「いいかお前ら 海賊なんて… 最低だっ」
概要
本作の世界の均衡を司る三大勢力の一つ海軍本部に所属する軍人。
元々は「1・2のジャンゴ」の異名で知られる海賊であり、一時は「クロネコ海賊団」の2代目船長まで務めていたが、シロップ村での麦わら海賊団との攻防戦で敗北後、紆余曲折を経て海軍本部大佐(当時)のヒナの直属の部下となる。
最後に登場した際の階級は「三等兵」で2年後である現在は少佐だと判明した。
プロフィール
本名 | ジャンゴ |
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異名 | 1・2のジャンゴ→寝返りのジャンゴ |
年齢 | 27歳→29歳 |
身長 | 207cm |
懸賞金 | 元900万ベリー |
所属 | クロネコ海賊団副船長→船長→海軍本部三等兵→少佐 |
所属船 | 元ベザン・ブラック号 |
出身地 | 東の海 |
誕生日 | 12月28日(1・2・ジ(2)ャ(8)ンゴ) |
星座 | やぎ座 |
血液型 | S型 |
好物 | キノコのスパゲティ |
初登場 | 単行本3巻 第25話『ウソ800』 |
CV | 矢尾一樹、高木渉(劇場版短編作品、代役) |
人物
容姿
ウェーブのかかったグレーの長髪、厚い唇が特徴。常にハートマーク型のサングラスをかけているが、後に実は目の輪郭そのものがハート型という変わった風貌が明らかになった。また、顎から生えている縞模様の物体はキノコ(の食べ残し)であり、ダンサー時代に食うに困って口にして(非常にマズかったらしい)以来、催眠術を開花させている。
海賊時代
原作登場初期の海賊団船長時代は、袖や肩当て、胸元にリング状の装飾が施された紺色のロングコートと、同じ色味の中折れ帽子を着用。おそらくモデルはアメリカの歌手マイケル・ジャクソンであり、腹部と頭に手を当てたポーズやムーンウォークなど、マイケルを彷彿とさせるしぐさを随所で披露している。
ミラーボール島
扉絵連載『ジャンゴのダンス天国』において、流れ着いたミラーボール島(アイランド)にて海軍の追跡をやり過ごすために変装した姿。普段とは違うデザインのサングラス、胸元を開いたセクシーなシャツを着用。顎のキノコは黒く塗ってヒゲに偽装している。
海軍入隊後
海軍ロゴの入ったチューリップ帽にジラフ柄のシャツにネクタイとオシャレな出で立ちだが、海軍では一等兵以下は制服・制帽の着用が義務付けられているため堂々たる軍規違反である。
性格
元は海賊なため、基本的に粗暴な言動を用いており、当初は計画遂行のためなら仲間も犠牲にし、女子供も殺しに掛かる残忍さも見せていた。実際、クロの計略のために仲間である船大工のヌギレ・ヤイヌに催眠術をかけたり、「俺達追われるようなことしているから」「自分ならさっさと襲撃して皆殺しにして乗っ取る」とクロに対し突っ込みを入れている。
一方で、(ジョークなのか素なのかは不明だが)自身の発言と逆張りした言動を取ることが多々あり、その都度周りからツッコまれている。また、海賊より以前はダンサー志望だった経緯もありダンスをこよなく愛しており、ダンスを通して意気投合した海兵フルボディのために助けに駆けつける人情味もみせている。
フルボディ共々、上官のヒナに対して恋心を抱いており、それを完全に曝け出しているが、ヒナには実力を含めて部下として認められてこそいるが恋が実る気配は全く見られない。
能力
幾つものチャクラムを武器として懐に隠し持っており、これを投擲して相手を攻撃する。チャクラムの斬れ味は鋭く、ものの数分で小さな林を丸坊主にしてしまえる。
また、そのチャクラムを糸に繋いで振り子代わりにし、催眠術を掛ける事も出来る。むしろこれがジャンゴの真骨頂であり、催眠術師としての腕は文句無しに高い。手法は、相手に振り子を見つめさせながら「ワン・ツー・ジャンゴ!」の合図で相手がどのようになるのか暗示をかけるという至ってシンプルなもので、顔を見合わせながらならまず間違いなく催眠にかかってしまうほどだが、あまりに強力すぎて度々自分にまでかかってしまう。発動の直前に帽子のつばで顔を隠し、自分の催眠に抵抗する技を身に着けたのはごく最近のことらしい。
相手を眠らせるだけでなく、自身の言葉通りに行動させたり、記憶を改竄したりと様々な用途で使用されている。中には、仲間である海賊団の船員たちに一斉に催眠をかけて凶暴化させ、麦わら一味にけしかけるなどの応用も見せていた。ただし、当然ながら相手が振り子を見ていないと催眠にかけられないため、手の内を知った相手に目を瞑られて回避されることも。
なお、催眠術が使えるようになったのは、顎に生えてきたキノコを食べてかららしい。この時のキノコの味は大変不味かったらしく、今でも食べ残した茎の部分が顎に残ったままになっている。新種の悪魔の実か何かだったのだろうか?
戦闘には関係ないが、元々ダンサーを志望していたこともあってダンスが大得意。その実力はほぼ飛び入りで参加したダンス大会でしっかり優勝してしまうほど。ムーンウォークもお手の物で初登場時もムーンウォークで歩いていたところをたまねぎに発見されて大騒ぎになった。
作中での活躍
海賊として
本編の3年前、「クロネコ海賊団」の副船長であったジャンゴは、海賊稼業に嫌気が差し船を降りることを決めた初代船長“百計のクロ”に協力し、撃破した海軍一団のとある生き残りと、クロに風貌の似た船員にそれぞれ催眠術をかけ、クロの逮捕を偽装する。晴れて賞金首としての束縛から解放されたクロは、その後、資産家の娘であるカヤに接近し、その財産を略奪するために執事の「クラハドール」として潜伏。ジャンゴは繰り上がりにより(表向きは)2代目船長として海賊団を率いるようになる。
3年後、クロの謀略が成熟に差し掛かり、彼のカヤ暗殺計画(クロに財産を分配する遺書を書かせた上で殺害する)を遂行するべくシロップ村に上陸。しかし、カヤの幼馴染であるウソップや同時期に上陸していたモンキー・D・ルフィ達に計画を知られ、彼らによる海岸での迎撃で海賊団とクロは敗走。自身もカヤやウソップ海賊団(にんじん、ピーマン、たまねぎ)、そしてゾロの協力を得たウソップの抵抗を受け気を失ってしまう。気がついたときにはクロと部下たちはすでに退散しており、シロップ村に一人置き去りにされてしまった(もっともクロは元々カヤを殺害した後、口封じのためにジャンゴ含むクロネコ海賊団も始末するつもりであったので、結果的に命の危機から免れたとも言える)。
その後シロップ村で食事をしていたところをたまねぎに見つかり逃走、3人の子供たちに追われながら、小舟で島を脱出した。
…なお、この航海中、かつて自らの催眠術によって性格を狂わせたモーガンとニアミスしているが、お互い昼寝をしていたため気付くことはなかった。
フルボディとの出会い
航海の末に“「東の海」の流行発信地”ミラーボール島に流れ着くも、この地においても海軍が自身の捜索を行っていたため変装することに。装いを変えなんとか正体を隠したが、偶然発見したダンスコンテストに惹かれてうっかり飛び入り参加。ちゃっかり決勝まで勝ち進み、すっかり追われていることも忘れて白熱し、しっかり優勝してしまう。
決勝の相手だった海軍本部大尉フルボディと(お互い正体を知らず)意気投合し酒を酌み交わすも、部下の海兵がジャンゴの服を発見したため島内の警戒体制が強まってしまう。そんな中、ユリカー率いるチューリップ海賊団が島に上陸、混乱に乗じて一般人と紛れて逃亡し、自身の正体にも気付けぬ無能な海兵を嗤いながらそのまま島を離れる…
…はずだった。
チューリップ海賊団が一般人の女性を人質にしたため手を出せなくなったフルボディのピンチに、ジャンゴはその正体を明かして救援に入る。その後は二人でダンスのように華麗なコンビネーションで海賊たちを一網打尽にする大活躍を見せ、島民からは「二人のダンスヒーロー」として囃し立てられた。
しかし、海兵という立場上、賞金首の海賊であるジャンゴをフルボディたちは見過ごせず、ジャンゴはその場で逮捕。海軍本部裁判所にて縛り首の刑が科せられてしまう。しかし、この判決にフルボディとその部下たちが異議申し立てのダンスを披露。いつしか裁判所のボルテージが上がり、傍聴人や裁判官までもが踊りだし、結果ジャンゴは無罪放免、フルボディは大尉から三等兵へ9階級降格処分となった。
海兵へ転身
無罪判決後、再び海に旅立とうとするジャンゴはフルボディに別れの握手を求めるが、やはりその立場上、決して相容れぬ関係だと拒絶される。苦しむ二人は、いっそ催眠術でこれまでの友情を忘れようとするも、偶然通りかかった海軍大佐ヒナに一目惚れし、共に彼女の部下になった。
以後は海兵として生活しており、アラバスタでの麦わらの一味の拿捕やキューカ島でのバロックワークス残党狩りなどに参加している。マリンフォード頂上戦争にも参戦したが終始これといった活躍の機会は無く、最終的にはルフィが無意識に発動させた覇王色の覇気によって意識を失ってしまう。
第2部でもヒナの部下に就いているらしく、彼女の為に花束を用意していた他、世界会議開始後は本部で他の将校と食事を兼ねた休憩をしていた。
ジャンゴのダンスカーニバル
劇場版『ねじまき島の冒険』と同時上映された短編。
なんと同エピソードでは主役を務めている。
表紙連載にも登場したミラーボール島にて海軍大佐率いる部隊に発見され、偶然にも島に上陸していた麦わら一味も同じく追走されることになる。ルフィたちが高台から飛び降りた拍子に島の巨大なミラーボールが振り子のように振られ、咄嗟にジャンゴはMCのマイクを奪って島の人間全員に「倒れるまで踊り続ける」催眠術を発動。Folder5の『READY!』に合わせて島民・海軍・麦わら一味共々、夜通し踊り続けることになる。明朝には、あのゾロですら疲れ果てて倒れたにもかかわらず、ジャンゴとルフィだけは依然ダンスに興じていた。
余談
何気に元海賊が海兵になるという異例の経歴の持ち主(後に事情や実態は異なるが、似たような経歴を持った者達で構成された海軍組織は登場している)。
逆に海軍から海賊になったり、初めから海軍にいながら汚職に手を染める者が結構いる中で真面目に海兵としての職務を遂行し、新世界編では相方共々少佐に昇進するなど、結果的に海軍の方が性に合っていたのかも知れない。もちろん相方や上司にも比較的恵まれた上でジャンゴの人柄がそれらに適合できるものだったという事も大きいだろう。
TVアニメ版で声を担当する矢尾一樹氏は、同アニメでは以降他にもMr.2/ボン・クレー(ベンサム)、フランキーなどを演じており、3名とも声だけでなく「踊りが好き」というところまで共通している。また、何気にそれぞれにキャラクターソングが存在してたりする。
劇場版では上記の通り高木氏が担当しており、アニメでは1121話にて当時体調不良だった矢尾氏の代役として担当することとなった。高木氏がジャンゴの声を担当したのは実に23年ぶりの出来事である。
また、作中には彼の他にも強力な催眠術を使うキャラクターとして、バロックワークスのミス・ゴールデンウィーク(マリアンヌ)が「カラーズトラップ」という絵の具を使った催眠術を使用している。