年3月4日 | 7 | 『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』 | カラクリ城のメカ巨兵 | ラチェット |
2007年3月3日 | 8(※1) | 『ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』 | エピソードオブアラバスタ | サー・クロコダイル |
2008年3月1日 | 9(※1) | 『ONE PIECE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』 | エピソードオブチョッパー+ | ムッシュール |
2009年12月12日 | 10 | 『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』 | STRONGWORLD | シキ |
2011年3月19日 | 11(※2) | 『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』 | 麦わらチェイス | バズ |
2012年12月15日 | 12 | 『ONE PIECE FILM Z』 | Z(ONEPIECEの映画) | ゼファー |
2016年7月23日 | 13 | 『ONE PIECE FILM GOLD』 | GOLD(ONEPIECEの映画) | ギルド・テゾーロ |
2019年8月9日 | 14 | 『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』 | STAMPEDE(ONEPIECEの映画) | ダグラス・バレット |
注釈
※1:「エピソードオブアラバスタ」と「エピソードオブチョッパー+」は、事実上原作ストーリーのリメイク版である。
※2:「麦わらチェイス」はシリーズ初の3D作品で、上映時間は歴代最短の30分。イベント上映の扱いのため、今も公式からはほとんどカウントされない。
同時上映短編映画
ジャンゴのダンスカーニバル(2001)
夢のサッカー王!(2002)
めざせ!海賊野球王(2004)
余談
多くのファンは気づいてない(ほとんど気にしてない)が、劇場版のゲストキャラを演じた声優で、内海賢二(エルドラゴ(第1作))や宮本充(シュライヤ・バスクード(デッドエンドの冒険))のように、1作限りの出演となった方も多い中、この劇場版シリーズに出演した声優の一部は、後に原作から登場するキャラの声を担当している。
- 堀内賢雄(ボロード(ねじまき島の冒険)→錦えもん)
- 林原めぐみ(ハニークイーン(ねじまき島の冒険)→レベッカ)
- 玄田哲章(ベアキング(ねじまき島の冒険)→カイドウ)
- 田中秀幸(ビンジョーカー(ねじまき島の冒険)→ドンキホーテ・ドフラミンゴ)
- 田の中勇(ブージャック(ねじまき島の冒険)→ショウジョウ)
- 江原正士(バトラー伯爵(珍獣島のチョッパー王国)→雷ぞう)
- 関智一(ヘビー総裁(珍獣島のチョッパー王国)→ロブ・ルッチ、ハットリ)
- 佐々木誠二(ビスマルク(呪われた聖剣)→ブルーノ、スクアード他)
- 中尾隆聖(Dr.インディゴ(STRONG WORLD)→シーザー・クラウン)
一方でその逆も割と珍しくない。
また、近年(特に『STAMPEDE』)では、過去に劇場版1作限りのゲストキャラ役として出演した声優が、シリーズの持ちキャラ役として再び出演する事例も増えている(関智一もその1人)。
- 立木文彦(ラコス(呪われた聖剣)→サカズキ(Z~STAMPEDE))
- 大塚明夫(オマツリ男爵(オマツリ男爵と秘密の島)→マーシャル・D・ティーチ(STAMPEDE))
- 土井美加(シャオの母(STRONG WORLD)→コビー(Z/STAMPEDE))
またテレビシリーズでは、冒頭などで大場真人によるナレーションが必ず存在するが、現在の所そのナレーションが劇場版で使用されたのは、第1作と第9作のみである。
関連タグ
ONEPIECE アニメ映画 東映 東映アニメーション 尾田栄一郎
ポケモン ジブリ 名探偵コナン …ある意味対抗馬と言える大ヒットアニメ映画のライバル。
モンキー・D・ルフィ/ロロノア・ゾロ/ナミ/ウソップ - 主要キャラである麦わらの一味の中でも、この4人は第1作から全ての作品に登場している。
青野武 - 第1作から第10作までの常連ゲスト声優であった。