「ぼくは!!! 海軍将校になる男です!!!!」
「ぼく等は、本来敵同士。馴れ合うわけにはいきませんから!」
「今度はぼくはあなたを捕まえる!!!」
「もっともっと強くなって、ぼくはいつか…海軍の…た…大将の座に就いてみせます!」
(ダメだ死ぬ!! ───だけどぼくは!!言ったんだ!!!言いたいことを!!!くいはない!!!)
※この記事は単行本・アニメ未収録の重大なネタバレ情報を含みます。 |
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概要
本作の世界の均衡を司る三大勢力の一つである海軍本部に所属する軍人。
元々は女海賊アルビダの海賊船に釣り船と間違えて乗ってしまった一般人。
その結果無理矢理航海士(兼雑用)として働かされていたが、主人公モンキー・D・ルフィとの出会いをキッカケに勇気を持つようになり、紆余曲折を経て憧れだった海兵となる。
しばらくは「東の海」シェルズタウンに位置する海軍第153支部にて雑用として在籍するも、モーガンの一件で友人のヘルメッポ共々、海軍本部中将でルフィの祖父でもあるモンキー・D・ガープの直属の部下となり、更にはとある事件をキッカケにガープと同じく「海軍の英雄」と称されるようになる。
当初は海軍将校を夢見ていたが後にそれを達成しており、現在の階級は「大佐」で、X・ドレークが隊長を務める海軍本部機密特殊部隊「SWORD」の隊員を兼任している。
ルフィやゾロとは、海賊と海兵という決して相容れぬ関係であるが、互いに友達(コビーとヘルメッポにとっては恩人)と認識している。
特にルフィに関しては大ファンとも呼べる程強い憧れを抱いていて島々での活躍に感動したり、表向き海賊をしているドレークに彼の生き様を熱弁したりもしていた。
自己評価が(かなり)低いのが玉に瑕。
プロフィール
本名 | コビー |
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異名 | 海軍の英雄 |
年齢 | 16歳→18歳 |
身長 | 167cm |
所属 | アルビダ海賊団航海士兼雑用→海軍第153支部雑用→海軍本部雑用→曹長→大佐・機密特殊部隊「SWORD」隊員 |
覇気 | 武装色、見聞色 |
武術 | 六式 |
出身地 | 東の海 サーツルゾ王国 |
誕生日 | 5月13日 (コ→5、ビー→B→13) |
星座 | おうし座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | リカが作ったおにぎり、ジャガバター |
嫌いな食べ物 | ブラックコーヒー |
趣味 | 海釣り、トレーニング |
好きな島と季節 | 春島の秋 |
イメージ動物 | イルカ |
イメージ職業 | 保育士 |
イメージ花 | ムラサキツメクサ |
初登場 | 単行本1巻 第2話『その男"麦わらのルフィ"』 |
WT100 | 42位(24841票) |
CV | 土井美加 |
人物
容姿
髪型は中分けのツーブロックで、頭頂部に2本の小さなアホ毛が生えており、その形はどことなく海軍のシンボルであるカモメを彷彿とさせる。
登場初期は猫背気味で非常に小柄(設定上は167cmなのだが、どう見てもそれより低く描写されている)で、ルフィは当時の彼を「脂肪でダルダル」と振り返っている。
ウォーターセブンで再会した頃には身長も見違えるほど伸び(それでもルフィよりほんの少し低い)、顔立ちも以前より精悍になるなど、ルフィやゾロだけでなく、作品を追っている読者の多くが驚かされた。成長期って凄い。
また、この頃には額右側に十字型の生々しい傷跡が付いており、それを隠すように花柄のヘアバンドを巻いているが、その経緯については今の所語られていない。また、眼鏡も普段は額に上げるようになった(新聞や手紙を読むときに装着している)。
2年後は頭に厚手のバンダナを巻き、トレードマークである丸眼鏡はそのまま。2年前と同じ私服のジャージの上から海軍コートを羽織るスタイルに変化し、胸元には海軍としての功績を讃えるバッチを身に付け、更に将校らしい風格と逞しさが増している。
余談だが、足に鉄球を繋がれた際にはすね毛がうっすら生えていた。肉体を酷使する環境下では人体が防御反応を起こして毛深くなる傾向にあると言われるので自然なことではあるが。
性格
登場時は性格も弱気かつネガティブ、泣き虫であり、アルビダの配下に加えられてからは決して彼女に逆らえず、予てよりの夢である「海兵になること」を諦めていた。ルフィに対しても、彼の意見や海賊王になろうという夢を「無理無理無理!」「絶対無理です!」と全力否定しては殴られる。
その後ろ向きで弱気な性格から、本人曰く「今まで友達も自分のために戦ってくれる大人もいなかった」とのこと。
こうしたネガティブな面が目立つものの、予てより心優しい性格と誠実さを持ち合わせており、初対面のルフィにも当初から丁寧な口調で接している。知識も深く、二人での航海中は世界の海や海軍の成り立ちについて解説する場面もあった。また、ルフィの物怖じしない性格や、たとえ死んでも悔いを残さない生き方に感化され、以降はアルビダと決別し、ヘルメッポの脅しにも屈せず、リッパー中佐の前で「海軍将校になる」と宣言するなど、土壇場で強い勇気を発揮するようになる。
その後、とある事件を機にヘルメッポ共々海軍本部中将にして『海軍の英雄』であるガープに引き抜かれ、彼とその副官ボガード指導の下、心身共に大きな成長を遂げる。コビーにとってはまさに『運命の出会い』と呼ぶに相応しい出来事で、『海軍将校』という夢へと大きく近付く転機となった。
ガープに拾われてからはガープの訓練をこなしつつ、ヘルメッポと共に毎夜自主訓練をしていた。
勉学でもガープに拾われる前から夜間に一人で勉強したり、扉絵ではたしぎに勉強を教えて貰っている際、隣に私物と思しき付箋が挟まったノートや本が積み上げられている。
ウォーターセブンでルフィやゾロと再会した頃には「曹長」にまで昇進し、性格についても以前より堂々としており、ルフィとの再会時は(ガープからの指示もあり)六式を駆使した体術で攻撃を仕掛けている(CP9との戦いですでに六式を把握しているルフィにはすぐねじ伏せられてしまったが)。
2年後の世界では「大佐」まで昇格。「将校になる」という夢を見事に叶えている。
持ち前の優しさと正義感から市民達からも人気が高く、キュロスにも「好青年」と思われるほど物腰の柔らかい青年として成長しているが、ただ、この頃になっても涙脆さは残っているようで、新聞でルフィの活躍を知った際には滝のような涙を流して喜んでいた。
また、ワノ国編にて海軍本部の機密特殊部隊「SWORD」の隊員を兼任していることが明かされた。
女ヶ島に攻め入った黒ひげに意見するほど度胸も備わり、黒ひげ海賊団の本拠地に拉致された際も言い返している。
一方で暴走するウタを説得しに行ったものの、ウタが掲げる争いや苦しみのない理想の世界「ウタワールド」を残酷な世界を知っているがため否定出来ずに口ごもったり、善人過ぎるが故にバスコ・ショットに「街を燃やせば非力な民間人を見捨てられないため逃げられなくなる」とその甘さを見抜かれている。
事実、助けを求める民間人に成りすました黒ひげ海賊団の船員の罠にあっさり引っ掛かっていることなど、まだ精神的な未熟さは拭いきれていない。
ガープに引き取られた時点では階級すらない雑用だったのが、三等兵→二等兵→一等兵→伍長→軍曹→曹長→准尉→少尉→中尉→大尉→少佐→中佐→大佐……と、他の者達同様約2年間で10階級以上の超スピード出世を遂げている(彼の新たな目標とした「大将」にも、准将→少将→中将→大将と、あと4階級で届く)ことや、後述する『見聞色の覇気』の高い素養から、指導者であるガープとボガードの薫陶の素晴らしさと本人の努力、そして秘めていた天賦の才が窺える。ガープにしてみれば、『自慢の愛弟子』だろう。
戦闘能力
基礎戦闘力
ガープの下で鍛えられ一端の海兵となって以降は素手による体術を駆使して戦っている。
新世界編ではアニメ『エピソードオブルフィ』で先行登場した際にはパンチで大岩を砕き、飛んできた瓦礫を素手で受け止めて仲間を救うなど人間離れした活躍を見せた。
世界会議編では海賊の潜水艦から放たれた魚雷の軌道を曲げる荒業を成し遂げていた。
また、元々が海兵志望から海にまつわる様々なことに詳しく、アルビダ海賊団に航海士として身を置いていた経緯から、航海術も身に着けている。
自身を「人より戦いの才能が無いため100倍、200倍努力しなくては誰かを守れる立派な海兵になれない」と認識し、それをカバーするためにガープの特訓と更に追加で軍艦バッグを行うという毎晩血の滲むような自主訓練をしていた。
ゆえに最大の強みは、2年強という短い期間の中で積み上げた他人の比ではない努力に根差す地力そのものであり、攻撃力という点ではガープにも引けを取らない。
目下の課題はメンタルの方であり、自己犠牲的な部分と謙虚さが裏目に出て、鍛え上げた実力を今一つ発揮しきれていない(ハチノスから脱出する際も「自分のせいで皆が死ぬ」と自分を追い詰める形で鼓舞しなければ本気になれなかった)。
覇気
内容 |
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基本的な2種類の覇気(武装色・見聞色)を修得しており、中でも見聞色を得意としている様子である。
また、六式も修得しているが、この武術には覇気の修業と類似した鍛錬により実現すると判明している。
見聞色の覇気
内容 |
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見聞色はマリンフォード頂上決戦において極限状態から開花させ、大佐になる頃には相棒のヘルメッポがやっかむ程まで使いこなしている。その力は遠方の海賊の潜水艦から発射された魚雷の気配を探知できる程で、さらに心力から相手の強さを推し量ることもできるようになっている。
因みに見聞色による「相手の強さを推し量る」は、ルフィも既に2年間の修業で修得しており、同じ見聞色を扱える者でもある程度熟練した実力者になれば扱えて当然の派生能力であるため、驚くほどの特別な技能というわけではない(※ルフィに関しては、見聞色の修得シーンの詳細がアニメ版(3D2Y)で描かれていることに加え、作中では2年後以降に強者相手にするときなどに当然のように複数回使用している)。
武装色の覇気
内容 |
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武装硬化による拳の黒化までは会得しているが、ルフィやレイリーのように枷を覇気を使って外せなかったことから、まだ「流す覇気」や「内部破壊」などの高等技術には届いていない模様。
六式
内容 |
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ウォーターセブンでのルフィとの再会時に“剃(ソル)”を会得していることが判明。
2年後では六式を全てマスターしたようで、テレビスペシャルにて“嵐脚”や“獣厳”らしき技を使用していた。
但し、全体的に描写が非常に少ないということもあり、不明点が多い。
技
- 実直拳骨(オネスティインパクト)
「武装色の覇気」を纏わせた拳の一撃。
シマシマの実で巨人以上に巨大な腕となったアバロ・ピサロの拳を粉砕する破壊力を誇る。
師であるガープの二つ名『拳骨』と、彼の最大の必殺技『拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)』の二つを掛け合わせ、さらにコビー自身の最大の長所である『実直』を重ねた名を冠した現在のコビーの最大にして最強の奥義。
作中での活躍
第1部 サバイバルの海 超新星編
ルフィとの出会い
原作第2話にて初登場。
幼い頃から海兵になることを夢見ていたが、ある日趣味の海釣りにいくため小舟に乗ろうとして、間違えて女海賊“金棒のアルビダ”たちが停めていた小船に乗ってしまったことをキッカケに、そのまま拉致されて2年もの間アルビダ海賊団の航海士兼雑用として働かされていた。当時はアルビダや他の船員たちを恐れて逆らえず、理不尽に暴力を振るわれても彼らの機嫌を損ねぬよう常に作り笑顔で乗り切るなど健気な生活を送っていた。
あるとき、偶然アルビダの船に担ぎ込まれてしまった(乗っていた小舟が渦潮で難波し、咄嗟に逃げ込んだ大樽がアルビダの船員に回収された)モンキー・D・ルフィと出会い、しばしの交流を交わす。
アルビダの前ではヘラヘラと媚びてばかりだが、いない場所では自分の不遇をグチグチと呪いつつ、それでも現状の打開などできないと諦めているコビーの態度をルフィはあまり好んでおらず、「おれ、お前みたいなの嫌いだなー」と笑顔でさらりと言ったこともある。
コビーもそんなルフィを苦手に思っていたが、ルフィの「海賊王になる」という大それた夢と、悔いを残さない生き方に次第に感化されたコビーは、これまで恐ろしくて逆らえずにいたアルビダの前で、自身が美しいと信じて疑わない彼女に対して「この海で一番イカついクソババアです!!!!!」と反旗を翻して勇気を示した。この言葉を受けるなりルフィは大笑いしながら、怒り狂ってコビーに襲いかかるアルビダを拳一つで打ち負かし、海賊団にコビーを解放するように要求。他の船員たちも、あれだけ怖れたアルビダを一撃で倒したルフィに逆らえるわけもなく、小舟を譲渡して二人を行かせることを了承した。
シェルズタウン編
その後はルフィと二人で海軍第153支部のあるシェルズタウンに渡り、夢である海兵になれると喜んだのも束の間、同支部の司令官であるモーガン大佐による悪政と蛮行により、シェルズタウンの住民にとって海軍は恐怖の代名詞であることを知らされる。
ルフィは、支部に捕らえられていた“海賊狩り”ロロノア・ゾロを仲間にしようと、処刑される彼を救うために支部に潜入し大暴れする。コビーもルフィに協力し、彼がゾロの刀を探しに行っている間、広場に磔にされているゾロの縛を解こうとしていた。終盤、モーガンの息子ヘルメッポに拳銃を向けられ人質にされるも、アルビダとの決別と同じく勇気を振り絞り、彼らにモーガンを止めるよう進言した。結果、モーガン父子はルフィたちによって倒され、町民および配下の海兵たちはその恐怖政治からの解放を喜んだ。
町で食事をしながら今後のことについて話し合っていたルフィ・ゾロ・コビーたちの前に、暫定的に(後に正式に)第153支部の責任者となったリッパー中佐が現れる。リッパーは、モーガンの暴走を止めてくれたことを感謝しつつも、海軍という立場上、海賊を名乗る二人を見過ごすことが出来ないとして、追走や本部への通報はしないことを条件に即座に出港するように要求する。この際、コビーも海賊なのかを尋ねられ、(脅されていたとはいえ)2年間もアルビダ海賊団に身を置いていた手前言い籠もっていると、ルフィがアルビダとの繋がりを暴露しようと喋り出し、咄嗟に彼を殴りつけ、そのまま殴り合い(というかコビーが一方的に殴られる)に発展する。
民間人の少年が海賊に一方的に殴られる様子を見たリッパーは、二人が無関係だと判断してコビーを不問とし、ルフィとゾロに即刻出ていくように告げる。同時に、コビーはルフィが自分のために一芝居打ってくれたことを悟り、その場でリッパーに海軍入隊を志願する。一部の海兵が未だコビーの身元を疑うも、「ぼくは海軍将校になる男です!!!」と力強く説き伏せ、リッパーも彼の気概を認め、雑用からの勤務を許した。
その後、旅立とうとするルフィとゾロに対して感謝の言葉と共に敬礼で見送り、リッパーたち支部の海兵たちもそれに続いた。
モーガンの一件で『海軍=腐敗した組織』と印象付けられた後だったこともあり、このシーンは『コビーが「入隊したい」と思うのも納得できる、強く優しく正しい海兵』を描いた名シーンである。
なお、曲がりなりにも海賊で有るルフィ達に対する敬礼は海軍軍法の規律を犯すものなので、当のリッパーによって自身を含む海兵たち全員は一週間食事は抜きになったとの事。もちろん直前に入隊したコビーもこの中に含まれているだろう。
コビメッポ奮闘日記
扉絵連載である『コビメッポ奮闘日記』では、その後のコビーとヘルメッポについてが描かれた。
モーガンの失脚によりその権威を失ったヘルメッポと共に支部の雑用として基地内の清掃、洗濯、物品の手入れといった雑務をこなしつつ、夜は寝る間も惜しんで勉学に励むなど、海軍将校になるため日々努力の生活を送る。また、ゾロ救出の一件以来、ゾロの身を案じていた少女・リカとも接点が生まれ、昼食時には(ヘルメッポも一緒に)彼女手製のお弁当を受け取ったりなどしていた。
程なくして、海軍本部中将モンキー・D・ガープの一軍が訪れ、東の海上において罪人モーガンの身柄引き渡しが行われるが、モーガンは隙を突いてガープを斧手で斬りつけ、実の息子であるヘルメッポをなんと人質にして軍艦の小舟を奪い脱走する。ガープの副官・ボガードが、即座にモーガンを人質諸共砲撃するよう指示するが、コビーは友人であるヘルメッポを救うため身を挺して阻止。両手に持った拳銃で威嚇しながら砲口の前に仁王立ちし、居眠りから復活したガープがゲンコツで大砲を破壊したことにより事なきを得る。ヘルメッポも、父と決別し単身泳いでコビーたちの下へ帰還した。
モーガンを取り逃がした失態をコビーおよび支部の海兵たち全員で土下座しガープに謝罪するが、ガープから「二人(コビメッポ)を預かる」ことを告げられ、共に本部に栄転する。
本部に異動してからは、これまでより更に業務に打ち込むようになり、日中は雑用、夜はヘルメッポと鍛錬という血の滲むような努力の日々を送る。
TVアニメ版では本部での動向が多少補完されており、アーロンパークを陥落させたルフィが3000万ベリーの賞金首となった報せを受け雑務中にヘルメッポと密談していた際、コビーがルフィのことを「友達」と呼んだことをガープに聴かれてしまい、その日の晩、海岸に呼び出され「海兵としての覚悟」を問われることになる。ヘルメッポにとっては関わりのない話のはずだったが、先のモーガン脱走事件もあってか「連帯責任」としてコビーを庇い、共にガープに挑み、二人仲良く拳骨でボコボコにされた。
以降はガープやボガードからの指導もありメキメキと成長。ジャンゴが主人公の扉絵連載においても最終回に少しだけ登場していた。ウォーターセブンでの再登場時点で本部曹長というスピード出世を果たし、短期間で六式の“剃”を体得するなど急成長を遂げる。
(また、この期間の間にガープがルフィの祖父であることを知らされた模様)
ルフィとの再会
エニエス・ロビーでの決戦を終え、ウォーターセブンで療養するルフィのもとに向かうガープにヘルメッポ共々同行。この時点で階級は曹長となっている。雑用として拾われてから作中でまだ一年もたっていないはずなので、相当なスピード出世である。
散歩から帰ったゾロが、一味が滞在するガレーラの宿舎が海軍に包囲されていることに驚き乱闘をはじめ、これを止めようと駆け出したルフィをガープの指示で強襲。華麗な体術で応戦するも、すでにCP9の六式の達人たちと戦っていたルフィにはまるで敵わず、すぐにねじ伏せられてしまった。ここでルフィやゾロと再会の挨拶をし、二人からはあまりの変貌っぷりを驚かれた。
その後はヘルメッポ含む4人で当時を懐かしみながら談話し、「いつか二人を捕まえられるくらい強い海兵になる」「大将まで昇りつめる」と新たな夢を語る。言った直後に恥ずかしくなって取り乱すも、ルフィとゾロはその目標を嘲笑うことはせず、夢を後押しした。
また、このときガープからルフィが革命軍の長ドラゴンこと“モンキー・D・ドラゴン”の息子であることをサラッと教えられ、麦わら一味、海兵たち、ガレーラの面々共々驚愕していた(そもそもドラゴンの本名が公表されること自体が初である模様)。
マリンフォード頂上戦争
白ひげ連合軍と海軍本部によるマリンフォード頂上戦争では、死刑囚ポートガス・D・エースの目前まで差し迫ったルフィの”敵”として対峙するも、ルフィの気迫に気圧されて一撃で倒され、そのまましばらく昏睡する。
そこから目を覚ましてからはルフィの動向を見守っていたが、海兵や海賊たちが次々と倒れ行く地獄絵図を見て、極限状態に達した精神が見聞色の覇気を覚醒させる。
戦場を埋め尽くす悲痛な声にいたたまれなくなり、覇気の覚醒による極度の混乱状態から、海賊を一人も生き残らせまいと暴れる大将サカズキの前へ遂に飛び出し、決死の覚悟を持って、悲痛な叫びを上げ号泣しながら攻撃中止を懇願する。
「そこまでだぁぁぁぁーーっ!!!!!」
「もうやめましょうよ!!!もうこれ以上戦うの!!!やめましょうよ!!!命がも゛ったいだいっ!!!!」
「兵士1人1人に…!! 帰りを待つ家族がいるのに!!!」
「目的はもう果たしてるのに……!!!戦意のない海賊を追いかけ……!!止められる戦いに欲をかいて……!!」
「今手当てすれば助かる兵士を見捨てて……!!!その上にまだ犠牲者を増やすなんて」
「今から倒れていく兵士たちは……!!!!まるで!!!!」
「バカじゃないですか!!?」
勿論サカズキは聞き入れず粛清されそうになるも、四皇の海賊・赤髪のシャンクスが突然現れて仲裁に入ったことで救われ、そのまま意識を失った。結果として、このコビーの行為が終戦のきっかけとなり、ルフィの生還を助けることになった。
(ちなみに3人全員が正確に知る故のない話ではあるが、シャンクスはルフィの恩人であり、コビーにとってルフィは恩人である。そんなコビーの決死の行動でシャンクスの介入が間に合い、それがルフィを助ける結果になったというのは、何とも因果な話である)
戦後、意識を取り戻した際、軍医から戦時中に覚醒した「覇気」について説明され、初めてその存在を知った。見舞いに来て同じく話を聞いていたヘルメッポからは「またお前だけ先に行くのか」と羨望と嫉妬の言葉を向けられていた。
ロッキーポート事件~SWORD加入へ
麦わらの一味が活動を停止した2年の間に勃発した大事件に関与。トラファルガー・ローやマーシャル・D・ティーチ、更には伝説の海賊王直も関わった中でコビーは多くの市民を守る戦果を挙げる。
この功績により、コビーは海軍の英雄の1人に数えられるようになった。
その後、詳しい時期と詳細は不明だが、海軍の機密特殊部隊SWORDに所属することになったコビーは自身のマリンコードを返上。上層部の命令を聞かずに自由に動ける立場を得ることと引き換えに、いつでも切り捨てられる人物という扱いを受けることになった。
第2部 最後の海 新世界編
世界会議編
2年後となる新世界編では、階級が大佐にまで昇格したと判明。
ドレスローザとプロデンス王国の船を狙う海賊の潜水艦から発射された魚雷を遠方より見聞色で確認するや否や、すぐさま海に潜り驚異的な脚力で魚雷に追いつくと水上に持ち上げ船と魚雷の衝突を防いだ。爆発のすぐそばにいたはずだが、彼の身には傷一つなく服もきれいなままだった。「発射式の爆発物を素手でなんとかする」というのは、かつてのガープを思い起こさせた。
ヘルメッポの別働隊が海賊たちを捕えた頃、コビーは両国の関係者の乗る船に上がり、以降の航路は自身らの部隊が護衛すると申し出た。
その後、キュロスの娘レベッカが持っている新聞にルフィの大見出しが載っていることに驚き、彼女に勧められるがままに新聞を読み始める。ビッグ・マム海賊団との一連の騒動を知り、四皇にまで挑戦する親友の活躍に思わず破顔して嬉し涙を流した。こうした姿を見ていたレベッカとレオからは、コビーが「ルーシー/ルフィランド」と親しい関係であることを見透かされ、軍艦に戻ろうとしたところを呼び止められ思い出話をせがまれた。
ワノ国編
第二幕~第三幕 幕間
世界会議解散後、七武海制度の撤廃によりただの海賊に戻ったボア・ハンコックを拿捕するべく女ヶ島へと出航。この時、ワノ国を支配している百獣海賊団に潜入中のSWORDの隊長からカイドウとビッグ・マムが同盟を組んだ事、ワノ国の都でCP0の姿が目撃された事などの報告を受けた。一方コビーは世界会議の期間に起きた多くの事件を報告した。
終幕後
女ヶ島での戦闘の経緯が判明。
女ヶ島到着後、本部のヤマカジ中将率いる本隊より一足先に上陸し、ハンコックの身柄を渡せば無駄な争いは防げると交渉を持ちかけるが、天竜人の元奴隷という過去を持つ彼女は即刻拒否。そこに彼女の能力を奪おうとした黒ひげ海賊団が乱入。三つ巴の戦いの結果、自分以外の海軍はハンコックにより石化させられ、彼女もティーチに捕らえられてしまう。
その後、彼女を守るべく現れたシルバーズ・レイリーの介入により海兵の石化は無事解かれたものの、手ぶらでは帰らないティーチが捕虜として海兵800名と軍艦1隻を要求した為、自身が身代わりとなりそれと引き換えに捕虜にされた海兵800名を助けるという形で黒ひげ海賊団に拉致されてしまう。
ハチノスに連行された後、ティーチに海賊島ハチノスを世界政府加盟国「黒ひげ王国」にする野望を聞かされたコビーは世界政府が犯罪者である海賊の要求を飲むことはあり得ない上に、自身がSWORDであることを打ち明けてティーチの夢実現の可能性を否定したが、自身が英雄と呼ばれていることに目をつけていたティーチは野望を諦めることはなく、コビーは結局ハチノスに幽閉されてしまった。
エッグヘッド編
ゲッコー・モリア救出のためにハチノスに単身潜入したペローナの協力によって牢屋から脱走。同じく囚われていた民間人を救出しながら島内を駆け回る中で、クロスギルドによって懸けられた5星(5億ベリー相当)の懸賞金目当ての海賊たちに包囲されるも、自身を救出すべくハチノスにSWORDのメンバーたちが救援に駆けつける。しかし、逃げる際に後方にいたひばりが青雉に凍らされたことで足止めを食らってしまう。
その後、鉄球を外し撤退しようとするも黒ひげ海賊団の船員の罠に嵌りシリュウに刺されそうになるが、自身を庇ったガープが代わりに刺されてしまう。その光景に激しく動揺するも、ガープの作ったチャンスを無駄にする事無くその場を離脱、仲間と共に何とか軍艦に乗り込む。そして自らの精神を極限まで追い込む形で限界以上の力を引き出し、追撃しようとしたアバロ・ピサロを『実直拳骨』で返り討ちにする大立ち回りを見せる。
最終的に自身は仲間達と共にハチノスから生還するも、ガープだけは「海軍の未来」であるコビー達に全てを託す為に島に残る事を決めてしまい、消息不明になってしまった。
その後は海軍GS総合病院で治療を受けながらベガパンクの全世界へ向けた告白を聞き他のメンバー同様、何らかの心当たりがある為か動揺していた。
そしてベガパンクが「ひとつなぎの大秘宝を手に入れた者に世界の命運は委ねられる」と語った事で、コビーはルフィの夢は阻止しなければならないと覚悟を決めた。
本編以外
FILM Z
ヘルメッポと共に、海軍を脱退しNEO海軍という過激組織を結成した黒腕のゼファーについて、上司のガープや元帥から退き指導役となったセンゴクから話を聞いていた。
エピソードオブルフィ
『FILM Z』公開と同日放送のテレビスペシャルで、ヘルメッポと共に登場。新世界編での立場及び実力が明かされたのは原作よりもこのスペシャルの方が先となる。
圧政を行っている疑惑のある海軍基地を視察する任務を任された大佐として登場し、物語のキーパーソンと交流したり、一般人を崩落する建物の瓦礫から守るなど大活躍を見せた。
STAMPEDE
海賊万博に集った大勢の海賊を検挙するため、デルタ島に上陸。多くの海兵と共に海賊と交戦していたが、ダグラス・バレットが覚醒させた能力を使用して誰も手出しが出来ないほどの巨躯に変貌。更にバスターコールが発動されたことで撤退を余儀なくされ、スモーカーの指示もあって軍艦まで撤退した。
ルフィたちによって騒動が収まったあと、スモーカーたちと共に改めて海賊の検挙を行った。
FILM RED
ウタのライブが開催される島にヘルメッポと共に潜入。
彼女の能力によって「ウタワールド」に取り込まれるも、同じ世界政府側であるCP‐0のブルーノ、さらに麦わらの一味やビッグ・マム海賊団、ロッキーポート事件で関わりのあったローとも協力し、一時的に「ウタワールド」側の司令塔を務めるなど、最終決戦まで戦い抜いている。
また公開後に放送された映画連動企画「伝説の記録!赤髪のシャンクス!」ではウタの父親とされるシャンクスについて、頂上戦争で結果的に自身の命の恩人となったことから「ただの海賊と呼ぶには大きすぎる存在」と、どこかルフィと重ね合わせていた。
海賊無双4
DLCキャラクターとして登場。まだ詳しい戦い方が明らかになっていなかった為、部下の海兵を指揮する戦い方をしていた。
余談
- 夢
ちなみに初登場時の夢は「海軍将校になること」。将校とは少尉以上の階級を指すためその夢は達成したといえる。そしてルフィとの再会の折に、新たに「海軍大将になる」ことを目標とすることをルフィに告白し、敵として会った時には互いに全力でぶつかることを誓い合った。
この後、マリンフォード頂上戦争で実際にルフィと敵として相対することになるが、「剃」を使用するも「ゴムゴムのブレット」の一発でKOされてしまった。(この時コビーはルフィと戦う寸前に『あの人を殺すつもりでやるんだ!』と覚悟を決めていたがルフィは迷うことなくコビーに対して攻撃を加えている。実力云々というより覚悟の差が大きかった)
この屈辱はコビーにさらなる精進を極めるモチベーションとなり、2年後は見聞色の覇気を使いこなせるまでに成長している。
- 誤植
ワノ国編にて、ジャンプ掲載時にコビーの階級が「少将」になる表記ミスが発生したが、単行本では「大佐」に修正されている。
※以下ネタバレ注意
- ワンピース争奪戦
連載27周年の節目となる2024年31号に掲載された1121話にて、Dr.ベガパンクの遺言配信において「それをジョイボーイが望む者が手にするとは限らない」「それを手に入れる者に世界の運命は委ねられる」と明言され、見開きのページに四皇を筆頭にワンピースを狙っているであろう各面々が描かれ、その中にコビーの姿があった。
コビー自身もワンピースの正体には薄々勘づいている様子で、それを「大変な結論」と位置付けている。
ワンピースを目指すとなれば、ルフィはもちろんのこと前述の見開きページにおいては赤犬の姿もあったため、少なからず遺恨のある赤犬とも同じ海軍とは言え立場を違える形で争う事になる。
最初期キャラクターの中でも、シャンクスと同様に要所要所でのみの出番ばかりであったためこれから更にコビーの活躍にも注目が集まる。
なお、奇しくも31号の発売日がワンピースの日と周年号が重なったため、件の見開きページには往年のファンからもサプライズとして非常に盛り上がっている。(シルエットのみの謎キャラクターも話題になっている)
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雑用時代
2年前
2年後
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