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丸眼鏡

まるめがね

眼鏡のわくが丸い眼鏡 (専門用語ではラウンドと呼ばれる。玉型が真円または極めて真円に近いもの)
目次 [非表示]

主に黒縁のものについて記載する。


眼鏡の歴史から編集

視力を補正するための器具は古来より存在していたが、本格的な「眼鏡」と言う道具が生まれたのは13世紀のイタリアであるとされる。

当初は今のように合理性に欠け、手に持ってあてがう形であったり、紐でもって顔に固定するものであった。そしてそれらの古の眼鏡は、レンズをはめ込むフレーム部分が円形になっていた。即ち、丸眼鏡・ラウンドと呼ばれるタイプのフレームは、眼鏡の始祖の末裔とも言える。近代になり、弦を耳にかけて気軽に着脱できるようになっても、かつての眼鏡とは視力矯正だけが目的であり、現代のように多彩なフレームを選んで愛用するようなファッション性、また凝ったフレームを作る技術力も無く、当たり前のように丸眼鏡が用いられていた。セルロイドまたは金属製で折り畳んで使用できる、現代的な眼鏡の形ができてきたのはおよそ明治辺りからで、それ以降から昭和にかけて活躍した著名人がかけている眼鏡も大抵が黒縁の丸眼鏡である。

「眼鏡の始祖」「昔の人が愛用していた」と言ったイメージから、クラシックな雰囲気や伝統の香りを漂わせる独自のフレームであり、個性的でありながらも懐古趣味や偉大な先人への憧れから、このフレームの眼鏡をかけたがる、または実生活でかけている、謂わば丸眼鏡ファンは少数派ながら根強く存在し「丸眼鏡研究会(略称丸メ研)」と言うグループも存在している。多くの眼鏡店では「需要が無く、売れない」と言う理由で丸眼鏡を取り扱わない中、丸メ研では多数のフレームを開発した実績があり、それらの取扱店を紹介する事で「丸眼鏡志願者」への橋渡しとなっている。


有名人編集

特に黒縁のものは国内の作家に愛用者が集中している。近代文学では坂口安吾、檀一雄など無頼派の一派に2人が存在。彼らの時代では黒のセルロイドのものぐらいしか選択肢が無かったものと思わるが、現代に於いてもでも大江健三郎、井上ひさし、高橋源一郎と、とにかく作家に集中している。黒丸眼鏡は金縁・銀縁よりもインパクトが強く、ポリシーを貫く事が職業のうえで欠かせない作家業では、強い個性をアピールしながら知性をものにするためのアイテムなのかも知れない。


他、後年は必ずしも黒縁ではなかったものの昭和天皇は若かりし頃より眼鏡を着用なされ、晩年まで本項にて扱うような丸眼鏡を用いられた。


漫画の記号として編集

やはり、眼鏡にファッション性があると考えられなかった時代では、少年漫画などで眼鏡キャラを表す簡単な記号として、目の回りを丸く囲う形での丸眼鏡が見られる。この場合、弦が省略されている事も多い。当時は現在のように洗練された画風や眼鏡萌えどころかキャラ萌えの概念も無く、眼鏡は単なる記号である。そしてその記号は大抵は運動音痴やマイペースすぎて劣っている駄目なキャラクターに用いられる。その代表格が野比のび太丸出だめ夫だったりする。

特に国内では「丸眼鏡=のび太」のイメージが根強く、そのために丸眼鏡、ことに黒縁が敬遠される理由にある。しかし近年ではハリー・ポッターが優秀な魔法使いであり大長編で主人公を務めていた事から、ハリーのイメージが強くなりつつあり、ファンが黒丸眼鏡に関心を持つ事も(実写映画で見事にかけこなしていたと言う印象も大きい)。

とは言え、現代で黒丸眼鏡をかける場合、ともすれば漫画チックになると言う理由から、選ばれる機会は少ない。黒丸眼鏡をかける事で印象が「プラスのイメージを内包した個性派」になるか、浮いてしまって「可笑しい、眼鏡をかけこなせず眼鏡にかけられている」で終わってしまうかは、偏に身に着ける者の風貌とこだわりにかかって来ている。軽い気持ちでかけるのでは無く、試着で徹底的に吟味して、自分の風貌や性格に合っているかを見定めて作るべきであろう。黒縁でキャラが濃すぎる場合は金縁・銀縁、さらにはツーポイント(縁無し)に変えるだけで印象はかなり自然になる。


試着の重要性と利点編集

丸眼鏡は簡単にかけこなせるように見えて、実は玉型が横長のフレームと違い、丸い玉型の中心に目を納める事が重要になってくる。目鼻の距離と眼鏡の規格が合わないと、レンズの真ん中に目が合わず、目がフレームの中心より離れすぎていたり、また寄りすぎていたりすると、どんなに良いフレームも台無しになる上、機能も発揮できない。通販ではフレームの詳細な寸法は書かれているが、やはり丸眼鏡が本気で欲しいのなら在庫の豊富な取扱店を探した上で、眼鏡屋さんのアドバイスを受けながら何種類かのフレームを試着させてもらい、自分の顔に合致する逸品を選び抜く事である。また、丸眼鏡ならではの大きな特徴(利点)として「フレームが視野に干渉してこないため、鬱陶しさが少ない」ことがある。この自然なかけ心地は体験してみて損は無い。


一山フレーム編集

説明してきたように、黒丸眼鏡はレトロまたはモダンな印象があり、眼鏡の始祖たるクラシックなフレームである。その魅力に取り付かれた丸眼鏡ファンには「一山(イチヤマ)」と呼ばれるタイプが非常に人気である。ブリッジ部分にある鼻当てのパーツが無く、純粋に一本きりのブリッジを鼻筋に乗せて支えるもの。これはもちろん、まだ複数の素材を使った鼻当てなどのパーツが作れなかった前時代の丸眼鏡を再現しているもので、極めてシンプルな構造になる。相当な丸眼鏡ファンになると、どこまでもシンプルさを追求する傾向がある。


豆知識・1編集

丸眼鏡、とは言うものの、実は大抵のフレームはよく見ると気付かない程度の楕円形になっている。真円だと、はめ込まれたレンズが回転してしまう。とは言え、それも利便性の話であり、一山と同じく「真の丸眼鏡」を求める人達は真円であるかにこだわりを持つ場合も多く、前述の丸メ研も真円のフレームを開発している。


豆知識・2編集

よく黒い丸眼鏡を一緒くたにロイド眼鏡と呼ぶきらいがある。この呼び名は確かに黒い丸眼鏡がトレードマークであった往年の喜劇俳優ハロルド・ロイドに由来するものだが、ロイドにはセルロイド製の、と言う意味かかかっているとも言われるため、黒ければ材質問わずロイド、ロイドと呼ぶのはモグリである。

ゲーム「MOTHER」一作目に登場するメカニックの少年ロイドもフィギュア等を見るに、分厚い丸眼鏡をかけている。また、眼鏡キャラからの連想でこのような名前になったと思われる。


海外での丸眼鏡編集

ジョン・レノンの銀縁、スティーブ・ジョブスのツーポイントなどが有名。海外ではラウンド型は昔からある定番、と言う位置付けで愛用者が多い。特に日本では玉型(レンズをはめ込む部分)が大きなものが多いのに対し、欧米の人はきっちりと目が収まるサイズの小さな玉型のものを使用している人が多い印象を受ける。

日本では垢抜けないと言うイメージだが海外では実にスタイリッシュであり、ハリウッドスターも映画などでよくお洒落にかけている。


萌えとしての丸眼鏡編集

アンダーリムと並びよく見られる。現代では少年漫画の「駄目なキャラクター」から美少女の萌え属性に昇華している。しかし、そこにはやはり丸眼鏡である意義は無く、眼鏡をかけています、と言う記号としての扱いが色濃い。それでも大きな瞳をきれいに囲む丸眼鏡には(駄目キャラの記号を引きずって?)親しみや愛嬌がある。また、眼鏡が光を反射して真っ白になる演出は丸眼鏡だとよく目立ち、いかにも何か企んでいるような妖しさを醸し出す(ヘルシングの各キャラやセーラームーンSの土萠教授などによく現れている。まんが道でも眼鏡のレンズを残して暗転するような演出があるが、あれは言葉にできない気まずさや絶望感などの描写で使われる)。

自分で絵に描く場合は、縦長の瞳ならばうまく瞳の周りにフレームを描き込みやすいが、横に切れ長の目だったりするとバランスの取り方がうまくいかなかったりする。


丸眼鏡で有名なブランド編集


OLIVER PEOPLES

(オリバーピープルズ。日本、海外問わず支持されている高級メガネブランド。)

EYEVAN

(アイヴァン。日本初のファッションアイウエアブランドということもあり、丸メガネの種類も豊富)

John Lennon

(ブランド名の通り、ジョン・レノン復刻モデルが売り。やや安価と言われる)

Zparts TITAN

(鯖江の純国産ブランド。ラインナップに一山含め必ず丸眼鏡がある。)

Lunor

(ルノア。スティーブ・ジョブスが愛用していたドイツのブランド)

カメマンネン

(やはり鯖江の純国産老舗ブランド。非常に古い歴史を持つだけに、本物)

大正ロマン

(名前の通り、その時代の丸眼鏡を現代に甦らせたようなラインナップが魅力)

TRACTION

(非常に個性的なフレームを作っており、その中に丸眼鏡も含まれている)

白山眼鏡店

(特に前面に出している訳ではないが、ジョン・レノンに眼鏡を提供した事で有名)


関連タグ編集

(メガネ めがね) 創作  ラウンド型


他の種類編集

アンダーリム ナイロール 縁無し眼鏡 老眼鏡

鼻眼鏡 or 鼻メガネ 瓶底眼鏡 or ぐるぐる眼鏡 丸眼鏡 ハートメガネ

赤眼鏡 黒縁眼鏡 黒眼鏡 サングラス 色眼鏡 3Dメガネ

ゴーグル バイザー 水中眼鏡 モノクル or 片眼鏡 ナイトビジョン 暗視ゴーグル


などなど

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