概要
本作の世界の均衡を司る三大勢力の一つ、海軍本部に所属する軍人。
元々の階級は海軍本部大尉(支部の大佐と実質同格)というまあまあの地位で自分の部隊も持っていたが、とある一件を経て雑用同然の下っ端「三等兵」に降格。
以降は同じく本部所属の大佐(当時)ヒナ直属の部下として元気に勤務している。余程頑張ったのか、2年後現在は少佐まで出世した。
名前の由来はワインの中でも味や香りが特に濃厚とされる「フルボディ」から。
プロフィール
本名 | フルボディ |
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異名 | 鉄拳のフルボディ→両鉄拳のフルボディ |
年齢 | 26歳→28歳 |
身長 | 184cm |
所属 | 海軍本部大尉→三等兵(降格)→少佐 |
出身地 | 北の海 |
誕生日 | 9月7日 (ナックル=7,9) |
星座 | おとめ座 |
血液型 | F型 |
好物 | 赤ワイン(イテュルツブルガー・シュタイン) |
初登場 | 単行本5巻 第43話『サンジ登場』 |
CV | 石川英郎 |
性格など
ダンスが趣味(後述)で少々遊び好き・女好きのようだが海兵としての仕事は真面目に行っており、海賊相手には一切容赦しない一方でそのために市民を巻き添えにしない気概も持ちあわせる常識人。作中ではそうした弱点を利用され窮地に陥ったこともあった。
プライドの高さからいささか高慢気味なフシがあるのが玉にキズ。
能力
肉弾戦が得意なのかメリケンサックを愛用。大尉の頃は右手に装備していたが三等兵になってからは両手に装備。
賞金稼ぎコンビのヨサクとジョニーを瞬殺し、バラティエではテーブルを真っ二つに叩き割ってみせ、ミラーボール島ではたった一人でチューリップ海賊団相手に圧倒したりと、それなりの実力はあるようだが、サンジにはあっという間にやられてしまった。
降格後も、アラバスタ編にてバロックワークスの海賊船1隻を相棒のジャンゴと2人だけで落としている。またこの頃から両手にメリケンを装着しており、「パワーアップした」と自負している。…というか何故今までそうしなかったのだろうか?
活躍
東の海編
自身に挑んできたヨサクとジョニーを伸した後、ルフィたちの船であるゴーイングメリー号を大砲で沈めようとする(海賊旗を掲げていた以上、ルフィ達は立派な海賊なので正当な行動である)。
この時ルフィはゴムゴムの風船で大砲の弾を跳ね返すが誤ってバラティエに返してしまい暫くの間雑用をする羽目になってしまった。
その一悶着の後連れの女性と共にサンジの働いていた海上レストラン・バラティエにてランチタイムを楽しんでいた。この際飲んでいたワインを「このほのかな香りは北の大地ミッキュオの香りか…軽い酸味とコクのある辛口……イテェルツブルガー・シュタインだな!」と自信げに述べて目利き・食通を演出しようとしたものの……
「クソ違いますお客様」
実は事前にこのイテェルツブルガー・シュタインを指定していたため、狼狽えながらも「今日はちょっと舌が鈍ってるらしい…」と取り繕うフルボディ。事情を知らない周囲の客は「自信たっぷりに答えて見事に外した」おかしさを必死でこらえていたが、彼は仕返しすべくスープに虫を落とし、クレームを付けてバラティエの評判を落とそうと目論むも、サンジからアメリカンジョーク的な返しをされてさらに周りから失笑を買う。度重なる屈辱による恥ずかしさと怒りのあまり、フルボディはテーブルを叩き割って八つ当たりしたが、食べ物を粗末に扱ったことでサンジを激昂させボコボコにされた(サンジが副料理長と名乗ったにも拘わらずわざと大声でウェイター呼ばわりするなど、尊大な態度を取っていたのも怒らせた理由のひとつではある)。
まあ「金を払って食事する側」である客に対し、傍から見れば失礼な態度を取ったサンジにも全く非がないわけではないのだが……。
ともあれサンジの逆鱗に触れたフルボディ。 「海でコックに逆らうのは自殺に等しい行為だと覚えとけ 食べ物を粗末にすんじゃねェよ」 とギタギタにされ、政府に連絡を取って潰してやる……と脅しをかけるも 「じゃあここで息の根を止めとかなきゃな」 と更なる怒りを買ってしまう。見かねたコックたちがサンジを抑えて事なきを得たものの 「お前がどれ程偉いんだ…!!」 と本気の怒りで威圧され、ゼフからも「てめェさっさと出ていかねェか!!」と頭を蹴られ、パティやカルネらバラティエ従業員の海賊並みのガラの悪さと荒くれっぷりに慄く。そこに、部下のラインズ一等兵が店に駆け込んできて先日捕らえたクリーク海賊団のギンが脱走したと報告するが、直後にラインズが後ろからギンに撃たれる。その後、ギンがパティに制圧されているどさくさにバラティエから這う這うの体で逃げ出した。
GBCゲーム『夢のルフィ海賊団誕生!』ではクリア後のゲームオリジナルの追加エピソードで前述のバラティエでの一件を逆恨みしてゼフに難癖を付けて彼を一度逮捕するというゲスな一面を見せてしまっておりルフィからも「あんな卑怯者ぶっ飛ばしてやる」と怒りを向けられ、ゼフの救出に駆けつけた彼らに成敗された(このゲーム発売時は原作がそこまで進んでおらずフルボディの海兵として誇り高い一面が描かれる前だった為と思われる)。
扉絵連載『ジャンゴのダンス天国』
「東の海の流行発信地」と通称されるミラーボール島のダンスコンテストに参加して決勝戦まで上り詰め、参加者や観客も感涙するほどの白熱のダンスバトルを繰り広げるも惜しくも2位となる。
その後、決勝で戦った相手がクロネコ海賊団の(元)船長“1・2のジャンゴ”とも知らずに意気投合し、酒を酌み交わして互いに健闘を称え合う。程なくして、変装したジャンゴの衣服が発見された報告が入り、島内の警備を強化。
ジャンゴもこのときはじめてフルボディが海兵だと知り焦燥する。
そんな中ユリカー率いるチューリップ海賊団が島を襲撃してきたが、たった一人で(それこそ拳一つで)圧倒。しかし一般人の女性を人質にされたことで手出しができなくなり、一転して窮地に追いやられる……が、一度逃げ出しながらも戻ってきたジャンゴが加勢し形勢が逆転。ダンスを踊るかのような華麗なコンビネーションでチューリップ海賊団を撃破した。
ジャンゴがいなければ負けていたとはいえ、海賊は海賊。海兵としての責務もあるために見逃すわけにはいかずやむ無く彼を逮捕するも、抵抗することなく甘んじてこれを受け入れた(二人は表情に出さなかったが、内情を察した部下たちは号泣していた)。
そして海軍本部裁判所にてジャンゴの縛り首が決まったその瞬間、ダンスと共闘を経て強い友情が育まれていたジャンゴを見捨てられず裁判に乱入。共通の趣味として友情を育んだダンスも交えて必死の異議申し立てを行い、裁判所はかの島でのダンスコンテストのような大盛り上がり。その熱意とノリに裁判官をノせたこともあってジャンゴは無罪放免となる。
ただし『海軍本部の将校が討伐対象である海賊の助命嘆願を行った』という事実は軽くはなく、代償としてフルボディは三等兵に降格となった。
無罪判決後、再び海に旅立とうとするジャンゴはフルボディに別れの握手を求めるが、やはりその立場上、決して相容れぬ関係だと拒絶される。苦しむ二人はいっそ催眠術でこれまでの友情を忘れようとするも、偶然通りかかった海軍大佐“黒檻のヒナ”に一目惚れし、共に彼女の部下になった。
アラバスタ編
クーデターの計画が暴かれ逮捕された元王下七武海サー・クロコダイルの傘下であるバロックワークスの船一隻をジャンゴと二人だけで陥落。片や元本部大尉、片や元海賊団船長ということもあり実力は折り紙付きで、特に目立った外傷もなく、任務完了後に踊る余裕すら見せていた(それでもヒナは「遅い」と不満気であったが)。
その後は伝令を受けたヒナの命令で、海上にて麦わら一味と対峙。ルフィたちはジャンゴのことは覚えていたが、サンジは「左側のやつ誰だっけ…?」フルボディを思い出せず首を傾げていた。
その後
マリンフォード頂上戦争にもジャンゴ共々招集されているが、残念ながら目立った活躍はなかった。アニメでは、少しだけ出番があり、エース救出を目指すルフィの前にジャンゴとともに立ちはだかり、ジャンゴがルフィに催眠術を掛けようとするも、ルフィが目を離したことで失敗した上に逆に自分達が掛かって眠ってしまう。その醜態にヒナに蹴り飛ばされた上に、彼女の"袷羽檻"に巻き込まれてしまう。
しかし戦争を生き延び2年後に当たる新世界編でも相変わらずヒナの部下として相棒のジャンゴとともに行動しているようだ。
余談
アニメ版ではフルボディがスープを台無しにしてからの演出が結構変わっている。
- スープ
「ちょっとあの虫を取り除けば飲めたんじゃねェのか」の後「せっかく三日三晩…アクを取り取り作り上げたスープだぜ」と続く。
- 原作ではサンジは立ったままだが、アニメ版では片ヒザで座り、こぼれたスープに手を着けている。この時フルボディはサンジの手を踏んづけ、止めようとする連れの女性を突き飛ばすなど横暴さが増した。
- フルボディの自作自演とはいえ、虫が入ったスープを「取り除けば飲めただろ」と言うのも問題ではあるだろう。だがこれも直後(クリーク海賊団との戦闘中)に挿入された過去編にてただの当て付けではない事が示されている。
長くなるので詳しくは各自で見てもらうとして、かつてゼフとサンジは「何もない岩山」に漂着した事がある。そこから救助されるまでは約3か月に及び、その間サンジは1ヶ月近く食うや食わず、そこからの2か月は岩の窪みにたまる雨水で辛うじて生き延びた(ゼフに至っては自ら片足を潰して食った)のだ。
- 虫
ハエではなくちょうど足下にいたゲジらしき虫に。踏み殺してから落とした模様。
- ちなみにハエの方は「バッチー」という名前で公式ファンブック(『ONEPIECE Blue』)に紹介されている。誕生日は7月1日で、ハエ目短角亜目イエバエ科だとか。
- テーブルを叩き割るシーン
原作では無言だが、アニメ版は 「フザけるんじゃ…ねェーーっ!!!」 と叫んでいる。
- その代わり原作セリフの「このおれが誰だかわかってねェらしいな…」と「おい!!サンジさんを止めろ!! やめるんだ副料理長!!」がカットされ、コックたちはサンジがフルボディをシメた直後に来たような描写になった。
まあバラティエは"来店"した海賊と荒くれコックとの乱闘が日常茶飯事なので、多少の騒ぎがあったところでいつもの事だと気にしてなかったか、単に忙しいので様子を見に行く暇がなかったかのどちらかだと思われる。
- その他
「金ってのは腹のたしになるのかい?」「腹のたしになるのかって聞いてんだよ……!!(アニメ版の追加セリフ)」と「海でコックに逆らうのは自殺に等しい行為だってのをよく覚えておくんだな」の間に、ゼフがゴネるルフィを蹴り飛ばし「いやだいやだで渡っていけるシャバだと思うなよ若造」と叱るシーンが挿入されている(原作では「海でコックに~」の後。なお「海で~」と「食いモンを粗末にすんじゃねェよ」も前後が入れ替わった)。
この2つはほぼ同時に起きていたため、フルボディをシメる演出の代替も兼ねていると思われる。
- おんぼろ軍艦
その後のアニオリエピソードとして追加されたのは、上記の失態から海軍本部の名誉を著しく傷つけたとして本部大尉の地位を降格され、辺境の海のガラクタ部隊(しかもやる気のない部下達とオンボロ軍艦)の指揮官へ左遷されたフルボディというオリジナルエピソードが追加されている。
- 蹴ったゼフも所詮元海賊
原作44話にてゼフに蹴り飛ばされたフルボディだが、読者の中にはカネちゃんと払ったフルボディを蹴ったのはやりすぎ?と思う人もいるであろう。
しかし、ゼフ自身元海賊。たしかにカタギに簡単に手を出したらクズとしての悪評は当然だろうが、フルボディ自身ルフィに不意討ちしたり、サンジに横柄した道徳心の貧しさであり、中身は海賊くさくも感じる。一応ゼフはサンジを制裁したとはいえ、そのサンジが怒るくらいの横柄を察知した上で蹴った件は原作68話でも描かれている。
まして、フルボディ自身現役海兵な点も、ゼフを「カタギいじめするような真性のクズ」にしないためにやむを得ない要員だったともいえる(強制力ある徴兵制度ならばともかく、ワンピースの海軍は志願兵制度。「自分で選んだ自由への責任」である。)
ゼフ自身容赦なく蹴ったとはいえ、さっさと帰れで済ませており、今ここで息の根止めようかと威圧したサンジ(いわゆる「生きて返さねえ」の類)よりかはある意味マシと考えれば器は広いといえるかもしれない。
関連タグ
ヴィンスモーク・ニジ・ワンゼ・バラティエのコックの皆様:サンジの目の前で食べ物を粗末にした人たち。ただしコック達はサンジの旅立ちのためにあえてそうした。
ヘルメッポ:本作で食べ物を粗末にした人第一号(この時点ではサンジはまだ登場していない)。